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ACキャラバトルロワイヤル番外編 風雲サタン塔SUN

1 :ゲームセンター名無し:2005/05/23(月) 01:47:55 ID:Q/AdfeZs
アーケードゲームキャラ達によるもう一つのバトルロワイアルを描く、リレー小説スレッドです
本家アケロワの番外編「風雲サタン塔」ですので、アケロワおよびかさぶたとは区別してください
基本的にsage進行です

前スレ ACキャラバトルロワイヤル番外編 風雲サタン塔通
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/arc/1109591868/

前前スレ ACキャラバトルロワイヤル 番外編
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/arc/1107693852/

感想スレ 風雲サタン塔感想スレ通
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/arc/1108135371/

風雲サタン塔専用お絵かき掲示板
ttp://bbs1.oebit.jp/satan/

●主催者はサタン様
●優勝者は何でも好きな願いを一つ叶えてもらえる
●人が死ぬ話はとりあえず禁止の方向で
●やむを得ず死亡してしまった場合はリタイヤ扱い(あとでサタン様に生き返らせてもらえます)
●誰かを殺してしまったキャラも強制リタイヤ&サタン様のおしおき

●二回戦
いよいよ本戦開始!サタン塔一階大ホールにてバトルロイヤル形式のタッグ戦だ!
43組86名の選手が4+αのゲームで激突する!

詳細なルールは>>2以降にあります

2 :ゲームセンター名無し:2005/05/23(月) 01:48:55 ID:Q/AdfeZs
二回戦ルール

・2VS2のタッグバトル。一度組んだチームは変更できない。
・会場内をチームごとに組んで移動する。相手チームと遭遇して勝負の合意に達すると、
 黒子が出現してくじを引き、戦い方を決定する。
・戦い方は、麻雀、料理、ケンカ、クイズ、スペシャル(作者が考えていい)の5種。
 (戦い方は作者が決めるが、作中ではあくまでもくじ引きで決定すること)
・スペシャルくじは「サタン様が決める」「じゃんけんに勝ったチームが決める」
 「抽選に当たった観客が決める」 の三種があり、くじに書かれていた方法で競技が決められる。
 「じゃんけんに勝ったチームが決める」は最大のチャンスカードで、最も数が少ない。
・それぞれの戦い方ごとのステージへ移動し、戦闘開始。
・会場には観客席が併設されている。
 各ステージに観客席はないが、その様子は会場の巨大スクリーンに映し出される。
 各ステージにはスクリーンがないので、他のステージの様子はわからない。
・戦い方ごとのステージは、サタン塔内だったり、その外だったり、外国だったり何でもアリ
 作中での扱いとしては「サタン様の魔力で飛ばされた」「サタン様の魔力で作った特設ステージ」など。

・試合中に死亡者が出た場合、その試合は無効試合となる。
・他殺の場合(故意、過失を問わず)、死人の出たチームは失格となる。
 殺したチームは失格となり、ペナルティ(罰ゲーム)が与えられる。
・他殺以外の場合(自殺、病死、不慮の事故など)、死人の出たチームは失格となる。

3 :ゲームセンター名無し:2005/05/23(月) 01:51:10 ID:Q/AdfeZs
・それぞれの戦い方のルールは以下の通り(作品によって多少の変更もOK)。
 ・麻雀:ルール自体は本物の麻雀と同じ。最終的に合計得点が多いほうのチームが勝ちとなる。
     4人で一卓を囲んで打つ。座る位置はその場でじゃんけんなどで決めてもらう。
     バレなければイカサマはOK。脱衣は不可。
 ・料理:黒子からのお題に基づき、制限時間45分以内に両チームが料理を1〜3品ほど作り、
     その味や手際、盛り方の美しさを競う。
     チームの片割れだけが料理を作るというのはアリだが、食器並べでもいいので片割れも必ず働くこと。
     互いのチームで試食も行うが、毒とか味を変化させる魔法のアイテムとか盛ってはいけない。
 ・ケンカ:両チームから一人ずつリング(およびそれに類するもの)に上がり戦う。
      控えチームメンバーとの交代はいつでもOK。
      リングに上がっていない選手が戦ったり、リングに上がっていない選手を攻撃してはいけない。
      どちらか一人が倒れた時点で、そのチームの敗北となる。
      武器使用は認められる(格闘ゲームを基準に考える。戦車は重火器は禁止)。
 ・クイズ:黒子が出題するクイズに、チームごとに早押しで答え、5問先取したチームが勝利する。
      クイズのジャンルは何でもよい。たまにクイズでなく大喜利などが出題されてもOK。
 ・スペシャル:内容ごとに作者が決める。

・勝敗は黒子によって公平に判断される。基本的に引き分けはない。
・一度勝負したチームとは二度と戦ってはいけない。ただし引き分けだった場合はこれに限らない。
・二勝したチームは、その時点で二回戦突破となる。
 速やかに勝者控え室に案内され、会場には残れない。
・三敗したチームは、その時点で失格となる。
 速やかに会場外に連れ出され、会場には残れない。
・二回戦突破チームが21組になった時点で、残りのチームは全て失格となる。
 同様に、失格チームが21組になった場合、残りのチームは全て二回戦突破となる。

4 :ゲームセンター名無し:2005/05/23(月) 01:52:40 ID:Q/AdfeZs
二回戦会場の概要

・二回戦会場はサタン塔一階の大ホール。
 コロシアムのような構造で、円周上に観客席が設置されている。
・ホールの東西南北には1枚ずつ巨大スクリーンが設置されていて、
 各チームの試合やサタン様放送が映される。
・会場内は警備員が巡回しており、迷惑行為や観客の選手への妨害、助太刀を見張っている。
・塔2階には医務室、事務室、協議室、各競技のステージ、
 勝ち抜いた選手の控え室などがあり、必要に応じて選手が呼ばれる。
  医務室…負傷した選手や死んでしまった選手が連れてこられ、黒子による治療・蘇生を受ける。
  事務室…ルルーや警備員が詰めている。選手は基本的に来ない。
  協議室…反則やルール違反の疑いがあった場合に選手や審判を連れてきて協議する。
  勝者控え室…二回戦突破のチームが案内される。一度連れてこられたら会場には戻ってはいけない。

5 :ゲームセンター名無し:2005/05/23(月) 01:55:09 ID:Q/AdfeZs
チーム一覧(チーム結成順)

【セイ・エイジャ ファイ・エイジャ チーム結成 チーム名:凄いぜエイジャ兄弟】
【ダニー デミー チーム結成 チーム名:戦争ごっこで遊ぼうズ】
【エドモンド本田 キサラ・ウェストフィールド チーム結成 チーム名:キサラ部屋】
【嘉納亮子 出雲良子 チーム結成 チーム名:YAWARA!】
【熱血隼人 火引弾 チーム結成 チーム名:熱きサイキョーの男達】
【ユリアン アーデルハイド チーム結成 チーム名:弟より優れた兄などいねえ!】
【ローズ 風間葉月 チーム結成 チーム名:シスタープリンセス】
【水無月響子 リオン・ラファール チーム結成 チーム名:リヒトブラウ】
【梅小路葵 シャルロット チーム結成 チーム名:リヴォリューション】
【パックマン バブルン チーム結成 チーム名:たいとうみうし】
【アレックス パティ チーム結成 チーム名:親を捜して三千マイル】
【ゼン マイト チーム結成 チーム名:赤の他人】
【委員長 真田小次郎(香織) チーム結成 チーム名:リーダーズ】
【ひびき蘭 鷲塚慶一郎 チーム結成 チーム名:バンキシャ侍】
【ロボカイ 藤堂竜白 チーム結成 チーム名:娘のためなら死ねる】
【ベガ 矢吹真吾 チーム結成 チーム名:正義の味方シャドルー】
【八神庵 双子のケットシー チーム結成 チーム名:蛇猫の拳】
【花郎 コスプレイヤー京子 チーム結成 チーム名:ぷよまん組】
【李超狼 イグニス チーム結成 チーム名:宇宙高年化エレガント問題】
【九戸文太郎 リョウサカザキ チーム結成 チーム名:弟・妹に困ってます】
【九戸真太郎 風間あきら チーム結成 チーム名:クールボーイ&ガール】
【睦月ヒカリ ルガール・バーンシュタイン チーム結成 チーム名:希望のヒカリ】
【ドラコケンタウルス ロック・ハワード チーム結成 チーム名:ドラゴン・ドライブ】
【コンバット越前 ザッパ チーム結成 チーム名:KOT症候群〜赤い扉〜】

6 :ゲームセンター名無し:2005/05/23(月) 01:56:18 ID:Q/AdfeZs
【結城小夜 神楽ちづる チーム結成 チーム名:みこみこガールズ】
【シモン・ベルモンド ジョン・フーン チーム結成 チーム名:野望に果てなどない!】
【シェン・ウー ジョニー チーム結成 チーム名:S&J】
【蔵土縁紗夢 シェゾ・ウィグィィ チーム結成 チーム名 紗夢飯店】
【リュウ かごめ チーム結成 チーム名:しろいとりかご】
【雷武龍 ボイド チーム結成 チーム名:レッツ・ゴォ三匹】
【キム・カッファン アラン・アルジェント チーム結成 チーム名:キム先生の正義教室】
【橘右京 ディズィー チーム結成 チーム名:幸せなら手を叩こう】
【スペランカー マスクドサタン チーム結成 チーム名:僕らはいつも維新電信(意味不明)】
【タテハ 楓 チーム結成 チーム名:二重覚醒】
【アルル・ナジャ メイ チーム結成 チーム名:素敵なお友達】
【金大正(キム・デジョン) 神楽マキ チーム名:頭文字K】
【KUSANAGI ミルキーパイ(※ウサギのみるく) チーム名:兎―野生のクローン―】
【ジェフリー・マクワイルド 真尾まお チーム名:ウルルン共闘記】
【睦月カヤ レオナ・ハイデルン チーム名:閑静なチーム】
【豪鬼 ニーギ・ゴージャスブルー チーム名:豪禍絢爛】
【テリー・ボガード アミティ チーム名:帽子チーム】
【ロジャー・サスケ エリ・カサモト チーム名:ミリタリー忍者】

7 :ゲームセンター名無し:2005/05/23(月) 02:05:02 ID:Q/AdfeZs
二回戦進出選手

【バーチャファイター】 3名
 ジェフリー・マクワイルド  リオン・ラファール  梅小路葵
【ストリートファイター】 8名
 リュウ  エドモンド本田  M・バイソン
 火引弾(ヒビキ・ダン)  アレックス  ベガ  ユリアン  豪鬼
【ジャスティス学園】 5名
 委員長  ひびき蘭  風間あきら  熱血隼人  水無月響子
【KOF】 13名
 矢吹真吾  シェン・ウー(神武)  八神庵  神楽ちづる  神楽マキ
 ジョン・フーン(全勲)  レオナ・ハイデルン  コスプレイヤー京子  KUSANAGI
 ルガール・バーンシュタイン  イグニス  アーデルハイド  ローズ
【餓狼伝説】 3名
 テリー・ボガード  キム・カッファン(金甲喚)  ロック・ハワード
【龍虎の拳】 2名
 リョウ・サカザキ  藤堂竜白
【侍魂】 3名
 橘右京  シャルロット・クリスティーヌ・ド・コルデ  風間葉月
【月華の剣士】 3名
 楓  鷲塚慶一郎  真田小次郎(※真田香織)
【鉄拳】 3名
 雷武龍(レイ・ウーロン)  花郎(ファラン)  李超狼(リー・チャオラン)
【ランブルフィッシュ】 5名
 譲刃漸(ユズリハ・ゼン)  睦月カヤ  睦月ヒカリ  ボイド  アラン・アルジェント

8 :ゲームセンター名無し:2005/05/23(月) 02:07:12 ID:Q/AdfeZs
【ギルティギア】 6名
 ロボカイ  ディズィー  蔵土縁紗夢(クラドベリ・ジャム)  メイ  ジョニー  ザッパ
【サイキックフォース】 2名
 マイト  パティ(パトリシア・マイヤース)
【痛快ガンガン行進曲】 1名
 キサラ・ウェストフィールド
【闘婚】 2名
 九戸真太郎  九戸文太郎
【ワールドヒーローズ】 1名
 出雲良子
【ファイターズヒストリー】 1名
 嘉納亮子
【メタルスラッグ】 1名
 エリ・カサモト
【悪魔城ドラキュラ】 1名
 シモン・ベルモンド
【アウトフォクシーズ】 2名
 ダニー デミ
【デスクリムゾンXO】 1名
 コンバット越前
【式神の城】 6名
 結城小夜(ユウキ・サヨ)  金大正(キム・デジョン)
 ニーギ・ゴージャスブルー  ロジャー・サスケ  セイ・エイジャ  ファイ・エイジャ
【エスプガルーダ】 1名
 タテハ
【ソニックウイングス】 1名
 真尾まお

9 :ゲームセンター名無し:2005/05/23(月) 02:08:23 ID:Q/AdfeZs
【ポップンミュージック】 1名
 かごめ
【ぷよぷよ】 6名
 アルル・ナジャ  アミティ  ドラコケンタウロス
 ふたごのケットシー  シェゾ・ウィグィィ  マスクドサタン
【美少女雀士スーチーパイ】 1名
 ミルキーパイ(※ウサギのみるく)
【対戦ホットギミック】 1名
 雀犬
【パックマン】 1名
 パックマン
【スペランカー】 1名
 スペランカー
【バブルボブル】 1名
 バブルン

10 :ゲームセンター名無し:2005/05/23(月) 02:09:20 ID:Q/AdfeZs
試合状況まとめ

【無試合組み】
キサラ部屋  弟より優れた兄などいねえ! リヒトブラウ リヴォリューション
親を捜して三千マイル 娘のためなら死ねる 宇宙高年化エレガント問題 弟・妹に困ってます
ドラゴン・ドライブ KOT症候群〜赤い扉〜 みこみこガールズ 野望に果てなどない!
S&J しろいとりかご レッツ・ゴォ三匹 キム先生の正義教室 僕らはいつも維新電信(意味不明)
素敵なお友達 頭文字K 閑静なチーム 豪禍絢爛 ミリタリー忍者
【3回戦出場組み】
無し
【一勝0敗組み】
クールボーイ&ガール 幸せなら手を叩こう ぷよまん組 バンキシャ侍 戦争ごっこで遊ぼうズ 熱きサイキョーの男達
赤の他人 正義の味方シャドルー 兎―野生のクローン― ウルルン共闘記 (高等学校) (ゼン) (炎の体育教師) 
【0勝一敗組み】
希望のヒカリ 蛇猫の拳 たいとうみうし 二重覚醒 シスタープリンセス 凄いぜエイジャ兄弟 紗夢飯店
YAWARA! 帽子チーム リーダーズ (焔の煉瓦無式) (カヤ) (不揃いの林檎たち)
【1勝一敗組み】
無し
【0勝2敗組み】
無し
【一勝2敗組み】
無し
【失格組み】
無し

11 :ゲームセンター名無し:2005/05/23(月) 02:11:43 ID:+HQJYD4i


12 :芸術の彼方へ:2005/05/23(月) 05:45:08 ID:vYW/3d86

かりかりかり……。
鉛筆がキャンパスの上を走る音。それだけが辺りに響き渡る。

キサラ部屋VSS&J。
既に勝負は始まっていたのだがそれは余りにも静かな光景だった。

似顔絵対決。
タッグの組んだ相手の似顔絵を描き、出来栄えの良かった方が勝利という何とも地味な勝負方法だったのだ。
「うーん、どうも上手く書けねえ」
シェンが呟く。
鉛筆を握った拳が軽く描きかけのキャンパスを叩く。
「芸術って奴は眼で見るより心で感じろ、とかどっかの誰かさんが言ってたな。まあ、アンタの好きな様に描いてみることだ」
あまりにも難航しているシェンを見かねてジョニーは助言した。
「だぁー! 余計な台詞はいいから動くんじゃねえ!」


13 :芸術の彼方へ:2005/05/23(月) 05:46:19 ID:vYW/3d86

一方、キサラ部屋。
こちらは二人とも描き終えたのだが、相手が書いた似顔絵に何と言っていいのか判らなかった。
「キサラ殿、ワシはこんなにキラキラしてはおらんぞ?」
キサラの描いた本田の似顔絵。
特徴は良く掴めているのだがいかんせん少女漫画の様な絵になっていた。
ただでさえも派手な歌舞伎メイクなのに、キラキラした瞳などに変換させられたら、美的感覚もどこかにぶっ飛ぶ勢いだ。
「それを言うなら本田さんだって…その…」
対するキサラも本田の絵に微妙な反応を見せていた。
「…私、こんな顔なのかしら?」
それはそれはのっぺりとした画風、いわゆる浮世絵だった。

「おーし、出来たぜ!」
シェンはいかにも一仕事を終えた清清しい表情でジョニーに自分の絵を見せた。それを見たジョニーの表情が僅かに引きつった。
そこに描かれていたものはもはや上手いとか下手だとかそういう問題ではなかった。
雑にひかれた直線と曲線と図形を合わせて、その上から色を置いただけの代物。
それ以前にこれは人なのか何かの物体なのか、まともな芸術センスの持ち主ならそう思うだろう。

14 :芸術の彼方へ:2005/05/23(月) 05:48:12 ID:vYW/3d86
「どうだ! この会心の出来は!」
「………」
「アッシュ辺りが見たらンワーオとか言いながら驚いてぶったまげた所だろうな、ぶははは!」
確かに驚くだろう、別の意味で。
「一つ、質問だ。一体これは何を描いたものなんだ?」
「はぁ? 見れば判るだろ、お前の似顔絵だ!」
ビシッ! ビシッ! ビシッ!
途端、ジョニーの放ったコインがシェンの額に直撃した。
「痛えぇっ! 何しやがんだテメェ!!」
シェンは額を押さえ、ジョニーを睨み付けた。だがジョニーは頭を抱えているばかりだ。
「仕方がねえ、久々に本気を出すか」
ジョニーは少し不満気に表情を歪めると、大きく溜息を吐いた。
そして刀に手を伸ばした刹那。

シュパパパパパパパ!!!
音速を超える勢いで刀が舞う。
一瞬の間、刀を鞘に戻しジョニーはこう呟いた。
「……それがアンタの顔だ」
ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
そしてそこにはシェンの顔そっくりの切絵が現れた。
「…す、すげえ。これが芸術って奴か」
あんぐりと口を開けながらシェンはそう呟いた。

そしてそれはS&Jの勝利が決まる瞬間だった。

○S&J(一勝)【スペシャル(似顔絵対決)】キサラ部屋(一敗)●


15 :BOSS 1/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/05/24(火) 19:09:54 ID:CtNuteMU
アーデルハイドは今だ会場で組んだタッグの偵察をしていた。
「どうやらもう何組かのタッグは既に試合をしているようだな」
試合の様子はスクリーンで見たがあれだけでは実力がわからない。
(だが、試合をしなくては前には進めない。例え、強豪と当たっても自分を鍛えるいい機会だ)
アーデルハイドはスクリーンを見ているユリアンに声をかける。
「ユリアンさん、そろそろ私達も対戦相手を……」
「……フ」
「?」

「フ……フハハハハ……ア”ーハッハッハッハ!!」
「ゆ、ユリアンさん!?」
突如例の笑い声を上げたユリアンにアーデルハイドは戸惑った。
というより、周囲の注目を浴びる結果になるのでどちらかといえば恥ずかしさの方が先行したかもしれない。
「何だあの二人の醜態は!!あれがボスとは笑わせてくれる!!!」
高らかに笑うユリアン。勿論例によってフンドシ姿。
参加者の中には関わりたくない様にさっさとその場を去る者も居ただろう。

「ルガールは頭の悪い能無し小娘に振り回され、ベガは出来の悪い阿呆部下が一人増えただけではないか!余が手を下すまでもない!」


16 :BOSS 2/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/05/24(火) 19:12:16 ID:CtNuteMU

「………」×2

ほぼ同時に少女が二人、ユリアンの前に行こうとした。
今なら五百弐拾四式・神塵(未完成)を余裕で出せそうな形相の少女。
絶対零度の様に冷たくなった眼が、俯いていた為か日本人形を思わせる髪の下に隠れていた少女。
その二人の腕が同時に引張られる。

「離して下さい、えーと……花朗? さん!」
「待て京子、何となく気持ちはわかるがとにかく落ち着け!って今度は疑問系かよ!」
「公共の場での過激なコスプレは厳禁なんです!それを注意するだけなんです!別に京様の代わりに何か言ってやるだなんて思ってないです!」
「嘘つけ!つーかどっちが建前か本音か判りにくい嘘だなオイ!!その前にあれはコスプレじゃねえぇぇぇっっ!!!」

「カヤ、駄目よ」
「いいえ、彼の言動とあの姿には眼に余るわ。あの様な者がこの先残るのは、私、我慢が出来ません」
「あなたが行っても何も解決しないわ。家族を侮辱されて怒るのは分かるけど、ここは冷静になって」
「ち、違うわ……私はただ……」

「よし!私があの悪党を成敗しましょう!」×2

今度は自称正義の使者が二人、ユリアンの前に行こうとした。
同じ様に二人ともパートナーに動きを止められる。
「よせって!余計なことして事態をややこしくさせんな!」
「やめろ、やめてくれ!これ以上私の不幸度を上げさせないでくれ!」
カチューシャ青年と不幸鞭使いが、正義の使者二人に向かって半分泣き言に近い懇願をしていた。


17 :BOSS 3/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/05/24(火) 19:14:16 ID:CtNuteMU
「随分と余裕なものだな」
「……ほう」

ユリアンの笑いが止まる。
彼の前に現れたのは少女でも正義の使者でもなく、彼が制裁しようと決めていた相手だった。
「イグニス、貴様もルガールとベガの様にへっぽこな輩とタッグを組んだのか?」
「失礼な!私はへっぽこではない!」
横に居た李が思わず怒鳴る。
「フン、どうだがな。ベガといいルガールといい貴様らラスボスにはろくな輩がいない。余の様な者こそが支配者に相応しいのではないか?」
(いや、あなたも人のこと言えないと思いますが……)とアーデルハイド。
「馬鹿なことを言うな、宇宙の真理を知らぬ者が支配者の器であるわけがないだろう」
(何なんだ、宇宙の真理って……頼むからこっちに同意を求めないでくれよ)と李。

何だかよく分からんないが、ここに闘いの火蓋が落とされたのは確実だった。


18 :BOSS 4/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/05/24(火) 19:15:50 ID:CtNuteMU
広大なリングの中ほどに、二人の男が微動だにせず立っていた。二手に分かれた男の一方はイグニス。そしてもう一方はユリアンだ。
彼らは、互いに息を潜め、相手の出方を待っていた。
「それではぁぁあああ!ラスボスファイトォォォ!レディィィィ・ゴー!」

「……私はラスボスではなく中ボスだが」
「……あのー、ついでにユリアンさんは中ボスですらないと思うんですが(小声)」
「いいんですよ。こういうのはノリでやるお約束ですから」
李とアーデルハイドのツッコミを一蹴する黒子。
カーン!
そんな彼等をよそにコングは鳴る。
瞬間、眼にも止まらぬ速さでイグニスは動いた。
「フ……格位すら分からない者にはそれ相応に思い知ってもらわないとな!」
「格位?格位だと?」
イグニスがそのまま一気に間合いを詰め攻撃に入ろうとする瞬間、ユリアンがこう言った。

「そんな格位などぉ、かっくいー余には問題無いのだぁ!!!」

余りにも寒い親父ギャグ! 時 は 止 ま る ! ! !

バシャッ。

「そして、……時は動き出す」
パチイイイィィィン!!
ユリアンが指を鳴らした。
「し、しまった!こんな変な策を繰り出してくるとは!」と李が叫ぶ。


19 :BOSS 5/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/05/24(火) 19:17:32 ID:CtNuteMU
「…………!」
一瞬、事態が理解できず自らの身体を見回すイグニス。
それは、大量の、何かの動物の、血液だった。
「な…な…」
「ア”ーハッハッハッハ!どうだ、貴様には死すら生温い!」
どこからか取り出したバケツを手に持ちユリアンは笑う。
「いつの時代のやり方ですか、ユリアンさん!?」とつっこむアーデルハイド。
「ハッ、そ、そんなもの!服が汚れただけじゃないか!」
そう反論する李だが実際は違っていた。
「な、なんだ、これは……わ、私の高貴なる姿が……」
頭から赤い液体を垂らしながら明らかに様子がおかしいイグニス。
それを見た李は怪訝そうな顔でイグニスに呼びかけた。
「イグニス……?おい、どうした?」
「神となる私が……唯一宇宙を理解できるこの私の姿が……これでは電波の受信が悪くなる!」


20 :BOSS 6/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/05/24(火) 19:43:32 ID:CtNuteMU
「続いては、生ごみ十袋だ!」
「どこに持ってたんだよそんなの!」
「重火器や戦車では無いのだから反則ではないだろう!」
確かに生ゴミだけで死ぬ人間はいない。スペランカーを除いて。
だがイグニスにとっては死ぬとか死なないとかそういう問題ではなかったのだ。
「よ、よせ、それは宇宙条約違反だ!」

ズドドドドドドドドドドドドド!

無常にも生ゴミはイグニスにぶちまけられ、彼の周囲に悪臭を放つ。
「ぎゃあああぁぁああああぁぁ!取れ!取ってくれ!いや取ってくださいお願いします!」
頭にゴミの欠片であるリンゴの芯やら魚の骨やらを乗せたイグニスは絶叫した。
「ユリアン、いくら何でもやりすぎではないか!?」
「馬鹿を言うでない、余は殺しては駄目というルールに乗っ取ったまでだ!」
「イグニスしっかりしろ!正気を保て!」
それは無理な相談というものだろう。


21 :BOSS 6/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/05/24(火) 19:44:47 ID:CtNuteMU
「牛乳ふいた雑巾百枚!」
バサバサバサバサバサバサ……
「ひっ、ひっ、ひぃい、ひぃいいいいいいーーーーー!!!」
「うぅっ!?凄い匂いだ…ここまで匂うとは…」鼻を摘み咳き込む李。

「余が履き古した靴下五百足!」
ドサドサドサドサドサドサ……
「ぐ……つーんとするな……」アーデルハイドはユリアンのやり方に慄いた。
「のわぁぁああ!やめやめやめやめろぉおおー!やめたまえ汚らわしいぃいいぃぃいい!!!」

「ヌフフフフ、どうやら貴様にはかなりの威力の様だったな」
勝利を確信したユリアンは最後の制裁に入る準備をした。
その後ろでどでかいポリバケツが何やらガタガタと動いている。
「ま…まさか…それは…」
その動きにアーデルハイドは嫌な予感がした。というより、この流れでいくと中身はアレとしか考えられない。

「とどめは……ゴキブリ1500匹だぁぁああ!!!」
「ちょっと待って下さいユリアンさん!それは下手したらこっちにまで被害が……」
「よせ、やめろ!私もそれは苦手だ!」

ガパッ!
ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ……
一斉に黒くて小さな物体が飛び出し、地を走り、リングの外にまで散らばっていく。
「うわああぁぁ!来た来た来たーーー!」×2
美形二人が叫ぶ。
「よっ、はっ、ほっ!」
そんな中、審判の黒子だけはこりゃあ後の掃除が大変だなーとゴキブリを器用に避けていたらしい。
まあ誰も彼のことなど眼中に入っていなかっただろう。


22 :BOSS 8/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/05/24(火) 19:46:44 ID:CtNuteMU
「イグニス、平気か!?」
何とかゴキブリを避け一息ついた李はイグニスを見やった。
そして、あまりの光景に絶句した。
「…フ…フフフフフフ……ウフフフフフフフ…・…」
もはや色んな意味でぼろぼろになったイグニスは、笑っていた。
血やら生ゴミやら汚物に塗れた彼にゴキブリは群がり、服の中にまで出入りしている。下手すれば口にまで入りそうな勢いだ。
その表情に生気は無く、半ば瞳孔が開きかけている。
「イ、イグニスが……イグニスが……」

「ウヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョ……!」
壊れた。
李はそう思ったが、口には出せなかった。

「ア”ーハッハッハッハ、どうだ愚か者め!余をコケにした当然の報いだ!」
イグニスのアレな壊れっぷりに満足したユリアンは止めをさそうと彼に近づく。
「止めだ!エイジスリフレ…」
ゴキブリが足に登ろうとするのを払いながらユリアンの両腕に電光が漲る。
だがここで思わぬ誤算が生じた。
「ランランラ〜、ランランラ〜、宇宙よ、私に答えよ〜♪」


カッ。


23 :BOSS 9/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/05/24(火) 19:48:24 ID:CtNuteMU
「あーーーーーーーーーー!!」
「うおぁっ!?」

観客席にて突如叫んだアンヘルに驚いたK9999は暇つぶしにやっていたゲーム機を落としそうになった。
「ねぇねぇ、K9999!あれ見て見て、イグニスがすごいことになってるのにゃ〜!」
「ああ!? うっせえな、俺は今手が離せねぇんだよ!」
チュドーン、ピロリロペロリロ。GAME OVER。
「アンヘル!てめぇのせいだぞコラ!」
「だ、だってイグニスが、イグニスが変身したんだにゃ〜!」
「はぁ?お前何言ってんだ?」

「この試合、宇宙高年化エレガント問題の勝利です!」
黒子がそう告げるが、聞いている者は果たして居たのだろうか。
「誰か! 誰か担架を持ってきて下さい!」アーデルハイドがそう叫んだ。
ふんどし一丁の姿のまま、担架で運ばれていくユリアン。その姿はある意味滑稽であっただろう。
ユリアンを見送りながら、涙するアーデルハイド。
「ユリアンさん、貴方の犠牲は無駄にはしません」
「…まだ…死んで…いない」


24 :BOSS 10/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/05/24(火) 19:53:18 ID:CtNuteMU
「なあイグニス、質問してもいいか?」
それを呆然と見て、李は横に佇んでいるイグニスに疑問をぶつけた。
「……一体なんだ、私はこれから風呂に漬かるので忙しい」
彼の身体は未だ汚物の匂いが取れておらずかなりの悪臭を放っている。
「その、何だ、さっきの『アレ』は何なんだ?」
「……『アレ』か。アレは私のもう一つの姿、いや忌まわしき闇に葬り去るべき姿であるが、あの醜態から抜け出すには自らもう一つの自分となり自己を捨てることが勝利への道だと宇宙からそうお導きがあったのだ。
あの姿でいれば私は私ではない、つまりは汚物に塗れていても何とも思わないということだ。だがこの方法は色々とやっかいな問題があるのであまり使いたくはないのでな。
もう二度と使わん。だが宇宙のお告げが何故あの時私に届いたのか、やはり私こそが神に相応しいということなのだ、そう神という存在になるには…・・・」
「すいませんもう結構です」
頭を抑えながら李は一人誰にも聞こえないように呟く。
「……太陽になるなんて反則じゃないか」と。

○宇宙高年化エレガント問題(一勝)【ケンカ】弟より優れた兄などいねえ!(一敗)●



25 :ゲームセンター名無し:2005/05/26(木) 06:55:39 ID:/2koTDX1
不安なので保守

26 :サタン塔新聞:2005/05/29(日) 01:37:43 ID:Xh14ssyi
娘のためなら死ねる、ドラゴン・ドライブに完敗!  

二回戦が開催され、ドラゴン・ドライブと麻雀対決で激突した娘のためなら死ねるは必殺の相沢バスターで終始試合を優位に進めていたにも関わらず、
何故か連発されたロボカイの不可解なチョンボに苦しみ、ロックの必殺レイジング大三元によって粉砕された。

ロック「全力で飛ばす前に相手が自滅するってのは始めてだぜ……」

ドラコ「というか、ロック君がそんな技出せなくても余裕で勝てたような気がするんだけど」

なお試合後、ロボカイのチョンボ連発に憤慨した藤堂、ロボカイに重ね当て&説教。
「機械人形なら高度な計算くらい出来んでどうするんじゃ!?」と活をあびせた。
しかしロボカイは、「試しに7×7はいくつだか言ってみんか」と問う藤堂に対し5の段から数えなおす体たらく。
ツッコミがさらなるボケを産み、段々と漫才ムードに。
最終的にはお笑い芸人も真っ青の掛け合いを展開した。

試合の結果

○ドラゴン・ドライブ(一勝)【麻雀】娘のためなら死ねる(一敗)●

サタン塔新聞最新版より

27 :修正:2005/05/29(日) 01:40:39 ID:Xh14ssyi
修正
×・二回戦が開催され、ドラゴン・ドライブと麻雀対決で激突した娘のためなら死ねるは必殺の相沢バスターで終始試合を優位に進めていたにも関わらず、

○・二回戦が開催され、ドラゴン・ドライブと麻雀対決で激突した娘のためなら死ねるは必殺の超倍満で終始試合を優位に進めていたにも関わらず、

駄目だ、元ネタがバレバレだ……

28 :笑点:2005/05/30(月) 10:29:32 ID:WOLHr20H
「勝負の方法は漫才対決です、この対決方法はコンビ二人で漫才やってよりウケた方が勝ちとします!以上!」

チャンチャカチャチャチャチャ、チャッチャッ(笑天のテーマ)。

「はーい、どうもどうもアルルでーす」
「メイでーす」
「二人合わせてー……」
「ぐぐぐっぐー!」
「「合わせてなーい!」」
わはははは……。
二人と一匹の漫才はそれなりに受けたようだ。

29 :笑点:2005/05/30(月) 10:30:35 ID:WOLHr20H
「極限流師範リョウ・サカザキだ」
「俺ぁ九戸文太郎だぁ!文句あんのか、ぇ?あんのかコラ?」
「所で最近天気がいいな」
「そうッスね、兄貴。本当にいい天気が続くッスね」
「雨が続くと色々と嫌だからな」
「そうッスねそうッスね」
しーん。
「……」
「……」

「兄貴、どうぞ」
「…ちぇいさあああああ!」
バキイイィッ!

「……この勝負、素敵なお友達の勝利です!」

「しまった!やはり氷割りよりビール瓶だったか!?」
「なんでやねん!」
わははははははは……。
そのツッコミだけがリョウ達が唯一会場の笑いを取った。
つか、ちぇいさあ!は無視なのか文太郎。

○素敵なお友達【スペシャル(漫才)】弟・妹に困ってます●



30 :ゲームセンター名無し:2005/06/02(木) 08:07:08 ID:S20NU5Yj
hosyu

31 :ゲームセンター名無し:2005/06/04(土) 18:55:01 ID:ezyJZv4h
保守

32 :ゲームセンター名無し:2005/06/07(火) 01:51:15 ID:jxWMFT8p
まあサタンだからな。

33 :ゲームセンター名無し:2005/06/08(水) 23:36:02 ID:Ib+GqueJ
補習

34 :ゲームセンター名無し:2005/06/11(土) 19:10:32 ID:jWm64B6T
ほしゅっ

35 :ゲームセンター名無し:2005/06/13(月) 20:37:45 ID:TZuhiFRW
まとめサイト希望あげ

36 :きょー:2005/06/13(月) 20:53:32 ID:VWS0VY21
ぼでーがあめえ

37 :ゲームセンター名無し:2005/06/16(木) 20:17:42 ID:fEKZrEG0
作品期待待ち

38 :ゲームセンター名無し:2005/06/17(金) 23:07:08 ID:Yka3Pq88
保守・・・

39 :ゲームセンター名無し:2005/06/20(月) 03:23:28 ID:rprzbMpR
スペランカーエロワ出場記念age

40 :激闘 1/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/06/23(木) 23:01:52 ID:rfRy5kye
「私もお料理勝負がやってみたいです」

パティは子猫の様にじーっと、ウルルン共闘記VSリーダーズの勝負が写されるスクリーンを見上げる。
「うーん、パティが得意なら料理でもいいが、勝負を決めるのはくじびきだからな」
その隣でアレックスは鼻を指でかきながらこう呟いた。
「といっても俺はあまり料理とかは詳しくない、相棒にまかせっきりになるのもそれは好ましくないのだが……」
「大丈夫よ、私も専門的な範囲で詳しい訳じゃないから。マイトは美味しいって言ってくれるけど」
皆が皆マイトと同じ味覚を持っている訳じゃないから、とパティは付け加えた。
と、そのパティの笑顔の後ろで何やら騒がしくなってきた。
「?」
パティは無意識に、感じ取った仰々しい複数の思念の方を見てしまう。
「そこの人、危ないから避けて!」若い女性の声が聞こえた。
「……はい?」
きょとんとして、一体何なのかと、つい思念の元へ身体を向けてしまう。
「避けろと言っている!」片言で叫ぶ男の声。

「パティ!!危ない!!!」
危険を感じたアレックスに身体を引張られパティは転びそうになった。


41 :激闘 2/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/06/23(木) 23:03:19 ID:rfRy5kye
「ぬぅぅううううう……」
「リオン君!もっと早く走りなさいっ!!!」
「は、は、はひいぃいいいっ!!響子先生ぇっっ!!!」
「あはははははははっ、凄い凄い面白ーいっ!」
水無月響子をお姫様抱っこしながら全力疾走するリオン・ラファール。
それを例の瞬獄殺の構えで追いかける豪鬼、何故か口に薔薇を銜えており、背後でラテン調の音楽が流れている様な気がした。
その肩の上にちゃっかりと乗っかり、乗り物気分で楽しんでいるニーギ・ゴージャスブルー。
彼らは今やサタン塔の竜巻となって会場を爆走していた。

そうして永遠とも思えるような時が過ぎた頃、自分の心音以外は静寂に埋もれたパティの耳に、アレックスの声が届いた。
「大丈夫か、パティ?」
「あ、はい。大丈夫です」
次第に嵐にも似た百鬼夜行で吹っ飛んだパティの意識が戻る。
パティが上体を起こして過ぎ去っていった喧騒の方向を見つめると、ある人物達の存在に気づいた。
「……何やってんだ、あんたら?」と呟くアレックス。
彼らはパティを巻き込まない様にしようとしたのか、戦闘態勢を取ったまま固まっていた。

日本舞踊にも似た奇妙なポーズを取っていた神楽マキ。
ギターケースからマシンガンを取り出そうとした金大正。

「あら嫌だ、私ったらつい…
「ハッ!? しまった、いつもの癖で…
「「お怪我はありませんでしたか?」」
金とマキは慌てて戦闘態勢を解除し、ハモリながらパティに声をかける。
「ええ、お気遣いありがとうございます」

42 :激闘 3/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/06/23(木) 23:04:41 ID:rfRy5kye
「一体何なんだ、今のは?」
「いきなりの事でしたので私達にも何が何やら……」
「この大会にはあのような者も居るのですか、全く先が思いやられます」
「ああ、全くだな。まあ強くなるチャンスだとでも思えばいい」
互いにホッとしながら和気藹々と雑談を始める。

「あのぉ、何かの縁ですし。良かったら私達と試合しませんか?」
パティののんびりとした一言が、激闘の始まりになるとはこの時誰も思わなかった。


「汚れ!祓う!砕く!穿つ!はぁああ…はいっ!!!」
「ぬぐぉあっ!」
リングに叩きつけられ、打ち上げられ、また叩きつけられの繰り返し。まるで玩具の様にアレックスは弄ばれていた。
(……まだこんな強い奴が居たとはな……)
あえてニヤリと笑い、アレックスはただ世界の奥深さを噛み締めていた。
回避、攻撃、回避、攻撃。見事な戦闘能力である。
雨あられと打ち込まれる舞にも近い攻撃を全部かわすのは容易ではない。
何とか回避して懇親の一撃を加えようとするがそれも叶わず、ただ翻弄されるのみ。
どれが本物の神楽マキなのか、それとも全員本物の神楽マキなのか。アレックスには分からない。
フラッシュチョップは潰された、パワーボムは避けられる。

(ならば……!)

攻撃の一瞬の隙だけを狙う、さっきから何度も食らっているせいかパターンは読めてきた。
そう、後は攻撃だけ、攻撃を入れればいいだけなのだ。


43 :激闘 4/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/06/23(木) 23:05:54 ID:rfRy5kye
その巨体からは信じられない程、素早く、高く、アレックスは飛んだ。
奇襲用の飛び込み技、フライングクロスチョップ。それをマキに叩き込もうとした。

だが――
「オ〜ホッホッホッホッホッホッホッホ!!!」
「!!??」
マキの高笑いと共に分身が現れる。
数秒で壊される奇襲、衝撃が、アレックスの身体を走る。今までとは桁違いのダメージが与えられる。

――――裏面壱活・三籟の布陣。神楽マキ最大の奥義とも言える技。

「もう……終わりなのかしら?せっかく経緯を払って手加減をせず本気を出しましたのに」
リングに倒れたアレックスを見下ろし、長い脚を踊るように回す。
人間離れした強さだ、だがそれが面白い。そう思ったアレックスは立ち上がろうとした。
ええ私一度死んでいるのです、ですから貴方も本気でお相手なさいな。そう思ったマキは再び構えた。
そして両者が対峙しようとしたその時――――。

「アレックスさん、交代させて下さい」
鈴を鳴らすような声が二人を止めた。
「……パティ?」
先ほどから彼らの試合を見守ってきた少女、パティ・マイヤーズ。
燐とした表情でアレックスを見つめる。
「……分かった、だが、無理だけはするな」
僅かな心配を顔に含ませてアレックスはリングを降りた。
そして代わりにリングに上がったパティは静かに深呼吸を繰り返した。

「あまり戦いにこの力は使いたくないけど……」
少女の周りに光りを放つ珠が生まれた。


44 :激闘 5/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/06/23(木) 23:07:32 ID:rfRy5kye

――迂闊だった。

音による衝撃によって出来た傷にマキは顔をしかめた。
まさか自分よりも素早く、かつ的確に攻撃を決められるとは思わなかった。
どのような理由であれ、結果的に先のアレックスと同じ選手交代になってしまった。
華やかな音色に侵食された跡がじりじりと痛む。けれど、そんな痛みも霞んでしまうほど――気になる事があった。

ガガッ!
リングの上で金とパティが互いに激突している。

一見かよわそうな外見のパティだが、この人物、意外に肉弾戦にも強い。
なにもかもが我流で天性のカンにだけ頼って戦っているが、普通の人間より遥かにポテンシャルが高い。
もっとも金は金で、道士でありながら体術である距拳道をこなしている。双方引けを取らない。
そもそも、二人共今はリングで戦ってはいない。空中戦というレベルに達している。
脚を振り上げて、金はパティにネリチャギを叩き込む。否、パティは肘で受け切った。
突き出すパティの腕を、無骨な手でクロスして打撃をかわす金。
力だけならまだ金の方に分があるかの様に見えた、だが――
「……ごめんねっ!」
「!?」
見違える様な速さで金の後ろに回り込み、音を練り上げ、織り込み、放つ。
突如、金の眼に映る儚い幻。
ある事件の被害者がこの世で最後に見せた笑顔。
まだ7年しか生きれずに、24時間かけて殺された少女。
「…さや、か…」
歌声が聞こえる。
その音色は優しく、強く響く。金の心に生じた僅かな綻びに潜り込み、眠らせる為の歌。

「金さん!」とマキが叫ぶ。彼の身体が止まり、リングに落ちていく。


45 :激闘 6/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/06/23(木) 23:14:51 ID:rfRy5kye
「お願いだから、しばらく眠っていて」
パティは彼の落ちた方向に背を向けて、リングから降りようと身体を進ませた。
なるべく相手を傷つけずに、倒す方法。それは眠らせる以外に手はないだろう。
「えー、金選手が倒れたようですね。それではこの試合親を探して三千マイルの……」
「パティ!!ソイツはまだ……」
場外のアレックスから叫び声が上がった。それと同時に黒子の声が中断される。
「……!!!」
一瞬の沈黙。
宝貝、仁王剣。それが青い光を放ちながらパティの頭のちょうど真横に浮いていた。

「ここまで本気を出すつもりはありませんでした」

よろよろと空中で立ち直りにこりと笑う金。パティは振り返らない。
「これが私の秘密兵器である仁王剣です。これは私の意志により自由自在に変化します」
何の反応も示さずこちらも振り向かないので、金にパティの表情は窺えない。
「ルール上殺したら負け、それは承知しています。ですがそれは逆に死ななければいいというだけです」
口を開こうとしていた黒子が眼の端に見えたので、金はまるで黒子に言う様に言葉を続ける。
実際の所、極端に大きくしないという約束で持ち込まれている。その気になれば人一人真っ二つに出来る代物なのだ。
「どうしますか?負けを認めますか?それとも……」

ギイイイイィンッ!!

リングに鈍い音が響き渡る。
突如振り返ったパティを包む様に青白い光を放つ球体が現れ、仁王剣が弾かれる。


46 :激闘 7/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/06/23(木) 23:22:52 ID:rfRy5kye
サイキッカーにだけ使える不可侵領域、バリアガード。
祈る様に眼を閉じたパティの表情は凛々しく、普段の可憐な雰囲気は其処には無い。
それを見た金は一瞬驚き、次に笑い、そしてギターケースを開いた。

「響いてえぇ!!!」
「手加減はしませんよっ!!!」
パティは歌う。金は引き金を引く。

音の波動と銃撃が空中でぶつかり合う。
互いに加減はしているが、それは普通の人間を基準にはしていない。
「……俺は悪い夢でも見ているのか?」
遥か頭上で繰り広げられる闘いを呆然と見ながらアレックスはそう呟いた。

金の放った銃撃は全て弾かれていた。
やはり仁王剣を弾く代物、拳銃程度では壊せないようだ。
実の所パティの音撃をある程度防ぐ為撃ったようなもの、故になるべく急所を狙わずに撃ったのだ。バリアが壊せなくても金は構わないのだろう。
牽制される様にパティの「音」が金に飛ぶ。
パティの唇から、新たに声が溢れ出る。
歌を奏でるのには楽器も理由も要らない、ただ思いさえあればそこに歌が現れる。
(……どうして?)
パティは優しく、柔らかく、そして歌いながら問うた。
先刻一瞬だけパティの頭に流れてきた思念、眼の前の道士が躊躇なく人を殺した記憶への疑問を。
(だけど私も、負けられない。負けたらお母さんに会えないから)

考えながら走る人、金大正。彼の思考ベクトルはこの戦闘でも変わらずにいた。
(この距離では距拳道で戦えない、武器は通用しない、ならば……)
遠・中・近、全ての距離に対応できる仁王剣。相手が悪霊やヤクザの三下なら遠慮なくそれで殺せる。だが殺してはルール違h……


47 :激闘 8/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/06/23(木) 23:29:25 ID:rfRy5kye
「!?」
考えに夢中で、自分避ける方向に「音」が設置されていたことに金は気づかなかった。
放たれた新しい音、音と音との共鳴、それは闘いの歌となる。
鼓膜を、いや全身を侵食していく力の波動と化した歌。
「……ッ!?……」
『典雅さが足りないわよ』
金の脳裏に、彼が密かに胸をときめかせた女の言葉が浮かんだ。

「……痛いですね」
リングに這いずり宙の少女を見上げながら、金はそう呟く。
咎人の地べたすりにはお似合いなザマだと、少し酔った考えを抱きながら金は立ち上がる。
そして身体を浮かばせて考える。成る程これがサイキッカーの力、普通の悪霊よりも遥かに強力な力だと。
金は笑う。深みを増した穏やかな笑顔。相手の少女に向かって言葉をかける。

「何故、そんな悲しそうな顔してるですか」
「悲しそうな顔なのは、あなたのほうよ」

剣を手にした道士の問いに、パティはそう返した。彼女も金に少なからずダメージが与えられている。
この人を傷つけるよりも癒してあげたい、そう思いながらパティの歌が始まる。
音珠の輝きが、金の持つ仁王剣に反射され逆光を放った。

お互い、次で決着を着くことが分かっていた。
だからこそ、これが最後の攻撃だと決めていた。


48 :激闘 9/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/06/23(木) 23:34:20 ID:rfRy5kye
大哉乾元。大いなるかな乾元の意。
精神統一、そして増幅の為の呪を口から紡ぎだす。

音珠が飛び、光り、辺りに広がる譜面達。
それはフィナーレとして相応しき救いの鎮魂歌。


そして、互いの力がぶつかった―――











力尽きて落ちてくる対戦相手。
手を伸ばし、受け止める。
受け止めた両手に体重がかかる。
「……ぅ」
生きている。自分も相手も傷を負ってはいるが死んではいない。生きているのだ。
これが単なる殺し合いだったらそうはいかないのだろう。その点を踏まえればこの舞台のルールに感謝するべきだろうか。
己の願いだけを賭けて正々堂々と闘えた相手に向かって勝利者はこう呟いた。

「貴女がお母さんに会えることを、私は心から願っています」


49 :激闘 10/10  ◆Fu21OaZL.g :2005/06/23(木) 23:40:26 ID:rfRy5kye


「…私は彼等に勝利するべきではなかったかもしれません」
「あら、どうして?」

一人呟いた金にマキは首を傾げながら尋ねてきた。
「マキさん、私はこの大会に来たのはもう一つ理由があります」
肉の裂け目の様な細い眼で遠くを見つめがら語る。
「この大会の優勝者には願いを一つ叶えることが出来る、そして願いを叶える為にたくさん人が集まります。
 その中にはまだ若い者達もいる、彼等がどんな人間なのか私は見てみたかった。未来を託される若者の姿を」
フッと笑いながら金は後ろを振り返る。
そこには先ほどの試合で戦った親を捜して三千マイルの二人が居た。
負けてしまった相棒を励ますアレックス。落ち込まずにどこか清清しく微笑むパティ。
半ば正当防衛とはいえ、かつてゴロツキ共を殺した金にはその光景は輝かしく映った。
「所詮私は罪人。出来ることはその未来を守ることだけです、彼らの夢を踏み潰す権利など無い」
「だけど踏み潰されなければ、その痛みも乗り越える強さも手に入らない。そのまま立ち直らなければそれだけの器。そうじゃなくって?」
「……なかなか手厳しい台詞を」
まるでふみこさんみたいな、と心の中で付け加える。
「せめて死した者のためにも、彼らには幸せな明日を迎えてもらいたいものです。……それが私の、もう一つの願いなのかもしれない」
「守りましょう、彼らの未来を。今日という日が何事もなく過ぎ去る様に」
長い黒髪を風に揺らしマキは歩き出す。それに続き薄汚れたコートを翻した金ももう振り返らない。
二人は次のステージへと向かう為、ゆっくりと歩いていった。

○頭文字K【ケンカ】親を捜して三千マイル●


50 :ゲームセンター名無し:2005/06/30(木) 10:14:40 ID:Y9ay9zp5
ほす

51 :ゲームセンター名無し:2005/07/03(日) 21:39:41 ID:cj2K+OmR
保守

52 :ゲームセンター名無し:2005/07/06(水) 21:42:50 ID:75X2nkHm
保守

53 :ゲームセンター名無し:2005/07/07(木) 23:18:09 ID:/Q9GV45w
保守

54 :ゲームセンター名無し:2005/07/09(土) 11:35:07 ID:9UVd5SBh
保守

55 :ゲームセンター名無し:2005/07/14(木) 18:33:37 ID:XWwDiHbL
もう誰もいないのか

56 :ゲームセンター名無し:2005/07/21(木) 18:59:45 ID:Up0goJW2
保守━━━━━

57 :ゲームセンター名無し:2005/07/22(金) 23:18:25 ID:pELiEd8p
保守

58 :ゲームセンター名無し:2005/07/30(土) 02:22:20 ID:HkqCBHuO
望みはすてないっ!まだいくぜ!

59 :ゲームセンター名無し:2005/08/03(水) 19:43:56 ID:g50V/Kjh
まだ保守

60 :ゲームセンター名無し:2005/08/08(月) 14:54:33 ID:GLsCzIl0
マジ質問ですが何で止まってるの?

61 :ゲームセンター名無し:2005/08/09(火) 22:50:57 ID:+P8f1m59
マジレスすると書き手がいないから
君が書け俺も書く

62 :ゲームセンター名無し:2005/08/23(火) 19:46:02 ID:21qCk/r5
やりなおしをまじめに考えたほうがいいと思うのだがどうか

63 :ゲームセンター名無し:2005/08/30(火) 23:59:32 ID:oFf41zD2
リセット

64 :ゲームセンター名無し:2005/08/31(水) 03:52:02 ID:u+nJjI+4
アケロワキャラだけでいいのに

65 :ゲームセンター名無し:2005/09/19(月) 21:26:42 ID:6BNPDiV0
ほしゅ

66 :ゲームセンター名無し:2005/10/08(土) 19:56:34 ID:zgcHbkTC
ここ再利用してもいいですか

67 :ゲームセンター名無し:2005/10/09(日) 02:09:41 ID:XV1wDqu7
どうぞ!頑張ってください!
矢吹真吾とデュオロンをヨロシク

68 :ゲームセンター名無し:2005/10/10(月) 05:24:59 ID:razSv9Ff
再利用ってどうゆう意味で?

69 :ゲームセンター名無し:2005/10/10(月) 14:20:59 ID:9C6sGOUK
番外リベンジってスレの話じゃね?
2週間近く経つのにレスが35しか無い時点で企画倒れの予感がひしひしと

70 :ゲームセンター名無し:2005/10/10(月) 16:44:52 ID:BMScld49
読みたい奴らばかり
書きたい奴がいない

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