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ドラクエ3〜そしてツンデレへ〜

1 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/25(金) 19:48:05 ID:lRBe67B40
VIPではこの先生きのこるHPがないので越してきました。
書き手の皆々様方、後は頼んだ。

2 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/25(金) 19:50:21 ID:v3G9b2oj0
きのこる

3 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/25(金) 20:33:06 ID:kT9CmZRd0
ちゃんと嫁
この先 、 生残る だ!

4 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/25(金) 21:10:45 ID:iK95tVISO
先生、きのこる

張っておきますね^^
まとめ
http://www.geocities.jp/game_trivia/dq3/
http://www.geocities.jp/game_trivia/dq3/neko.html


5 :YANA:2005/11/25(金) 21:50:23 ID:LhPwN3hP0
スレ立て乙。
きのこるワロタw

いろんな意味でスレ違いの上、激しく亀だが
前スレの遊び人と戦士のヤツ、遊び人のキャラツボだたわw GJ!


6 :YANA:2005/11/25(金) 21:51:26 ID:LhPwN3hP0
「………ごめん」
「…なんだ、またいきなり」
「…だって…あたしのせいで…」

『拝啓 母さん、私、今ちょっとブルーです。
 今の私たちの冒険の拠点・ロマリアのずっと北に、ノアニールという町があります。
 この町は、何でも昔、ある人間の青年がエルフのお姫様と駆け落ちしたとかで、エルフ族の怒りを買って呪いを受け、
 もう何年も町中の人が眠ったままなのだそうです。
 話を聞いた私たちは、何とか呪いを解いてもらえるよう、エルフの里にお願いに行きました。
 すると、二人は夢見るルビーという、エルフの宝を持ったまま姿を消し、エルフの女王様は
 「青年がルビーをお姫様から騙し取ったに違いない」といって取り合ってくれません。
 私たちは、何とかして二人の潔白を証明できれば、と探索を開始し、遂にエルフの里の近くに怪しい洞窟を見つけたのです。
 …見つけたのです、が…』

「別に、おまえは悪くねぇだろ。たまたま運がないだけだ」
「でも、あたしがあんたの足を引っ張ってるのはホントでしょ…」
「しょうがねぇだろ、魔法使いってやつは、後方支援が役目だ。おまえが打たれ弱いのは、氷が熱で溶けるのと同じだよ。
 宿命なんだから、仕方ねぇ」

『この洞窟、中の魔物が半端なくいやらしいんです。
 でっかいキノコのお化けの大群が催眠ガスを撒き散らすし、動く犬の死体は私たちの守りを弱くするし、コウモリの化け物は
 氷の魔法を乱射してくるしで、打たれ強さが売りのゴドーはともかく、あまり体が強くない私は…すぐに昏倒して、
 教会のお世話になってしまっています。
 私なんか探索が終わるまで棺の中にいても構わないのだけれど…人手のない二人旅では、一人が欠ければ単純に戦力が二分の一、
 無視はできません。あいつは、私が倒れるたびに、棺を担いで洞窟を駆け戻ります。
 そんなことがもう十回近くも…探索は遅々として進みません。私、悔しくて、情けなくて…本当にどうしたらいいか…』

7 :YANA 7-2:2005/11/25(金) 21:52:13 ID:LhPwN3hP0

「…宿命だから、で…あたしの蘇生のためにもう何G使ったのよ。薬草が1グロス(144個)買えるわよ…?」
「…ハナっから人命と金を秤にかけるつもりなんかねぇけど」
「…洞窟の調査だって、全然進まないし」
「…時間が限られてるわけでもあるまいし」
「だけど!!」
「はぁ…アリス。いいか、よく聞け」
「なによ!!?」
「おまえの持ち味を活かすなら、盾になる前衛をもっと増やすべきだ。だが、もう知ってるだろうが、俺はこの旅に仲間を連れて行く
 つもりはなかった。今更、おまえ以外をパーティに加える気はねぇ」
「…何がいいたいのよ」
「わからねぇか。おまえがすぐにダウンするのはな、俺のわがままが原因の、欠陥だらけの明らかな戦略ミスのせいなんだよ」
「…む…」
「つまるとこ、おまえが恨むのは自分の打たれ弱さなんかじゃない。おまえっていう魔法使いの活用法を知っていながら、
 個人の拘りでそれをしない変人勇者の方なんだよ。そこんとこ間違うな、このボケが」
「ボ……!なんですってぇ!!?」
「おう、怒れ怒れ。雑念は俺にでもぶつけて、さっさと経験つんで、俺の馬鹿げた方針に耐えられるくらい強くなって見せろ」
「っの…馬鹿にして!見てなさい、今にあんな生ごみども、
 一発で土に還せるすっっっっっごい呪文を覚えてやるんだからーーーーーーーっ!!」

『母さん、やっぱり、私はいつも通りこいつの勝手に振り回されてただけっぽいです。明日からまたいつもの私です。イェイ! 敬具』

8 :YANA:2005/11/25(金) 21:54:00 ID:LhPwN3hP0
七話。途中からの人、ぶつ切りでスマソ。

9 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/25(金) 23:00:09 ID:iK95tVISO
お、YANAさんキテル━(゚∀゚)━(∀゚ )━(゚  )━(  )━(  )━(  ゚)━( ゚∀)━(゚∀゚)━ !!

10 :マーニャ( ・∀・) ◆MARaRA/SCE :2005/11/25(金) 23:13:09 ID:rC6EJoMW0
>>1VIPだからなんなの。
   ,.'´.^!´ヽ
   i卅<0>》
   |!lリ゚ヮ゚ノ!
   l⊂;.∞;つ
   ノリ./甘i
     し',ノ



11 :YANA 8-1:2005/11/25(金) 23:40:31 ID:tGDrYs+w0
『拝啓 母さん、こちらはちょっと暑いところに来ています。
 無事、例の二人の潔白を証明し、ノアニールの呪いは解くことができました。
 そして現在、私たちはアッサラームという、砂漠の入り口の町に来ています。
 で、今、私はもしかすると、ちょっとお目にかかれないかもしれないものを目にしています…』

「…はぁ…」
「…なに溜息吐いてんのよ。珍しく落ち込んじゃって。らしくないんじゃない?」
「…なんでもねぇ。…はぁ」
「…(何なのかしら…昨日の夜、「ちょっと散歩してくる」っていってふらっと出て行って…帰ってきてからずっとこの調子…)」
「…はぁ…ぱふぱふ」
「?なに…ぱ…?」
「何でもねぇっていってるだろ。どうせ、おまえには縁のねぇ話だ………はぁ」
「…(カチン)ちょっとなによ。あんたの無茶苦茶主義にきっちり付き合ってあげてるこのあたしに、何か不満でもあるのかしら!?」
「不満?いや、不満はないぞ。おまえはよくやってる。だが、それは魔法使いとしての話だ」
「…含みのある言い方するじゃない。言いたいことははっきりいわないと体に悪いわよ、このヘタレ勇者」
「ああ、何。おまえに、今の何分の一かでもいいから、そのでかい胸を少しでも活かせる色気g」

12 :YANA 8-2:2005/11/25(金) 23:41:01 ID:tGDrYs+w0
 ・ ・ ・
「胸の話はするなっていわなかったかしら」
「…ずびばぜんでじだ」
「まったく…いきなり何言い出すのよ、あんたは」
「いや、おまえもせっかくスタイルには恵まれてるんだから、色気を磨いても損はないんじゃねぇかって話」
「には、って何よ、には、って。…そうはいうけど、あたし、これまで修行修行で生きてきたから、あんまりそういうのわかんないし」
「おまえはこの町の熱気と踊り子を見ても何も感じねぇのか?…ふむ、そうだな。物は試しだ、これをつけてみろ」
「………?なにこれ」
「ガーターベルトだ」
「殴っていい?」
「胸の話はしてねぇぞ。」
「…こんなのどっから見つけてきたのよ。…まさか、夕べ、劇場の楽屋に忍び込んでくすねて来たんじゃ…」
「するか。腐っても勇者だ。…いや、確かに普段民家のタンスとか漁ってるけど、これは違うぞ、そんな目で見るな。
 …アリアハンにな、井戸の中に住んでる変わり者のおっさんがいるんだけどな。
 ほら、おまえを初めて助けたとき、投げたメダルあっただろ」
「?えぇ、それがどうしたの?」
「そのおっさんがさ、アレを沢山集めてきたら便利な道具をくれるって話を聞いたから、帰った時に時々覗いてるんだよ」
「へぇ…変わった物集めてるのね」
「でまぁ、この二、三日前におっさんにメダルをやったら、これをくれた」
「…で、それをあたしに着けろって?」
「うむ。しかもそれ、ただのガーターベルトじゃねぇらしい。つけてると、何でも心技体、あらゆる能力が向上していくとか何とか」
「はぁ…バカらしい。流石に付き合えないわ、そんなの」

13 :YANA 8-3:2005/11/25(金) 23:41:28 ID:tGDrYs+w0
「ふぅん…そうか。やはりおまえは魔法使いとして以外には取り柄がない女というわけだ」
「…ピクッ」
「せっかく女として生を受けたというのに、その人生は血生臭い殺し合いだけで飾られると」
「…ピクピクッ」
「ああいや、悪かった。こんなに硬派で優秀な魔法使いに、そんな戯れを強要した俺が愚かだtt」
「貸しなさい」
 ・ ・ ・
「…ど、どうよ…?」
「………」
「…な、なんかいいなさいよ」
「………」
「…ちょ…ちょっと…あんまりじろじろ見ないでよっ…」
「…いやぁ、うん。思ったより野暮ったいな、その服装のせいか?」
「…何よ、この服、一応気に入ってるんだけど…」
「うん、まぁ気晴らしにしては上出来だな。もう脱いでいいぞ」
「…へ?」
「いやだから。ちょっと嫌なことがあったから、気分転換に付き合ってもらっただけ」
「………」
「本当。俺の期待によく応えてくれるよ、おまえは、うん」
「…ベギ…」
「ん?」
「ラマァァァァァァァァッッッ!!!!!!」
 ボァァァァァッッ
「ぐはぁぁぁぁぁぁっ!!」

『母さん、私は、あなたの娘は汚れてしまいました…とりあえずこの変態は10回ほど焼き討ちしておきました。テヘ☆ 敬具』

14 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/25(金) 23:47:26 ID:lRBe67B40
簡単に言いくるめられる魔法使い、テラモエス

15 :YANA 9-1:2005/11/26(土) 01:17:05 ID:83cZZFAN0
『拝啓 母さん、私たちはかなーり暑いところに来ています。
 魔法の鍵を探し、今は砂漠の真ん中・イシスの国の宿に拠点を置いています。
 この国の女王様が、もう、すっごく綺麗で優しくて。流石に女として、ちょっと憧れちゃいます。
 私もいつか、あんな風に振舞えるといいな。
 …で、一方。例の偏屈勇者はというと』

「肝試しに行こう」
「………………」

『昼間の余韻もどこへやら、夜の宿でいきなり碌でもないことを言い出しやがりました。
 …また、バカな思いつきに私を付き合わせようとしているのです』

「ね、ねぇ…やっぱり止めましょうよ、夜に砂漠のお城の地下なんて…祟りに遭ったらどうするのよ?」
「なんだ…怖いのか?」
「な…!べ、別に、怖く、なんか…ないん、だから…」
「じゃあいいだろう。…ああいや、どうしても嫌なら、今から一人で帰ってもいいぞ?」
「う…ぐ…な、なにいってんのよ!?あんたがまたバカなことしないように、あたしが見張らないで誰が止めるの!?」
「はいはい。………と…!…そら、当たりだ」
「え?…何これ。十字架の下に…階段?」
「…何かあるな…」
「…あんた。昼間、正門の脇をじろじろ観察してたのはこのため?」
「むぅ、まさかおまえは本気で俺がただの肝試しに来たとでも思ってたのか?」
「ああ、そうよねぇ、やるわけないわよねぇ…!!
 …って、あ、待ちなさい、置いてかないでよ!」

16 :YANA 9-2:2005/11/26(土) 01:17:32 ID:83cZZFAN0
 ・ ・ ・
「…うわぁ…これはまた…」
「…地下室に小部屋。祭壇のど真ん中に宝箱が一個だけ。…怪しさ大爆発だな」
「ゴ、ゴドー…考え直すなら今のうちよ?ほら、触らぬ神に何とやら…」
 パカッ
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
「〜〜〜〜〜〜…っでけぇ声だな…!」
「あ、あ、あ、あんたねぇ!」
「だから、怖いなら帰れといっただろうが。…ん、これは…腕輪か」
「ちょ、ちょっと、ホントに祟られちゃうわよ」
 ボォッ
「………あれ?」
「………む?」
 …私の眠りを妨げるのは…おまえ達か…?
「………………………………………………………………でたあああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!」
 …むぅ…今の時代の女子は随分やかましいのだな。
「ひ、ひ、ひ、ほら、ゴ、ゴ、ゴ、ゴドーあんたのせいだからね!
 ああ神様仏様、悪いのは全部この罰当たり勇者です、どうか安らかに…」
「あー…すまん。こいつは気にしないでくれ。悪いな、眠ってるとこ起こして」
 む、やはりおまえ達が私を呼び覚ましたのか。すると、その宝箱の中身をとったのもおまえか?
「ああ、これ、あんたのか。悪い、今ちょっと、この時代は面倒なことになっててな。面倒の大元を叩くために、こいつを使いたいんだ。
 すまないけど、貸してもらえるか?用が済んだら、返しにくるから」
 …はっはっはっ、いや中々豪胆な男だ。私の時代にもそうはいぬ威風堂々振り!気に入ったぞ!
 よいよい!どうせ私にはもう必要ないものだ、貴殿の好きにするがいい!
「ん、そうか。ありがとう。重ね重ね悪いな。もう消えるから、安らかに眠ってくれ」
 うむ、貴殿の武運を祈るぞ。
 ボォッ
「…おーい、もういいぞ、出て来ーい」
「………あぅ?」

17 :YANA 9-3:2005/11/26(土) 01:17:55 ID:83cZZFAN0
・ ・ ・
「驚いた。幽霊と意気投合しちゃうなんて。あんた怖いもんなんてないんじゃない?」
「さぁな。俺は、大概のことは一人で乗り越えてきたからな。
 怖いものがあるとすれば、まぁ、何か乗り越えられなかったモノが出来た時、かな」
「なにそれ。要するに、今は怖いものなんかないってこと?」
「…ああ、そうなるのか。何だ、意外と頭いいんじゃねぇか?おまえ。…いや、気づかなかった」
「…あんた、のんきすぎ。…わ、見て。外…さっきは肝試しに手一杯だったけど、砂漠の星って、こんなに綺麗に見えるんだ…」
「…女ってのは、何でそういうのが好きなのかね」
「ロマンがないのねー。…ね、昼間の女王様。綺麗だったと思わない?」
「…ん、そうかも、な。俺のタイプとは少し違うけど、確かに綺麗だったとは、思う」
「へぇ、あんた、結構変わった嗜好なのね。このお城の兵士は、みんな女王様に心酔してるみたいなのに」
「…それは、おまえが変わってるということか」
「え?なに?」
「…何でもない」
「?変なの。…あたしもいつか、あんな風に優雅な物腰で、綺麗なドレスを着て、舞踏会なんかに出てみたいなー」
「………なんだそりゃ」
「小さい頃、母さんに何度も読んでもらった絵本があってね。…あたしの憧れなの」
「…よくわからん。優雅な物腰にドレス…おまえには似合わないんじゃないか?」
「む、いいじゃない。憧れるだけならタダなんだしさ。…ね、もしさ。もしもよ?
 …あたしが、あんたの好みのタイプってのになって…ドレスを着たら…一緒に舞踏会に出てくれる?」
「………」
「何よ、その顔は」
「………いや、だって」
「…や、やぁね、冗談よ、冗談!ほら、明日はピラミッドの探索に行くんでしょ!?さっさと帰りましょ!」
「…まぁ、いいけど」
「ん?」
「なんでもねぇよ」

『母さん、やっぱりこいつに女の子のロマンを理解させるのはまだ早いみたいです。敬具』

18 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/26(土) 01:55:10 ID:c8uE7QoD0
>「…それは、おまえが変わってるということか」
この言葉を普通にスルーするツンデレテラモエス

YANA氏GJ!

19 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/26(土) 09:18:10 ID:c8uE7QoD0
保守

20 :YANA:2005/11/26(土) 12:18:41 ID:C8Hw5rmc0
ちょwww 昨日の俺のID、フルアーマーダブルゼータだwww

プロット構成中、ちょっと18禁くさい要素が入ってきちゃったけど…おkかな?
とりあえず、直接的な行為はないけど。

21 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/26(土) 14:27:31 ID:9Cl39uGSO
おk

22 :YANA 10-1:2005/11/26(土) 16:04:58 ID:S71OKLIi0
「拝啓 母さん、突然ですが、墓荒らしっていけないことですよね。
 砂漠の真ん中に、ピラミッドって言うものすっっっごく大きな、昔の王様のお墓があります。
 今、私たちはそこの探索に来ています。
 当初の目的だった魔法の鍵は、扉に仕掛けられた謎を無事解いて入手できました。
 …でも、その後が、いけませんでした…」

 オォォォォォォ…王様の宝返せ…我らの宝返せ…
「ひぃぃぃぃっ!」
「うぉぉぉぉぉっ!」
 ブッシャァァァッ
「グギャァァァッ!」
 ドシャッ…
 オォォォォォォ…王様の宝返せ…我らの宝返せ…
「ふぅ…!ちょ、ゴドー!後ろ!」
「ガァァァァッ」
「!」
 ガシュッ
「…いてぇなぁ。そう慌てるなって、すぐ相手してやるから、よっ!」
 ガシッ、ミシミシミシッ、ブチッ
「グォォォォッ!」
「オラ!」
 グシャッ

23 :YANA 10-2:2005/11/26(土) 16:05:27 ID:S71OKLIi0
オォォォォォォ…王様の宝返せ…我らの宝返せ…
「やれやれ…きりがねぇな…今ので…23匹、か?」
「ちょっとぉ!数えてる暇があるなら、この宝箱の中身運ぶの手伝ってよぉ!
 …って、手!手!さっきの奴の手!まだ肩食い込んでる!」
「ああ?いいよ、どうせまたつくだろうし。おら、おまえこそ、お化けは怖くて直接殴れないんだろ。
 戦力にならねぇんだ、口はいいから手ぇ動かせ」
「っていうか、これ空けたの全部あんたじゃないの!もうやだ〜!だからあたしはよした方がいいっていったのよ〜!!」
「いやぁ…まさか、魔法の鍵に罠が仕掛けられてなくて、こんな二束三文の、数だけの宝にこんな豪勢なトラップがあるとはな。
 何千年前の奴が作ったか知らねぇが、捻くれた策士も居たもんだ」
「感心してる場合かぁ!」
「あのな、そんなにミイラと戦うのが嫌なら、リレミトの分の魔力だけでも残しておけよ…。
 …ったく、奴らが来た途端、パニクってベギラマ撃ちまくりやがって」
「しょ、しょうがないじゃない!あれで平静で居られるあんたがどうかしてんのよ!…って、ひゃぁ、また来てるぅ!」
「…二フラム」
「!オォォォォォッ…」
 シュゥゥゥゥッ
「…へ?」
「ほら、今のうちに昇れ。屋上でも何でも、外に出ちまえばこっちのもんだ」
「…あんた。何やったか知らないけど、あんな便利な呪文使えるなら、何で今まで使わなかったのよ」
「俺の魔力量は少ないんだ、ガタガタ抜かすな。俺とおまえの回復呪文の使用分だけで普段は手一杯なんだよ。それに第一」
「第一?」

24 :YANA 10-3:2005/11/26(土) 16:05:54 ID:S71OKLIi0
「一撃で消し去ったら、経験にならねぇだろうが。身を削り削られねぇと強くならん。
 大体、こんなしょうもない魔法をバカスカ撃つ魔力が残ってればさっさとリレミト使ってる。今ので、もうガス欠だよ」
「…この戦闘狂」
「やかましい。おまえがしんどそうだから、サービスしてやったんだろうが、少しは感謝しろ」
「そりゃどうも…あ、この階段で最後ね」
「む…」
 ・ ・ ・
「うわ…たっか…い…」
「………」
 オォォォォォォ…王様の宝返せ…我らの宝返せ…
「うわっ!また来たぁっ!どうすんのよ、とにかく上を目指せっていったのはあんたよ?」
「?何言ってんだ、おまえもいい加減慣れろ」
「え?………ちょ、ちょっと…もしかして」
「後ろに死にぞこないの大群。いるのは見晴らしのいい建物の屋上。…さて問題です。俺がこういった状況で執る行動といえば?」
「………うぐぅ」
「はい時間切れ。…死にたくなければしっかり掴まれよ」
 ガシッ、ヒューーーーーーーーッ
「結局これかーーーーーーーーーーっっ!!!」

『母さん、あたし、砂漠を嫌いになりそうです。…もう一生、二度とお墓を荒らしたりしません。敬具』

25 :YANA:2005/11/26(土) 16:12:41 ID:S71OKLIi0
今のうちに謝っときます。
バハラタの人攫い編、鬼のように長くなっちまいました、すいませんorz
多分3話か4話くらいかかる上、ちと下品でいつにもまして少年漫画臭のする話になると思います。
勿論、最後はちゃんとツンデレる予定ですので、その辺はご心配なくm(__)m

26 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/26(土) 16:47:46 ID:9Cl39uGSO
  _  ∩
 ( ゚∀゚)彡
 (  ⊂彡


27 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/26(土) 20:51:04 ID:V1VIiXCCO
 _  ∩
( ゚∀゚)彡 ミイラ!
(  ⊂彡 ミイラ!

28 :YANA 11-1:2005/11/26(土) 21:05:24 ID:A+YoRWXL0
『拝啓 母さん、今日はあいつのちょっと意外な一面を見ることが出来ました。
 魔法の鍵を手に入れた私たちは、ロマリアの北東の関所を抜け、航海大国ポルトガにいます。
 あいつが、『そろそろ根本的に行動範囲を広げたい』と提案し、海を渡る船を手に入れるために渡来しました。
 そして、その旨をポルトガの王様に提案すると、何だか変わった依頼をされてしまったのです。
 何でも『東方からクロコショウを持ってきたら船を授ける』とか。…クロコショウ、って何かしら?
 と、私が城からでて歩きながら難しい顔をしていると、あいつが覗き込んできました』

「どうした、いつにもまして不機嫌そうな顔だな」
「うっさいわね。…ちょっと考え事よ」
「?なんだ、船との交換条件で不服なとこでもあったのか。俺は、別にいいと思うけど」
「ん、当たらずとも遠からず。…あたし、クロコショウって言うのがどういうものかよく知らないのよ。
 だからいきなり、じゃあ取ってこーい、っていわれても、ピンと来ないって言うか…」
「ああ。くろこしょうってのはな、アッサラームからこっち側じゃ高価な代物でな。とにかく数がほしければ、東に行くしかないんだよ。
 あっちじゃ腐るほど採れるらしいからな。くろこしょう以外にも色々種類があって…確か、香辛料とかいう総称だったか」
「ふぅん。なに、それ、どうやって使うのよ」
「そうだな…うん、おまえが宿屋なんかでいつも食ってる肉は、どういうもんだと思う?」
「な、なによ急に。…どういうって、そりゃ、牧場なんかの牛や鶏とか、山や森で狩った鹿とか…」
「まぁそうだけど。肉ってのは、そのままだととにかく腐り易いんだ。だが、くろこしょうってのは料理の味付けに一役買う上、
 たっぷりつければ、何倍も長持ちする。動物が冬眠する冬なんか肉が採れないから、秋に獲れた肉にこいつを使って保存するんだよ」

29 :YANA 11-2:2005/11/26(土) 21:05:46 ID:A+YoRWXL0
「………」
「どうした、馬鹿みたいに口開けて」
「あ、ううん、ごめん…驚いた。意外と博識なのね、あんた」
「あん?いや、昔、アレイに聞いた話を覚えてただけだよ。あいつ、ああ見えて冒険は九つのときからのキャリアだから、
 知識はあってな。俺は今年の旅立ちに備えて、知識に関してあいつに師事してた時期があったんだ」
「うわ、アレイって、そんな大先輩だったんだ…同い年だから、てっきり同じくらいの経験かと…」
「あぁ、まぁ、あいつはそういうので距離置かれたりするの苦手らしいから、別に認識を改める必要はねぇぞ」
「ん、了解。でも、珍しいわね。あんたが他人の話をするなんて」
「は、あいつとは腐れ縁なだけさ。話してない腹の内も、お互い、多いと思うぞ。…ただ、あいつは何でか、のらりくらりしながら
 俺に一方的にしつこく絡んでくるから、俺も途中から面倒になったんだろ」
「その割には、くろこしょうの話の時といい、あの子のこと喋ってる時といい、ちょっとだけ楽しそうに見えたけど」
「む…そうか」
「うん。ふふっ、安心した。あんたにも、ちょっとは人間臭いとこあったのね」
「…なんか面白くねぇな。アリスの癖に生意気な」
「たまにはいいじゃない、観念してあたしにいじられなさい、クスクス」

『母さん、ひょっとしたら、私はこいつの弱みを握ったかもしれません。ちょっとだけ、この冒険が楽しくなるかも? 敬具』

30 :YANA:2005/11/26(土) 21:15:11 ID:A+YoRWXL0
などと、ドラクエ中では何で高価かという説明が、
「東でしか採れないから」以外にない、くろこしょうに関する一般的な歴史的認識を一つ。

俺が挫折しないとも限らないし、まだまだ先の話なんだけど、最後のゾーマ編、
「ドラクエらしい展開」にするか、「ある意味ドラクエの世界観を風刺した展開」にするか迷ってる…。
俺如きがなにいうか、と思うかも知れんけど、希望があったらレスの端っこにでも書いてくれると嬉しい。

31 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/26(土) 21:46:20 ID:9Cl39uGSO
 ・「ドラクエらしい展開」
 ・「ある意味ドラクエの世界観を風刺した展開」
rァ・「両方」ピッ

32 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/26(土) 23:49:42 ID:V1VIiXCCO
「ある意味ドラクエの世界観を風刺した展開」の方が独自の解釈が入ってて面白いやもしれん

33 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/26(土) 23:51:24 ID:oMIPFgMb0
この所沢さん非難をあびる優れたアイドルがこの先生き残るには?

34 :YANA:2005/11/27(日) 00:07:12 ID:OSMZhZmn0
>>31
ちょっと待てw 無理、勘弁、そんなことしたらクライマックスぶち壊しになること請け合いw

俺のこれは、結構ベタというか王道なネタをふんだんに取り入れてるから、色んな作品知ってる人なら
割と先の展開とか読めると思う。
だから伏線なんて大層なもんじゃないけど、それっぽいもののために、この先の登場人物の扱いとかが、
上の選択肢、どっちを選ぶかによって結構変わったり。

>>32
独自の解釈…んーそんな質のいいもんじゃないと思います。
多分、誰もがある程度知識とか道徳とか身に付けてから改めてドラクエをやると、
考えいたることだと思うので。俺はただ、それを何とかしてカタルシスに変えようとしてるだけなのです。

35 :YANA:2005/11/27(日) 00:10:26 ID:OSMZhZmn0
「拝啓 母さん、いきなりですがピンチです。
 くろこしょうを手に入れるため、洞窟のホビットにポルトガ王の手紙を渡して協力を得て、くろこしょうの産地・東方は
 バハラタの町にやってきた私たち。早速くろこしょうを調達しようとしたのですが、なんと、お店の跡取の婚約者さんが
 人攫いに遭ってしまったとかで、それどころじゃない雰囲気です。
 血気はやって跡取のグプタさんは人攫いの住処に突撃してしまいました。そこは私たち勇者一行、見過ごすわけには行きません!
 二人の平穏な生活のため、ひいては私たちの船のため、ゴドーと後を追ったのですが…」

「…その…ごめんなさい…タニアさん。助けに来たのに…」
「あ、いえ…」

「女は娼館、男は奴隷商人にでも引き渡しちまおうか」
「いやいや、こいつら中々上玉だぜ?どこぞの金持ちの方が高値で吹っかけられるかもしれねぇ。
 上手くすりゃ、それネタにゆすってその後も安泰って寸法よ」

『不覚です。奴らの住処になっている洞窟は、とんでもなく迷いやすかったのです…!
 いけどもいけども同じ風景で、いつの間にか私はあいつとはぐれてしまい、洞窟を彷徨っている最中…
 後ろから不意打ちを食らって、檻の中です。奴らは今、私たちと、先に来て既に捕まっていたグプタさんをどうやって
 金儲けの道具にしようかの算段をしています…。ああ、もう!あいつは道楽で仲間にした女の子を散々連れまわした挙句、
 残りの人生を男の欲望の捌け口にして終わらせるつもりなのでしょうか!早く助けに来なさい!!』

「だ、大丈夫よ。あたしの相棒が来たら、こんなやつらパパッとのしてくれるからさ!ね?
 あいつ、今まで無敗なんだから!」
「…はい…」

36 :YANA 12-2:2005/11/27(日) 00:10:56 ID:OSMZhZmn0
「まぁどっちにしても、最後に決めるのはおかしらだ。おかしらが帰ってくるまでは、一先ず現状維持だろ」
「だな。…だがその前に…味見でも、っと」
「…!?」
「?お、おい、何する気だ?傷物にしたら、おかしらに殺されちまうぞ!?」
「心配ねぇ、要はハツモノでさえありゃいいんだ。こいつらさえ黙ってりゃ、上の口くらいは大丈夫だろ…なぁ?」
「…ひ…」
「ちょ、ちょっと、何考えてるのよ変態!」
 お、おい!タニアとその人に手を出すなっ!!
「ああ?うるせぇな…おい、黙らせろ」
「…やれやれ、好きだなおまえも…おら!」
 ドガッッッ
 ぐふっ!…
「グプタァッ!…うぅ…」
「がはは、暫く寝てろ!…さぁて、お楽しみだ」
「…なによ、牢屋の中の男と、縛られた女にしか強気に出れない三流盗賊のくせに」
「あん?なんだと、このアマ?」
「な…アリスさん、やめた方がいいですよ!何されるか…」
「あんたらなんか、あいつが来たら一発でお陀仏なんだからね!」
「はん…そりゃあお怖いこって。なんだったら、助けてーって叫んでみるかい?」
「お断り。あいつは、叫んだから助けてくれる、っていうような性格じゃないんだから」
「?」

37 :YANA 12-3:2005/11/27(日) 00:11:30 ID:OSMZhZmn0
「あたしが黙ってたって、助けが要らないって言ったって…あいつは、いつだって勝手にあたしを助けるんだから!」
「へぇ、そうか。…無駄話は終わりだ、痛い目見たくなかったら、おかしらが帰ってくるまで俺の機嫌を損ねないことだな、と」
 ガシッ
「っ…!」
「なんだ、さっきの威勢はどうした。怖くて声も出ないか?かーわいい!」
「(ゴドー、ゴドー、ゴドー、ゴドー、ゴドーッ!!)」
「それじゃ早速」
 ドッガアアアァァァァァァァァァンンンッッッ
 うわ、誰だてめぇ!…うぉっ!?
 なんだ、こいつ!…うわ、ホントになんだぁ!?
 ブシャッ、ガリガリ、ドシャァンッ…
「ああ?なんだ、これからって時に、何事だ!?」
「…侵入者かね。見張りがいるはずだが」
 ………
「…静かになったな。…おい、馬鹿やってねぇでいくぜ。どうも様子が変だ」
「…ちっ、少しだけお口の貞操の寿命が延びたな。まぁ大方、おめぇの相棒とやらが来たんだろうが、
 この分じゃもうカタがついてノビてる頃だろ!ガハハ!」
 キィ…バタン!
「…ふぅ…」
「あの…アリスさん…」
「…ニッ…遅いわよ、バカ」


38 :YANA 13-1:2005/11/27(日) 09:08:38 ID:ayYKHPKa0
 バガンッッッッ
「「ぐあぁぁっ!!」」
「おかえり〜。あら、変態の方は股間押さえてる」
「…引越し、引越し、さっさと引越し…ぐふっ」
「はぁ?…なんだったのかしら」
 ザッ
「………よう、何やってんだ、おまえ」
「あ…。…もう。来るのが遅すg…キャァッ!?」
「ひぃっ!…きゅう…」
 パタンっ
「ん?どうした」
「血だらけだよ!全っ然大丈夫じゃないよ!パパッとのせてないよ!」
「はぁ?…ああ、この傷か。上で迷ってる最中、見つけた宝箱を手当たり次第に開けてたら、いくつか人食い箱が混ざっててな。
 一匹残らず相手してたら、このざまだ。見張りどもにつけられた傷なんか一つもねぇよ」
「…なんだ。もう、手当てくらいしてから乗り込んできなさいよね。
 あんたまでやられたら、危うくあたしたち売り物にされるとこだったんだから」
「いや、結果的に、こいつら俺を見て怯んで、隙作ってくれたから。多分、手当てして乗り込んでたらもっと重傷だった。
 っていうか、おまえは勝手にはぐれて勝手に捕まってるんじゃねぇよ。面倒くさい…」
「う…普段、勝手はあんたの専売特許でしょ。たまにはあたしが勝手してもいいじゃない。…そりゃ、捕まったのは油断してたけど。
 ほら、早く檻開けてよ。そこの壁に、スイッチがあるから」
「はいはい。…壁、壁、ん、これか」
 ガチン、ガラガラガラ

39 :YANA 13-2:2005/11/27(日) 09:09:01 ID:ayYKHPKa0
・ ・ ・
「ありがとうございました!なんとお礼を言ってよいか!」
「いいよ。結局、こいつ助けるついでになったし」
「それはもういいでしょ!」
「うふふっ…仲、およろしいんですね!」
「な…だだだ、誰がこんな血だるま勇者と!」
「…む、どんどん俺のあだ名が増えていくな」
「くろこしょうをお求めでしたね?町にいらしたら、是非私のお店に来てください!」
「ああ、頼む…ん?」
「おや…どうかなさいましたか?ゴドーさん」
「?どうしたのよ。しかめっ面して」
「………グプタ、タニア、おまえらちょっとここにいろ」
「「え?」」
「???…なによ、まさか…」
「すぐ終わらせてくる」
「あ、ま、待ってよ!あたしも行く!…あなたたち、ここを動かないでね!
 あと、念のため、そこの変態たちは牢屋に放り込んでおいて!いい?」
「は、はい…」
 ダッ
「グプタ…」
「…大丈夫、あの勇者さんたちなら心配要らないよ…」

40 :YANA 13-3:2005/11/27(日) 09:09:27 ID:ayYKHPKa0
 ・ ・ ・
「おかしら、こっちですぜ!」
「ぬぅ…俺のいぬ間に襲撃するとは、不届き千万!目に物見せてくれる!!」
「ひゃっほう!おかしらがマジモードだ!こりゃあの死体もどきも仕舞いだぜ!!」
「がっはっはっ、任せておけ!」
 ちょ、ちょっと、少しくらい手当てしても…
 いらねぇよ。…ったく、人間相手にするのはこれっきりになってほしいもんだ…
「あ、奥から声が!おかしら、頼みますぜ!」
「おう!!」
「…お、やっぱり頭のおでましか」
「もう…知らないわよ!ホントに!」
「あっ、あいつです、おかしら!」
「ふん、この俺様の一味に喧嘩を売ろうって奴の顔はどんな………Σ(゚Д゚;;)!!? うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?」
「!!?ど、どうしたんですかい!?」
「ん?…なんだ、誰かと思えば、いつぞやの覆面パンツか。まだこんなしょうもないことしてやがったのか」
「へ?…あー!あんた、カンダタ!」
「おかしら、知り合いですかい?」
「………((((゚Д゚;))))ガクガクブルブル」
「…やれやれ。生憎、二度目も容赦してやるほどお人よしには出来てないぞ、俺は…」
「…はっ!な、なにをいう!い、今の俺様が、あの時の俺様と同じと思うなよ!」
「ああ、何でもいいや。どうせ、このまま返してはくれねぇんだろう?…とっとと始めよう」
「ぬぅ…!是非もない!後悔するな!!」
「アリス。悪いが力を貸してくれ」
 カチッ
「え?(あれ、この前の腕輪…?)」

41 :YANA 13-4:2005/11/27(日) 09:09:53 ID:ayYKHPKa0
「奴が斧を振り上げたら、俺にスカラをかけろ。頼むぞ」
「え、あ、う、うん!(…って、え…今、あいつ、あたしに…頼む、って?)」
「往くぞぉっ!ぬぉぉぉぉっ!!!」
「スカラッ!」
「「やっちまえ〜!おかしら〜!」」
 ッズドンッッッッッッッッッ
「………え?」
「「………は?」」

「………」
「…云ったろ。二度目は、容赦しねぇって」
 ッッバタッ…ンッ

「「「………」」」
「お…」
「「おかしら〜〜〜〜っ!!」」
 ザッ
「「ヒッ!」」
「…まだ、やるかい」
 ブンブンブンッ
「そいつを担いで失せろ。十秒だ」
「「し、失礼しやした〜っ!!」」
 ガシッ、ダ〜〜〜〜〜〜〜ッ
 ば、ば、ば、化け物だーーーーーーーーーっ!!!
「ふん…」
「…な、な、な…何なのよ、あんた…前から化け物じみたタフさだと思ってたけど…
 実は、ホントに人間じゃないってんじゃないでしょうね?」
「わけあるか。説明がほしければ後でしてやる。今は他にすることがあるだろう?」
「あ、そ、そうね。グプタさーん!タニアさーん!もういいわよー!」

42 :YANA:2005/11/27(日) 09:15:09 ID:ayYKHPKa0
俺ばっかりでごめんよ… ( ´・ω・`)
執筆係さん、早く来てくれないかな…このままじゃ空気読めない子として名を残してしまう…

43 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/27(日) 11:40:09 ID:dUP4zvGV0
YANAさんの作品も楽しみにしている人なので、
むしろ此処で消えられた方が空気の読めない子認定ですよ。

しかし執筆係さんが早く来て欲しいことは狂おしいほど同意。

44 :YANA 14-1:2005/11/27(日) 12:24:07 ID:zaipmm6H0
 ・ ・ ・
「何から何まで、本当にありがとうございました!このご恩は、子々孫々語り継いでゆくつもりです!」
「だからいいって…」
「帰り道、気をつけてね。あたしたちがついて行ければいいんだけど、こいつがまだやり残したことがあるっていうから」
「と、とんでもない!そこまでお世話になるわけにはまいりません!…それじゃ、是非ウチにいらして下さい!
 お待ちしています。行こう、タニア」
「ええ。…ゴドーさん、アリスさん、ありがとうございました」
「あいよ」
「うん、またね」
 タッタッタッ
「行っちゃった。…それで、ゴドー。あんた、こんな陰気臭いとこに、まだ何の用があるってのよ?」
「………」
「ゴドー?」
「…悪い、限界だ」
 フラッ…ドサッッ
「へ?…な、なによ…何の冗談よ?…ゴドー?…ゴドーッ!!」
 ・ ・ ・
「…んあ?」
「…やっとお目覚め?」
「ん?………悪いな。…膝、借りてるみたいだな。痛くねぇか?」
「…バカ。あんたの方が、よっぽど重傷じゃないの…」
「そうだったな。…ん、あれ、道具袋がねぇ…」
「これのこと?」
「む…中、見たのか?」
「…うん」
「………そうか」
「…中の薬草…町を出る前はあんなにあったのに、なくなってる…」
「………」

45 :YANA 14-2:2005/11/27(日) 12:24:31 ID:zaipmm6H0
「魔力も殆ど残ってないじゃない…あんた、こんなになるまで、町に一度も戻らずに、上で階段を探してたの…?」
「…何、戻るより、人攫いぶちのめしてリレミトとルーラを使えるおまえを助けた方が早くて楽だと踏んだだけだ」
「…ウソツキ。無茶して…さっきまであんなデタラメな戦い方出来たのが奇跡に近いわ」
「仕方ねぇだろ…銃後を心配させる勇者なんかどこにいる?あいつらの前で、助けに来た俺がみっとも無い姿晒したら、
 どれだけ不安になるか…」
「…はぁ。ホントに、変な所で意地張るんだから。…あんたって、あたし以外には、みんなに対してそんなに優しいの?」
「…ん、どうだろ。考えたことない」
「ふぅ。…ところで、さっきカンダタをやっつけたアレ。何やったのよ?また、なにかハッタリかましたの?」
「ああ、あれか。何、今回はハッタリっていうか、ちょっとしたトリックだよ」
「トリック?」
「ん、ほら、こいつ」
「あ、イシスで幽霊にもらった腕輪。そういえば今まで使わなかったみたいだけど、なんなのそれ?」
「こいつはな、どうやら装備者のスピードを2倍にするみたいなんだ。…いや、ほんと。俺も実は、上で迷って薬草も底をついて、
 にっちもさっちもいかなくなってやぶれかぶれで着けてみて、初めて気づいたんだけどな。もっと早く使えばよかった」
「…えーっと…バカ?」
「うるせぇ。…もう一つが、スカラ。もう気づいてるんじゃないか?」
「…ん。…あんた、さっき剣使わないで素手で殴ってたわね。スカラの呪文は、対象者の『肉体硬度』を高めて、
 攻撃に対する守備を固める…あんた、もしかして」
「正解だ。…打撃の破壊力は、その重さと速さと硬さに比例する。うち二つ、速さと硬さを、思いっきり強化して、
 覆面パンツのがら空きの鳩尾に…ズドンッ、だ。ひとたまりもねぇよ」
「無茶苦茶ね。スカラを攻撃力の強化に使うなんて、世界中探してもあんたくらいよ、きっと」
「ああ、だろうな。…ただこれ、一つ問題があってな」
「?なによ」

46 :YANA 14-3:2005/11/27(日) 12:24:56 ID:zaipmm6H0
「見ろ」
 プラーン
「うわぁっ!!?ちょ、な、あんた、よく見たら右腕がとんでもない方向に!?」
「いや、確かに体の硬度は上がったんだけどな…ほら、反作用って言うのかな。壁を殴れば、その衝撃と同じ衝撃が手に返ってくる
 っていうか。あいつをぶん殴った衝撃に、俺の腕の『外側』はともかく『内側』の方は耐えられなかったんだろ。
 …さっきから肘から先動かそうとがんばってるんだが、駄目だこれは、肘の関節の筋、木っ端微塵だな」
「…それ、メチャメチャ欠陥技じゃない」
「同感だ。…多分、二度と使わねぇ。いや、いいアイデアだと思ったんだけどな、タハハ」
「…あれ、あんたでも笑うんだ」
「ん、初めて見るか?なら、今のうちに見ておけよ。今日の俺は、少し、機嫌がいい…」
「なにそれ。…あたしの膝枕のおかげ?」
「ああ、そうかも」
「…え?(////)」
「…っていったらどうする?」
「な…!このバカ!」
「ふふ…悪い、もう一眠りしていくよ。もうちょっと、膝、借り…て…」
「あ、ちょっと………もう。ホントに勝手なんだから」
 …すぅ…すぅ…
「…こうしてると、ホント、16歳の男の子なんだけどな。目を覚ますとあれだもん」
 …すぅ…すぅ…
「…ね、あたしの独り言。聞いてくれる?」
 ナデナデ…
「…あたし、さっきあんたが『頼むぞ』っていってくれた時…すっごく嬉しかったんだよ…?
 だってあんた…いつもあたしを一方的に助けて…いつもあたしよりも長く戦って…いつも…あたしの盾になって。
 ちっともお返しなんか出来ないじゃない?」
 …すぅ…すぅ…
「だから…例の攻撃、二度とやらないって…ちょっと寂しいかな。いつも使ってくれれば、あたし、いつでもお返しできるのにさ。
 …でもしょうがないよね。あたしの自己満足のために、あんたの右腕をパキパキ折るわけにいかないもんね」
 ナデナデナデ…

47 :YANA 14-4:2005/11/27(日) 12:25:20 ID:zaipmm6H0
「はぁ………ごめんね。最後にもう一個だけ。…助けてくれて、ありがと。あたしの女の子の部分、守ってもらうの、二度目だね。
 ………ん」
 …チュ…
 …すぅ…すぅ…
 ・ ・ ・
「肩、借りていいか?…一人じゃ、少し立ってるのがつらい」
「しょうがないわね。右肩でいい?」
「すまん。…これは薬草じゃ直らねぇかもな。町に戻ったら、教会の僧侶にでも診てもらうか。
 …ポルトガ戻るのは、少し遅れるな。こんな状態で船もらっても仕方ねぇし」
「あたしはいいわよ?あんたに戦える状態になってもらわないと困るしね」
「やれやれ、今回はおまえに迷惑かけてばかりだな」
「べ、別に迷惑なんかじゃないわよ。結局、あたしやグプタさんたちを助けるための負傷なんだしさ」
「勇者としての面目が保てねぇ、って話だよ…」
「はいはい。あんたの意地っ張りはもうわかったから…それじゃ、リレミト、いくわよ?」
「ああ。…そうだ、一つ、おまえにいっておくことがある」
「?なによ、あんた重いんだから、早く町に帰って治療台に放り出したいんだけど」
「まぁ聞けよ」
「さっさといいなさいよ」
「…俺さっき、起きてたんだけど」
「…………………………………℃$#!★@З!!!?(/////////)」
「…っていったらどうする?」
「!!!!!」
「…なんだ、やっぱり何かしやがったのか。おら、白状するなら今のうちだぞ。日頃の鬱憤、溜まってるんだろ?
 怒らないから、どんな悪戯して楽しんでたかいって…み…おい、どうした」
「死んじゃぇぇぇぇぇぇっ!!うわぁぁぁぁぁぁっ!!!」
 バキバキバキッ
「ぐぉぉぉぉぉぉっ!おい、右はやめろ、右は…ぐぇぇぇっ!!」

『母さん、神様、ああもうこの際悪魔でもいいです。どなたかこの人外勇者にきっっっつい罰をぶち当ててください。敬具』

48 :YANA 14-?:2005/11/27(日) 12:25:51 ID:zaipmm6H0















「おーい、誰か〜!こっから出してくれ〜!」
「もう人攫いなんかしねぇよ〜!!」

49 :YANA:2005/11/27(日) 12:55:45 ID:zaipmm6H0
ちょい警告です。
この後、ダーマ編で一息入れてから始まるムオル編で、話が「え?ドラクエとしてそれはどうよ?」
っていう、読む人によっては鬱展開かも、なものになります
(無論、この先全ての展開が鬱展開ってことは絶対ありませんが)。
筆者としては、かなり重要なフラグが立つ話なので、これを読んで拒絶反応が出た人は、
この先を読むの辛いかもと思います。

古くからドラクエの世界観が好きな方、ちょっと注意です。

50 :YANA 15-1:2005/11/27(日) 13:23:39 ID:5OUJR+/u0
「拝啓 母さん、先日は、心配のお手紙ありがとうございます。
 でも、それには及びません。ゴドーの傷はもとより、右腕の関節の方も持ち前のタフさで、
 三日もバハラタの僧侶さんの治癒魔法を受けたらもう神経が接合して、日常生活でも問題なく機能しています。
 ただ、この先の治療はあいつ自身のホイミでも大丈夫だけど、右腕を戦闘に使うのはもう一週間ほど立ってからの方がいいとのことで。 そんなこんなで、今あいつは左腕と、せっかくの機会だから、と鍛える意味でも不得意な魔法で戦闘を切り抜けています。
 さて、私たちは今、バハラタの北の山奥、転職を司る、ダーマの神殿に来ています。
 …はい、ポルトガに戻るのは、もう少し先になりそうです。あいつ自身が実戦による暫くのリハビリを希望したのと、
 ポルトガの王様の依頼に『東方で見聞した事を報告しろ』というのも含まれていたので、くろこしょうを調達後、
 どうせなら、と徒歩で行ける範囲を全て回ることにしたのです」

「………」
「何を見てる?」
「ん、転職って、すごいなって思って」
「ほう。何をしてそう思う?」
「だって、魔法使いのよぼよぼのおじいさんが、戦士になった途端筋骨隆々の大おtむぐっ…!ふぁにすんのひょ!」
「いや、それ以上は、その、なんだ。造物主の怒りを買うことになりかねない気がしてな…」
「けほっ…はぁ?…でも、それ抜きにしても、あたしは尊敬しちゃうな」
「何で?」
「だって、転職って、今の職業で新たに覚えることは何もないから、新しい発見を求めてするんでしょ?
 あたしみたいな未熟者には、全然想像つかない境地っていうか…」
「…どうかな。挫折した、その道の落伍者もいるかもしれねぇぞ」
「夢のないこといわないの!どうしてあんたはそう、悲観的なのよ」
「現実主義といってほしいな。…世の中、理想じゃ腹を膨らますことはできねぇからな」
「その理想を求めて、勇者様になったのはどこのどいつでしょうねー?」

51 :YANA 15-2:2005/11/27(日) 13:24:03 ID:5OUJR+/u0
「ん?…いや、誰だ?」
「何よ、わかんないの?」
「………心当たりがないな」
「呆れた。自覚ないんだ、あんた」
「あ?…俺のことか?ちょっと待て、俺がいつ理想のために勇者になったと言った?」
「だってあんた、やれ勇者は人殺ししないだの、じゅーごに醜態は晒せないだの、自分の実力に見合わない理想ばっかり
 無理矢理貫いてるじゃない。これが理想論でなくて何なのよ?」
「………」
「…?何よ、珍しく黙っちゃって。ほら、こっち見なさい。何か言い返さないの?」
「………じゃない」
「え?」
「…理想なんかじゃない。…これは、呪いだ」
「………呪、い?」
「…あぁ、いや、悪い。変なこと口走ったな、忘れてくれ」
「…ちょっと、気になる言い方するわね。ちゃんと説明しなさいよ」
「忘れろ」
「…今まで一緒にやってきた、あたしにも話せないの?」
「…おまえにも、だ」
「…そ。いいわよ、もう…友達甲斐のない奴」
「………」

『母さん、今日はこいつに、完全に拒絶されちゃいました。今まで、軽くあしらわれる事はあったけど、こんなこと初めてでした。
 …ほんのちょっとだけ、悲しいです。敬具』

52 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/27(日) 16:24:06 ID:6cS//SEiO
豪快な勇者だなw

53 :YANA:2005/11/27(日) 17:18:38 ID:jwErz/CP0
ツンデレの布石のためとはいえ、肉弾戦闘書くのテラタノシス(最悪だ
客観的な出来はともかく。
それにしても戦闘スタイルが
どう見ても更木剣八です。本当にありがとうございました。

54 :YANA 16-1:2005/11/27(日) 17:51:59 ID:jwErz/CP0
「お、ポカパマズ、ポカパマズじゃないか!」
「こんにちは、ポカパマズさん!」
「久しぶりだな、ポカパマズ!」
「「………」」

『拝啓 母さん、東方の冒険も、いよいよ最北端、このムオルの村で最後を飾ろうとしています。
 …ですが、様子が変なのです。
 この村の人々、何故かゴドーを見ると決まって「ポカパマズ」と呼ぶんです。…しかも、親しげに』

「ねぇ、ポカパマズさん。以前、この村に来た事があるの?」
「…怒るぞ。その呼び方はやめろ。頭がどうかなりそうだ。
 …いや、来るのはこれが最初のはずだ。村の名前も、ここに来て初めて聞いた」
「ふぅん。じゃあ、何なのかしらね?あんたを、誰か別の人と勘違いしてるのかな?」
「さあな。どっちにしても、俺の知るところじゃねぇ。…見たところ、大したものはなさそうだ。
 明日にでも、ポルトガに戻ろう。俺の右腕も完治したことだしな」
「ええ、そうね」
「あ、ポカパマズさん!?」
「む…またか」
「やっぱりポカパマズさん!ねぇ、ウチのポポタに会って行ってくださいな!
 あの子、もう一度あなたに会うのをすっごく楽しみにしてるんですよ?」
「はぁ…ポポ…?」
 ・ ・ ・
「…で、商店街に来るわけね。…あんたも、ホントに普通の人にはお人よしなんだから」
「うるせぇな。頼まれた以上、やってのけるのが勇者だ。…俺の力量以外が原因で結果が芳しくなくて、
 その事実が例え頼んだ奴の生きる希望を奪うことになったとしても、俺はあるがままを伝えるぞ。これは、お人よしとはいわねぇ」
「はいはい、そういうことにしておきましょう。…でも、商店街って言っても…具体的にどこかしら?」

55 :YANA 16-2:2005/11/27(日) 17:52:31 ID:jwErz/CP0
「まぁ、ゆっくり探すさ。明日まで時間はあr…」
「ん?…あ!そこの人、ちょっと待ってください!」
「む…」
「おお、ポカパマズさんじゃないですか!」
「………」
「ポポタに会いに来てくれたんですね?いやぁ、嬉しいなぁ。上に居ますから、是非!」
「…はぁ…はい…」
「はっはっは、実はですね…ほら、これ!」
 ゴトン
「ん?なになに?…兜?」
「…兜。………!?」
「あなたが昔、忘れていった兜ですよ!
 いつ取りに来てもいいように、しっかりメンテしておいたので、ええ、今からだって使えますよ!」
「………」
「?(あれ?…何か、寒気が?…)」
「…それはありがとうございます。兜も、親切な人に手入れしてもらって喜んでいるでしょう」
「………え?」
「はははっ、いやいや、私もこんな上質な兜に触れて嬉しい限りです!ささ、まずはポポタに会ってやって下さい!」
「はい、早速」
「ちょっと…あんたどうしたの?様子が変y…」
「アリス、悪いけど、ちょっとここで待っててくれるか?」
「へ?…な、え?」
「ついてきたら、おまえとはもう一生口を利かん」
「…あ…う…?」

56 :YANA 17-1:2005/11/27(日) 17:53:09 ID:jwErz/CP0
 ・ ・ ・
「…なんなのよ、もう」
 はっはっはっ…
「…あ、降りてきた」

「いやぁ、すみませんでしたな!まさか、あなたがポカパマズさんの息子さんでしたとは!」
「いえ、こちらこそ、驚かせてすみませんでした」
「なんのなんの!…そうだ、はい、例の兜を!あなたに使ってもらった方が兜も嬉しいでしょう!」
「ありがとうございます。…申し訳ない、少し急いでいるもので、これで失礼させて頂きます」
「あ、いや、引き止めてしまって申し訳ない!ポポタも思いの外喜んでいましたし。
 頑張って、平和な世の中にしてくださいね!」
「はい、必ず。…よう、待たせたな」
「…何いってんのよ、別に急いでなんk」
「アリス。…行くぞ。それでは、みなさんお元気で」
「あ、ちょ、ちょっと何よ!…あ、それじゃ、お邪魔しました〜!」
「はははっ、またいつでもいらして下さい!」
 ・ ・ ・
「ちょっとゴドー!あんたさっきから変よ!?何急いでんのよ!?」
「うるさい、いいから黙ってついて来い」
「な…なによ、なによ、なんなのよ、もう!」

     Do not distorb!(部屋に入らないで下さい!)
「…それで。村を出て、いきなりルーラでポルトガくんだりまで飛んできて、あたしを宿屋に押し込んで。何のつもりよ。
 …ここまでやっておいて、冗談でした、なんていったら絶交だからね」
「…おい」
「…なによ」
「今日見聞きしたことは、全部忘れろ」
「………はい?」

57 :YANA 17-2:2005/11/27(日) 17:53:40 ID:jwErz/CP0
「聞こえなかったか、あの村で今日あった事…いや、面倒だ。あの村のこと自体、もう、金輪際頭の中から消し去れ」
「はぁ!?あんなに親切にしてもらったのに、何で忘れる必要があるのよ!?なに、何が不満だったのあんた!?」
「理由はねぇ。話はそれで終わりだ」
「…今まで随分勝手な奴だと思ってたけど。ここまでとは思わなかったわ」
「………」
「都合が悪くなったらだんまり?………あたし、そんなやつにこれからも命を預けなくちゃいけないの!!?」
「………」
「…そういえば、あんたがおかしくなったのは、そこの兜を見てからね」
「…忘れろといったぞ」
「…ポカパマズさんの息子、っていう言葉も聞こえたわ」
「………」
「…ねぇ、もしかして、ポカパマズさんって、勇者だったって言うあんたのおと」
 ミシッッッ
「!!?」
「…誰に聞いた」
「え…なに、がよ?だから、昼間のおじさんが、ポカパマズさんの息子tt」
「そこじゃねぇ、その後だ。…俺の親父が…勇者だった…って」
「………」
「…ああいや。それを知ってて、こいつにそんなこと教えられる距離にいやがる奴なんて、そんなにいねぇか。
 …アレイの野郎か。くそったれ、あのアマ、せっかく俺があそこに長居しないようにしてたのに、無駄にしやがって…!」
 ミシミシミシッッッッ
「ひ…ゴ、ドー…?」
「…それで。あいつ、他に何かいってたか?」
「…あんた、が、志半ばで火山に落ちたお父さんの遺志を継いで、バラモス退治に旅立つ、って」
「俺が?親父の?遺志を継いで?…くく…」
「え?え?え?」
「ハハハハハハハハッ!!こいつはいい!あの女まで、そんな盛大な勘違いをしていやがったのか!ハハハハハッ!!」

58 :YANA 17-3:2005/11/27(日) 17:54:07 ID:jwErz/CP0
「…な、なによ…違うって言うの…?」
「当たり前だっっっっ!!!!」
 ミシッ、バリンッ、ビチャッ…ポタ…ポタ…
「「………」」
「…はは、俺の今日の苦労は、とんだ道化だったわけだ。…いいだろ、そこまで聞いてるなら、話してやる」
「………」
 コクン
「…親父は、立派な勇者だったっていわれてるな。ああ、それは、確かにそうだったかも知れん。
 みんなに希望を与え、羨望の的になり、そして強かったと聞いてる。勇者としては模範的だな」
「…じゃあ…何で…?」
「何、それで、無事バラモスを倒して帰ってきたのなら、或いは俺もこんな性格にならなかっただろうよ。…だが結果は、あのザマだ。
 …遺された母さんは、親父の訃報を聞いたとき、王様の前で、強く親父の本懐を語って見せた。…だがな」
「…だが?」
「…家に帰った母さんは、隠れて一人、一晩中泣き続けたよ。
 ガキだった俺は、その意味もわからずに、母さんをそんなに悲しませてる原因をひたすら憎んだもんだ」
「…それで、お父さんを今でも」
「ああ、いや。確かに、でかくなってから、それが、親父が死んだから泣いてたんだって知ったときは親父を憎んだよ。
 けど、それだけじゃない。…あのくそ親父は、俺にとんだ『呪い』を残していきやがったんだ」
「…あ…ダーマの、時の…?」
「そうだ。俺は物心ついた頃から、勇者としての鍛錬を積んできた。世界を救う勇者として、皆の期待を背負ってな。
 …けどな。その期待は、俺に掛けられたものじゃないんだ」
「…どういうこと?」
「わからねぇか?皆が求めたのは、『勇者である親父の息子』なんだよ。
 …俺はな、『全てを救わなくてはならない役目≠背負わされて』るんだ」
「あ…」

59 :YANA 17-4:2005/11/27(日) 18:02:48 ID:jwErz/CP0
要するに、世界を救うのは俺じゃなくていい。兄貴や弟、姉貴や妹が居るなら、そいつでいい。
 …価値があるのは、期待されてるのは俺じゃねぇ、『親父の血』っていう、俺にとって憎悪の対象でしかない、忌々しいだけの代物さ」
「…な………」
「ガキのときは随分悩んだもんさ。…誰も『俺』を見てくれない。俺は父さんっていう神格存在に縛られて生きるしかないのか、ってな。
 …結局、今でも俺はそれから逃れられず、皆が望む勇者として、己の身も省みずに人助けをしてるわけだが」
「…それが…その、勇者の息子である自分は、自身を犠牲にしても人を助けなきゃいけないっていう強迫観念が…『呪い』?」
「そう。…それでもまぁ。俺は俺なりに考えて、そいつを断ち切る方法を思いついた」
「…何よ、その方法って」
「簡単だ。皆が親父に期待したそれを超える偉業を成し遂げればいい。親父と同じ条件で、な。
 一人で旅立って、バラモスをぶちのめし、道中のあらゆる人を、一人も漏らさず、ドジ一つ見せずに助ける。…それが、答えだ」
「…待ちなさい。あなた、あたしを連れてるじゃない。お父さんと同じ条件じゃないわ」
「ん?………気づいてなかったのか。そうだな、隠してたし、おまえ、鈍いもんな」
「…何が云いたいのよ?」

60 :YANA 17-5:2005/11/27(日) 18:03:39 ID:jwErz/CP0
「俺にとっては、おまえも助ける対象なんだよ。ほら、おまえ、魔法使いになって魔物と戦いたいって、初めて会ったときいったろ。
 だから俺が、舞台を用意してやったんだ」
「………………え?」
「決め手は、おまえがアリアハンの出身じゃなかったことと、まだあそこに来て日が浅かったこと。
 まぁこいつはルイーダの酒場で初めて聞いたんだが。…いや、おかしいと思ったんだ。おまえが俺と話してて、
 一度も親父の名を出さなかったからな」
「………に…」
「道中、親父の名を聞きたくなかったからな。好都合だった。だから、親父のことをおまえに知らせないよう、成るべく
 あの町に近寄らずにいたんだが…あの女のせいで、水の泡ってわk」
 バチンッッッッッ
「………」
「っ馬鹿にしないでよっっっっっ!!!!!」
 ガチャッ、バタンッ、ドタドタドタ…
「…やれやれ…どうしたのかね、俺は。誰にも話したことないのに…よりによってなんであいつに…ふぅ」
 ポフッ
「…まいったなぁ…今まで生きてきた中で、一番痛ぇや…」

61 :YANA 17-6:2005/11/27(日) 18:05:11 ID:jwErz/CP0







「ーーーーーーーーーーーーーー。敬具」

62 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/27(日) 18:20:38 ID:5EnDuBFi0
話が複雑になってきたな、とりあえずwktk

63 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/27(日) 19:51:13 ID:Uq1qwNt0O
警告なんてするから心配したが、全然大丈夫だった。
と言うかそこまで拒絶するヤツいないだろ

64 :YANA 18-1:2005/11/27(日) 22:47:49 ID:FuJzhel20
 サァァァァァァッ…
 バチャバチャバチャッ
「はっ、はっ、はっ…こっちだ、二人とも!」
「え、ええ!ほら、アリス!掴まって!」
「…はぁ、はぁ、はぁ…うん…!」
 バサッバサッバサッ
「「キェェェェェッ!」」
「む!」
「父さん!」
「あなた!」
 ドカッ
「ぐぅっ!…ここは私に任せて、行くんだ!」
「あなた…あなたぁっ!」
「家族全員で死ぬことはない!私が、死んでもこいつらを行かせない!おまえたちだけでも、さあ、行くんだっっ!!」
「お、おかあさぁん…父さんを助けてあげて…!」
「…アリス…!ごめん、ごめんね!」
 ガシッ、バシャバシャバシャ
「え?ねぇ、父さんは?父さんは何で来ないの?ねぇ、母さん!ねぇってば!!」
 ・ ・ ・
「はぁ、はぁ、はぁ、ここまで来れば…!」
「母さん…父さんは、あとでちゃんと来るよね?あんなやつらやっつけて、来てくれるよね…?」
「!…うん…うん…きっと、来てくれるわ…!」
 ガサガサッ
「「「ガァァァァッ!!」」」
「!そんな、別の魔物…!アリス、走って!!」
「おかあさぁぁんっ!!」

65 :YANA 18-2:2005/11/27(日) 22:48:15 ID:FuJzhel20
 バギ…
「ガァッ!」
「きゃぁぁぁぁっ!」
「クロスッッッッ!!!!」
 ビュゥゥゥゥゥッッッ
「「「グゲェェェェェェッ!!!」」」
 ドサドサドサッ
「大丈夫か、君たち!」
「…え…!は、はい!」
「お、おじちゃん…」
「心配ないぞ、もう大丈夫だ」
「「キキキ…」」
「来い魔物ども!このオルテガの名にかけてこの親子には指一本触れさせぬぞ!」
 ・ ・ ・
「おじちゃぁんっ!」
「おお、怖かったな。よく頑張ったぞ、お嬢ちゃん」
「ありがとうございました!…はっ、そうだ、主人を!どうか主人を助けてくださいまし!」
「む?」
「おじちゃん、あっちで、父さんがまものとたたかってるの…助けてあげて!」
「ぬ、何という事だ!奥方、すぐに案内してください!」
「はい!」

66 :YANA 18-3:2005/11/27(日) 22:48:40 ID:FuJzhel20
 ・ ・ ・
「……奥方。大変、申し上げにくいのだが………ご主人の体は、もう…」
「…そんな…あなた…あなた………わぁぁぁぁっ!!」
「ねぇ…母さん。父さん起きないの?うちにかえって、バレルのあたらしい子供のために、いぬごや作るっていってたのに…。
 起きないと、いぬごや、作れないよ…?」
「アリス…うん…アリス…お父さんね…すっごく疲れて眠っちゃったの…だから、ゆっくり眠らせてあげないと、ね…?」
「そっかぁ…しょうがないね。じゃあ、父さんがいつ起きてもいいように、ざいりょうそろえておかないとね!」
「!!…うん…うん…そう、そうね…アリス」
「…申し訳ない。私が来るのが、もう少し早ければ、或いは」
「いいえ。主人は、私たちを逃がすために捨て身でここに残ったのです。…過程はどうあれ、最後にそれが果たされ、
 きっと本望だったことでしょう」
「………」
「ねぇねぇ、おじちゃん」
「ん?」
「さっきのあれ、すごかったね。ばぎくろす、って。すっごいかぜがふいて、まものをふきとばしちゃった」
「ははは、おじさんは勇者だからね。ああやって、魔物に襲われてる人を助けてるんだ」
「へぇー、すごいなぁ。ね、あたしも、おっきくなったらあんなふうに、ばばーんて、まものにいじめられてるひとを
 たすけられるようになれるかな?」
「ああ、頑張れば、きっとなれるともさ!そうしたら、お母さんをちゃんと守ってあげないとな!」
「うん!あたし、がんばるよ!」

67 :YANA 18-4:2005/11/27(日) 22:49:09 ID:FuJzhel20



「ん…」
 チュンチュンチュン…
「………朝、か。………何年ぶりだろ。この夢見るの…」

『拝啓 母さん、今日は、久しぶりに、あの雨の日の夢を見ました。
 私の父さんが魔物に殺され、そしてあの人・オルテガさんに助けてもらった日のこと。今でも脳裏に焼きついています。
 昨日、あいつとものすごい喧嘩をしてしまいました。多分、あいつの、お父さんの話が頭を離れなかったのでしょう。
 …色々と、ショックでした。あいつは、私が父さんの死の意味すらわからなかったぐらい、幼かったときから、
 普通の人には想像もつかないような、すごいものを背負って生きてきたんです。
 …それをあいつは「親父の残した呪い」といいました。…あいつのお父さんも、きっと私の父さんと同じように自分の家族を思って、
 平和な世界を築きたかったんだと思います。けど、それが、結果的にあいつを今でも苦しめている…。
 …夕べ、私はあいつをひっぱたいて、宿を飛び出し、港の倉庫で夜を明かしました。だって、やっとあたしもあいつの役に立てる
 かもしれない、と思い始めてたのに、いきなり「おまえもその辺で困ってる人と変わらない」って告白されて。
 …結局、あたしはあいつのお荷物でしかなかったのです。あいつとの二人旅も…この町で終わりなのでしょうか…。
 それでもあいつは、いつもの仏頂面で「む…」とかいって、平然と旅を続行するのでしょう。…うん、くろこしょうも手に入れて、
 めでたく船も手に入るし…元々無理矢理引っ張られてた旅だし、頃合いかな。引き際としては、丁度いいと 』

 コトン
「…バカみたい。何書いてるのよ、あたし」
 ゴソゴソ、グイッ
「…行くわよ、アリス。ん!」
 ピシャッ、ギィ…パタン


68 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/28(月) 02:28:46 ID:x/Sl5FDI0
触発されてチマチマ書いてみているのだが、
ツンデレ(とも云いきれないが)シンシアって需要ありますか?
かなりクオリティも低いんだけど。

69 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/28(月) 03:56:06 ID:4ekMhH5aO
>>68
さあ、そんなこと言ってないで、早くSSを書ききって投下する作業に戻るんだ。

70 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/28(月) 06:34:52 ID:95Tu7Jyq0
ここまで一気に読んだけどおもしろい。
続き期待してます。

71 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/28(月) 10:27:59 ID:eP+0kpiF0
>>70
このスレより前の話が読んでないんだけど誘導おね

72 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/28(月) 13:04:52 ID:DTpQ+5GfO
>>71
>>4

73 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/28(月) 16:54:40 ID:dg/MevZ/0
>>72
この話の最初がのっとらん

74 :箸休め:2005/11/28(月) 17:54:52 ID:x/Sl5FDI0
空気を読まずにツンデレ(に見えない)シンシア投下行きます。
いやまぁほらあれだ、執筆者さんの帰還を願ってと云うことで。
クオリティが低いのは見逃してくれると嬉しいなー

75 :箸休め:2005/11/28(月) 17:56:18 ID:x/Sl5FDI0
「むー、また落ち込んでる。だからあんまり苛めないでって云ったのに。
そりゃあ稽古が必要なことはわたしだって判ってるけどさ。限度ってものがあると思うのよね。
あ、別にどんだけ痛めつけられても構わないのよ?、
だけど、あの子が元気ないときはどうも調子が狂うしなぁ……」

木陰に隠れて緑の髪の少年の様子を確認しながら、シンシアはブツブツ呟いている。
当人としては尾行しているつもりかもしれないが、
端から見たらどう見てもストーカーでしかないのが残念だ。
と、視界の隅で何かが動き、反射的に其方に目を向けてしまった。
思わずその何かを見つめてしまい、思索するような顔をする。

「ふふーん、此は使えそうね」

なにかに考えが至ったのか、シンシアは満面の笑みを浮かべた。

76 :箸休め:2005/11/28(月) 17:56:40 ID:x/Sl5FDI0
「勇者さま 勇者さま……
勇者さま どうかたすけて……。
あ! おどろかないで……。わたしはカエルではありません。
あ! 今どう見てもカエルだって思いましたね?」

どう見てもカエルだ。カエルにしか見えないのだが、
何故か自分に理解できる言語を操っている。その現実に頭が付いていかない。
そんなわけで、カエルに話しかけられた少年は、ただ頷くことしかできなかった。

「あなたは正直な人ですね。その正直さをみこんで、お願いがあります。
もうさっしているとは思いますが、じつはわたしはある国の姫でした。
しかし、悪い魔法使いに呪いをかけられ、このような姿にされてしまったのです。
まぁ、なってしまったものは仕方がないし、カエルも思ったほど悪くはありません。
そんなわけで、毎日のんきに暮らしていたのですが……
困ったことがあります。それは…………それは……………。
……………………。あ!いけない、誰か来るわ!」

77 :箸休め:2005/11/28(月) 17:57:18 ID:x/Sl5FDI0
カエルの視線が少年の後ろに向く。つられて後ろを確認してみるが其処には誰もいない。
おかしいなと首を傾げて向き直ると、其処に人語を操るカエルは何処にも見えず、
代わりに物心付いた頃から見知った少女が其処にいる。
激変する事態に付いていけない少年がポカーンとしていると、
その少女−シンシア−が話しかけてきた。

「あ、剣の稽古、もう終わったみたいね。
ん?どうかしたの?え?おおきなカエル?なんのことかしら……。
わたしはずっとここにいたけど、カエルなんて見な……見、見なか……」

嗚呼、もう駄目限界。シンシアに其処まで考える余裕があったかどうか。
次の瞬間には、乙女にあるまじき笑い声を辺りに響かせることになってしまった。

「うぷ!あはははは、あはははは……もうだめ!!
あなたが見たのはこのカエルでしょう。」

78 :箸休め:2005/11/28(月) 17:59:21 ID:x/Sl5FDI0
シンシアは、一頻り笑ったあと目に浮かべた涙を拭う。
はぁーふぅーと深呼吸をして自身を落ち着けると、目を瞑り「モシャス」その唇がと紡ぐ。
一瞬シンシアの姿がぶれたかと思うとその姿は消え、先程見たカエルが再び鎮座する。

「のんきに暮らしていたのですが、こまったことがあります。それは……
それは…………ってごめんなさい。じつはそれ以上、思いうかばなかったの」

今度はカエルの姿がぶれて、シンシアへと変わる。呪文を解いたのだろう。

「もう少しちゃんと先の話まで考えてからやればよかったんだけど、あなたを吃驚させたくてね。

な、なに云ってるのよ。別に元気づけようとしたわけじゃないんだから、ありがとうだなんて云われる筋合いないのっ。
覚えたばっかりだけど、今使った呪文はモシャスって云ってね、色んなものに姿を変えられるのよっ。
だから結構難しいの。わかる?普通に修行していたくらいじゃ、中々使えるようにならないんだから。凄いでしょ?凄いのよ。凄いんだからっ。
あなたも悔しかったら、もーっとすごい呪文を覚えてわたしを吃驚させてみなさいよねっ」

そこまで一気に云いきって、そのまま立ち去ろうとする。
そんなシンシアに少年は思わず声をかけてしまった。

79 :箸休め:2005/11/28(月) 17:59:52 ID:x/Sl5FDI0
「え?此のはねぼうしは、有難く使ってるわせてもらってるわよ。
……あなたがくれたとか関係ないんだから。他に被るものがないだけなの」

数年前にプレゼントした手作りのはねぼうし。シンシアの頭に乗っかっているのは其れだ。
あげると決めてから作り方を教えて貰って作ったものだから、
拙い技術が透けて見えて恥ずかしくなる。

「そうねぇ、将来あなたが此の村から出られるようになったら、おみやげにきんのかみかざり頂戴。
そうしたら被るのやめてあげる」

満面の笑みを浮かべたシンシアをみて「其れはまた難しい注文を」と頭を抱える少年。
そして、そんな少年を余所に「あ!」声を上げる少女。

「忘れるところだった。あなたのお母さんが呼んでたわよ。もう夕食だって。
じゃあ、また明日ね!」

                                              前編了

80 :箸休め:2005/11/28(月) 18:02:34 ID:x/Sl5FDI0
人がいない時間に投下するのは気持ちが良いですね。
取り敢えず今日はここまで。

以下、変わらず本編をお楽しみ下さい。

81 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/28(月) 22:50:46 ID:ycmePYiAO
>>73
YANAさんの話が載ってたスレは落ちちゃったんだよなぁ…
誰か持ってないかな

シンシアって誰だったか忘れてたぜw
モシャスと羽つき帽子で思い出した
続きは悲しいのかなぁ…

82 :箸休め:2005/11/28(月) 23:53:36 ID:OuTxj9VA0
YANAさんが来ないので、中編投下します。

>81
ゲーム準拠です。察してください。
ただ、書いていて思ったのは勇者の修行が完了したあとに旅立つ設定にすれば、
シンシアも旅に同行出来て、露出姉妹に対抗意識を燃やすシンシアとか、
馬鹿力姫に嫉妬するシンシアとか、ガーデンブルクでやきもきするシンシアとか、
ギャグを放って逆ギレするシンシアとかを見られるような気がしました。

ちなみに、前のスレのdatファイルはゾヌ2のものなら持ってます。

83 :箸休め:2005/11/28(月) 23:53:55 ID:OuTxj9VA0
こんな日に外で寝そべるのは大好き。お日様が気持ちいいし肌を撫でる微風も優しい。
其れに此処で寝っ転がってたら、きっとあの子が―――

「おはよう。こうして寝っ転がっていると、とてもいい気持ちよ。

…あ、駄目。だからってあなたは此処で寝っ転がっちゃ駄目。
横になりたいなら池の向こうでお願い。
な、なんでって。だってはっ、はず、はずっ、は、

熱なんて無いわよっ!くしゃみもしたくないっ。
もぅ。……そんなに顔赤いかなぁ?」

上半身を起こして、改めて少年と向かい合う。

ああ、きれいなかおだなぁ。

何故だか突然、そんなことを思った。

84 :箸休め:2005/11/28(月) 23:54:44 ID:OuTxj9VA0
「ねぇ、知ってる?宿屋のおじさん、道に迷った外の人を泊めちゃったんだって。
もう、あの人ホントに判ってるのかしら。掟で禁止されてるのに。

あなたは優しいね。
わたしだってわかってるわよ。そのまま野垂れ死んだら可哀相だもん。
でもね、掟は守らなきゃいけないの。絶対に。
なんでって。だって、あな……

…ううん、なんでもない。なんでもないの。
どうしてって、聞かないで。お願い」

今にも泣き出しそうな顔で拒絶する。
シンシアは、苦しかった。

85 :箸休め:2005/11/28(月) 23:55:31 ID:OuTxj9VA0
夢を見る。
其れは夢想か幻想か。
誰もが望むなら手が届く筈なのに、
わたしたちには決して届かない、小さな小さな夢。

大好きなこの村で。
大人になった少年と少女が。
大好きな村人たちと共に。
いつまでも幸せに暮らしている夢。
取り立てて変化のない日常を。
ただ送る毎日。
それはどんなに素敵な日々だろう。
それはどんなに愛おしい日々だろう。

狂おしいほどに求め、けれど叶ってはいけない、夢―――

86 :箸休め:2005/11/28(月) 23:56:04 ID:OuTxj9VA0
「ねぇ、それなぁに?」

想いを消すように、空気を変えるように、
目に映った、少年の持つバスケットについて問う。

「え、お弁当?じゃあ一緒に食べようよ。

あ、お父さんのなんだ…。
……ちょっと待って、其れ届けなくて良いの?
もうお昼になるし、待ちくたびれてるんじゃないかなぁ、きっと。

わたしが寂しそうだから、一緒に付いてこい!?
も、もう、なに莫迦云ってるの。別に寂しくなんか無いわよ。

太陽がもう真上に来てるでしょ。
お母さんだって、そろそろお昼用意してくれて待ってるんだから、
早く届けて帰りなさい

わたしがお母さんみたいって………ねぇ、そんなに年取ってるように見える?
ちょっと此については話し合いが必要だと思うんだけど。
あ、こら。ちょっと待てっ。待ちなさーい!!」

シンシアの声は、池に向かって駆ける少年の背中にかけられていた。

87 :箸休め:2005/11/28(月) 23:58:01 ID:OuTxj9VA0
あ、中編了って入れるの忘れた。
全くもってクオリティヒクスなのは仕様です。

其れでは引き続き、本編をお楽しみ下さい。


88 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/29(火) 01:07:18 ID:zDQoZd0SO
GJ! GJ!

89 :まとめ人:2005/11/29(火) 23:48:27 ID:0TqkSbvc0
再開してたのか
このスレの前にいくつかスレ立ったんですかね?
もしそうであれば当方では保管できてないですが・・・

90 :箸休め:2005/11/30(水) 00:18:26 ID:HESpgPau0
>89
幾つか立ちました。
不完全っぽいぞぬのログなら持ってますが。。。

さて。わたしが投下するとスレが止まるようですが、
気にせず後篇及びエピローグ(?)を投下しましょう。
つうか、前中後に分けたのに、前+中<後なのはどういう事だ。

91 :箸休め:2005/11/30(水) 00:19:03 ID:HESpgPau0
魔物の大群がこの村に迫ってる。

村人が、そう叫んでいるのを見たとき、先の全てが頭から消え失せた。
半分覚悟はしていたこと。魔物にとって最も目障りなのはあの子。
あの子さえいなければ、魔物の世界侵攻はほぼ確実に成功に終わるだろう。
もう、十年以上前から、勇者抹殺を命に動いている魔物達がいるのは、噂に聞いていた。
ならば、とうとう来たか。という思いの方が強い。
漠然と、修行が終わるまで何事も起こらないんじゃないか、という思いもあったのも確かだが。

直ぐに村長の家に向かう。
もう殆どの人間が集まっていた。
こうなる事態も予測して、既にやるべきことは割り振られている。
此から行われるのは、その確認だ。

「―――でよいな」

長老はシンシアの方を向く。そして、しっかりと目を見据えて問う。

「最期の確認になるが、シンシアよ。本当によいのか?」

大きく深呼吸をして、頷く。

「ええ。今まで何度も答えたように、其れで良いの」

扉が開くと、少年に剣を指南していた剣士が入ってきた。
少年は倉庫に隠れたという。
シンシアは、入れ違いに地下倉庫へと向かった。

92 :箸休め:2005/11/30(水) 00:20:01 ID:HESpgPau0
少年の姿を確認すると、思わずしがみつくように抱きついてしまった。
思ったより胸板が厚い。うん、この子はちゃんと強くなってくれている。
だけど此処で手を打たなければ、この十数年が無駄になるし、世界は其れだけじゃ済まない。
抱きついていたのは一瞬か。少年が背中に手を回そうとする前に離れる。

だいじょうぶ、わたしならやれる。

顔を上げて笑顔を見せる。ちゃんと作れてるかしら?自分ではよく判らない。

「大丈夫よ、あなたは死なない」声をかける。せめて少しでも気が休んでくれればいいのだけど。

一緒に隠れようと訴える少年の言は無視し、少年をその瞳に写すと、
シンシアはこの日のために覚えた呪文を唱える。
目の前の少年に変化するために、呪文を唱える。

「別にあなたの為じゃないわ。あなたは秘められた力を持つ勇者。
あらゆる邪悪を滅ぼす力を持っているの。だから、今あなたが殺されるわけにはいかないのよ。
今は未だ弱いけど、世界を救うにはあなたの力が必要なの。
あなたを殺させはしないわ、わたしが助けてあげる。
魔物の手から、世界を、救うために。」

少年の姿を借りた少女は少年を突き放して部屋を後にした。
絶対に出るなと、其れだけを言い残して。

93 :箸休め:2005/11/30(水) 00:20:45 ID:HESpgPau0
「ベギラマッ!!」

向かい来る魔物の群れを炎の渦が薙ぎ払った。
地下を出てからそんなに時間は経っていないはずだが、既に全身に傷を負っている。
多勢に無勢と云う言葉ですら生温い、最初から絶望的な戦いであった。

一番近い魔物を火球で怯ませたあと、手にした剣で頭を潰す。
4本の腕は未だ動いているが力がない。魔物はそのまま地面に音を立てて倒れ込んだ。
直ぐ次に目を向ける。村人が頭を棍棒で殴られた瞬間が目に入った。
脳漿が飛び出している。即死なだけ運が良い。
一瞬だけ冥福を祈ると、迫る魔物の群れに呪文を放とうとした。

「イオッ!!!????」

上空に気配を感じる。近くにいた村人がこっちを見て何か叫んでいる。
即座に後ろに跳ねた。
竜に跨った魔物の騎士が急襲してきたらしい。背中を視界に収めた瞬間、強風が辺りを巻き込む。
首でも刎ねるつもりだったのだろうが、其れは凌いだ。
だが左腕が灼けるように熱い。

94 :箸休め:2005/11/30(水) 00:21:10 ID:HESpgPau0
肘から先が喪われていた。呪文を放つために構えていたのが災いしたのだろう。
再び上昇しようとした竜の騎士を雷が襲った。
そのまま絶命したようで鈍い音を立てて地面に落下する。
その状況に気が付いた村人が助けに来てくれたようだ。剣士も気が付いたら隣にいた。
「大丈夫か?」と訊ねる声に頷きながら、腕を縛り止血を行う。
回復呪文もかけるが、止血の助けになるかどうか。
周りを見ると、生き残っているのは僅か数人。

「ふむ、そろそろ覚悟を決めた方がよいようじゃな」

呪文を教えていた爺は、魔物の群れを凍結させるとなんでもないことのように云った。
そして、少年姿をした少女を申し訳なさそうに見る。
少年は微笑みで返した。なにも気にすることはないというかのように。

95 :箸休め:2005/11/30(水) 00:21:59 ID:HESpgPau0
そう、わたしは死ななければならない。
あの子を助けるために。あの子に時間を与えるために。
だからこそこの姿を借りた。その為の呪文も覚えた。
最初は万が一のためだった。視覚的に隠された村、見つかるはずのない村だったから。

しかし見つかった。其れも最も最悪な形で。

修行が終わっていれば、未だ他の手もあっただろう。追い返すことすら出来たかもしれない。
いや、もしも修行が終わっていれば直ぐに旅立たせた筈だから襲われることもなかっただろう。
仮定の話を今しても仕方がない。
今、出来ることは、わたしがあの子の身代わりになって、其れこそ派手に死んでみせることだ。
魔物の気を引くために。
死ぬことは怖くない。
わたしの死は目眩ましになって、其れが引いては世界のために繋がる。
良いじゃない、名も残らない救国の英雄。決してあの子のためではなく、世界のために。

96 :箸休め:2005/11/30(水) 00:22:39 ID:HESpgPau0
「せめて散る前に、度肝を抜いてやりたいと思わないか?」

そう云ったのは剣士だった。
魔物の統制が思いの外取れている。恐らく指揮官がいる筈。
どうやらそして其奴は、中頃に陣取っている黒衣の魔物だという話だ。
戦うだけで精一杯だったシンシアにとっては、
あの絶望感の中、其れだけ見ていた事に舌を巻く思いだった。

「勇者に狙いを付けて、此だけの大群を率いてやってきた指揮官だ。
地位の高い魔物の可能性がある。
なら、ヤツを倒せれば、更に時間を稼ぐことが出来るかもしれない」

「人数もシン、いや。勇者を含めて6に―――

続けようとした父親の頭が瞬時に無くなる。全身が弛緩して大地に伏す。

「…5人じゃな。儂が前衛を片付けよう。
命続く限り援護はするが、余り期待してくれるなよ」

守備力増強の呪文をかけながら、爺が後を引き継いだ。
哀しみにくれている暇はない。

97 :箸休め:2005/11/30(水) 00:23:20 ID:HESpgPau0
「ベギラゴン!!!!!!!」

渦巻く炎の壁が、魔物達を薙ぎ払い、吹き飛ばし、焼き尽くす。
震える身体を押さえつけ、少しでも黒衣の魔物に近づくために走り出す。
一太刀くれるための手はある。然し未だ遠い。
立ちはだかる魔物に呪文を放とうとするが、直ぐに左手が無いことに気が付く。
右手に握った剣を強く握りしめる。
迎え撃つ魔物の戦斧を交わすと、身体毎預けて、心の臓が人ならあるであろう場所を貫いた。
剣を引き抜く隙を狙った魔物は、火の玉で焼き尽くされる。

気が付くと、もう囲まれていた。
だが向かう先は変わらない。

振り下ろされる鎌。剣で弾くが、中程から折れてしまう。
破片の一つがが頬を裂く。
持っていても邪魔になるだけ、と鎌を振るった魔物に折れた剣を投げつける。
運良く(魔物にとっては運悪く)額に当たったその剣は、そのまま魔物の頭を砕いた。

98 :箸休め:2005/11/30(水) 00:24:07 ID:HESpgPau0
あと少し―――

もう背後からの援護は絶えている。

もう少し近づければ―――

「イオラッ!!!」

残った右手を構えて呪文を放つ。
引き起こされた爆発は、固まっていた魔物の肉を引き裂き、衝撃を与え、散らすことに成功した。

これで―――!

黒衣の魔物までの道が開く。塞ぐ魔物がいないわけではないが、近づける。
と、その時はじめて此方を向く魔物の顔を見た。

にている―――?

姿形が似ているわけではない。醸し出す雰囲気も正反対。
だが、一瞬そう思ってしまって。

99 :箸休め:2005/11/30(水) 00:25:50 ID:HESpgPau0
背後から身体が爆発したような衝撃を受ける。全身がバラバラになる感覚。
前方に吹き飛ばされた。
地面に叩き付けられる。

吐血。

起きあがろうとするが力が入らない。下半身においては感覚すらない。
震える両手に力を込めて上半身だけでも持ち上げる。

吐血。

力が入らなくなった。指先さえ動かせなくなる前に仰向けになる。空が見たかった。

すうじかんまえにみあげたそら。

一面煙で覆われて、抜けるような青空は、何処にもなかった。

顔を横に倒すと、剣士が此方に気が付き駆けてくるのが見えた。
何か叫んでいるが、耳鳴りがして聞こえない。
迫る魔物を切り捨てて来るが、彼は辿り着くことなく。

上半身を、横合いから駆けてきた竜に、喰われた。

100 :箸休め:2005/11/30(水) 00:26:15 ID:HESpgPau0
100get

101 :箸休め:2005/11/30(水) 00:27:07 ID:HESpgPau0
慣性で前のめりに倒れる下半身。
視界の外から放たれた呪文が、其れを一瞬で灰に変える。
殲滅と云う言葉が、シンシアの頭を過ぎった。
そして、自らの末路を悟ることも出来た。
身体を焼き尽くされるのならば、化けていることがばれる恐れがない。
あの子は助かる。
そして死は、怖くない。

嘘だ。怖い。厭だ。死にたくないの。死にたくない死にたくない死にたくない―――

世界のためと、押さえつけていた恐怖が溢れ出し、泣きたくなる。
しかし、傷つき限界を迎えつつある身体は、其れにすら応えてくれなかった。

苦労して頭を動かす。
視界に入ったのは、黒衣の魔物。
その顔がハッキリと見える。

なんて、きれいなかお。

そんなことを思ってしまった。
だからだろうか、少年のことを考えてしまう。

102 :箸休め:2005/11/30(水) 00:27:54 ID:HESpgPau0
ずっと暮らしていたこの村。
ただ、あの子一人のためにあった村。

此処で、わたしとあの子は出会った。
どれだけの時間生きただろう。その最期に迎えた幸せ。

ああうん、そうだ。あの子と優しい村人と心地のよい村。
わたしのようなのでも受け入れてくれた。
此処で暮らしているとき、確かにわたしは幸せだった。

   うん、そうだ。幸せだったなぁ。

あの子のために生きてきた。全てがあの子のためにあった。
わたしもあの子に家族のように接してきた。
時には姉のように。時には母のように。そして――時にはツンのように。
もう少し生きていたかった。夢を見て。届かないものを視て。

ユメを見る。
其れは夢想か幻想か。
誰もが望むなら手が届く筈なのに、
わたしたちには決して届かない、小さな小さな、とても小さな――ユメ。

103 :箸休め:2005/11/30(水) 00:28:40 ID:HESpgPau0
視界に入る姿を確認し、距離を測る。

 だいじょうぶ、わたしならやれる。

黒衣の男は思ってたより近くにいた。みんなの死は無駄ではなかった。届いたのだ。

 せかいをすくうために。

もう生き残っているのは自分だけか。周囲に魔物が集まってくる。

 あのこにじかんをあたえるために。

深呼吸をする。出来ない。血が気管につまる。むせる。

 あのこのためじゃなく、せかいのために。

迫る炎が見えた。とどめを刺すつもりなのか。だけど……わたしの、わたしたちの、勝ちだ。

 ああ、でもね。あなたしってた?ほんとはね。わたしはあな―――

両の眼から零れ落ちる真紅の雫。

 「めがんて」

紡がれた言葉は、世界を光で覆い尽くす。


                         後篇了

104 :箸休め:2005/11/30(水) 00:29:18 ID:HESpgPau0
見知ったはずの場所に、見知ったものは何一つ無かった。


長らく続いた怒声と喧噪が、鼓膜が破れるかと思うほどの轟音を境に止んだ。
少年は、その音を聞いても暫くじっとしていた。
終わったなら誰かが迎えてきてくれる。そう信じて。
少女が云った「絶対に此処出ないで」その言葉を守って。

だが、一時間二時間経って全く音がしなくなり、動くものの気配をも感じなくなったとき、
我慢しきれず外に出る事に決めた。
が、地上部分の建物は全壊しており、瓦礫が積もり重なった扉を開けるのが先ず一苦労だった。

漸く力尽くで外に出たときに目に映ったものは、廃墟でしかなかった。
圧倒的な破壊がもたらされた事が見て取れる家屋。燻り煙を上げる物も少なくない。
愕然とし、全身から力が抜けそうになる。
崩れ落ちそうになる身体を歯を食いしばる事で必死に支え、村の中を歩いてみることにした。
未だ誰か他に生きている人がいるかもしれない。
魔物が残っている可能性など、考える余地もなかった。

105 :箸休め:2005/11/30(水) 00:30:43 ID:HESpgPau0
日が傾くまで歩いたが、探し回って得たものは絶望でしかなかった。
家畜ですら、殺戮の嵐を逃れられなかったらしい。
何一つ、半日前の村を思い起こさせる物は存在しなかった。

力のない瞳で当て処もなく歩く少年は、そして其処に行き着いた。
圧倒的な力で薙ぎ払われたらしき大地。
威力の跡を残す一面の土。
なにもない地面の真ん中に、何かがあった。
少年は考える間もなく駆け寄る。
それは、赤黒く汚れたはねぼうしだった。膝を落として手に取る。

「シンシッ……」

溢れ出した涙は止まらなかった。血に塗れたはねぼうしを胸に抱いて嗚咽する。
もう二度と還らない時間を想って泣く。声も枯れ果てるほどに。
暖かい時間。温かい家庭。暖かい場所。還らない全て。

………奪ったのは誰だ。
怒号が地下まで届く中、確かに聞こえた名前があった。

「デスピサロ―――」

呻くように呟く。そうか、それが復讐すべき相手の名か。
眼に灯る昏い炎。戦う理由はそれで十分だ。

懐に形見を仕舞う。
そのまま静かに立ち上がると、月明かりの照らすなか森の闇に向かって歩き出す。
後ろを振り返ることは、決してなかった。

                         始まりの終わり了

106 :箸休め:2005/11/30(水) 00:41:24 ID:HESpgPau0
真・スレッドストッパー。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ

クオリティの低い駄文を垂れ流して済みませんでした。
どうしてもツンデレシンシアがよかった。 今は反省している。
というか、ツンデレですらないし。

と云うわけで誰か、勇者の旅に真・ツンデレシンシアを同行させてやってください。
wktkして待ってます。

こんなの書くのもアレですが、最後と云うことで注釈を一つ。
わたしが書きたいんだ。
シンシアが食らった致命傷の一撃。
アレは鬼棍棒の一撃でした。普通ならアレで身体が四散してます。
内臓の破裂と脊椎の破壊だけで生き残ったのはスクルトのせいです。

それでは名無しに戻ります。

107 :箸休め:2005/11/30(水) 00:55:03 ID:HESpgPau0
ああ、そうだ。これだけ語らせてくれ。

DQ4はFCでやったさ。当時はなんだかんだ云われたけど、面白かったね。
シンシアが犠牲になって、俺の頭の中じゃ、もう復讐の旅よ。
漸くピサロを倒してみんなは帰るところがあるのに勇者だけ帰るところも人もない。
世界のために戦った勇者は、何一つ得るものが無く…なんて思ってたらシンシア出るじゃんね。
仲間でるじゃんね。まぁ感動ですよ。

時代が飛んでPSでリメイク。
耳にしたさ。エンディングのアレは勇者の妄想だとかいう噂。

だったら6章なんか作ってロザリー生き返らせてんなー!!!!
生き返らせるんだったらシンシアだろが。
もう憤慨ですよ。憤りですよ。

と云うわけで、シンシアには幸せになって欲しいわけですよ。ハイ。

これでホントにもうお仕舞い。
読者がいるかも判らんけど一応書いておこう。

箸休め如きに長らくお付き合いありがとうございました。
今後は主菜をお待ち下さい。

108 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/30(水) 02:15:05 ID:4H+u/EkpO
乙!!
普通に良かったと思うよ。何でレスつかないんだろ?
やっぱり皆ツンデレを求めてるんだろうかw

また書きたくなったら書いて下さい

109 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/30(水) 02:15:45 ID:wDqbfjaYO
GJ!!GJ!!

110 :YANA:2005/11/30(水) 10:55:23 ID:7GDXzTDs0
主菜って俺のコト?(;´Д`)
…すいません、調子こきました。

ウルトラぐっじょぉぉぉぶっ!!俺の欠陥品より遥かに小説として美しいやん!
漫画のネームを活字にしただけみたいなイロモノより素敵やん!乙!!

はい、そんなわけで、現在自宅のドメインがアクセス規制を食らってる模様、
よって投稿できませんでした、楽しみにしてる方申し訳ない…。
なんとか第一部だけでも終わらせようと、ちょいと外からこそこそと失礼します。

111 :YANA:2005/11/30(水) 10:56:36 ID:7GDXzTDs0
おお、ゴドーか!よくぞくろこしょうを持ち帰った!」
「いえ、時間をおかけてしまい申し訳ない」
「よいよい!…おお、まさしく!愉快愉快!」
「それで、約束の船を賜りたいのですが…」
「おお、そうだったそうだった!大臣」
「はい。ゴドー殿、外に帆船を用意しております。どうか、ご自由にお使いください」
「ありがとうございます」
「航海士・船医・栄養士などもおつけします。他にご希望はありますかな?」
「お心遣い痛み入ります。…そうですね、では、一週間分ほどの食料と、新鮮な果実を10ダースほど頂けますか。
 …壊血病にでもなったらたまりません故」
「かしこまりました。…おい、誰か!」
「ああ、私も運びます。…おい、手伝うぞ、アリ………」
「?どうかなさいましたかな、ゴドー殿?」
「…いえ、失敬。ただの空耳です」
 ・ ・ ・
 ザブン…ザブン…
「…こいつか。まぁ、一人旅には随分と不釣合いなサイズだね、どうも。…さて、中の様子でも見せてもらうか」
 勇者さーん、この荷物は船倉に運んでおきますねーっ!?
「あ、すいません!…今のうちに船の構造を把握しておきたいんですが、構いませんか?」
 ああ、どうぞどうぞーっ!そこの板から渡ってくださいーっ!
「………」
 ペコリ

「…あ、そうそう!勇者さーんッ!…ってありゃ、もういないや」
「どうした新入り?」
「あ、お頭。いやね、勇者さんのお仲間のお嬢さんが、先に乗り込んでるんで、伝えておこうかと思って」

112 :YANA 19-2:2005/11/30(水) 10:57:59 ID:7GDXzTDs0
 ギシッ、ギシッ
「…っと。…結構揺れるな」
「…遅い」
「………………何?」
「待ちくたびれたわよ。こっちは、朝からずっと待ってたんだから」
 ・ ・ ・
 ザブン…ザブン…
「………」
「………」
「何も云わないのね」
「…別に。云うことなんかねぇよ」
「あたしは、あんたを殴った上、勝手に飛び出したわ。何より、あたしはあんたにとってただの足かせだったのよ?
 おまえの顔はもう見たくないー、とか、こんな暴力女懲り懲りだー、とか、あるでしょ?」
「…おまえの方こそ、よくも今まで自己満足のために利用したなー、とか、あんたの顔あと百発殴らせろー、とか、ないのか?」
「昨日までそんなこと考えてた気もするけど。…忘れちゃった。あたし、バカだから」
「…ああそう」
「………」
「………」
「………」
「…なんだ、まだ何かあるのか。用がねぇなら降りろ。これは俺の船だぞ」
「俺たちの、でしょ?」
「…あ?」
「あたしは、旅から降りるなんて一言も云ってないけど。それとも何?まさかあんた、一度助けようと拾った女の子を、
 こんな半端なとこで放り出すの?あんたそれでも勇者?そんなんでお父さん超えるなんて、夢のまた夢ね」
「…む。…正気か?俺は、今まで、おまえを」
「ゴドー」
「なんだ、俺の話はまだ」
「いいから。黙って聞いて」

113 :YANA 19-3:2005/11/30(水) 10:58:46 ID:7GDXzTDs0
「………」
「あたしは、勇者のお父さんなんて持ってないから、あんたの味わってる苦労なんてわかんない。
 けどね、一つだけ、あたしでもわかることがあるわ」
「…?」
「…あたしね。小さい頃、父さんを魔物に殺されたの」
「!………」
「母さん、すっごく泣いてた。その時のあたしは小さくて、やっぱりあんたみたいに、なんで母さんが悲しんでるのかわかんなかった」
「…それは、おまえも災難だったな」
「でもね。あたしは、母さんとあたしを置いて死んじゃった父さんが憎くはなかった。…父さんね、母さんとあたしを逃がすために、
 襲ってきた魔物を一人で食い止めて…それで…」
「………」
「…あんたの父さんが、どんな人だったのか、あたしは知らない。知らないけど、でも…あんたの父さんも、やっぱり、
 アリアハンを旅立つときも、火山に落ちるときも、あんたと、あんたの母さんの幸せな生活を、願ってたんだと思う」
「…詭弁だな。よしんばそうだったとしても、親父が世界を救う勇者として旅立ったのに、しくじったことに変わりはねぇ。
 勇者は、人と世界を救わなくちゃ意味がない」
「…そうかもね。………けど、さ。少なくとも、あんたは人間なんだから、そんなに一人で思いつめること、ないと思う。
 だってあんたは、『勇者である前にあんた』でしょ?」
「…馬鹿か、おまえ。昨日の話を聞いてなかったのか?俺は、『俺である前に勇者の息子』なんだよ。これは、動かない真理だ」
「でも、少なくともあたしにとっては、あんたは勇者じゃなくてあんただもん」
「!」
「…ゴドー、云ったよね。あたしがアリアハンの出身じゃなくて、来てから日も浅いから連れてったって。…うん、確かにそう。
 あたしはあんたの父さんのこと何にも知らないよ。…だから、あたしは色眼鏡なしで、あんたっていう人間を知ることが出来た」
「…アリ…」
「あんたも、あたしにそれを求めてたんじゃないかな?…わかんない…けど…」

114 :YANA 19-4:2005/11/30(水) 10:59:17 ID:7GDXzTDs0
「………おまえ…」
「…ねぇ…あんたがさ…どうしても自分の父さんを許せないって…いうなら…あたしそれでもいいよ。あんたが…自分と父さんを
 許せるようになるまで…一緒に…居て…あげるから…ヒック!」
 ポタ…ポタ…
「世界中の…人が…あんたを勇者の息子だって…いったって…ヒック…世界を救えって…いったって…グスッ…あたしにとって…
 あんたは…あんただもん!…グヒッ!…あたしなんかじゃ、あんたの足手まといにしかならないのはわかってる!…グシッ!
 でも!…ほんの少しだけど!あんたが苦しいの…わかっちゃったから!」
「…アリス」
「あたしじゃ…ダメ?…ズッ!…あたしが…あんたのこと、知ってるから!今までみたいに、勇者じゃなくて、あんたとして!
 あたしのことバカにして、からかって、こき使っていいから!…嫌なことあったら膝枕だってしてあげる!…ヒン!…だから!」
 コツンッ、ギュッ…
「………」
「…そんな風に、辛そうな顔して一人で全部背負い込まないでよ…!ヒック…ズビッ…グスン!…」
「………………バカヤロ。おまえは、俺が救うんだぜ。…おまえが俺を救って…どうするんだよ…」
 ナデナデ…

115 :YANA 19-5:2005/11/30(水) 11:04:49 ID:7GDXzTDs0
 ・ ・ ・
「本当にいいのか?…いっとくが、今までのようにはいかねぇぞ」
「なにいってんのよ。望むところよ。あたしは今まで、スタートラインにすら立ててなかったんだからね」
「…はぁ。じゃあ確認するぞ。今からおまえは、正式に俺の相棒だ。これまでみたいに、楽を出来ると思うな。
 何しろ親父を超えるんだ。仲間が一人増えちまった以上、これまでの倍の成果を出す必要がある、もたもた出来ん。
 おまえの能力が少しでも有効だと思う局面に至ったら、バシバシ檄を飛ばしてこき使うから、そのつもりでいろ」
「イエッサ!」
「おまえが嫌いなミイラや死体の化け物が出ても無闇に呪文を撃つな。外見がみっともない装備品も着けてもらう」
「了解!」
「…それともう一つ。こいつは一度しか言わねぇから、よく聞いとけ」
「ん?なによ」
「………その、なんだ。………ありがとう、な。さっきの…嬉しかったぞ…」
「へ?………ね、今の。もう一回云って?」
「いやだ」
「ね、ね、もう一回ってば〜!」
「いやだというのがわからねぇかこの…! あ、すいませんキャプテン、船、出してください!」
「こらー、誤魔化すなー!」

「ようがす!」
「…いやぁ、お頭。なんだか暑いっすねぇ、この船は」
「なぁに、若いうちってのは色々あるもんよ!…おまえも早いとこ、女見つけろい!港の女は船乗りの甲斐性だぜ!?」
「うは、そんなお頭ほどの節操なしは…うわいでっ!」

『母さん、随分回り道だったけど、やっとあいつに仲間として認めてもらえました。
 今まであいつに苦労ばっかりさせてきたみたいだけど、今度はあたしがあいつの苦労を奪ってやります!ファイト! 敬具』



116 :YANA:2005/11/30(水) 11:18:06 ID:7GDXzTDs0
第一部 〜勇者葛藤編〜 完

安心召され、第二部の執筆は着々と進んでいます。
第二部は、素直クールや妹ツンデレの側面を持ったサブキャラ陣の話が多く展開されます。
そしたら予想以上に長ったらしいエピソードが何本も…中盤ってこんなもんなのかな?<長編作品書くの初めて
反応が少ないので楽しんでもらえてるのか不安ですが…始めた以上、最後まで突っ走る所存です。
…っていうか最後こんなんでいいのか…絶対不味いよ…ドラクエじゃないよ…(汗 

アクセス規制で自宅投稿を出来ない間、なんか質問でもあれば受け付けます。ネタバレにならない程度にw(エラソーに
万一なんかあったら、後で一括回答します。

117 :まとめ人:2005/11/30(水) 12:01:57 ID:k1a0b3kH0
http://www.geocities.jp/game_trivia/dq3/yana.html
http://www.geocities.jp/game_trivia/dq3/hashi.html

欠けてる部分、補完協力ヨロ

118 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/30(水) 18:39:11 ID:XwPvMgn50
YANAさんもまとめ人さんもGJ!!

119 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/30(水) 19:47:53 ID:NAM9TF7FO
このスレ初めて読んだけどさ
むしろ勇者がツンデレだな

120 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/01(木) 00:11:56 ID:1ArmiL45O
ここにいるのはみんな執筆さんを待ち侘びてる人が大半だと思う
書くのがツンデレでなくてもいいよね?
ツンデレの方がいいんだろうけどさ

121 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/01(木) 06:12:36 ID:SytvVK1S0
言いたいことは>>118がいってくれた。
続きが楽しみでならない。


122 :YANA:2005/12/01(木) 23:00:18 ID:cUw8vu8z0
復活。

>>119
はぁ?何をいっとるのかね君は?
そんなもん、ツンデレが女性でなければならないなどとスレタイのどこにも(ry
俺がジャンル問わず男キャラで一番好きなタイプが、男ツンデレなんです。

はい、そんなわけで、最高の誉め言葉です。ありがとうございますw
…しかしツンデレと男ツンデレの掛け合いって存外面白いな。デレデレと男ツンデレが好きなんだけど、これもなかなか。

チラシの裏はこの辺にして、第二部「ギアガ激動編」スタートです。…因みにギアガってのは「今舞台となっている世界」と解釈…。


123 :YANA 20-1:2005/12/01(木) 23:02:23 ID:cUw8vu8z0
『拝啓 母さん、船旅って………………気持ち悪いものなんですね。
 今これを書いている最中も、視界がグルグルして、筆を握っているのもやっとの状態です。
 でも、日課を辞めるわけにいきません。私たちは、現在、ポルトガを南下し、テドンの村を目指しています。
 途中立ち寄った寂れた教会で、テドンの村のことを耳にしたのですが…シスターさんは、詳しくは話してくれませんでした。
 仕方がないので、ゴドーはテドンに直接行って、自分の目で確かめることにしたのです…』

「…あう…もうダメ…母さん、今日はこれで許してください。…敬具、と…」
「アホかおまえは。それは、気持ち悪いから筆を持ってるのが辛いんじゃねぇ、
 筆を持って手紙なんか書いてるから気持ち悪くなるんだ。順序が逆だ」
「…そう、なの?」
「船は初めてか?船酔いし易い体質の場合、乗船中は細かい字を読み書きしない。…基本中の基本だぞ」
「ううん、船は何回か…アリアハンに来るときも、船だったしね」
「その時は、何もなかったのか?」
「…うん、貨物室の樽に隠れてたから」
「………」
「う…しょ、しょうがないじゃないっ、お金なかったんだからさ!」
「…まぁ、いいけど」
「…あんたは平気そうね」
「は、舐めるな。俺のタフさを忘れたか?それに、航海技術も最低限のとこまでは習得済みだ。
 その気になれば、俺だけでも船を走らすことは出来る。…まぁ多分、陸につくと同時に過労死するけど」
「…ダメじゃん…うっぷ…」
「…どっちがだ。ほら、外行って吐いて来い」
「…そうする」
 勇者さーん!そろそろ内陸に入りますよー!上陸準備をーっ!!
「あ…やった…!」
「ふむ…さて、鬼が出るか蛇が出るか」

124 :YANA 20-2:2005/12/01(木) 23:03:15 ID:cUw8vu8z0
 ・ ・ ・
「ふぅ…すっかり日が暮れちゃった」
「まぁ、化け物の巣に向ってるわけでもねぇんだ。今夜は、テドンの村に宿を借りるさ。
 船の人たちには、二日経っても何の連絡もない場合はポルトガに戻るよう伝えてある」
「あら、じゃああんまり時間ないじゃない」
「だな。きりきり行くぞ。…っと、開けたな」

「…おや?旅の人ですか?ようこそテドンの村へ!」
「あ、ども」
「…?…いえ、森で道に迷いまして」
「へ?」
「それはお困りでしょう!よろしければ、宿へ案内いたしますが?」
「あ、おね…」
「いえ、お気持ちは有難いですが」
「ふぇ?」
「そうですか、それは残念です。ごゆっくりどうぞ」
 ・ ・ ・
「ねぇねぇお姉ちゃん!旅の人なんでしょ!?遊んで遊んで〜!」
「あ、ごめんね、このおっかない顔のお兄さんが、仕事だからそんな暇ないって怒るのよ」
「えー、いいじゃんいいじゃん!ほらこれ、みずでっぽう!そりゃそりゃ!」
 ピュッピュッ
「きゃっ、つめたっ!もう、やったな〜!」
「こら、ジョン!すみませんね、この子ったら、新しい水鉄砲に夢中で…」
「ちぇ〜っ!」
「あはは、いいんですよ」
「ね、今度また、遊んでよ!」
「ええ、いいわよ。でも、水鉄砲はダメよ?」

125 :YANA 20-3:2005/12/01(木) 23:03:48 ID:cUw8vu8z0
「はーい!じゃーねー!」
「………」
「…ふふ。…あんたは不機嫌そうね。…なによ、どうしたの?また、お父さんの気配か何か感じたの?」
「違う」
「じゃ、なんでそんな顔してんの?それに、なんでさっきの誘いも断っちゃったの?」
「…おまえは感じないか?…この村を覆う、胸糞悪い違和感を」
「…???っていわれても…」
「…おかしいんだよ。俺は、これでも並以上の鍛錬を重ねてきたつもりだ。勘だって例外じゃない、敵に不意打ちされないように、
 自分を中心に半径ここまで、っていう距離まで、範囲内にいさえすれば、猫一匹だって捉え逃さない感覚を自負してる」
「…それが、なんだっての?」
「…なにもなかった」
「?」
「…最初の男。現に話し掛けられるまで、俺は気づかなかった。俺があそこまでの接近を許すただの村人なんて、いるわけないんだ。
 わかるか?あいつには、生き物にあって当然の、呼吸とか鼓動とか、そういうものが一切感じられなかった」
「ちょ、ちょっと、怖いこといわないでよ」
「…それに、見ろ。おまえ、さっきから気づいてねぇだろ」
「?」
「俺たちがこの村に来て、今までこうして歩いてる間にすれ違った人の数は?」
「はぁ?すれ違うも何も…ここまであたしたちが見た村人さんは、
 最初の男の人、さっきの男の子、それにそのお母さんで…3人でしょ?」
「………やっぱりな。…仮にあの三人を除いたとして、ここまで俺たちがすれ違った数は………そら、今ので、もう10人目だ」
「ーーーーーーーーー」
 ゾクッ
「…そんなはずない、って顔だな。俺でこれなんだ、おまえなんか、正面から話し掛けられるか、肩を叩かれでもしない限り
 わかりやしないはずだ」
「………」

126 :YANA 20-4:2005/12/01(木) 23:09:44 ID:cUw8vu8z0
「…宿、泊まってみるか」
「ふえっ!!?」
「朝になれば、何かわかるかも知れん」
「…そ、そんなぁ…」
「選択権はねぇぞ。おまえにここで野宿する勇気があるとも思えないし、船に戻るにも夜の森は別の意味で危ない。…覚悟を決めろ」
 ・ ・ ・
「…おい」
「…な、なによぅ…」
「…なんでおまえが一緒のベッドに入ってるんだ」
「…い、いいじゃない…あんたが言い出したんだから…何かあったら責任もって守りなさいよっ…!」
「…そうだった。おまえ、こういうの苦手だったな」
「………」
「…ん?…部屋の隅、何か立って」
「ひぃぃぃっ!!」
 ギュッ
「…冗談だ」
「!!バ、バカっ!」
「…やれやれ、これじゃ船を手に入れる前と変わらんな。…ま、こればっかりは仕方ねぇか。…いいよ、守ってやる」
 ギュッ…
「…え…?」
「だから、守ってやる。幽霊でも魔物でも…何が出ても、俺が守ってやる…だから安心して寝ろ」
「………うん」
「…すぅ…ぐぅ…」
「わ…もう寝てる」
「…ぐぅ…ぐぅ…すぅ…」
「(わー…あいつの顔がこんなに近くに。…もしかして、これって…ちょっと危ないシチュエーション?)」
「…すぅ…ぐぉぉ…」
「…もう。あんたも少しはドキドキしなさいよね。…ふぁ…んむ………くぅ…」

127 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/01(木) 23:43:29 ID:h6/uNdm30
お、YANAさんの復活だ。
なら保守代わりに書いてたヤツはお蔵入りかな。

128 :YANA:2005/12/02(金) 00:38:12 ID:aB7gBhjj0
>>127
kwsk

忘れてた。まとめ人氏、乙!
しかし、どうしよう。1〜7話、再掲載していいもんか…今更このスレにうpしたら、
まとめサイトの意味が…ふむ。
あ、因みに若干誤字脱字の校正入ってます。あれだけ神経質に編集したのにこのザマ…orz

129 :YANA 21-1:2005/12/02(金) 00:38:57 ID:aB7gBhjj0
「…ちょっと………何よ…これ…」
「…成る程な。俺が、何も感じないわけだ。あのシスターが口を濁すのも無理ない、か」

『拝啓 母さん、私たちは、昨夜、テドンの村に辿り着きました。
 しかし、ゴドーはこの村の人たちから、本来生き物が持つべき色々なモノを感じないとかで、怪訝そうにしていました。
 …果たして、ゴドーのその疑心は的中しました。…この村は…』

「…この村は、もう既に滅んでいたわけだ。…生気も何もないもんだ。昨日のアレは、おそらく、残留している村人の魂が…
 バラモスの城があるとかいう、上のネクロゴンドから流れ込んでくる魔力で夜の間だけ顕現しているんだろう」
「…酷いよ…こんなのって、ないよ…」
「…時間がない。さっさと探索を終わらせるぞ」
「…あんたは、冷静なのね」
「…悪いな。勇者の役目を背負った日から、こういう時が来るのは覚悟してた。…だから、後ろは見ないって決めてあるんだ」
「…そう。強いのね」
「どうだかな………ん?…血文字か…『生き…あいだに…わた…オーブ』?何のことだ?」
「オーブ?」
「…む。おまえ知ってるか?」
「ううん、ごめん…わかんない」
「…ふむ。帰ったらキャプテンにでも聞いてみるか。他に手がかりになりそうなものはなさそうだ。…行くぞ」
「…おかしいよね」
「ん?」

130 :YANA 21-2:2005/12/02(金) 00:39:30 ID:aB7gBhjj0
「…おかしいよね。この人たち、何も悪いことしてないのに。ただ、平和に暮らしていたかっただけなのに。突然…こんな…」
「…辛いだろうがな。おまえは。…だが俺たちは、それを止めるために頑張るんだろう?…まぁ俺の動機は、ちとアレだけどよ」
「…そう、だよね。こんなところで、泣いちゃ、いけないよね。行こう」
「ああ」
 ガリッ
「…あれ?…何だろ。瓦礫に埋まって…?」
 ゴソゴソッ…ボロッ
「…?…これは………みず…でっぽう…?」

『ねぇねぇお姉ちゃん!旅の人なんでしょ!?遊んで遊んで〜!』
『えー、いいじゃんいいじゃん!ほらこれ、みずでっぽう!そりゃそりゃ!』

「!!……っ……」
「?…どうしたアリス…!おい、どうした!どこか痛むのか!?」
「…ううん…!何でもないよ…何でも…」
「…?…立てるか?」
「うん…大丈夫。ごめんね。あたし、大丈夫だから。もう、最後まで泣かないから…!」
「…アリス」
「さ、急ごう!こんな村をもうこれ以上増やさないために、バラモスをぶっちめてやるんでしょ!?早く早く!」
「…ああ。勿論だ」

『母さん、私だけが止まってるわけにはいきませんよね。ゴドーの相棒として、強く、強くなっていかなくちゃ! 敬具』


131 :まとめ人:2005/12/02(金) 01:07:21 ID:Xdifulnr0
>>128
量が量なので誤字チェックまではしなかったんですが、
もし文章の修正等あれば言っていただければ直しますよ。

あと、この場を借りて、メールでログ送って下さった方サンクスでした。

132 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/02(金) 01:16:37 ID:yCsSX/n40
>128
いやぁ、ただ単にYANAさんの規制解除されていないようだったら
保守がてら妄想具現化しようかなぁ、とか思ってただけです。
3じゃないから、微妙にスレ違いなわけだし。

で、帰ってきたならお役ご免、と。

133 :YANA 22-1:2005/12/02(金) 08:21:51 ID:ufmoMOUm0
『拝啓 母さん、先日テドンで見た血文字にあったオーブ≠ニいう単語。実はこれ、どうもすごく重要な情報っぽいです。
 あの後、船に帰って、今まで世界中の海を渡り歩いたと自慢していた船長さんに、この言葉について何か知らないか訊ねた所…』

「オーブ?」
「ええ。何か、知りませんかね?」
「ふーむ…オーブ、オーブ、オーブ…。ああ、思い出したぜ!」
「本当ですか?」
「おうよ。…だが、教えてもいいけどよ。おまえさんに、一つ呑んでもらいたい条件があるぜ」
「…む、聞きましょう。それは?」
「その堅苦しいしゃべり方はやめてくれ。むず痒くてしょうがねぇや。ほら、いつもお嬢ちゃんにしてるみたいに話しゃいいんだ」
「?…お言葉ですが、あなたは船長だ。私たちの命を道中預けている以上、そんな無礼は」
「確かに俺ぁ船長だが、おまえさんはこの船の船主で、間接的とはいえ俺や他の連中の雇い主だ。どーんと構えてりゃいいんだよ」
「…はぁ。では御言葉に甘えて。…それで、そのオーブというのは何のことだ?教えてくれ」
「うし、それそれ。…ああ、オーブってのはな。俺たち船乗りの間で、時々噂になるお宝の名前さ」
「宝?」
「おう。俺も実物を見たことはねぇんだがよ、何でも世界中に六つ有って、全て集めたものはこの大空を我が物に出来るんだと。
 …どこまでマジか知らねぇがな」
「…空、ねぇ…」

134 :YANA 22-2:2005/12/02(金) 08:22:34 ID:ufmoMOUm0
 ・ ・ ・
「…というわけだ」
「ふぅん。じゃあ、それさえ集めれば、バラモスの城までひとっ飛びってわけね。わかり易くていいわ」
「………」
「なに?どうしたの?」
「…いや、おまえ、時々ものすごく的を射た発言をするな、と思ってな」
「???」
「とりあえず、最終的な目的はそのオーブを集めることとして。…何か手掛かりが欲しいな。
 何しろ、船長も実物を見たことはねぇほどの代物だからな」
「うーん…当分は、行ける所を地道に回っていくしかないんじゃない?」
「仕方ねぇな。…じゃあとりあえず、前から少し気になってる国があってな。そこに向ってみるか」
「?どこよ、それ」
「黄金の国………ジパングだ」

『母さん、ジパングって、知ってますか?私は初耳です。黄金の国なんていわれてるけど…ホントかな? 敬具』


135 :YANA 23-1:2005/12/02(金) 12:51:33 ID:BfgeOdyv0
「………ん…」
「………あ、気がついた」
「おお、目覚めましたか。いやはや、驚くべき回復力ですな」
「…アリス。………俺たちは………負けたのか…」
「……うん。みたいだね。でもよかった。大した事なくて」

『拝啓 母さん、今私たちは、ジパングに来ています。
 黄金の国ジパングといっても、建物や服なんかが全部金で出来てるわけじゃないみたいです。そりゃそうですよね。
 この国の人々は、今、やまたのおろち≠ニいう、五つ首の蛇の怪物に苦しめられています。…何でも、一定周期に国の若い娘を
 一人、おろちに生贄として捧げなくてはならないとか。この国を治める、卑弥呼という人の予言なのだそうです。
 そんなのを放っておけるわけもなく、私たちはやまたのおろちが棲むという洞窟に突入したのですが…このやまたのおろち、
 恐ろしく強く、吐き出す激しい炎で、危うく消し炭になるところでした。…あのゴドーでさえ、歯が立たずに、私を庇いながら
 洞窟から逃げ出すのが精一杯でした。そのゴドーも、洞窟の前で気絶してしまい、今はジパングの民家の一つで療養しています…』

「…馬鹿言うな。…俺は、絶対に負けられなかったんだぞ…」
「何を仰る。おろちに挑んで、生き延びてきただけでも貴殿の武勇は誇るべきものですぞ。
聞けば、この娘さんを庇いながらの脱出だったとか。大したものですわい」
「そうよ。…それに、あんたはあたしがいたからそんな傷を負ったんでしょ。あんた一人だったら、もしかしたら」
「よしてくれ。俺は奴と戦うとき、おまえの能力を最大限に発揮させたつもりだ…それで逃げ出した以上、これは完全な敗北だ」
「…もう。すいません、おじいさん。本当に勝手で申し訳ないんですが、少し二人にしてくれませんか?」
「ははは、構いませぬよ。…しかし、彼ほどの漢でも倒せないとなると…この日いづる国の未来がおろちによって潰えるのも、
 そう遠くないかもしれませぬなぁ」
 カラッ…パタン

136 :YANA 23-2:2005/12/02(金) 12:52:40 ID:BfgeOdyv0
「………くそったれ」
「…あんたにいっておくことがあるわ」
「…何だよ」
「負けないで強くなれる人なんていないの。負けから得るものは大きいわよ?」
「…俺が一人で勝手に負けるのはいい。だが、それを人に知られるのは勇者の恥だ」
「バカ。あんた、約束もう忘れたの?あんたは、一人で悩まなくていいの。おろちとの戦い、あたしの力を最大限に引き出したって
 いったわよね?逆にいえば、それは最大限に引き出したのに、あたしの力が及ばなかったとも云えるわ」
「………」
「だから、あんたはあたしの力不足を責めてもいいの。…これでもまだ、あんたは自分だけのせいで負けたっていえる?」
「…誰のせいとか関係ない。負けたことを知られた、これが悔しいだけさ」
「…分からず屋。じゃあ、あんた、このまま負けっぱなしでいるつもり?」
「…冗談じゃねぇ、あいつは必ず俺が倒す」
「でしょ?負けたものは仕方ないじゃない。だったら少しでも早く、その負けであのお爺さんやこの国の人たちに与えた失望を
 払拭してあげなくちゃ。あんたのしみったれた顔なんて、いつまでも見せられちゃたまんないわ」
「…いいやがったな。ヘボ魔法使いの分際で」
「なによ、鬱勇者」
「………」
「………」
「…ぷっ」
「…はっ」
「あはは、少しはいつもの調子が戻ってきたじゃない。さ、早く傷治して、あいつを倒す作戦を練らなくちゃ」
「ああ、そうだな。…よし、一度アリアハンに戻るぞ」
「ん?なにするの?」
「久しぶりに、あいつの知恵を借りるとする」

『母さん、急遽、アリアハンに戻ることになりました。あいつ…って、誰のことでしょう?もしかして…。敬具』

137 :YANA 24-1:2005/12/02(金) 20:12:58 ID:3nF/jCxB0
『拝啓 母さん、只今、ちょっと忙しいので、可能な限り簡潔にお話します。
 私とゴドーは、今、ダーマの北、ガルナの塔で修行しています。何でも、賢者を目指す冒険者が
 その境地に至るために鍛錬する場所なんだとか。…で、その鍛練の方法が…』

 ビュゥゥゥゥゥッ
「………ふぅ…ふぅ…ふぅ…」
 ギシッ…ギシッ…ギシッ…
「ピキィィィィッ!!」
 ピョーーーンッ
「!はっ!」
 ブンッ…スカッ
「!ピキィィィッ!?」
 ピョイーン、ヒューーーーー…
「…わ、とと…。はぁ、はぁ…また外した…」
「はーい、お疲れー!今日はこの辺でいいでしょ。戻っておいで〜!」
「…は〜い」

『…そびえ立つ塔と塔の間に張られた一本のロープ。
 その真ん中に立って、襲ってくるメタルスライムというスライムの突然変異種を、杖で的確に打ち抜く、というモノです。
 …このメタルスライムという魔物。硬い・速い・臆病と三拍子揃っており、一撃で仕留めないことには、到底打ち抜くことなど
 出来ません。戦士でも武道家でもない私は、初め、ロープの上でバランスを保つことすら困難でした。
 そんな私は、この修行を始めて二週間経っても、未だに一匹も捉えることが出来ないでいます…。
 なんとか、ロープの上に立ちながら攻撃態勢に入ることは出来るようになったのですが…。
 …ことの始まりは、あの日…そう、やまたのおろちに負けて、アリアハンに戻った時…あいつは、ルイーダの酒場を訪れました』

138 :YANA 24-2:2005/12/02(金) 20:13:28 ID:3nF/jCxB0
「よう。相変わらず腐ってやがるな、おせっかい女」
「…あら、誰かと思えば、ちっとも可愛くない元教え子じゃないの。どしたの?お金なら、この前預けに来たばっかりじゃない?
 …はぁい、アリス。ちょっと見ない間に、いい顔になったわね。ゴドーと何かあったのかな?」
「え?あ、そ、そんな………その…わかるん、だ…アレイ」
「そりゃま、色んな人見てるからねー」
「茶化すな。…今日は、折り入って相談が有って来た」
「あらら、珍しいこともあるもんね。何かしら?」
「単刀直入に訊くが。…賢者の修行について、知ってることを話してくれ」
「………」
「………」
「…あれ?あれ?二人とも…なんで黙っちゃうの???」
「…そっか。貴方、この子を賢者に?」
「ああ。…どうしても、俺たちの手で息の根を止めてやりたい化け物がいてな」
「…んー、私は、もう賢者じゃないわよ?今はただの商人。枯れかけた夢を求める、ね」
「商人相手にただで要求を呑めとは云わん。おまえ、俺の旅について来たがってたな。
 交換条件だ、こいつの修行に使った日数だけ、おまえを俺のパーティに加える。それでどうだ?」
「…それ、いいわね。面白そうだわ。了解、それでいきましょう」
「よし。行くぞ、アリス。時間を無駄に出来ん。無駄にした分だけ、こいつが張り付いてくるぞ」
「え?え?え?」
「人に教えを請う態度じゃないわねー。ま、いいわ。貴方が人間嫌いなのは分かってたことだし。
 まずは手始めに、ダーマの北のガルナの塔に行きましょ。賢者の修行なら、ここに行かなきゃ始まらないわ」

139 :YANA 24-3:2005/12/02(金) 20:13:52 ID:3nF/jCxB0
 ・ ・ ・
「ここか」
「そ。まずは、貴方たち二人で中に行ってらっしゃいな。『悟りの書』って本を見つけるか、
 見つからなくても塔を全部回ったら戻ってらっしゃい。私はここで待ってるから」
「?ねぇ、その本を見つけたら、塔を全部回らなくていいの?」
「そう。もし貴方がそれを見つけられれば、今日にでも私はアリアハンに帰れるわね。…それさえあれば、貴方は賢者に転職できる」
「えぇ!?あたしが…賢者に!?ほ、ほんとに?」
「うん、私が保証する。まぁ、そうなると私は貴方達の旅についていけなくなるから、残念だけど。けどそこはそれ。
 自分の目先のメリットのためにわざと契約の履行を遅らせるなんて、商人の恥よ。貴方には、一日でも早く賢者になってもらう」
「あ、ありがと。…ねぇ、アレイって、何でそんなことまで知ってるの…?」
「うん?」
「酒場でもちょっといってたけど…アレイ、あなたもしかして昔は」
「アリス。…無駄話は終わりだ、行くぞ」
「な、ゴドー、ちょっと待ってよ!」
「いいわ、ゴドー。彼女も教えてあげないと、納得いかないんじゃない?そんなんじゃ、私の教えも半信半疑になっちゃうもの」
「だが、おまえ」
「いいの。ね?」
「………まったく。相変わらず、おせっかいな奴だよ、おまえは。…寝る。終わったら起こせ」
 スタスタ…ドサッ
「…ありがと。ゴドー」
「………?」

140 :YANA:2005/12/02(金) 20:19:38 ID:3nF/jCxB0
これはさっき気づいたんだが。
まとめサイトの俺の項目のタイトル…

>ツンデレ勇者編

まとめ人さん。よくぞ俺の意向を汲んでくれましたw
貴方の注文したお題で何か番外編一本書いてもいいくらいだw 激しくGJ!!

141 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/02(金) 23:59:48 ID:TJXg1cWo0
今読んだ
続きwktk

142 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/03(土) 00:54:21 ID:78USrk4m0
今まであなたと一緒に遊べて、とても楽しかったわ……。
あなたはとてもかわいいから、わたし本当の弟のように思ってた。

(カチャ)

でも大丈夫。あなたを殺させはしないわ。

(ボヨン)

さようなら……。

(ガチャ ガチャガチャガチャ)

…あれぇ、開かない。

(ドンドンドン)

んーんーんー。押しても駄目だぁ。

てやーーー!!!

(ダン)

ウソ、ホントに閉じこめられた?え、ウソ。どうするの?え、え、え?
誰かー!!誰か開けてー!!わたしがまだ中にいるよー!!!だーれーkムグ

143 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/03(土) 00:54:53 ID:78USrk4m0
酒の勢いで投稿。需要ありますか?

144 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/03(土) 03:48:01 ID:LejTbp80O
wktk

>>142
多分あると思う

145 :142:2005/12/03(土) 09:21:12 ID:Dt3/sl2v0
五月蠅くしたら見つかる?ああ、そうね。そうだわ。
あなたも静かにしているのよ。騒いだら見つかるからね、わかった?
最初に騒いだのはわたし?そんな細かいこと気にしないの!!
いーい!?

…みんな必死で戦ってるんだよね。
ホントはわたしがあなたの身代わりになるはずだったのに。
そうなのよ。あなたは伝説の勇者なの。さっきも聞いたと思うけど。
だから、あなたはなんとしても助けなきゃならないからね。
あ、あなたが勇者じゃなきゃ身代わりなんてしようとしなかったわ?わかってる?
もぅ………なんで鍵が閉まっちゃったかなぁ。

あ、静かになってきた。

(デスピサロさま! 勇者をしとめました!)

え、なに?なんで?わたし此処にいるよ?あなたもいるよね?
誰かが身代わりに?でも、わたし以外にモシャスなんて使えないよ?
とにかく、もう少し経ったら外に出てみましょう。

146 :142:2005/12/03(土) 09:21:57 ID:Dt3/sl2v0
(ハァハァハァ)
や、やっと開いた…。あなたが呪文で燃やしてくれなかったら、
彼処に一生閉じこめられたままだったね。

……酷い。あんなに美しかった村が、こんなことって………
とりあえず魔物は近くにいなさそうね。
もしかしたら、誰か生き残っている人がいるかもしれない。
探してみましょう。

此だけ探しても誰もいないって事は、やっぱりみんな………
…ねぇ、あなたはこれからどうするの?

そう、デスピサロを探しに。みんなの敵だもんね、当然か。
でもね、あなたは勇者なんだから、
もし他でも悪さをしているなら尚更止めないといけないのよ。

え、わたし?わたしは勿論付いていくわよ。
べ、別にあなたが心配だってことじゃないのよ、うん。
ほら、置いてかれると此処に独りぼっちでしょ?
やっぱり寂しいし、みんなのこと思い出しちゃうし。うん、そういうことよ。そういうこと。
それにね、わたしモシャスが使えるのよ。モシャス。知ってる?他のものに変化する呪文。
さっき使ったか。

え、他に?……モシャスじゃ不満なの!?結構、役に立つ呪文なんだから。
ぜったーい、勇者には使えないもんねーだ。ふふーん。

ほらぁ、早くいくわよー。みんなの敵、とるんでしょ。

147 :142:2005/12/03(土) 09:23:15 ID:Dt3/sl2v0
もう、夜も更けてきたわねぇ。
仕方ないから、野宿でもする?

やり方が判らない?もう、一体何を教えて貰ってきたのよっ!
まったく。ちゃんと教えてくれてたはずよ。
旅をするのにサバイバル技術は必須なのに。わたしが昔旅してた頃は……

って、人の話聞いてるのっ!?
え?前の方に灯りらしきものが見えるって?
あ、ちょ、待ってっ。

小屋、だよねぇ。こんな処に人が住んでたんだ…
泊めて貰えるかどうか訊く?
じゃあ、ちょっと姿変えるから待って。

?どうしてかって。そりゃ、ほら。わたし、耳が尖ってるじゃない。
此がばれると…なに、するの?厭、駄目…さわらな、あんっ。
あ、だめぇ…うぅん…やめ、はあぁぁぁ……あぁぁ…だめぇ…だめ、なのぉ…
さわ、ふぅんっ…らないでっ…ああっ!!…て、いやぁぁ…いって、る…でしょっ!!!!

(バコン!!!)

この、ばかゆうしゃーーーーーーーーーーーっ!!!!!

148 :142:2005/12/03(土) 09:23:35 ID:Dt3/sl2v0
なによ。もう耳には触らないでよ。
ごめんて、謝るのは当然でしょう、その位で機嫌が直ると思わないで。
あ、ちょ、なにするのっ…

ぽふ?あれ、これ帽子…
目深に被れば耳が隠れるって?
他の人に変わるより、って。な、なに云ってるのよ。
……いいわ。これ貰っておく。
さ、さっきのお詫びにだからねっ。ありがとうだなんて云わないからねっ!

(クルッ)

ふふっ。ふふふっ。

あ、なに覗き込もうとしてるのっ。
許可無しに、人の顔勝手に見るなぁ。

…ニヤニヤしていて気持悪かったって?
………こんの、ばかゆうしゃーーーーーーーーーーーっ!!!!!

グスン

149 :142:2005/12/03(土) 09:25:57 ID:Dt3/sl2v0
ちょっとお馬鹿なシンシアになっちゃいましたが、如何か。
もういらない、だったら云ってください。

150 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/03(土) 09:54:18 ID:XGa18U370
>>149
ちょー、いる

151 :YANA:2005/12/03(土) 10:02:56 ID:pQMirX9q0
・はねぼうしや状況の使い方が上手い。
・身代わり勇者の伏線らしきもの
・そこはかとなくエロス

総評:GJ!!
俺は4はちと忘れ気味なので楽しんで読めると思ふ。どんどんやってくらはい。

152 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/03(土) 10:08:29 ID:07Mavokt0
>>149
べ、別に書いて欲しいなんて一言も言ってないんだからね!
勝手に書けばいいじゃない!感想が欲しいならべ、べつに読んであげてもいいけど。

あ、勘違いしないでよね!別にアンタのことが好きとかそういうんじゃないんだから!!

153 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/03(土) 11:16:45 ID:CNw/NqSGO
あれってシンシアだったの?キモイからもう書かないでいいです。

154 :YANA 25-1:2005/12/03(土) 12:26:27 ID:6p4tuWNw0
「…そんなに固くならないで、ね?話半分で聞いてくれればいいから」
「…う、うん」
「何から話そうかしら…うん、そうね。私が、九歳の頃から冒険を経験してるって話は、彼から聞いたかしら?」
「…えぇ。驚いちゃった」
「ごめんなさいね、隠すつもりはなかったんだけど。…もう勘付いてるでしょうけど、私はかつて、賢者だったことがあるわ」
「………」
「賢者だけじゃない。盗賊も、遊び人も、武道家も、戦士も。およそ考えうる全ての職業は極めてる」
「え…?そんな…たったの、七年で…?」
「うん。…私はね、小さい頃、神童とか、天才とか…とにかく、そういった呼び方をされることが多かった。
 …要するに、何だって出来たのよ」
「へぇ…すごいんだ、あなた」
「ふふっ、ありがと。…でね、私には、今はもう死んじゃったけど、商人の兄さんが一人いたの。でも兄さんは私と違って、
 とにかく要領が悪くてね。よく人に騙されて失敗していたけど、真面目で、人望のある人だった」
「…ふぅん。いいひとだったのね」
「うん。そんな兄さんを見兼ねた両親がある日、『出来の悪いあいつを助けてやりなさーい』って、
 当時九歳の私を、兄さんの旅につけちゃったのよ」
「えぇ?…無茶苦茶するわね」
「そうかも。けど、何でもすぐに覚えちゃって、町にいてもすることがなくて退屈だった私は、とりあえず両親に従った。
 でも実際、旅に出たら、これが大変でね」
「あ、やっぱり、子供には辛かったとか?」
「ううん、兄さんの尻拭いが大変だっただけ」
 ズルッ
「っ…そ、そうなんだ」
「あはは。…その時は、とにかく面倒だったなぁ…なんでこの人は、私より年上なのにこんなに弱くてドジなんだろう、って」
「ありゃりゃ…」

155 :YANA 25-2:2005/12/03(土) 12:26:53 ID:6p4tuWNw0
「弱いくせに、私を庇おうとして魔物に袋叩きにされたりしてね。…本当、手のかかる兄さんだったわ」
「………」
「何年も世界を回ってるうちにね…退屈しのぎに、何度も転職した。…そう。挫折なんかしなかった。
 今思うと、私は病気だったのかもね。…あらゆる技術を何も考えずに鍛錬・研磨し、何かに憑かれた人形のように技を磨いていく…」
「…それは、楽しかったの…?」
「まさか。人形にそんな余分なものはないわ。ただ、鍛えるだけ。使える・使えないも関係なかった。
 …けど、そんなある日の夜。その頃私は十三歳の武道家で…ここ、ガルナの塔で、賢者の修行をしていた…」

 〜三年前 ガルナの塔・最上部〜
「………」
 ギシッ…ギシッ…ギシッ…
「「「「ピキィィイィッ」」」」
 ピョンピョンピョンピョーン
「………」
 スゥ…パパパパーンッッッ
「「「「ピキッ…!!」」」」
 ボトボトボトボト…
「………」
 グイッ
「…(…一匹につき、0.4秒。…もう少し、足から拳打への加重移動を早く出来るか…試してみよう)」
「お〜い!」
「!…兄さん。ここには近寄らないで下さいといいました」
「はぁ、はぁ、そういうなよ。ほら、晩御飯、持ってきたからさ」
「………ありがとうございます」
 ピョンッ、クルクル、トッ

156 :YANA 25-3:2005/12/03(土) 12:27:28 ID:6p4tuWNw0
「…ですが、無理をなさらないで下さい。兄さんの力では、この塔にいる魔物に対して明らかに無力です。
 ですから、そのように逃げ回ってここに来ることになるのです」
「あはは、そうだけどね。可愛い妹の努力を見届けたいっていうか」
「努力などしていません。私はただ、いかに技術を高めるかを思案し、試しているに過ぎません。
 そこに、苦痛や達成感といった感情は存在…」
「はいはい、わかったから。ご飯、冷めちゃうよ?」
「な…兄さん、私の話はまだ終わっていませんよ、そのような安易な心構えだから先日のきめんどうしの幼稚な罠に…」
 ・ ・ ・
「ちょっと待ったァァァァッ!!」
「うん?」
「…誰これ↑」
「ふふっ、可愛げないでしょ?私よ、十三歳の」
 クラッ…
「あらら。これからが本題なのに」
「…大丈夫。ちょっと目眩がしただけ。続けて」

157 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/03(土) 13:57:28 ID:LejTbp80O
>>149
むしろないと駄目

158 :だんご:2005/12/03(土) 22:38:49 ID:Dt3/sl2v0
「泊まっていきやがれー」だって。
素性も知らないのに泊めてくれるなんて。
口は悪いけど、親切な人だね。
助かっちゃったけどさぁ。

……ねぇ、勇者。大丈夫?
だって今まで暮らしてた処無くなっちゃったし、
本当のじゃなかったけど両親も亡くしたんだし。
一日で此だけ不幸を背負えb

べ、別にあなたの心配してるわけじゃないのよっ。
もし此処で潰れられたら、みんなの命が無駄になっちゃうじゃない。
そうよ、それが厭なのよ。うん。
人の顔見て気持悪い、なんて云うヤツのこと心配するわけないでしょっ。
言い訳は聞かない。
ほら、さっさと寝るっ。明日も歩くんだから。


…もう寝ちゃった?

……う、ふぐっ。ううーー…みんな、みんな死んじゃったよぅ。ううう…
う、っぐ…えぐ…ふうぅぅー…ひっぐ………

わたしも死ぬはずだったのに、なんで生き残っちゃったのかな……?

159 :だんご:2005/12/03(土) 22:39:31 ID:Dt3/sl2v0
ちゃんと売ってきたー?
へへー、良いお金になったでしょ。旅をするには何よりもお金だからね。
ほら、それで薬草いっぱい買ってくのよ。
わたしはホイミ使えないし、当たり前でしょ?

え?あの宝石何処で手に入れたんだって?
あ、あれはね。そう、世界中を旅していたときに見つけたのよ。
魔物たちの蠢く洞窟の奥深く……
なに?魔物に出会うと直ぐキャーキャー云うのに信じられないってぇ!?
あなたを鍛えるために、戦い任せてるんじゃないのっ!!
全く、わたしの深慮も理解してな……
って、なんで先行っちゃうのよっ。


地獄の帝王かぁ。なんだか強そうだね。
でも王様はまだ甦ってないって云ってたから、死んでるウチにブッスリとやっちゃえば…
あれ。でも死んでるのに、刺して効くのかな。ねぇ、どー思う?
…ってまたいない。


もー、いつもいつも置いてくなぁ。
で、なんの話聞いてたの?
木こり親子?山奥に住んでいて?息子が雷に打たれて死んじゃって。
今でも父親は一人で暮らしてるって……。
北の森って云うと…ううん、なんでもない。
でもさぁ、その天女とか云われている人、一体何処行っちゃったんだろうね。

160 :だんご:2005/12/03(土) 22:40:20 ID:Dt3/sl2v0
この洞窟、トルネコって人が掘ったんだ。凄いねぇ。
ほら、勇者も見習って、人の役にたつことしなさいね。
あ、世界を救うって、人の役に立つことか。


エンドールで占って貰うんだ、って向かってるけどさぁ。
勇者たるもの道筋ぐらい、自分で決められずにどうするのよ。
わたしはほら、占いなんて信じてないからね。
もっとゆっくり歩いてこーよー。
わたし人が一杯いるところ苦手なんだから。
エンドールなんて行っても、きっとなんの収穫もn

(パンパカパーン)

え、なに?どうしたの!?
1000人目だからプレゼントをくれるって、カジノのコイン2000ゴールド分!?

ほら、さっさと行くわよっ。あんまり遅いとおいてくぞー!!

161 :だんご:2005/12/03(土) 22:41:58 ID:Dt3/sl2v0
もぅ、無理矢理あんな人混み引っ張り回して…

でも確かに、凄い結婚式だったねぇ。
あれぞロイヤルウェディング、ってね。
わたしが結婚?考えたこと無いなー。そういうのと無縁だったし。
え?敵を討ったら一緒に…って、な、え?
そ、そんな急にい、云われても…あっ、いやってわけじゃないのよっ。
いや、じゃないけど……
って、なんでいきなりそんな話になってるのよっ!今はそれどころじゃないでしょっ。
そういえば勇者、占って貰いに行くんでしょ、さっさと行ってきたらどうなのよ。
わたしはカジノに行くから。

なんで、って。別に良いでしょ、遊びたいのっ。
いーっぱい稼いでやるんだから。あとで迎えに来なさいよっ。


はぁー。気晴らしになるかなぁ。

162 :だんご:2005/12/03(土) 22:43:47 ID:Dt3/sl2v0
………ねぇ、本当にこの人達と行くの?
文句なんかないわ。
ええ、そうよ。勇者がリーダーだもんね、わたしはオマケだもんね。
良いじゃない、どうせどっちも敵討ちが目的なんだし。
それに、ミネアさんの占いで出たんでしょ?
地獄の帝王とやらを倒すのに7人の仲間が必要で、あの2人はその仲間なんでしょ。
だったら、わたしが反対してもつれていくしかないじゃない。
だったら無駄な口叩いてないで……カジノじゃ勝ちまくったんだから機嫌が悪いわけないでしょっ。

わたしはねぇ、ただ……ううん、いい。
そうだね。いい人たちよ、きっと。
そうね、おっぱいも大きいし………

は?今、なんてった?
……なに、あんたはそんなところ見てたの?
ええ、そうねマーニャさんのは姿はアレね。
だけど、わざわざ見なきゃ良いだけの問題でしょう?
はいはい、ゴメンね。どうせ見慣れてないもんねっ。
そうよ、わたしはナイムネよ、ペタンコよ、貧乳よっ!!それが悪い!?誰かに迷惑かけたっ!!?
仕方無いでしょっ!!わたしは大きくならないんだからっ!!!
あんなのが良いなら直ぐになってあげるわよっ!!……モシャムグムグムグ

163 :だんご:2005/12/03(土) 22:47:09 ID:Dt3/sl2v0
期待してくれる方も居たので、続けてみました。
ハンドルも付けたので、不快な方は是非アボーン指定してください。

>>162の後半ががやりたかったウチの一つだ。
貧乳ならなんでも良かった。今でも反省してない。

164 :YANA:2005/12/03(土) 22:49:56 ID:+tyJcf350
乙だぜw 貧乳w俺がやるとどうしてもたゆんツンデレに(ry
ところでさ











木こりの親父って考えてみるとものすごいツンデレだよな。

165 :YANA 26-1:2005/12/03(土) 23:50:09 ID:i4/WYAuV0
「…兄さん。何をそんなにニヤニヤしているのですか。気味が悪い。食事は速やかに済ませてください」
「うん?いや、そうかな?…うん、毎日僕の作った料理を、アレイが美味しそうな顔で食べてくれてるから嬉しくて」
「!…私は別に、そんな顔はしていません。…その、兄さんの食事が美味な上、合理的なバランスであることは…認めますが」
「あはは、ありがとう。…うん、アレイももっとニコニコしてれば、今より何倍も可愛いのにな」
「またそれですか。何度同じことを言わせるのですか、戦闘においてそんなものは不要です、必要なのは、
 敵を速やかに排除し、利用できるものを如何に効率よく入手・活用するかの技術だけです。お分かりですか?」
「はいはい、何度も聞きましたよ。…うーん、小さい頃はあんなに素直でいい子だったのになぁ。
 おにいちゃーん、って僕の後をついてきて」
「!!な、何ですかその適当な返事は!どうやら兄さんには、一度みっちりと体の方に教え込んだほうがいいようですね。
 大体、いつまでそのような十年近くも昔の話を持ち出すつもりですか、怒りますよ!」
「あ、いや、ごめん。つい口が滑って…」
「…ではやはり、それが兄さんの本音というわけですね。いいでしょう、せっかくですから、兄さんにも私の修行を少し
 味わっていただきましょう。どのくらいで泣き出すか、じっくりと観察して差し上げます…」
「あう…ヤブヘビ…」
「覚悟を………?」
 ヒュゥン…ヒュゥン…
「どうしたの?アレイ」
「兄さん…塔の奥側に移動して下さい。できるだけ、ロープ側に近寄らないように。いいですね?」
「え?…う、うん。…???」
 ヒュゥン…ヒュゥン… 
「………(何か来る…この大気の振動はスカイドラゴンに近いが…間隔が短い…?)」
 ヒュゥンッ
「グォォォッ!」

166 :YANA 26-2:2005/12/03(土) 23:50:37 ID:i4/WYAuV0
「!!アレイ!」
「!(スノードラゴン!?こんなところにいるはずが…!不味い、武道家の今の私では、リーチも短いし攻撃呪文も使えない!
 せいぜい自分一人を守るのが精一杯…!)」
「ガァァァッ!」
 ビュルッ、バシィンッッ
「くっ!兄さんっ、逃げて下さい!ここは私一人で大丈夫です!」
「で、でも…!」
「早く!…ハァァァッ!」
 メキッッッ
「グギャァァッ!グル…ゴァァァッ!!」
 ゴォォォォッ
「!!(しま…気を逸らして喉を潰し損ね…吹雪が…!!)」
 ダッ
「っ!………………?…!!」
「…だい、じょうぶ、かい?…アレイ…」
「グゲェェェェッ!!」
「…消えなさい。目障りよ、豚」
 ヒュル…タタタタタタタタタタタンッッッッッ
「!!ぐ…が…」
 ヒュゥゥゥゥゥッ…ドッシー…ンッッッ
 …トンッ
「…兄さん…これは…何の真似ですか…?」
「…あはは…やっぱり強いな…アレイは。また…迷惑かけちゃったね…つっ…!あはは…」
「…何をやってるんですか、貴方は。…人体は皮膚の二割以上が火傷すると死に至ります。兄さんのそれは、凍傷ですが、
 スノードラゴンの息をまともに浴びれば本質的に火傷と変わりありません…率直に言うと、貴方は」

167 :YANA 26-3:2005/12/03(土) 23:51:02 ID:i4/WYAuV0

 …もう、助かりません。

「………あはは。相変わらず、はっきりいうなぁ、アレイは。うん。まいったな…今回は…特別、運が悪かったみたいだね」
「…馬鹿な。自分から間に入っておいて。…私は、逃げろといったのですよ。私一人なら、切り抜けられた。何故、こんな」
「うーん…一度くらい…お兄ちゃんとしてかっこつけたかったんだけど。…あはは」
「…さっきからへらへらと。死ぬのが怖くないのですか、兄さんは」
「はは…それより、アレイが、もう二度と笑わないことの方が…僕は、怖い、かな…。
 ほら…やっぱり、皆笑ってるとさ…気持ちいいだろ?」
「…理解できません」
「いずれ分かるときが来る…といいな、アレイは真面目だからな、はは。…ねぇアレイ。僕の夢を、話したことがあったかな」
「…町を作りたい、と。野原の真ん中に、ゼロから、丹精こめて、自分らしい町を作りたい、と幼き頃から聞いています」
「そう。…僕はそのために商人になって世界を回ってきたけれど…うーん…やっぱり僕じゃダメだったなぁ」
「当然です。兄さんはお人好し過ぎます。世の中は、奇麗事だけではすまないのですよ?」
「あはは、そうだね。…アレイ。僕の最後のお願い。聞いてくれるかな」
「…何でしょう」
「天国で見てるから…十年後でも、二十年後でもいい。気が向いたら、君の力で町を作ってみてくれないか?
 町は住む人と創る人の心の鏡だ…君の心が、どんな人を集め、どんな町を創るか…見てみたいよ」
「…人間は死ねば土に還るだけです。天国など、ありはしません」
「いうと思った…あはは」
「ですが」
「え?」
「…私の町を作ることが、兄さんの希望であるというのでしたら。いずれ」
「…そっか。ありがとう。これで安心して眠れるよ…」
「…兄さん。…また。来世で」

168 :YANA 26-4:2005/12/03(土) 23:51:30 ID:i4/WYAuV0
「…あは…は…おかしいな…天国は信じてない…のに…来世は…信じてるのかい…?」
「…言ってみただけです」
「…残念。…ね、最後くらいは…昔みたいに…笑っては…くれないかな…?」
「…申し訳ありません。…笑い方は…思い出すのに時間がかかりそうです」
「………………」
「…兄さん?」
「………………」
「…最後まで勝手な人です…あなたは、いつでも私の調子を狂わせる…」
 …ポタ、ポタタ…
「?………なみ、だ…?…兄さん…笑顔どころか…泣き顔を思い出してしまいました…おかしいですね……兄さん…兄さん…!」
 ポロポロ…ポタポタポタポタ…
「…兄さ…にい…おにいちゃん…グスッ…おにい…ちゃん…!うう…わぁぁぁぁぁぁん…」
 ・ ・ ・
「それから、もう翌日には修行を終えて賢者になって…ものの一週間で全ての呪文を習得。兄さんを追ってすぐに商人に転職したわ。
 我がことながら、その時の私は化け物じみた成長率だったわね。多分、あの無茶苦茶な学習速度はもう二度と発揮できないわ」
「………」
「全てを終えてアリアハンに帰ってからは、毎日一生懸命、記憶の中の兄さんの真似して笑い方の練習。
 …何が大変だったって、それが一番大変だったかな。何しろ、笑顔なんて十年近くぶりだったから」

169 :YANA 26-5:2005/12/03(土) 23:53:47 ID:i4/WYAuV0
「………」
「みんなが笑顔だと気持ちいい…兄さんの言葉が頭で何度も繰り返されて…理解しようと必死だった。そして、色んな人たちに接して、
 この人はどんな時笑うんだろう、何を思って泣くんだろうって。来る日も来る日も………あれ、どうしたの?」
「………なんでもない」
「…あ………ごめんなさい。水っぽくなっちゃったわね。最後の方は忘れてちょうだいな。ほんの蛇足だから」
 ブンブンっ
「?」
「…ダメだよ。あなたの大切な思い。しっかりもらったから!私頑張る!絶対、絶対賢者になってみせる!!
 ほら、ゴドー!行くわよ、寝てんじゃなーいっ!!」
 ゲシゲシッ
「ぶっ!…いてぇな、終わったのか。わかったから蹴るのはやめやがれっ。
 …ったく、こうなること目に見えてたから、聞かせたくなかったんだ…」
「…クスッ。…ありがとう。アリス。貴方は、最高の友達よ」
「うん!あたしも…貴女のこと、大好きよっ!」

『母さん、これを書いていたら、弱音なんて吐いてる場合じゃないことを思い出しました。
 私の今の師匠で、親友で、私が知る限り世界最高の商人のために、すぐにでも修行に戻らないと!敬具』

170 :YANA 27-1:2005/12/04(日) 11:45:21 ID:+ZopHaOW0
 ギシッ…ギシッ…ギシッ
「…すぅ…すぅ…」
「………」
「ピキィィィッ!!」
 ピョーンッ
「!せりゃぁっ!!」
 ドスッッッ
「!!ピキィッ!」
 ボト…
「…やった。アレイ、あたしやったよ!うわととと、っと!…ふぅ、危ない危ない」
「おめでとう!貴方は魔法使いだし、上出来だわ。修行完了も近いわね。あとはその技術を確実なものにするだけ。頑張って!」
「うん!」

『拝啓 母さん、遂にやりました。
 修行開始から三週間目。私は、ようやくメタルスライムを仕留めることに成功しました!
 …そう、思えばそもそもこの修行が始まったのは…』


「…あう、ダメだわ。降参…本なんて見つからなかった」
「…俺もだ。おかしいな、足でいけるところは全部行ったはずだが…」
「足でいけるところは…ねぇ。ま、無理ないか。私も最初はわけわかんなかったし」
「「???」」
「じゃあ、ついてきて。上に行くわよ」
「?うん」

171 :YANA 27-2:2005/12/04(日) 11:45:52 ID:+ZopHaOW0
 ・ ・ ・
「…さっきの、ロープ。うわぁ、ここ、渡るの怖かったのよ。いつ落ちるかひやひやで」
「うん。貴方にはこれから、このロープの上に立って、魔物と戦ってもらうわ」
「………はい?…ちょっと。冗談はやめてよ。流石に笑えないわ」
「あら、本気よ?さっき話したじゃない、私もやったって」
「…あれ、武道家だからやったわけじゃ、ないんだ」
「うん。職業は関係ないの。ひたすら、『ある到達点』に辿り着くまで、病的にロープの上で戦い続ける。
 …ついでにいうと、あの当時の私はもう『そこ』に至ってたんだけどね。武道家としての技術に不満があったから続けてただけ」
「…それと、さっきの悟りの書ってのと関係があるの?なに、その到達点とかいうのに辿り着いたら、その本を見つけなくていいわけ?」
「ううん、結局は見つけなくちゃいけないわ。これは、それを見つけるための力≠養うモノなの」
「…イマイチ要領を得ないけど、ああ、そう。もう、何だってやってやるわ!」

『というわけです。結局、私もどうしてこんなことをしているのか、分かってなかったりしています。
 でも今は、経験者であるお師匠様の言葉を信じるのみです』

「ところで、ゴドーの奴は?あいつの方の修行は捗ってるの?」
「ああ、彼?すごいわよ、ものすごい集中力。武道家時代の私と比べても遜色ないくらい。彼、根っからの戦士気質なのねー」
「でしょうねぇ。…まったく、あいつが勇者じゃなければ、あいつが賢者になればいいのよ」
「文句いわないの。さ、続き続き!」
「うす!頑張ります!」

『あの日、ゴドーは「おまえだけ苦労させるわけにはいかないから」とかなんとかいって、アレイに自分も私と同じ修行を
 させてくれるようにいいました。そうして毎日、あいつは私とは別の、仮設ロープの上でメタルスライムと戦っています。
 私は見てないけれど、きっとあいつが私なら、とっくに例の到達点とやらに至っていることでしょう』

172 :YANA 27-3:2005/12/04(日) 11:46:19 ID:+ZopHaOW0
 〜修行開始から一ヶ月後〜
「「ピキィィィッ!」」
「せいやぁ!!」
 ドスドスッッッ、ボトボト…
「やった、二連続!」
「…(そろそろ頃合いかもね。うん、思ったより早かったかな)アリス!」
「え?うん、なーに、アレイ」
「…メラ」
 ヒュンッ
「わぁ!…わ、ちょ、な、何するの、よ、アレイ!」
「アリス。貴方、そのまま落ちちゃいなさい」
「へ?…そ、そんな、そりゃないわよ、今まで落ちないように慎重にがんばtt…」
「メラ」
 ヒュンッ
「わぁぁぁぁっ!」
 ギシッ、ヒューーーーーッ
「なーにーすーるーのーよーっ!!」

「…ファイトー、アリス!」
 ・ ・ ・
「もう…!いきなり何なのよぅっ!!」
 ヒューーーーーッ…
「(あー…地面が遠いなぁ…ぶつかったら痛いのよね…ナジミとカンダタのときはここほど高くなかったし…ピラミッドは
 ゴドーに抱えられてたし、下は砂だったし………今回は本格的に不味いかなぁ…)」
 ヒューーーーーッ…
「(…?まだ届かない…?あれ、落ちるのがゆっくり見え……これなら…よっ!!)」
 ヒューーーーーッ…クルッ、ストンッ

173 :YANA 27-4:2005/12/04(日) 11:46:47 ID:+ZopHaOW0
「…あれ?あれれ?…痛くない…全然…っていうか…あたしいつの間にこんなに身軽に…。
 …ここ、塔の中央館?…!ひび割れがある。全然気づかなかった…よし!」
 ヒューーーーーッ、ストンッ
「…すごい。あたしの体じゃないみたい…!これが、アレイの言ってた『到達点』…?
 …あれ、この宝箱。もしかして…やっぱり!『悟りの書』…間違いないわ!!」
 ・ ・ ・
「ひどいじゃないアレイ!突然あんなことして!」
「あはは、ごめんね」
「まともに落ちたらすっごく痛いんだから、もう。…でも、あそこから落ちなかったら悟りの書は見つからなかった。
 もしかして修行って…」
「そ。貴方の考えてる通り。悟りの書はね、あのロープから落ちないと行けない場所にあるの。
 でも、真っ当な神経の人間なら、あの高さから落ちようなんて考えないわ。例え修行を失敗して誤って落ちても、この高さだもの、
 死ぬか大怪我、とても悟りの書どころじゃないわ。だから、まずは高所からの落下に対応できる身のこなし、そしてその飛び降りる
 行為自体に恐怖を覚えないほどに、その技術を完全なものとして自覚する精神…賢者になるには、この二つが資格として必要なの」
「…なるほど。だから、この本は中が白紙なのね。大事なのは、その磨き上げられた技術と精神…」
「うん。ただ、本当は後者の方は、修行者自身があの場所で戦うことに恐怖を感じなくなって、自ら飛び降りることを思い立って
 実行するのを待たなくちゃいけないんだけど…今回は、ちょっと荒療治をさせてもらったわ」
「人が悪いわね…技術が不完全だったらどうするつもりだったのよ?」
「ごめんなさいね。ほら、最初に云ったでしょう?貴方には、一日でも早く賢者になってもらうって。
 私でさえ飛び降りようなんて思いつくまで三ヶ月かかったんだから、そんなの待ってられないもの」
「………あれ?…飛び降りようなんて思いつく…あれれ?何か忘れてるような…」
「?」
 ピシャァァァァァンッッッ
「「!!!?」」
「雷鳴!?なに!?上のほうから…!!」
「…あらら…彼、とんでもないとこまでいっちゃってるわね。まさかこのガルナの塔で、アレを体得する勇者がいるなんて…
 あら、何か落ちてきた」

174 :YANA 27-5:2005/12/04(日) 11:49:13 ID:+ZopHaOW0
 ドシャーーーーンッ
「スカイドラゴン?修行に乱入しちゃったのね。そりゃそうか、いくらアレでも、メタルスライムには効果ないもの。
 彼がそんな無駄をするはずない、か」
「ちょっとぉ、一人で納得してないで説明してよぅ!何がどうなってるの!?」
「彼に直接聞いたほうがいいんじゃない?ほら、私たちを見つけたみたい…!!?」
 ヒューーーーーッ…ストンッ
「…む。どうした。修行は終わったのか。こっちも、まぁ現時点では満足な出来だ。
 …うむ、飛び降りるダメージが殆どねぇのはいい傾向だ」
「「………」」
「…ねぇ、アリス。彼、いつもこうなの…?」
「…思い出したわ。こいつ、『最初から飛び降りることに恐怖するまともな神経なんか微塵も持ち合わせちゃいなかった』のよ…!!」
「???おい、一体何の話を…」
「…『あいつが勇者じゃなければ、あいつが賢者になればいい』…か。笑えない冗談だったわけね…」
「あうう…あたしの苦労はなんだったの…?」
「だから、何の話を」
「うるさーい!!なんであんた、最初にこの塔に入ったときにロープの上から飛び降りなかったのよーっ!!」
「ああ?それはまぁ、俺が飛び降りるのは、その建物に用がなくなったか、魔力も道具も打ち止めになって脱出する時だけだ。
 探し物があるのに放り出して飛び降りるやつがあるか」
「………頭痛くなってきた…」
「まぁまぁ。必要なのは技術と精神…そういったのは貴方よ?賢者は文武両道、今までのように魔法だけメインにしてれば
 いいわけじゃなくなるから、その身軽さは絶対無駄にならないわ。結果オーライってことで」
「はぁ…うん、そうね。ところでゴドー。さっき、上で何やったの?」
「話が全然見えんが…あれは…ふん、そうだな。後のお楽しみだ。…見てやがれデカブツめ、五首まとめて吠え面かかせてやる…」
「………怖い…」
「あはは。さ、じゃあ、ダーマに行きましょう。いよいよ、賢者アリスの誕生よ!」
「ええ!」

『母さん、今日を持ちまして、アレイ先生の指導はめでたく修了と相成りました!
 早速賢者にランクアップし、あのやまたのおろちにリベンジします!! 敬具』

175 :YANA 28-1:2005/12/04(日) 12:25:20 ID:cq5GlnnR0
「汝、アリスは涅槃に至り、見事悟りの書を見つけ出し、賢者の称号を…」
「………」

『拝啓 母さん、いよいよ今日は、私が賢者となる記念すべき日です。
 昨日ダーマに帰った私たちはアレイの、やっぱり賢者になるなら一晩ゆっくり休んで綺麗な体の方がいい、という提案で、
 一先ずダーマの宿に泊まりました。
 そして明朝、私とゴドーは転職を行うダーマの神官さんのところに行き、今はその儀式の最中です。…え?修行を教えてくれた
 当の師匠様は立ち会わないのか、って?…それは…』

「…うー…ごめんねー…私、朝は全然駄目なのー…くぅくぅ…」

『と、ベッドから出る気配がまるでありませんでした。…なんだか、彼女が昔神童と呼ばれてたことが信じられなくなってきました…。
 まぁ、それくらいの欠点がないと可愛げがありませんよね。うん』

「…それでは、最後に確認する。汝は今一度、一から賢者として修行をし直す覚悟がおありかな?」
「はい」
「よろしい。…カァァァァァーーーーーーーッッッッ!!!」
「!!」
 ピカピカーン
「…うむ。これでそなたは、これから鍛えていく度、賢者としての力に目覚めていくだろう」
「ありがとうございます」
「然るに、その装備ではよろしくなかろう。あちらの装備調整室で、賢者に相応しい装備をしてくるがよい。
 …神殿のしきたりでな、各職業の基本正装も提供しておる」
「わかりました…」
「おいアリス」

176 :YANA 28-2:2005/12/04(日) 12:25:44 ID:cq5GlnnR0
「ん?なによ」
「手ぶらで行く気か。…ほら」
「?これ、いつも使ってる、道具袋?」
「ああ。中に、これまで手に入れたが二人とも装備できなくて使い道がなかった武装なんかも入ってる。好きにやってこい」
「ん、ありがと」
「………」
「…どうしたの?まだ何かあるの?」
「…いや。最初の頃に比べて…おまえ、大分素直になったな、って」
「な…!そ、それはあんたがいつも無茶なことばっかりしてたからじゃないの!
 …今は、その…あたしもあんたのやり方に慣れてきたっていうか…あんたもちゃんとあたしの意見聞くようになったっていうか…」
「…ふぅん」
「もう!なんだっていいでしょ!行って来る!」
「おう、行って来い」
 ・ ・ ・
「まったくもう…油断するとあれなんだから…と、賢者の正装って…これ?…わー…すごいミニ…肩も空いてるし…
 あ、マントがあるから、これ着けるのね。…うん、大分露出を抑えられるかも。あと…ハイニーソックス?」
 ゴソゴソ
「…いざ着てみると恥ずかしいかも…ま、直に慣れるか。あとは装備品を…あ、モーニングスター…えいっ」
 ブンッ
「わ、すごい。この前はあんなに重かったのに…賢者になって持つとこんなに軽いんだ。…他には…と…」
 トサッ
「?何か落ちた…これは…あの時のガーターベルト…?」
 ピィィンッ
「…よぉし…見てなさいよ、ゴドー」

177 :YANA 28-3:2005/12/04(日) 12:26:16 ID:cq5GlnnR0
 ・ ・ ・
「…遅い…何やってやがる、あいつめ…。女の着替えってヤツは、みんなこうなのか…?」
「おまたせーっ」
「…ったく…時間かけすぎd………………」
「ん?何よ、固まっちゃって」
「…………………」
「ん〜?どうしたのかな〜?(ふふ、アッサラームでの屈辱、忘れたわけじゃないのよ!今度はあんたが慌てふためきなさい!)」
「…………………」
 プイッ
「あ…何、あからさまに目ぇ逸らしてんのよ!しかも首ごと!失礼ね!ほら、こっち見・な・さ・い・よ〜!!」
 グイ〜〜〜ッ
「………!……」
「もう、何か云うことあるんじゃないの?」
「………」
「?…どうしたの、俯いて黙って。ほら、軽口の一つも叩いてみなさいよ」
「………あー…何だ…その………い…」
「何?何ていったの?」
「…すごく…か…」
「何よ、聞こえないわよ」
「…すごく、可愛い…」
「………………………………え?」
「………」
「………」
「………」

178 :YANA 28-4:2005/12/04(日) 12:26:45 ID:cq5GlnnR0
「…(わー…これは予想してなかったなー…まさかあいつの口からこんな言葉が出てくるなんて…あたしってば頭の中真っ白ー…
 とんだカウンター、これじゃいつもからかわれてる時の方がまだマシー…あはははは)」
「…アリス」
「は、はひ!」
「…そのガーターベルト」
「あ、うん、この前アッサラームであんたが退屈しのぎにって、ほら、悔しかったから仕返しにって、その、ちょっとだけ着けてみたけど ね、やっぱり似合わないならすぐ脱ぐから、賢者の服が大人っぽいからあんたも考え改めるかなー、なんて」
「………」
「(あーもうなにいってんのよあたしはーっ!!これじゃあたしがバカみたいじゃない、落ち着けーっ!!)」
「…脱がなくていい。…似合ってるから」
「〜〜〜〜〜〜(/////)」
 パクパクパクパク…
「…なんだよ。貶してほしかったのか…?」
 ナデナデ…
「!!!?(な、ちょ、髪なんか触らないでよ!)」
「…悪かった。…その、ごめんな、あの時はあんなこといって」
「…ゴドー」

「ふぁぁぁぁっ…二人とも遅れてごめんねー」
 バッッッッッ
「…あれ、どしたの、お二人さん…あ、もう着替えまで終わっちゃったんだ。…あ、もしかして、お楽しみのとこお邪魔しちゃった?」
「「違う!!」」
「…あらら…こりゃ瓢箪から駒だったか…ごめんね、ごゆっくり〜」
 スタスタ
「アレイーーーーーッ!変なこと考えて帰るなーーーっっっ!!!」
「………ちっ、何をしてるんだ俺は…落ち着け…いつものあいつじゃねぇか…すぅ、はぁ、すぅ、はぁ…」

『母さん、私ってば今もドキドキが止まりません…どうしちゃったんだろ、私…こんなの初めてです…。敬具』

179 :YANA:2005/12/04(日) 12:31:19 ID:cq5GlnnR0
  お 粗 末 ! !
ベタでスマソ。この28話、書いてるほうが恥ずかしかったわ…なんだこの少女漫画展開は…

180 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/04(日) 14:04:41 ID:i/GVapSgO
素クールは不遇のジャンルだと思う。

181 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/04(日) 17:00:56 ID:utC6zIv+0
ニーソキター!!!!!!!!!111111111111111

182 :だんご:2005/12/04(日) 21:46:53 ID:PdyLR8S20
この砂漠を越えなきゃ行けないのっ。
人の足じゃ無理だから、その馬車を譲ってくれって云ってるのにっ。
こんな処で飼い葉食べてるだけじゃ宝の持ち腐れでしょっ。
もぅ、この分からず屋ッ!!!!


ねぇ、どうするのよ此から。
この調子じゃ、砂漠すら越えられないのよっ。
ミネアさんのお得意の占いで何かでないのっ?
……ごめんなさい。なんか苛ついてるよね、わたし。

ん?何処行くつもりなの?
東の洞窟に……?
ホフマンさんがああなった理由がわかれば、ねぇ。
怪しいなぁ……云いだしたのマーニャさんじゃないの?
どうせお宝がーとか云いだしたんでしょ。
わたしは行かないわよ。どうせそんなところ行ってもなんにも無いもの。

え、ホントに行くの?行かないなら置いてくって…
あっ…………待って!わたしも行く、行くから。
ちょっと待ってよー!!

183 :だんご:2005/12/04(日) 21:47:56 ID:PdyLR8S20
うぅぅ、ジメジメして厭な処ね。
エンドールの洞窟とはまるで大違い。
もぅ、こんな処に一体何があるって云うのよ……
あーあ、やっぱり来ない方がよかっt
って、なにこれえぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーー………


う、いたたたた。
あー、生きてる。あーあ、お尻が汚れちゃったよ。
だから来たくないって云ったじゃ……アレ?
勇者ーーーー!?マーニャさんーーー!?ミネアさーん!!
ヤバイどうしよう。みんなとはぐれちゃった………


ハァハァ。もうどうして魔物とばっかり会うのよ。
だから来たくなかったのに……
あっ、あの二人一緒だったんだ。取り敢えず助かったぁ。
マーニャさーん、ミネアさーん、大丈夫だったー?
あれ、どうしたの……?なんか、雰囲気が………
って、なにするのっ!!!やっぱり騙…ええーー!?魔物が!!?
キャーーーーーー!!イヤーーーーーーー!!たーすーけーてーーーーーー………

184 :だんご:2005/12/04(日) 21:48:35 ID:PdyLR8S20
ハァハァハァ、なんとか撒けたみたい…
ああもぅ、勇者は一体何処に行っちゃったのよっ。
薄暗いし、湿ってるし、魔物は出るし、魔物が化けてるし……
わたし一人じゃ死んじゃうよぅ。
お腹も空いたなぁ。早く……
あっ、あれは勇者!!

もぅ、もっと早く見つけなさいよっ。
べ、別にわたし一人でも大丈夫だったけどねっ。
ほら、まだ半人前のあなたじゃ心配じゃない。やっぱりわたしが…
って、そういえば、あの2人はまだ見つかってないの?
ああ、そうだ。さっきあのマーニャさんとミネアさんに化けた魔物に襲われた………
…ねぇ、勇者。あなたほんも、の……
いやぁぁぁぁーーーーーーーーーーー!!早く助けろーーーばかゆうしゃぁぁぁーー……

185 :だんご:2005/12/04(日) 21:49:17 ID:PdyLR8S20
なんて洞窟なの、此処は………
そうか、きっとホフマンさんもアイツらが化けた友達に襲われて……
ああ、そっか。魔物に化ければ襲われること無いじゃない。
わたしって、あったま良いーーー。

ふっふふーん。わたしの思った通りね。
これでもう怖い思いしなくて済むわ。
…でも、一人でこんな処歩いているのは心細いなぁ。
誰でも良いから、早く見つかんないかしら……


………あー居たぁ!!3人一緒に居るッ!!!
あーん、勇者ぁ!!心細かっ………みんななんでそんな眼で…
ああ、ちょっと待って!!そうだ、そういえばモシャスとな……きゃぁ!!
お願いッ!!やめてっ!!!もぅ、いやぁぁぁぁぁーーーーー………

186 :だんご:2005/12/04(日) 21:49:57 ID:PdyLR8S20
ホント殺されるかと思ったわ。あなた達に……
良いわよ、怒ってないから。わたしも悪かったもんね。魔物に化けたままだったもんね。
ああ、でも怖かったなぁー。メラなんてわたしの直ぐ側を掠めていったもんなぁ…
うん、怒ってないわよー。


宝なんてホントにあったんだ……
どんなのだった?わたしにも見せてよー。
綺麗な宝石………
人を信じること、か……また信じても…信じたいの?わたしは?
信じられる人たちも居た、よね。うん……

(ぱさ)

ねぇ、マーニャさん、ミネアさん。
あなた達を今まで信じ切れないでいたの。今までごめんなさい。
わたしはね、本当はエ……ちょ、なに…?
いやぁ……さわら、ないでぇぇぇ…あんっ………
なんで…はぅぅ……みんなみみを…んんん!!!みると…はぁぁん……
さわる…んっ……のよぅ……ゆう…しゃも…ふぅぅぅ…みて…あぁぁ……
ないで…あんっ…たすけ……ああああああっ!!!!!

187 :だんご:2005/12/04(日) 21:56:57 ID:PdyLR8S20
>YANAさん
木こりの親父がツンデレなのに、書き込みを見て初めて気が付きました。
くそぅ、わたしなんてツンデレが書けなくて四苦八苦しているのに、、、
H井、、、恐ろしい子ッ!!

YANAさんのGJ!!少女漫画風ツンデレのあとに書くのは気が引けましたが、
こんな駄文でよかったら楽しんでやってください。
咳をする度に肋骨に痛みが走るため推敲その他が甘いですが、その点はご容赦を。

まぁ、裏切りの洞窟の一連も書きたかった場面の一つなのですが。
それはともかくとして、貧乳で耳が性感帯じゃないエルフなんて居ませんっ!!
ということで。

188 :だんご:2005/12/04(日) 22:20:56 ID:PdyLR8S20
宝なんてホントにあったんだ……
どんなのだった?わたしにも見せてよー。
わぁ…綺麗な宝石………
人を信じること、か……また信じても…信じたいの?わたしは?
信じられる人たちも居た、よね。うん……
千里の道も一歩から、出来ることからコツコツとっていうわよね。うん…よしっ!


>186の真ん中の段落を、上記のようにしてくれると嬉しいかも。
ああ、駄目だ。此なら熱があった方がマシのような気がするorz

189 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/05(月) 02:18:37 ID:FzIcX68xO
まとめサイトの短編集531の出だしが変じゃね?
(1人一つの部屋か、たまには1人一つの部屋を使いたい)

このスレから見始めたばかりだから
見当違いのツッコミだったらすまない

190 :YANA 29-1:2005/12/05(月) 21:11:36 ID:cFI7HJV80
『拝啓 母さん、やっと賢者になって、やまたのおろちへのリベンジに向おうとしたら、それに待ったがかかりました。
 私が息巻いてルーラを唱えようとしたところ…アレイに引き止められたのです』

「あー、待ちなさい待ちなさい」
「な、なにようアレイ…せっかく張り切ってるのに」
「だから、貴方儀式の時神官さんに言われなかった?今の貴方は一から修行の身。いきなりそのおろちっていうのにもう一度挑んでも、
 多分返り討ちよ。ほら、感じない?貴方の魔力、転職前の半分になってるわよ?」
「え?………あ…ホントだ…」
「暫くは、賢者の力に慣れることから始めないと。心配しないで、すぐに体は温まっていくから」
「だけど…ゴドー」
「…あの時じいさんに聞いたが、奴に次の生贄が捧げられるまで、あと二ヶ月と十日あるそうだ。修行に一ヶ月使ったから、
 あと一ヶ月弱。…アレイがパーティに加わる期間とほぼ同じだ。成長が軌道に乗るまで、こいつの世話になったらどうだ?」
「…うん、わかった。成るべく早く慣れるから」
「しかし、ただ漠然と鍛えるのに時間を割くのもな…」
「そうね。私もせっかく一緒にいるのにそれじゃ、つまらないし…ねぇ、貴方たち、何か探し物とかないの?
 私は、それに協力しましょう」
「探し物?………ああ、そうだ。オーブ≠ニいう宝が欲しいんだが…何か知らねぇか?」
「オーブ?…またよりにもよって、面倒なもの探してるのねー」
「え?アレイ、知ってるの?」
「うん。在り処も大体知ってるわ」
 ガクッ
「…なぁアリス」
「…何よゴドー」
「俺は今少しだけ、こいつを過小評価してたかも知れんと思った」
「奇遇ね、あたしもよ」

191 :YANA 29-2:2005/12/05(月) 21:12:43 ID:cFI7HJV80
「オーバーね。けど、知ってるのは在り処だけ。それだけで手に入るものなら、私もとっくに集めてるわ」
「ほう…で、その在り処とやらは?」
「うん。まぁ多少、昔の話も混じってるから、今でもこの通りの場所にあるか、完全に保障しかねるけど…」

 曰く、赤のオーブは海賊の盗品に混じる
 曰く、青のオーブは世界の中心に眠る
 曰く、紫のオーブは黄金の国に奉られる
 曰く、緑のオーブは滅びの村で囚われの男が持つ
 曰く、銀のオーブは魔の山・ネクロゴンドで勇者を待つ

「…と、私の集めた情報ではこんなところ。もう一個イエローオーブは、何でも世界中の人の手を渡り続けてるとかで…
 残念だけど場所の特定は出来ないの。ごめんね」
「…いや、それで十分だ。少しは自分たちの足で探さねぇとな。ありがとう、参考になった」
「ううん、臨時でも、私はこのパーティのメンバーだもの。その間は少なくとも、協力は惜しまないわ。
 たださっきも言ったけど、場所がわかっても、それだけじゃ駄目。どれも一筋縄じゃいかない場所にあることは間違いない筈よ」
「だろうよ。…面白くなってきた。じゃあまずは、どこから行くか」
「ああ、待って。…うん、そうね。一ヶ月の間に全てのオーブを集めるなんて不可能でしょうし、ここは一つ、少し回り道をして
 汎用的に役立つものを探しに行きましょう」
「…っていうと?なに?」

192 :YANA 29-3:2005/12/05(月) 21:13:50 ID:cFI7HJV80
「うん。二人とも、最後の鍵≠チて、知ってる?」
「「………」」
「…最後の鍵は、マネマネ銀≠チていう金属で出来ていて、鍵穴に入れるとその鍵の形状に変形して、ジャストフィットするの。
 …どういうことかわかるかしら?」
「…つまり、それがあれば、この世に開けられない鍵はない、ということか」
「ご名答。最後の鍵があれば、オーブ探しだけじゃなく、この先の色々な場面で立ちふさがる障害を取り除けるはず。
 …どう?私のアイデアに乗ってみない?」
「…いいわ、あたしは賛成。ゴドーは?」
「ふむ…まぁ、いいだろ。元々これは俺たちの戦いだ、オーブ集めにおまえを付き合わせるのは筋違い、か。いいぞ、その案、乗った」
「ふふ、じゃあ、まずはポルトガ辺りに飛んで…っと、地図地図」
 バサッ
「…ここ!」
「…東の大陸の北…入り組んだ川を入って内陸に…?ここに何があるんだ?」
「行ってみてのお楽しみよ」

『母さん、今後の冒険の方針が、おぼろげながら定まってきました。
 …というか、アレイは本当にこの世界の全てを知ってるんじゃーないでしょーか…。敬具』

193 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/05(月) 22:21:05 ID:aIYyR+/Z0
GJ!! GJ!!

194 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/05(月) 23:06:13 ID:H3xpdARI0
wktk

195 :だんご:2005/12/06(火) 00:06:09 ID:IO0DyAuh0
ああ、暑い………
馬車が手に入らないまま砂漠を横断しようとしてたら、
今頃美味しい干物になって、魔物に美味しく食べられてたわ……
パトリシアー。頑張ってわたしを温泉まで連れてってー。


着いたー。此でやっと汗も洗い流せるのね。
ん?アネイルの案内だって。そういうのめんどくさい。わたしは行かないわよ。
え…付いてくの?わ、わたしはそんなの行かない…
あっ、行っちゃうの……?ちょ、ちょっと待ってっ、やっぱりわたしも行く。
一緒に行くからっ。あーん、ちょっとくらい待ってよーー……

ふーん、此が町を救った英雄リバストの鎧かぁ。
魔物ってのは、今も昔も迷惑かけることに命懸けなのね……
……この鎧、不思議な力を秘めているって云うけど、そうは見えないわね。
なんか、ただ装飾の立派な鎧としか思えないわ……

ほら、最後には宿に案内されたじゃない。
こういうのって、温泉街の常套手段なのよ。
ああ、なんか負けた気分………
だったら来なきゃよかったって……もう終わった事なんだから仕方ないじゃないっ。
第一、最初に勇者が行くって云ったのよっ。
あーもう知らないッ、じゃあねッ。

付いてこないで。何処って……温泉入りに行くのよっ!!

196 :だんご:2005/12/06(火) 00:07:27 ID:5nNcWZic0
あーもぅ、苛つくなぁ。あの馬鹿勇者………

(パシャ)

ふぅ、今はあの馬鹿のことなんて忘れて温泉を愉しもう、うん。
………ミネアさんもマーニャさんも立派なもの持ってるなぁ。
やっぱり人間の男は、みんな大きいのが好きなのかな……
ねぇ、マーニャさん。どう思います?

って、何処触ってるんですかっ!?感度っ!?角度っ!?
そんなもの知りませんてばっ!!ああん…耳まで触らないでっ!!
ミネアさんも笑って見てないで、止めさせてくださ、んんっ!!!
あーもぅ、いやぁぁぁぁぁーーーーーーー…………


はぁー、どうしてわたしばっかりこんなめに……
きっとあの馬鹿勇者のせいだわ。ん、別に呼んでない……って、勇者がなんで此処にっ!?
ああ、涼みに来たのね。さっき凄い声がした?………悪いこと云わないから忘れなさい。
あ、ねぇ何処行くのよ。そっちはお墓のある方……ねぇ、もう夜よ。なんか出るかも……
って、な、なんかいるっ!なんか居るってばっ!!

あ、あなたリバストさんの……。やっぱりあの鎧は偽物だったのね。
天空の鎧って云うんだ。本物だったら絶対持ってい…いえ、何でもないです。

197 :だんご:2005/12/06(火) 00:12:32 ID:5nNcWZic0
ゴメンよ、シンシア。そんな目にばっかりあっているのはわたしのせいだ。
エロースネタは此でネタ切れです。それで許してください。後で新しく出てくるかは知らんけど。
書く度にクオリティーが落ちている気がしてへこみ気味。
ですが、一応〆のネタは出来ちゃっているので、精進します。

YANAさんは、相変わらずGJ!!です。

198 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/06(火) 00:59:28 ID:kuxhJvuvO
いやはや、書いてくれる人がいるだけでありがたいもんですな
ドラクエやりながら構想を練るかのぅ

199 :だんご:2005/12/06(火) 21:34:00 ID:5nNcWZic0
んーーー、潮風が気持ちいいーー。
ねぇ勇者、知ってる?此は海って云うのよ。おっきな池でも湖でもないのよ。
エンドールから見えたから知ってる……あ、そぅ………
ふーんだふーんだ、勇者なんてもう知らないっ。

えー、船が出せないって、どういうことよっ。
東の灯台に魔物が巣くったせいで、邪悪な光が……って。
なら、その灯台の魔物を追い払えばなんとかなるんじゃない。
え、もう向かった人がいるんだ。ふーん、トルネコ、ねぇ。
どっで聞いたことがあるような……
だったら、この町でトルネコさんが帰ってくるまでゆっくり待ってましょうよ。
たまにはノンビリしたって良いじゃない……
と云いたいところだけど、どうせ行くんでしょ?
人のために戦うのが勇者だもんね。英雄リバストだってそうだったし。
でもちょっとだ………待ってよっ!!行くって云ってるでしょっ!!
さっさと置いてこうとするなっ!!この馬鹿勇者ッ!!!!

200 :だんご:2005/12/06(火) 21:34:34 ID:5nNcWZic0
結局、トルネコさんは役立たずだったのね……
全くもう、期待してたのになぁ。
ま、仕方ないか。気合い入れて………まずなにを探すんだっけ??


うわー、喰い殺してやるだって。怖い怖い。
あんな風に恨まれたくないなぁ。
あ、ルーラ唱えた。痛そー…
でもさぁ、トルネコさんて立派なお腹してるんだから、
ちょっとぐらい食べさせてあげても罰は当たらないと思わない?
……冗談だから、そんな目で見ないで。お願い………


や、やっと最上階に着いた……みんな体力ありすぎよ……
なに踊ってんだろ、あの魔物達。変な奴らねぇ。まぁ魔物なんてみんな変なんだけど。
灯台タイガーだって。名前まで変なのー。
灯台に住み着いたから良いものの、そうじゃなかったら場違いよねぇ。

(ザシュッ)

うわっ!今見た!?わたし目掛けて攻撃してきたよっ!?
なんでわたしを狙うのよっ!?なんにもしてないのにぃー!!

(ヒュバッ!!)

ひゃっ!?そんな目を血ばらせて来ないでよ……ね?
いやぁぁぁぁぁーーーー!!馬鹿勇者っ、早くたすけろぉーーーーー………

201 :だんご:2005/12/06(火) 21:38:53 ID:5nNcWZic0
もぅ、どうしてもっと早く助けてくれなかったのよっ。
わたしが死んじゃってもよかったのっ?
他の魔物なんかどうでもいいから、危険な目に遭わせて欲しくなかったな。
ん。反省してるようだし、もういいわ。
殺される前に、ちゃんと助けてくれたしね。
……当然のことなんだから、お礼は云わないわよ。

この変な色の炎に、さっき見つけた聖なる種火を投げ込めば良いんでしょ?
ほら、早くやりなさいよ。きっと町の人も待ってるわよ。

(ヒューーーーボッ)

わぁーきれー。さっきのなんか気持悪い炎とはやっぱり違うわねぇ。
此で荒れていた海も、船を襲っていた魔物も少しは落ち着くでしょ。
さ、コナンベリーに帰りましょ。きっとトルネコさんも首を長くして待っているわ。

……さっきの魔物が目を覚まして、トルネコさんを食べてなければだけどね。

202 :だんご:2005/12/06(火) 21:43:34 ID:5nNcWZic0
トルネコはだいぶ弄りやすいですね。
助かりました、ありがとうトルネコ。

で、シンシアがダンジョンに潜る度に叫ぶ羽目に陥るのは仕様です。
今後も幾つか予定してます。頑張れシンシア。

しかしなぁ。やっぱりツンデレはむつかしい。

203 :YANA 30-1:2005/12/06(火) 21:54:54 ID:8h//v6lS0
『拝啓 母さん、私たちはどんな扉も開けるという、最後の鍵の情報を求め、ここスーの村にやってきました。
 スーはアリアハンの東の大陸の北の奥地にある原住民の人々の村で、アレイが「最後の鍵の入手に必要なものがあるから」
 ということで、訪れました。しかし…』

「…駄目だな。手掛かりになりそうなものはねぇ」
「…そうね。ちょっと変わった村だけど、特に目立つものはないわ。あ、喋る馬は驚いちゃったけど」
「うーん、おっかしいわねー…そんなはずないんだけどなー」
「記憶違い…はねぇか、おまえの場合」
「えぇ、戦闘力は全盛期ほどじゃないけど、頭の方は今でも健在のつもりよ」
「じゃあ…昔はあったけど、今はなくなったとか?」
「うん、その線も考えたけど…仮に無くなった・持ち去られたとしても、当事者でない私たちじゃその手掛かりを知り得ないわ」
「お手上げ…か」
「…ねぇ、そろそろ何を探してるのか、あたしたちにも教えてくれない?」
「うん?えぇ、じゃあ、順を追って説明しましょう。…最後の鍵は、スーの西の海の真ん中の浅瀬、その祠に眠ってるっていわれてる。
 けど、その祠は今は海の中に没してて、船や徒歩では入れなくなってるの」
「ふんふん」
「そこで、局地的にでも、その浅瀬の水を取り除く必要がある…そこで、秘宝渇きの壺≠手に入れたかったのよ」
「「渇きの壺?」」
「渇きの壺は、掲げれば海の水を干上がらせるという奇跡の壺。それが、この村に伝わってると聞いてきたけど」
「…今や所在不明、というわけか」
「うん…どうしましょうか」
「「「うーん…」」」
 …ポチャーン…
「…あれ?…ゴドー、今井戸に何か落とした?」
「ああ?…いや、別に」
「アレイは?」
「ううん?どうしたの?」

204 :YANA 30-2:2005/12/06(火) 21:55:36 ID:8h//v6lS0
「…何か、物が水面に落ちる音が…井戸の中から…聞こえたような…空耳かな?」
「「………井戸?」」
「…アリス、アレイ」
「?」
「何かしら?」
「…ちょっと行って来る。おまえら待ってろ」
「へ?」
「いってらっしゃーい」
「あら、よ、っと」
 ・ ・ ・
「降りてっちゃった…」
「ふふ、彼に任せておきましょう」
 〜五分経過〜
「…たかだか井戸の中見るのに何分かかってるのよ…あいつは」
「まぁまぁ。気長に待ちましょう」
 〜十分経過〜
「…いくらなんでも遅すぎない?」
「大丈夫、大丈夫」
 〜三十分経過〜
「遅いー!待ちくたびれたー!あいつ井戸の下で溺れてるんじゃないの!?」
「あはは、まさかー」
 ドォォォォォンッ
「ひゃぁっ!な、なに!?井戸の下からなんかすごい音が!?」
「あらら…なんだかご立腹ねー」
「え?…じゃあ今の…」
「うん、多分。…あ、帰ってきた」

205 :YANA 30-3:2005/12/06(火) 21:56:09 ID:8h//v6lS0
 ・ ・ ・
「…まったく、あのじいさん手間取らせやがって」
「ちょっと…あんた下で何してきたのよ」
「ああ、何。少しばかり尋問をな」
「尋問?」
「ふふっ…その顔は、収穫あり、ってところね」
「アリスの耳のおかげでな。…下に、じいさんが一人住みついてた」
「はぁ?」
「どうやら、昔この村に開拓に来た一団の一人で、何でも仲間に置いていかれたとかで、ここに隠れ住んでるらしい」
「何それ?この村に住ませてもらえばいいじゃない、なんで井戸なんかに?」
「それがそうもいかねぇんだ。…開拓に来た連中、どうも渇きの壺を持っていってしまったらしい」
「あらー…成る程、村の宝を盗んだ奴らの仲間なら、ただで済むはずない、ってわけね」
「で、次の目的地だが。…エジンベアだ。連中、そこから来たんだと」
「了解!じゃあ、早速向いましょうか」
「はいはい。質問」
「何だアリス」
「気になったんだけど。さっき、下でものすごい音が聞こえたの…」
「あ…あれか。…いや、じいさんが、俺が自分を村の連中に引き渡すんじゃないかってテンパって、
 まともに会話も質問も出来ねぇ状態だったんで…頭に来て、つい、地面をちょっと、な」
「…それじゃ脅迫じゃない」
「…うむ、俺もちょっと、強引だったかな、とは、思ってる…」
「ま、いいじゃないの。結果的に、それが近道になったわけだしね」
「勇者にあるまじき行為だけどね」
「…ふん。悪かったよ」

『母さん、手掛かりゲットです!エジンベアってどんなところでしょう?新しい国、ちょっとワクワクします。敬具』

206 :YANA:2005/12/06(火) 22:13:43 ID:8h//v6lS0
シンシア、テラカワイスw
半分ヨゴレみたいな役割も微笑ましいですw GJ!!
この辺りから巨大ロボ発進までの記憶が曖昧す…
wktk

うちのアリスは今「ツン→デレ」への移行期の真ん中辺りですんで、
既にお気づきの方もいるかと思いますが、ツンの割合が減りつつあります。
あと、この辺りからちょっとばかしゲーム中史実(原作では無事なあれやこれやの建物が全壊したり)とか世界観とかに
独自脚色が入ります。ご了承を。


207 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/06(火) 23:15:56 ID:5nNcWZic0
勇者も移行期真っ最中のご様子で。
独自展開楽しみにしてます。
GJ!!

208 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/06(火) 23:45:15 ID:6UB8IzgrO
シンシアは何だか執筆係の薬草娘を彷彿とさせるな。

209 :YANA 31-1:2005/12/07(水) 00:18:29 ID:bzG2wEvw0
「何だおまえたちは!ここは由緒あるエジンベア城!田舎者は帰れ帰れ!」
「「「………」」」

『拝啓 母さん、私、今不機嫌です。
 なぜなら、渇きの壺を求めて訪れた、ここエジンベア城で、散々な謂れを受けて門前払いを食らったところだからです。
 というか田舎物田舎者って、ポルトガの北にあるポツンとあるここも田舎と違いますか???』

「どうするよ、あの門番を何とかしねぇことには、話が進まんぞ」
「うーん…まさかやっつけちゃうわけにもいかないしね…」
「…そうね。手が無いわけじゃないわ…ちょっと気が進まないけど」
「この際何でも構わん。いってくれ」
「要はあの門番に、私たちの姿が見えなければいいのよ」
「…え?…ちょっと、何言い出すのよ。そうなればそりゃ入れるけど、それが出来れば苦労は」
「あら、出来るわよ?」
「…はい?」
「…レムオル」
 シュンッ
「えぇぇぇぇっ!!?アレイ、ゴドー、二人とも消えて…!?」
「…そういうおまえもだ、アリス」
「…わわわっ!?ホントに!?」
「さ、行くわよ。この魔法、消耗がちょっと大きいわりにものすごく持続時間短いんだから」
 ・ ・ ・
「…で、王様に話はつけてきたわけだが」
「…三つの岩を並べろ、か。ちょっとした謎解きパズルね」
「とりあえず、この城で渇きの壺があるとしたらここしかないわねー。ま、頑張りましょう」

210 :YANA 31-2:2005/12/07(水) 00:18:53 ID:bzG2wEvw0
 〜一時間経過〜
「こらゴドー!そんな力任せに押すなー!」
 ボチャーン
「…む」
「ほらいわんこっちゃない!もう、ちゃんと前見て押しなさいよ!」
「うるせぇな、力加減が難しいんだよ」
「失敗したら部屋から出ろ、か。岩の位置が何でか元通りになるらしいから、やってみましょう」
 〜二時間経過〜
「押して駄目なら引いてみろ、と」
 グイ、ドンッ
「あらら、壁に引っ掛かっちゃった」
「もう!何やってんのよ!次、次!」
 〜三時間経過〜
「よし、二つ目!三つ目は…」
「…駄目ね、ここで手詰まりだわ」
「ああ、もうちょっとだったのに!」
 〜四時間経過〜
 ゴッ
「二つ目!今度はどう!?」
「大丈夫よ、ちゃんと動かせ…」
 ボチャーン
「「「………」」」
「ゴドーーーーーーーーーッ!!!!」

211 :YANA 31-3:2005/12/07(水) 00:19:18 ID:bzG2wEvw0
 〜そして、五時間後〜
「知らなかったわ…あんたがパズル、こんなに苦手だったなんて…」
「…いや…確かにそれもあるが…どうも、力を加減するっていうのが慣れなくてよ…」
「うふふ、まあ渇きの壺は手に入ったんだし、いいじゃない。…あら、すっかり夜ねー。今夜はこのお城に泊めてもらいましょう」
「もう。…あれ、見張りの兵士さん、立ったまま居眠りしてる」
「無用心なことだな。…ちょっと上に行ってみるか」
「えぇ?やめましょうよ、王様も寝ちゃってるだろうし、何も無いわよきっと」
「そうとは限らないかもよ?何か発見があるかも」
「…アレイ、あなた楽しんでるでしょ」
 ・ ・ ・
「はっはっはっ、田舎者よ、苦しゅうないぞ、近う寄れ。…こら大臣!何をぼさっとしておるか!!
 この者たちのもてなしの…準備…を…!!!」
「………」
「…えーっ…と」
「…あらー」
 ズサーーーーッ

212 :YANA 31-4:2005/12/07(水) 00:19:45 ID:bzG2wEvw0
「…ごほん。な、何をしているのかな、旅の者よ。王はお休みだ、用があるなら明日になされよ」
「…いや、今更かっこをつけられても」
「…一応訊くが。おぬしら、いつから見ておった?」
「大臣さんが、王様のマントと王冠をつけて玉座にふんぞり返った辺りから、かしらね」
「………うをっほん!!貴公らに耳寄りの情報を授けよう!」
「はぁ…どうも」
「ここより西の大陸!海岸沿いの森の中にある草原に行ってみるがよい!きっと新たな発見が待っておるぞ!」
「…西の大陸。とんぼ返りか」
「…ついては、貴公らが今夜見たことは内密に…」
「ああ、わかりましたよ。…どうせもう来ねぇし(ボソ」
「む?何か申したか?」
「いえ、こちらの話です。ご安心を、我らの口は固うございます故」
「おお、そうか。もう下がってよいぞ」
 ・ ・ ・
「どうする、おろちの次の生贄までまだ少し余裕があるが…」
「私は別にいいわ。面白そうだし」
「あたしも。急がば回れ、は今回の旅が証明してるもん」
「…よし、行ってみるか。進路は西、目的地は…なんだかよくわからん草原。以上、就寝だ」
「「はーい」」

『母さん、無事、渇きの壺を手に入れることに成功しました。そして同時に、少しの回り道をすることも決まりました。
 …それが、彼女とのちょっと早めの別れになることを、このときの私は知る由もありませんでしたが…。敬具』


213 :YANA :2005/12/07(水) 00:36:33 ID:bzG2wEvw0
「〜経過」ネタニ連発。スマンス、なんか気がついたらこんなんなってた…
それにしても船入手後は自由度高すぎて、長編物として整合性を保つには一苦労だ…。

214 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/07(水) 00:46:28 ID:lvyUAv1RO
>>213
GJ! GJ!!

215 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/07(水) 23:51:16 ID:HEJm2XwMO
おもすれー
独自味付け旨い

216 :YANA 32-1:2005/12/08(木) 19:20:53 ID:WBcuG6Rb0
『拝啓 母さん、只今、大陸の海岸に沿って航海中です。
 今朝起きたら東の大陸についていて、今はエジンベアの大臣に聞いた「森の中にある草原」を探しています。
 それらしい森が見えたら、船長さんが教えてくれるそうですが…』

 おーい、勇者の兄ちゃん!あれじゃねえかっ!?
「む…おい、行くぞアリス」
「あ、うん。…あれ、アレイは?」
「あいつは…何か調べ物があるんだと。旅についてくるときに船倉に放り込んだ山みたいな本を漁ってる。…よく酔わねぇもんだな」
「経験の賜物なのかも。…あたし呼んで来るね」
「ああ、頼む」
 ・ ・ ・
「…ここか?」
「…たぶん、そうじゃない?…見たところ、何も無いみたいだけど」
「騙された…にしては、あまりにも中途半端ね。何かあるはずよ…」
「………………あれ?ねぇ」
「どうした、アリス」
「…あそこにあるの、小屋じゃない?…ほら、あの池の横…木に隠れてて分かりにくいけど」
「…む、確かに。…成る程、スーの時といい、賢者になってから、おまえの五感は格段に向上してるみたいだな」
「ふふん、すごいでしょ」
「んー…じゃあとりあえず、行ってみましょう」
「ああ」
 ・ ・ ・
「おまえたち、どこから来た?」
「…アリアハン。そういうあんたは、こんなところで何をしている?…見たところ、スーの人間みたいだが」
「うむ…実は…」

217 :YANA 32-2:2005/12/08(木) 19:21:27 ID:WBcuG6Rb0
「「「………」」」
「…と、いうわけ。…恥、承知で頼む。今会ったばかりの旅の人間に勝手な事、云ってるの解ってる。
 …でも、わしだけの力では…」

「ここに、町、作れない」

「「「………」」」
「あなた達の中に一人、商人の娘さん、いる。わしの目、狂ってなければ、娘さん若いが能力ありそう。
 頼む…娘さん、わしの夢のため、力、貸して欲しい」
「…じいさん、悪い、少しだけ相談する時間をくれ」
「おお…こんなわしのため、話し合ってくれる…わし、それだけでも嬉しい…!」
 ・ ・ ・
「…アレイ。一ヶ月には、まだ一週間以上ある。だが例えここでおまえが契約を反故にしても、俺は何も言わんし、
 勿論、役目を終えた後で改めてここに来るのもおまえの自由だ。…俺からはそれだけだ」
「ゴドー…。…アレイ、その…あたし、なんていったらいいか…」
「…ふふ…仮参加の私の為に、そんな顔してくれなくてもいいのに…」
「バカ!…あたし、この数週間…ううん、修行を始めた日から、一緒に戦ってきて…すごく楽しかったよ。仮とか、そんなの関係ない。
 …でも、これは、あなたの夢を実現する…」
「そうね、アリス。…私は、貴方達と一緒に旅をして、こういう時が来るのを待っていたのかもしれない。兄さんの夢、私の夢…。
 …一人でいると、一歩を踏み出す勇気が無くて、こんな後押しが欲しかったんだと思う…」
「…アレイ…」
「…後で改めて…か…駄目ね。機会を得た今、覚悟を決めないといけない気がするわ。…うん、今までよくしてくれてありがとう、
 二人とも!本日を持ちまして、私、アレイは一身上の都合により任期満了を早め、勇者ゴドー一行から脱退することに致しました!」
「…ああ。色々、世話になったな。後のことは任せてくれ」
「ううん、気にしないで。私も、貴方達との旅は楽しかった。こんなに楽しかったのは何年ぶりかな…ありがとう」
「…そうだ、最後の鍵…あなたは」

218 :YANA 32-3:2005/12/08(木) 19:22:11 ID:WBcuG6Rb0
「ああ、いいわ。貴方達だけで使ってちょうだいな。どうせ、私には必要ないものだし」
「え?」
「賢者のときに覚えた、アバカムっていう高等魔法があってね。開錠の魔法で、これを使えれば鍵っていう概念そのものが必要ないの。
 貴方も成長すれば、いずれ習得できるはずよ」
「え…じゃあ、アレイ、あなた初めから、全部あたしたちだけのために、最後の鍵を…?」
「いったじゃない。私は、貴方達の探し物に協力するって。オーブにせよ最後の鍵にせよ、それだけは変わらないもの。
 あ、そうだ。…前もって調べておいてよかったわ、はいこれ」
「…これは…地図?」
「うん。私の蔵書で調べておいたわ。その×印がついている浅瀬で、渇きの壺を使って。そこに、最後の鍵がある」
「…アレ、イ…」
「うん?何かしら?」
「…わかったか、アリス。こいつは、こういう奴なんだよ。…人におせっかいを焼くのが、今のこいつの生き甲斐なんだ…」
「あら、それは誰のことかしらねー?うふふっ」
「…ふん」
 チュッ
「!!あ、あ、あ、アレイッッッ!!?」
「…何をする」
「ふふ、ちょっとのお別れの励みに、勇気をもらっていくわね。気が向いたらでいいから、会いに来てね。
 その時までに、びっくりする位大きな町を作り上げておいてみせるから」
「〜〜〜〜〜(//////)」
「?…どうした、アリス」
「…あはは、ごめんねアリス。お口の方は貴方に残しておくから、ちゃんとモノにするのよ?…あ、それとも、もうしちゃった?」
「なななななぁっ!?だだだだ、誰がっっっ!!」
「ふふっ…じゃあ、またいつか会いましょう」
「頑張れよ…で、何をしてる、おまえは」
「…もう!知らない!ほら、さっさと行くわよゴドー!!私たちもアレイに負けてられないんだからね!」
「?…何で怒ってるんだ…?」

『母さん、今日は友人との少しのお別れを経験しました。悲しかったり、ちょっと怒ったり…。
 でも、彼女が夢を追うのを邪魔したり出来ません!私とゴドーも、早く世界に平和を取り戻さないと! 敬具』

219 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/08(木) 21:29:10 ID:dUv0clfJO
GJです!
商人なのはそうゆう伏線だったのかー
ストーリーが良いから気付かんかった(´・ω・`)

220 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/09(金) 01:11:14 ID:iczCtlVj0
GJであります!

221 :YANA 33-1:2005/12/09(金) 23:19:23 ID:H4f16sFC0
『拝啓 母さん、そろそろ私も、転職前の自分を完全に追い越しつつあります。いよいよリベンジのときが近いです
 さて、アレイと別れた私たちですが、今は彼女の地図にあった浅瀬に来ています。
 ここで渇きの壺を掲げれば、浅瀬の水が干上がるとのことですが…』

「さて、始めるか」
「うん」
 スッ…
「「………」」
 …ゴゴゴゴゴゴゴッ
「!?な、なに!?」
「…見てみろ。水が…」
 ゴゴゴゴゴゴッ…
「水位が…下がって…?」
 ・ ・ ・
「…流石に、中は水浸しだな」
「…あ、見て、部屋の真ん中、宝箱。あれかな?」
「だろう。他には置いてなさそうだ…」
 カパッ
「…これか」
「意外にあっけないわね…?…あれ?」
「…?どうし…ん、牢屋?」
「鍵は掛かってるみたいね…中、行ってみる?」
「まぁ、最後の鍵の性能を試すには、お誂え向きだろ」
 カシン…ミキミキミキ、カチンッ
「…開いた。すごいな、こいつは…性能といい、感触といい」
「何があるんだろ…」
 …来たか。

222 :YANA 33-2:2005/12/09(金) 23:19:54 ID:H4f16sFC0
「………え?何か云った、ゴドー?」
「…いや。おまえじゃないのか」
「…じゃあ…奥?」
「おまえ、ここで待ってるか?…また幽霊か何かで騒がれたら面倒だ」
「う…ううん、あたし、我慢する。ここまで来て、仲間外れはやだもん」
 ・ ・ ・
「来たか…勇者よ」
「よう。何百年沈んでたか知らねぇが、久しぶりに人間に会った気分はどうだ?」
「ひぃぃ…うう、怖くない、怖くない」
「…娘よ、私を恐れる必要は無いぞ…私は霊魂の類ではない」
「え…?」
「私は古を語る者。遥かな太古、語り手が朽ちても尚、災いを伝えるため、先人が生み出した思念体。
 …私は、ここに勇者が来る時を待っていた」
「何?…災いだと?バラモスのことか…?」
「…私が伝えられることは決まっている。それ以外のことは、私は知らない…」
「…それで。あんたは、何を知ってると?」
「先人は云った。『全ての災いは、ネクロゴンドの山奥、ギアガの大穴≠謔閧「づる』…と」

223 :YANA 33-3:2005/12/09(金) 23:20:21 ID:H4f16sFC0
「ギアガの…」
「大穴…?」
「確かに伝えたぞ。…私は、もう待つことに…疲れ…た…ヴヴヴ…」
 シュゥゥゥゥッ
「…どういうこと?ゴドー…バラモスは、その穴から来たってこと?」
「わからん。…だが、今の俺たちの目的を曲げる必要はねぇ。…後のことは、目的を果たした後考えればいい」
「うん…そうね」
「それよりも、だ。あと三日で期日だ。最後の追い込みの後…奴にいよいよリベンジだぞ」
「………」
 ゴクッ
「恐れることはねぇだろう。…今の俺たちは、あの時とは違う」
「ええ、もちろんよ!」

『母さん、遂に、遂に待ちに待ったやまたのおろち討伐の日が来ました。行ってきます、勝つために!! 敬具』

224 :YANA :2005/12/09(金) 23:27:00 ID:H4f16sFC0
本業が忙しくて掲載ペースダウン中…スマソ

>「商人である」ことの伏線
ガルナの塔の回想でこの展開バレバレだと思ってましたが…意外とわかんないもんなんですね。
ご存知の通り、発展の最終段階ではあーなっちゃいます。
その時アレイの兄ちゃんも再登場予定。回想ですが。

225 :YANA 34-1:2005/12/10(土) 10:25:18 ID:S5XCD0800
「―――断る。おまえは、ここで死ね」
 ・ ・ ・
「…ぐぅ…ぐぅ…うう…やよい…」
 カーン、カーン、カーン
「うう…?」
 火事だァァァァッ!!卑弥呼様のお屋敷が火事だァァァッ!!
 カーン、カーン、カーン
「…な、なんだって…!?」

 ボォォォォ…
「この炎では近づけぬ…くそぅ!中にまだ卑弥呼様が…!」
「卑弥呼様ァァァッ!!」
 ボォォォォ…ボッ、ゴテン
「ぬ…?…!!お、おい!誰か!手当ての者を!!」
「何だ、どうした!?」
「屋敷の中から警護の者が…!おい、どうした!?中で何があった!?卑弥呼様は…!?」
「…う…うう…卑弥呼様…卑弥呼様…は…!」
「落ち着け、よく思い出して話すんだ…」
「…卑弥呼様は…やまたのおろちじゃ…!」
「!!な…なにをいっておる!?」
「…本当じゃ…わしが卑弥呼様の部屋に…見回りに行くと…卑弥呼様が大怪我をしておって…卑弥呼様の近くにいた
 …ガイジンが何事か言った後…卑弥呼様は…おろちに…化け…」
「…なんということだ…」
「わしはいい…それよりも…中で…中でガイジンの若者が…おろちと戦っておる…!救援を…ぐふっ」
「おい!おい!いかん、息をしておらんぞ!誰か!手当てを急げ!
 それと、屋敷の中におろちがおるらしいぞ!若者が戦っておる、増援を!!」
「駄目だ、さっきより炎の勢いが増している!これでは…!!」
「ぬぅ…この国の未来は、異邦の若者に任せるしかないのか…!!」

226 :YANA 34-2:2005/12/10(土) 10:25:55 ID:S5XCD0800
 ボォォォォ…
「…やれやれ。お粗末な手を使いやがって。怒りを通り越して呆れてくる」
「この屋敷も長くないわ、ゴドー。急がないと」

『拝啓 母さん、遂にやまたのおろちを追い詰めました。
 しかし、洞窟で逃げたおろちを追った先にあった旅の扉は、なんと卑弥呼様の屋敷に繋がっていたのです!
 そして明らかになった衝撃の事実。やまたのおろちは、卑弥呼様の姿を借りて、国民に生贄を捧げさせていたのでした。
 黙っていれば見逃してやる、というおろち。しかし、戦鬼・ゴドーがそんな提案を呑む筈も無く、戦いは第二ラウンド突入です!』

「グォォォォッ!!黙れ黙れぃっ!!貴様ら生かしておけばいい気になりおってぇっ!
 わしはやまたのおろち!この黄金の国に君臨せし大妖なるぞ!!」
「それは過去の話だろ。…諦めろ。おまえはもう倒されるしかねぇ。初戦で俺たちを殺せなかったのは失敗だったな…!」
「そういうことっ」
「黙れというッッッッ!!」
 ゴォォォォッッッ
「!熱ッ…流石に炎は防ぎきれねぇか…アリス!バックアップ頼むぞ!」
「オッケー!…バイキルト!ピオリム!スクルト!!…ついでに、ルカニっ!!」
 ミシミシミシッ
「…よし、往くぞデカブツ」
 キュゥゥゥッ
「ぬぅ…!?我が鋼の鱗が…軋むだと!小娘、先ほどの洞窟でもこれを………!?」
「無駄口叩いてる暇はねぇぞ、蛇野郎」
 ザクザクザクッッッ
「グギャァァァァッ!!か…は…(は…早い…それに重い…洞窟の時より、更に…!!)」
 ズゥゥゥンっっっ
「おのれぃ…わしが…わしが倒れるなど…!!」
「仕舞いだ、死に損ない。…っと。俺もこいつのことはいえねぇか。そうだな、おまえには借りがある。ほらよ」
 ポイッ、カラカラーン

227 :YANA 34-3:2005/12/10(土) 10:26:37 ID:S5XCD0800
「…へ?な、何やってんのよゴドー!剣も盾も捨てて…そんな隙だらけに!もうちょっとで勝てるのに調子に乗って遊んで…」
「黙ってみてろ」
「…貴様…何の真似だ…わしを謀ろうというのかァッ!!!」
「まさか。このままその首斬り落とせば勝てるのに、なんでそんなことする必要がある?ただのサービスだよ。
 …なんだ、もしかして丸腰になっただけじゃ不服か?…なら、ほらよ」
 グイッ
「!!!!な、ゴドーッ!?」
「馬鹿な…(剥き出しの利き腕を…差し出した…!?)」
「…オラ。掛かって来いよ大妖怪。この右腕、そのでかい顎で食い千切ってみせろ」
「………」
「これを食い千切ればおまえの勝ち。出来なければ俺の勝ち。…どうだ、満身創痍のおまえには千載一遇の勝機だろ」
「…くくく…馬鹿な奴め!このおろちの顎をまともに食らって、四肢を保ったものなどおらぬわぁッッッ!!」
 グァァァァッッッ
「ゴドーーーーっっっ!!!」
 ゾブリッ
「…っ………………?…!!」
「………き…さま…何故だ…何故矮小な人間如きの腕を…このわしが食らえぬのだ!!?」
「…悪いな。俺の勝ちだ」
「…ぐ…ぬ…おのれええぇぇぇッ!こうなれば、このまま炎で」
「馬鹿が。口の中に俺の手を入れて食い千切れなかった時点で、おまえの負けだ…」
「…な、に?」

「―――ライデインッッッッッ!!!!」

 ピシャァァァァァァンッッッッ
「な…かみ、なり…!!?あいつ、こんな呪文を…!?」
 ブスブス…ズゥゥゥゥンッ
「…大蛇の丸焼きか。食っても美味くはなさそうだな」

228 :YANA 34-4:2005/12/10(土) 10:27:04 ID:S5XCD0800
 ・ ・ ・
「…ベホイミ」
 ポォォォッ
「…よし、とりあえず痛みと出血は治まったか。ありが」
「えい」
 ビシッ
「ぐ…。何しやがる」
「そりゃこっちの台詞。…なんて無茶するのよあんた。あのままやってればほぼ無傷で倒せたのに」
「うるせぇな。俺たちは一度逃げてるんだ、あれくらいやってから勝たないと、俺の気が済まん」
「まったく…あんたの戦闘悪癖は一生モノね。…それより、ガルナの塔の雷は…やっぱりあんたのだったのね」
「ん?ああ、ライデインのことか。以前、アレイに勇者だけが使える、雷を操る呪文があると教わってな。
 メタルスライム殴ってばかりでいい加減飽きてきたところに、丁度スカイドラゴンが襲ってきやがった。で、試したら撃てた、と」
「へぇ。あんたの魔法の才能も捨てたもんじゃないってことか。
 それにしても、あんた、よくおろちに右腕、持っていかれなかったわね」
「当たり前だ。カンダタとの一戦目、忘れたか?俺は、相手の攻撃を急所を外して当てさせる°Z術に関しては
 この世の誰にも負ける気はないんでな」
「あ、そっか。…つくづく、勝つことだけ考えたら無駄な技術だけど」
「そういうな、結構気に入ってるんだ。まぁもっとも、今回はあともうちょっとあいつに元気があったら、急所も糞も無く力任せに
 引き裂かれてただろうが。いや、今まで誰も倒せなかった大妖というのも伊達じゃなかった。内心冷や冷やだったぞ」
「…バカ」
「…む」
「あんたが死んじゃったら…元も子もないんだからね。もう、あんまりこういうことしちゃイヤだよ…?」
「…悪かった。………まいったな、どうも最近こいつのペースに嵌ることが多くなってる気がする…ブツブツ…」
「何?」
「いや…」
 勇者殿、お休みのところ申し訳ない。少し宜しいか?
「ん…大丈夫、入ってくれ」

229 :YANA 34-5:2005/12/10(土) 10:27:59 ID:S5XCD0800
 ガラッ
「この度は、この国の危機を救って頂き、幾たびの例を重ねても足りませぬ。我らの不甲斐なさ、どうかお許し頂きたい」
「ああ、いい。俺たちが勝手に売った喧嘩だからな」
「そうですよ、あたしたち、これでも勇者の一行ですから」
「忝(かたじけな)い。何か御礼を出来ればと思うのですが…」
「…といわれてもな…そもそもが人助け、二回目は半分お礼参りみたいなもんだったし、な…」
「………あ、ねぇゴドー。アレイが云ってたじゃない、ほら、アレ!この人、何か知らないかな?」
「あん?…ああ、そうか。なぁあんた。この国に、紫色の玉みたいなモノはねぇか?あれば、すまないが譲って欲しいんだが」
「紫の玉、ですか?…おお、少々お待ちください!」
 ・ ・ ・
「これです」
「…これが…」
「…オーブ、か…」
「今朝方、全焼した屋敷とおろちの死骸を処理している時に、奴の体内から発見されたものです。尾からはこちらの剣が。
 どうぞお納めください」
「ああ、ありがとう」
「いえ、この程度でよければ喜んで。…そういえば、昔おろちが現れる前、卑弥呼様はこれを大切にしておられた…。
 これが奴の体内にあったということは、卑弥呼様はもう…」
「…ふぅ。まぁ、それについては不幸だったけどな。…あんたたちは、その卑弥呼という人の力に頼りすぎだったんだと思う。
 それが、奴に付け入る隙を与えたんだろ。…どうだい、いい機会だ。これからは、あんたたちの力で国を作っていってみねぇか?」
「…そう。そう、ですね。はい、これからは皆にも、自分たちの国を作っていくよう、呼びかけていきたいと思います」

230 :YANA 34-6:2005/12/10(土) 10:32:40 ID:S5XCD0800
 ・ ・ ・
「まさか、おろちがオーブを持っていたとはね。タナボタってやつかしら?」
「………」
「あれ?どしたの?」
「…あー、らしくねぇ。何やってるんだ俺は」
「?」
「さっきのだ。…まったく、人の思想や何かに説教垂れるなんて、俺の性分じゃねぇのによ…」
「そうかしら?…あたしには、時々するじゃないの」
「それは、おまえが…」
「あたしが?」
「…いや、おまえが、いつもあんまり危なっかしいから、黙ってられねぇだけだ」
「な、何いってんのよ!?危なっかしいって云ったら、あんたのほうが何百倍も無茶苦茶じゃないの!」
「そうかよ…」
「…あれ、もう終わり?」
「時間が惜しい…次に行くぞ」
「あ、こら、待ちなさいよーっ!」

『母さん、やっと一つ目のオーブを手に入れました!
 それにしても、さっきのゴドーの言葉、なんとなく詰まって見えたような…?なんなんでしょう? 敬具』

231 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/10(土) 12:11:13 ID:ix37L5bSO
やべぇ超GJ!IDがパソコンみたいだ


232 :だんご:2005/12/10(土) 16:00:36 ID:ReYqk5kE0
八岐大蛇戦でこう来るとは。ボストロール戦にも期待が高まります。YANAさんGJ!!

てことで漸く規制が解除されました。書き込めないストレスで頭も禿げますよっ!!
待っている人もさして居ない思いますが、取り敢えず投下。

233 :だんご:2005/12/10(土) 16:02:35 ID:ReYqk5kE0
うっわーっ!!気持ちいいーーー!!!
船を造らせるなんて、トルネコさんは凄いねー。
勇者にしか使えない伝説の剣を探す為とはいえ、豪毅だわ。
まぁ、そのせいで一文無しになっている時点で、詰めが甘いんだけどねぇ。
世界一の武器屋を目指すとか云ってるけど、その点少々不安を覚えるわ。

ほらほら、見て見てっ!!海鳥が一緒に飛んでるよっ!
んー、船旅はやっぱり良いなぁ。……長いのは勘弁したいけど。
…あれ?勇者どうしたの?そんな青白い顔して。
もしかして船酔い?
あーそっかー。船に乗るの初めてだもんねぇ。
でも慣れなきゃ駄目よ。頑張って堪えなさい。
世界中を回るなら、船にはいっぱい乗ることになるんだから。
わたし?わたしは前に云ったじゃない。世界中を旅してたの。
だからね、船旅だって慣れてるの。

うわ、本格的に顔色が悪くなってきたよ?
部屋に戻って寝たら?ほら、肩ぐらい……駄目っ!!海の方向いてっ!!
こっちむか………いぃやぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーー!!!!!

234 :だんご:2005/12/10(土) 16:02:59 ID:ReYqk5kE0
んー、なに?
ふーん、商売の神様が居るんだ。
会いに行くんでしょ、だったらさっさと行きましょうよ。ええ行きましょう。
怒ってなんか無いわよ?仕方ないじゃない。初めて船に乗ったらもどして当たり前だもの。
……余りしつこいともっと怒るわよ?


わたしたちとは目的が違うんだから、仕方ないわよ。
ホフマンさん、じゃあ元気でね。
立派な宿屋にしたら、タダで泊めてよn

(ポカン)

あいたっ。冗談よ、冗談。
もう、勇者ったら容赦がないんだから……
あれ、なにその丸めた紙。黙ってたらヒルタンさんがくれた?なにそれ、よく判らないわね。
とにかくそれ見てみましょうよ。

(パサ)

あれ。これ世界地図じゃない……此処の×印に宝があるのかs…………
……此処に行くのは無理よ。う、ん。一応知ってる。けどね……
……仕方ないな。
険しい山脈に囲まれていて、通常の手段で行くには余程無理をする必要があるのよ。
それこそ空を飛ぶとかね。
まぁいいじゃない、その話は。
もうわたしは休みたいの。早く宿屋に行きましょ。

235 :だんご:2005/12/10(土) 16:03:36 ID:ReYqk5kE0
人助けが仕事みたいなもんだから、行くことは別に構わないけれど。
わたしが行かない、なんて云っても結局行く羽目になるんだろうし。
でも、おじいちゃんまで付いてきて良かったの?
んー、普通に考えればお姫様の方が大事かぁ。
クリフトさん…だっけ?彼は宿の人が看てるんだし。
ソレッタはそんなに遠くないのに、お姫様がまだ帰ってこないって。
なんかあったのかな?
…他意はないから、そんなに睨まないで。


この洞窟にパデキアの種が保管されてるのね。
それがないとクリフトさんだって死んじゃうんだから、さっさと探しましょう。
……悪かったって。調子に乗って口が滑っただけだから。


………ねぇ、あの人おじいちゃんのこと呼んでるよ?
ほら。魔物を相手にしながら、おじいちゃんに話しかけてるし。
あれがお姫様でしょ?良いの、応えなくて?
あの人。力の入れ処を間違ってるような気がしなくも無いけれど……
………あれ、おじいちゃん。もしかして泣いてる?


ねぇ、なんだろ?この床の矢印。
大丈夫、こんな見るからに怪しいもの踏まないって。
……踏まないけど、足を乗せるくらいならーー

(キュキュキュキュキュ)

もぅ、みんないつもいつも置いてかなー……って、動いてるのわたしっ!?
ちょ、お願いッ!!お願いだから止まってッ!!!止まってよぉぉぉぉーーーー………

236 :だんご:2005/12/10(土) 16:04:02 ID:ReYqk5kE0
その種見つけたのわたしなんだからねっ。
なによ……。はぐれて迷いに迷った挙げ句、種の処で待っててあげたんじゃないっ。
ガタガタ震え…うるさいうるさいうるさーいっ!勇者の癖に生意気よっ!!


ふーん。植えれば直ぐに育つって。そんな奇っ怪植物なんてあるわけ……
あった。うえーウネウネしてるー。なんか気持悪………
この根っこがホントに効くのかしら……此がトドメを刺さなければいいけれど。


ホントに効いたのね、あの根っこ……。
元気になって何よりだわ。お姫様も戻ってきてたし。おじいちゃんよかったね。
でも一つ聞いて良い?一国のお姫様が、なんで二人しかお供を連れないで旅をしているの?

……デ、ス ピサ、ロ……?其奴はっ!!!其奴は何処に………!?
ちょ、落ち着いて!!勇者!!お願いだからっ!!!!!!

ごめんなさい……落ち着いた、勇者………?
デスピサロとか云う魔物はわたしと勇者にとっての敵なのよ。すべてを奪った。
あなたたちは…。そう、エンドールの武術大会で……。

一緒にって…リーダーは勇者だから、勇者が良いなら…。
そう。じゃあ今から仲間ね。宜しく、お姫様っ。

237 :だんご:2005/12/10(土) 16:08:53 ID:ReYqk5kE0
規制中だからと行って頑張ることはなく、ノンビリしていたため全くストックが出来てないません。
一気に話が進むことはないので悪しからず。

>208
それがわたしの限界ですorz
書き方真似したら中身まで似てしまいました。
もっと差別化できればよかったんですが。

しっかしおかしいなぁ。
確か書き始めたときは、シンシアを幸せにしてやりたかった筈なんだが、
なんでゲ○食らったり、微妙に黒くなったりしてんだ?

238 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/10(土) 23:49:33 ID:oJU9jalcO
>>237
そうゆうもんだw
書いてると変わっていっちゃうよな
未熟なせいかも分からんが…
まぁ最後に幸せになればいいんじゃないか?


239 :YANA 35-1:2005/12/11(日) 12:20:39 ID:ERmdtat/0
『拝啓 母さん、おろちも倒して、久しぶりにゆっくりした旅に戻りました。
 今私たちは、青いオーブを求め、ジパングから南西、世界の中心・ランシールを目指しています。
 で、暫しの間、私たちは安穏とした航海を楽しんでいるわけですが…』

 バシャーンッ
「あいたーっ!もう、何でこんなとこにバケツがあるのよ!?」
「ん?…あ、やりやがったな。人がせっかく汲み上げた海水を」
「はぁ?なによ、そんなもの汲み上げて何するつも………何してんのあんた」
「見てわからねぇか。釣りだ、釣り」
「…あんた、気が緩みすぎ。陸ほどじゃなくても、魔物は襲ってくるんだから、油断しないでよ、もう」
「心配するな。これは、海面の微妙な動きを見極める技術を養うのも兼ねてるからな。
 まぁそれで不意打ち食らうような間抜けなら、俺もその程度というところか」
「…ふぅん。ご苦労様ね。じゃ、晩御飯、期待してるからねー」
「ああ。…そうだ、予備に汲み上げておいた海水がいくつかあるから、それまで蹴飛ばすんじゃねぇぞー」
「はいはい」
「マイアヒ〜マイアフ〜っと…おう兄ちゃん、ここにいたのかい」
「ん?何だ船長、どうした?」
「頼まれてた、オーブを持ってる可能性がある海賊、調べておいたぜ。多分、東の大陸にアジト持ってるでかい一味だ。
 昔から色々やってる有名な連中でな。オーブ持ってるとしたら、あいつらだろう。ま、売り払ってなければの話だが」
「ああ、ありがとさん。…じゃあ、ランシールの用を済ませたら、そっちに向かうよ」
「おう、分かったぜ」
 ・ ・ ・
「わー…大きな神殿。村の中からだと、木が壁になってて全然見えないんだ。よく出来てるわね…」
「ま、お世辞にも親切な作りとはいえんがな…」
 カシン、ミキミキミキ、カチン
「ほら、入るぞ」
「あ、うん」

240 :YANA 35-2:2005/12/11(日) 12:21:15 ID:ERmdtat/0
「勇者よ、よくぞ来た!」
「?あんた一人か。それで、ここは何をするための神殿なんだ?オーブは?」
「うむ。では問おう。そなたは、一人でも戦う勇気があるか?」
「あるよ」
「ふむ、そうであろう、そうであろう。いや恥じずともよい、誰しも孤独は怖いもの…なに?」
「いやだから。あるって。なんだ、まさか、一人で洞窟かどこかに行って来いっていうのか?
 …上等だ、ここまで俺向きの試練もないもんだ」
「始まっちゃった…神官さん、早いとこ、こいつにすること与えないと、何するかわかりませんよ?」
「う、うむ…では勇者よ。この神殿を出た先、砂漠の中心の洞窟地球のヘソ≠ノ一人で行くがよい。
 青のオーブは、その最深部にあるぞ」

「ふむ、中々泰然自若とした男だな…だが、実力はどうかな?」
「あー…うん。多分、神官さんが想像してるより、タチの悪い方向にぶっ飛んでると思いますよ…」
 〜その頃のゴドー〜
「さて、久しぶりだな、単独でのダンジョンは。…どんな魔物がいるか、とりあえずそこからか…」
「「「クケーーーーーッ!」」」
 ビシビシビシッッッ
「「「ぐぇぇぇっ!」」」
 バタバタバタッ
「…なんだ。雑魚ばっかりか。これなら、あいつ抜きでも何とかなりそうだ」

「ほう…では彼は、そもそも一人旅を前提にした戦い方しか知らなかったと?」
「ええ。多分、今ごろ水を得た大王イカみたいに荒れ狂ってると思います…」

241 :YANA 35-3:2005/12/11(日) 12:21:42 ID:ERmdtat/0
 〜その頃のゴドー〜
「ザキ!ザキ!ザキ!」
「やかましいガラクタ箱」
 ドガンッ
「グヘェッ…」
「…左右の軸は無限回廊か。となれば…目指すは奥、そして下、か」

「ふふん、だが、私も長年この試練を預かってきたが、試練に臨んだ者は皆疲弊しきって帰ってくるぞ?」
「(カチン)…ふふ、あいつの人外ぶりは、生憎とずっと一緒にいるあたしにも把握しきれませんからね。どうでしょうねー?」
 〜その頃のゴドー〜
「引き返せ!」
「………」
「引き返せ!!」
「………」
「引き返せ!!!」
「………」
「引き返s…」
「黙れ、白目禿げども。コンパチ面並べて馬鹿の一つ覚えみたいに同じこと連呼しやがって。砕いて灰にするぞ」
「「「「………」」」」
「…ん?これか。間違いなさそうだ」

242 :YANA 35-4:2005/12/11(日) 12:22:08 ID:ERmdtat/0
「今頃は、入ってすぐの無限回廊で迷ってへたり込んでいるかも知れんな」
「(カチカチン)ふ、ふふ、あいつはあれで結構、頭もキレるんですよ?そんなところ、とっくに抜け出してると思います…」
「はっはっはっ、それは大層な」
 ただいまー、っと。
「あ…!」
「なぁっ!?馬鹿な、まだ一時間も経っておらぬのだぞ!?」
「よう。これだろ、青のオーブって」
「あ…あ…そんな、まさか…」
「ゴドーッ!!」
 タタタッ、ギュッ
「うお…な、なんだ、一体」
「えへへー、さっすが人外無茶苦茶勇者!いざってときに頼りになるわ!」
「…帰って早々、誉めてるのか馬鹿にしてるのか分からん…」
「いいからいいから。今のあたしは、あんたのおかげですっごく機嫌がいいの!…じゃあね、神官さーん。オーブ、ありがとうね!」
「………きゅぅ」
「???」

『母さん、今日は胸がすくような気持ちいい気分です。
 …あれ?でも私、あいつが馬鹿にされただけなのに、なんであんなに腹が立ったんでしょう?ちょっと不思議です。 敬具』

243 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/11(日) 12:58:11 ID:5Hi1F1mw0
ちょwwマイアヒwwwwwwwww
デレもいいね!
   _、_
 ( ,_ノ` )      n
 ̄     \    ( E)  いよーし!よしよし!どっこいしょーい!bbb
フ     /ヽ ヽ_//

244 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/11(日) 13:25:26 ID:PSPDPuPT0
微デレな感じがイイヨー!

>>243
出張乙

245 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/11(日) 19:16:24 ID:z4X2eHbaO
>「マイアヒ〜マイアフ〜っと…

DQの船乗りなら実際に言いそうだから怖いw

246 :だんご:2005/12/11(日) 19:27:43 ID:+X8ysIW00
此から向かうキングレオには二人の敵が居るの。
しかも其処には、勇者を捜していたライアンて人がいるんだって。
アリーナさんの話だと強い戦士らしいけれど……
ねぇ、勇者。ちゃんと聞いてる?
あの後直ぐに寝ちゃった勇者のために、聞いた話してあげてるのに。

あーあ、残念。もしかしたらわたしも8人の仲間の一人かと思ったのになぁ。
全くもってそんなことはなかったのね。
わたしが仲間じゃ困るって?戦力外だから……?もぅ、そんなこと無いもんっ。
わたしだってねぇ……やっぱりいい。戦力外でもなんでも良いから。
お願いだから、其の青白い顔をこっちに向けないで。
もし次わたしに向かって撒き散らすようなことがあったら、問答無用で魔物の餌にしてやるから。

247 :だんご:2005/12/11(日) 19:28:43 ID:+X8ysIW00
こんな処に船泊めて大丈夫かな……
そうだね、船長さんも船員さんも残ってくれてるから大丈夫だよね。
うん、キングレオ城に向かいましょう。


で、ホイミンさん。ライアンさんはもう忍び込んじゃったけれど、
わたしたちが中に入るには魔法の鍵が必要だっていうのね。なんか理不尽だわ。

ああもう。マーニャさん、落ち着いて。
此処で派手に立ち回ったら、本懐を遂げる前に力尽きちゃうわよ。


船の出なくなった港町って惨めね……
でもなぁ、ホイミンさんはなんで此処で魔法の鍵の情報が手に入るって知ってたんでしょ。
ねぇ、勇者どうおも………別にね、いつものことだけどね。
全くッ!!どっか行く前に一声かけることぐらい学んでも良いじゃないっ!!

錬金術で魔法の鍵を作ってたんだぁ……でも、誰か知り合いに錬金術師なんて居る?
……マーニャさんとミネアさんのお父さんが錬金術師だったんだ。
じゃあ、そのコーミズ村に行く?

248 :だんご:2005/12/11(日) 19:29:40 ID:+X8ysIW00
喋るスライム……まさか、魔法の鍵を探しに来たらこんな不思議生物と出会うなんて。
どうするの?信じるの?このスライムの云うこと。
あ、マーニャさんとミネアさんは聞いたこと在るんだ、その研究所。


うへぇ、また洞窟だ。良い思い出ないなぁ……。
いいえ、ちゃんと付いていきます。勇者が手を抜いてないか見てなきゃいけないし。
なんに手を抜くかって……?んーー…宝探し、とか?


宝箱の中に隠し階段のスイッチが隠されてるなんて。
普通気が付かないわよ。
あ、でないと隠し部屋にならないのか。
って、ああもうっ!!下に降りるときも声かけるっ!!
もしもわたし一人の時に襲われたらどうす………うん、騒がない。
騒がないから、こっち来ないで。来ないでね…?こな………
いやーーーー!!ゆうしゃたすけてぇーーー!!

249 :だんご:2005/12/11(日) 19:32:04 ID:+X8ysIW00
うわー。彼処で派手に暴れているのが、もしかしてライアンさん……?
兵士達はあの人に任せて、知らんぷりして行かない?
あ、あの奥に秘密の玉座があるんだ。じゃあ仕方ないのね…。


結局引き受けてくれるのはいい人なんだけど、
もしかしてバルザックの相手しなきゃならない、わたしたちの方が大変?
…どうせ隠れてるだけ、とか云わない。

え……バルザックじゃなくてキングレオ?
でも、関係あるんでしょ?だったらやっつけちゃえっ!!!
………待って。ほら彼処の柱。わたし、彼処に隠れるから。

(スタスタスタ)

じゃあ、どうぞ。思う存分やって下さい。

(ザシュザシュッ!!ズザッ!!ドーン!!ボフー)

よーし、いけいけー!!みんながんばれ!!

あ、其処駄目っ……ああ、もう気をつけt………やったーーー!!

250 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/11(日) 23:30:22 ID:43DI/jtWO
何か言いかけてたけど、シンシアは選ばれし者達に付いていく意義をどこに見出だしてるのかなぁ
気になるね

251 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/12(月) 00:25:21 ID:tX3ONtdtO
>>250
いや気づけよwてーか多分このスレの根幹に関わることだぞwww


多分だけど(´・ω・`)

252 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/12(月) 01:34:53 ID:kxwHBUVjO
>>251
いやそれは分かるんだけどね
仮にも世界を救う旅な訳でしょ?
好きなだけでついていっちゃっていいのかなーなんて。
単なる足手まといなら連れてく意味ない気がして…
戦闘じゃなくても何かの場面で役に立ってほしいなと思った

253 :まとめ人:2005/12/12(月) 02:33:33 ID:gVemhr0n0
久しぶりにまとめ更新しました。
まとめて一気にやっちゃったのでもしミスとかあったら指摘してください。

254 :だんご:2005/12/12(月) 18:33:17 ID:RVYS+kyE0
>>252
よし、覚悟決めた。
正直、ある展開をどうするかずーっと迷っていたのだが、>>252の書き込みで腹括りました。
と云うことで、何かの役には立つはずですよ?多分。そのうち。

>まとめ人
いつも乙です。

255 :だんご:2005/12/12(月) 18:33:57 ID:RVYS+kyE0
しっかしなんというか……
二人のお父さんの敵が、アリーナさんのお城にいるなんて……
なんて偶然。って訳じゃないのかなぁ?
デスピサロが裏で糸引いてるみたいだし、ただの偶然とも言い切れないような気もするし。
ねぇ、勇者。どう思う?
…なにその石。さっき寄った村で拾ってきた?

水に濡れない石、ねぇ。其れがあれば船が沈んでも生き残れそう。
って、そんなに凄い力持ってるはずないか。


………ねぇ、勇者。サントハイムに行く筈なのに、なんでわたしたちはフレノールの町にいるわけ?

船で近付くには目立ちすぎるから、陸路を使おうと。流石ライアンさん。
でも、お姫様とマーニャさんを説得するのは大変だったみたいですね。
……目にアザ、残ってますよ。

256 :だんご:2005/12/12(月) 18:34:22 ID:RVYS+kyE0
マーニャさんとミネアさん、機嫌良いわね。
勇者は何があったか知ってる?

ふーん、キングレオで生き別れになった、二人のお兄さんみたいな人が生きてたんだ。
そっか……死んだと思ってた人が生きてるのは、嬉しいよね。
で、またデスピサロの名前が出て来たから、勇者は不機嫌だと。
大丈夫よ。デスピサロは勇者を狙ってきた。
キングレオやバルザックの裏で糸を引いているのもデスピサロ。
だったら、あなたの戦っていく先で必ず敵をとる機会は来る。だから焦らないの。

何か悪いものでも食ったか……ですって?

ねぇ、おじいちゃん。確かハバリアでどくばり買ってたよね?
貸して。いいから、何も云わずに貸して。

大丈夫よ。大切な勇者なんだから、殺さないって。ちょっとチクッてするくらいだから。
もしかしたら、運悪く急所に当たっちゃうかもしれないけど、死なないように我慢してね。
うん、動くとねー、変なところに刺さっちゃうかもしれないからねー。
……あっ!!こらっ!!!逃げるなっ!!待て、馬鹿勇者ーーーーーー!!!

257 :だんご:2005/12/12(月) 18:34:48 ID:RVYS+kyE0
野を、超え……山を越え…や、やっと着いたわね……。

確かに、近くに船を泊めるのは良くないとは思うけど、
あんなに遠くに泊める必要もなかったと思うわ……

さて、此からどうするの。休んでから行く?其れともこのまま………
ああ、うん。何となく判ってた。そりゃアリーナさんとマーニャさんは止まらないわよね。
ミネアさんだって、なんだかんだ云って、今すぐ行きたそうだし。
ほら、勇者。早く後追わないと置いてかれちゃうわよ。


……お城の中なのに魔物だらけだし、なんか変な臭いもする。
お姫様にはご愁傷様と云うしか……あ、おじいちゃんまた泣いてる。

(ブォン!!グシャァ!!ズシャ!!ゴウッ!!)

はぁはぁはぁ……あれがバルザック…?
ああもぅ、あの2人はもう戦い始めてるし。あ、ミネアさんも加わった。
ほらっ!勇者もさっさと加勢するっ!!
わたしは此処で応援してるから、心配しないでガンガンいってこーいっ!!

258 :だんご:2005/12/12(月) 18:35:32 ID:RVYS+kyE0
立派だった大広間が、見る影もないね。
おじいちゃんなんて、もう号泣だし。
マーニャさんとミネアさんはお父さんの敵をとれたけど、デスピサロの新しい情報はなかったね。
強いて云えば、戦いを見ていた魔物が進化の秘宝の完成には、
黄金の腕輪が必要だとか云ってたって事くらいか。

あれ、アリーナさん。その手に持ってるのなに?
……マグマの杖とあやかしの笛ねぇ。お城の宝物庫にあったって。
姿が見えないと思ったら、そんなところ行ってたのね。
あ、おじいちゃんが声をがなり立てながら、こっちに来るよ。
逃げた方が良いんじゃない?


……………………ハァ。
此がお姫様のお父さんが子供の頃に書き残した立て札、ねぇ。
ホント子供のらく……失礼。でも未来視の力があったかもしれないんでしょ?
どうするの、勇者?今は他に手掛かりがないけど。
……此が手掛かりというのは、ちょーっとキツイものがあると思わない?

259 :YANA 36-1:2005/12/12(月) 22:27:38 ID:SXhOFA6r0
『拝啓 母さん、ドジを踏んでしまいました。
 ブルーオーブを手に入れた私たちは、船長さんの情報から、レッドオーブが東の大陸の海賊が持っているらしいことを知り、
 彼らのアジトに向いました。
 そして海賊の家の裏手の岩の下に、地下室への入り口を見つけ、そこでオーブを発見したまではよかったのですが…』

「…で?あんた、海賊のアジトに盗みに入って、どう落とし前つけるつもりだい?」
「「………」」

『地下室から出たところで、アジトに戻ってきた海賊一味に鉢合わせしてしまったのでした。タハー。
 で、今はそのお頭と対面してるわけです…』

「なんだい、黙っちまって。なにかい?海賊のかしらがあたいみたいな女だってのが珍しいかい?」
「…珍しい、というか、単に驚いてるだけだ。俺は、海賊の事情なんか知らねぇからな。
 単に先入観で、男が頭を張るもんだと思ってただけだ」
「ちょ、ちょっとゴドー!そんなはっきりと…!」
「ははは!面白い奴だね!…いいよ、あんた、気に入った。それに免じて、チャンスをやろう。一つ勝負をしようじゃないか。
 あんたが勝ったら、今回の件は水に流してやるよ」
「む…それなら、ありがたい」
「ただし!…あんたが負けたら………そうだね」
 ジロリ
「ひ!?…え?…な、なによ…」
「…あんた。うん、なかなかいい女じゃないか。あたいほどじゃないけどね。高く売れそうだ。
 あんたの仲間のこの嬢ちゃんをもらう。それでどうだい?」
「え、な…えぇ!?そ、そんな…ゴドー…」
「――――――」
「………ゴドー?」
「どうだい?あんたの懐は痛まないし、悪い条件じゃn」
「―――却下だ。こいつは、おまえらにはやれねぇ」
「…え…」
「な…!?」

260 :YANA 36-2:2005/12/12(月) 22:28:22 ID:SXhOFA6r0
「元々ここに盗みに入ることを提案したのは俺だ。こいつはそれに無理矢理つき合わされただけで、責任はねぇ」
「…ふぅん。まさかそんな理屈で、あたいを出し抜けると思ってるんじゃないだろうね?
 …もしそうなら、この場であんたの首たたっ切ってやるけど?」
「早まるな。こいつはやれんが、負けたら…そうだな…」
「「………」」
「…うん。俺の目玉を両方くれてやる」
「………………は?」
「な…ば、馬鹿じゃないのあんた、なに、ちょっとはモノ考えて喋りなさいよ!それともいよいよ完全におかしくなっちゃったわけ!?」
「俺は正気だよ。…なんだ、おまえ、もしかして奴隷になりたいのか?」
「そ、それは…でも!負けたらあんた、目が…」
「はいはい、待った。勝手に話を進めるんじゃないよ。…あんた、一つ聞くけど。あんたの目玉がなくなることで、あたいらに
 どんなメリットがあるってんだい?あたいら、金にならないものは担保に認めないよ」
「目を潰すのは落とし前をつけるために過ぎん。
 モノなら俺の船をやる。乗組員は土地に帰すが、でかい船だから、単体でもそれなりの額にはなるはずだ」
「ゴドー、そんな勝手な…!」
 スッ
「…な、なによ…」
「…悪いな、アリス。俺のドジに付き合わせて。おまえには傷一つつけさせないから、安心しててくれ」
「…っ…」
「………」
「…もう。そんな風にいわれたら、頷くしかないじゃないのよ…」
「…すまん」
「………船、ね。…まぁいいだろ、じゃあこいつで勝負だ」
「…コイン?」
「ルールは簡単だ。こいつを投げてあたいの手の甲でキャッチするから、あんたは裏か表か言い当てればいい。
 当たればあんたの勝ちだ。外せば」
「俺の負け。…分かり易くていい。じゃあ、表が星で、裏が数字だ。始めてくれ」
「OK。…そら!」
 ピンッ、クルクルクル…

261 :YANA 36-3:2005/12/12(月) 22:28:48 ID:SXhOFA6r0
「…(ゴドー…!)」
 クルクルクル
「………」
 クルクルクル…パシッ
「………表だ」
「裏」
「「「………」」」
 スッ
「………………裏だね」
「…!…ゴ……ゴドー…?」
「………ふむ」
「さあ、どうするんだい?落とし前、つけて貰おうじゃないか?」
「………」
 スルッ
「…(ナイフを抜いたまではいいが…さて、どうする気だい?)」
「アリス、ちょっと向こうむいてろ」
「っ……」
 クッ
「!!(な!?こいつ、力の込め方がマジだ!!マズ…!!)」

 ザクッ
「…………?………!!」
「…何のつもりだ、あんた」
「…ふー、間一髪だったね。まさか、本気でやるとは思わなかったよ」
「?どういうことだ。落とし前をつけろといったのはあんただぞ」
「まぁ待ちなよ。…ほら、このコイン、見てみな」
「………む。これは…」
「え?」
「見てみろ。…両面とも裏だ。…どうやら嵌められたらしい」

262 :YANA 36-4:2005/12/12(月) 22:29:15 ID:SXhOFA6r0
「そういうこと。わざとあんたに表が見えるようにキャッチして…左手の中に仕込んだ数字のマークのシールを、
 コインの表に貼り付けたのさ」
「裏と答えれば、シールを貼らずにそのまま、か…だが解せん。そこまで仕組んでおいて、なぜ俺の邪魔をした?」
「ああ、何。あたいら義賊だから、殺生はしないんだ。で、こりゃあたいらのとこに時々盗みに来るコソドロを締め上げる方便でね。
 半分はビビッて、最初にあたいが掲示する条件を呑んで逃げ出し、もう半分は勝負の担保にハッタリ持ち出して負けて土下座」
「なら、俺は?」
「あんたは初めてのケースだね。あんたみたいな条件を出して来る奴も極稀にいるけど、殆どは腰抜けばっかりさ。
 …まさか本気で目玉潰そうとする奴がいるとは思わなかったよ。あたいの負けだ」
「…つまり、なんだ。あんた、初めから俺たちを試したかっただけで、何もする気は無かったわけか」
「半分外れ。あんたがチキン野郎だったら、普段のコソドロと一緒に身包み剥いで放り出してるとこさ。
 でも、あんたは予想以上の大物だった。…いや、あたいとの駆け引きに勝つ奴なんて、初めてだよ」
「………」
「それにしても、愛の力って奴なのかねー?『こいつはやれねぇ、代わりに俺の目玉をくれてやる』かーっ!
 嬢ちゃん、女冥利に尽きるんじゃないかい?いい男に恵まれたね!!」
「そ、そんな…(//////)こいつ普段から無茶ばっかりで、そんなの今に始まったことじゃないし…」
「…む」
「照れなさんな、お二人さん!おら、もういいよ、その宝石ならやるよ!
 どうせあたいらも昔盗んできたのを忘れてたんだ、今更無くてもどうってこたぁないよ!」
「それは、すまねぇな」

263 :YANA 36-5:2005/12/12(月) 22:29:45 ID:SXhOFA6r0
 ・ ・ ・
「…よかった。あたし、ホントにどうなることかと…」
「悪かった…心配かけて」
「………え?」
「だから、悪かった。…おろちの時、怒られたばっかりだっていうのに…また、俺一人で勝手に…」
「…い…いいわよもう…らしくないわ、あんたはあんたのやりたいようにやって、胸を張ってればいいの!」
「…む。なんだそれは。云ってることが違うぞ」
「いいの。あんたはあんたらしく暴れて、もしそれで怪我したらあたしが叱ってあげるから。
 …ほ、ほら、あんたが、本気で行動したのに落ち込まれると調子狂っちゃうのよ、あたしも」
「…そうか。つまり俺は、命に関わるような怪我を『結果的に』しねぇ範囲で無茶をしろ、とそういうことか」
「…うん、そうなるの、かな」
「出来るかバカモノ」
 ビシッ
「いったーーいッ!!やったわね特攻勇者ーーーーーっ!!!」

『母さん、こいつも漸く、自分の無茶を自覚し始めたようです。
 …でも本当は、あの時あいつが私を「おまえらにはやれない」といってくれたこと…少し嬉しかったりします。 敬具』


264 :YANA:2005/12/12(月) 22:43:36 ID:SXhOFA6r0
>まとめ人さん
いつもご苦労様ですw

えー…なんというか、色々やっちまった36話です。もっと上手くまとまらなかったもんかorz
個人的に、今までで一番貼るのに抵抗を覚えたシナリオです…。

265 :YANA 37-1:2005/12/13(火) 12:14:28 ID:8ElKdAlH0
『拝啓 母さん、オーブも三つ目、やっと半分です。
 さて…母さんは、テドンの村を覚えていますか?…そう。以前私たちが船を手に入れた直後訪れた、魔物に滅ぼされ、
 それでもなお夜の間だけ、人々は自分たちの死にすら気づかずに日常を繰り返す、悲しい村…。
 私たちは、グリーンオーブを手に入れるため…再び、そこに足を踏み入れました…』

「………」
「…やっぱり、辛いか?」
「…ん、大丈夫」

 あー、お姉ちゃん!

「あ…」
「む…」
「やっぱり、この前の旅人のお姉ちゃんだ!服が変わってるから気付かなかったよー!」
「あはは…ごめんね」
「んーん、その服もかっこいいよ!」
「ふふ、ありがと」
「ね、ね、今日は遊んでくれるよね?約束、したもんね?」
「あ…ん…ごめんね、今日もちょっと」
「アリス。どうせ暇だろ、坊主と時間つぶしてろ」
「え…」
「俺は俺の用を済ませてくるからよ」
「………うん。…ありがとう」
 ・ ・ ・
「へー、お姉ちゃん、あのお兄ちゃんとまおうを倒すために旅をしてるんだー」
「うん。でもあいつ、無鉄砲でね、あたしも苦労してるんだ」
「そっかー。僕はお兄ちゃん、強そうに見えたけどな」
「うーん、強いことは強いんだけど…見てるほうは結構心配なのよ」

266 :YANA 37-2:2005/12/13(火) 12:14:56 ID:8ElKdAlH0
「ふーん。じゃあさ、僕が大きくなったら、強くなって、お兄ちゃんとお姉ちゃんを助けてあげるよ!
 そうすれば、お姉ちゃんは心配しなくて済むでしょ?」
「―――っ…う、うん。そうだね、あはは。頼もしいな」
「うん!この村もね、まおうのお城のすぐ下にあるから、いつまものがおそって来るか分からないんだって。
 だから、お父さんやお母さん、いつも不安そうにしてるから…大きくなったら、みんなも僕が守らなくちゃね」
「うん…強いんだね、ジョン君は」
「えへへ。そうだ、お姉ちゃん、これあげるよ!」
「あ…これ、この前の水鉄砲…?いいの?大事なものなんじゃ…」
「うん、そうだけど、お母さんが『もう人に向けて撃っちゃいけませーん』っていうからさ。あんまり遊べないんだ。
 だから、お姉ちゃんにあげるね。これでまおうなんか、やっつけちゃってよ!」
「あはは。うん、ありがとう。そういうことなら、喜んで」
「…あ、そろそろ行かないと。お母さんが晩御飯用意して待ってるんだ、じゃーねー!」

「………」
 ザッ
「…行ったか」
「…うん。ありがと、待っててくれて。オーブは…手に入ったの?」
「ああ。牢屋のおっさんが大事そうに持ってた。俺が…勇者が来るのを待っていたらしい」
「そっか。…でもちょっと意外、かな。あんたでも気を利かせること、あるんだ」
「ああいう子供に希望を与えるのも勇者の仕事だからな。…それに、俺自身もいい加減むかっ腹が立ってきたところだ。
 こんなふざけたことが、もう二度とあってたまるか」
「………」
 ギュッ
「!…どうした、アリ…」
「…ごめんね…お願い…あたしのこと嫌いじゃなかったら…しばらく、このままでいさせて…」
「………ああ。―――よく、頑張ったな」
(―――よく頑張ったぞ、お嬢ちゃん)
「…あ…ぐすん…ひぐ…」

『母さん、四つ目のオーブも、無事ゴドーが手に入れてきました。ジョン君の思いを胸に、次の目的地に向います。
 …それにしても…ああ、なんだろうな。はっきり聞いたわけじゃないけど…なんだか、分かっちゃったな…。敬具』

267 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/13(火) 23:04:05 ID:k9VwvYxyO
GJです!
今回もデレ来たーー(ニヤニヤ)

268 :だんご:2005/12/13(火) 23:43:47 ID:+8Ng5EKb0
勇者の血縁関係はどうばらすのかと思っていたのですが、良い感じじゃないですか。
半デレも相まって、YANAさんGJ!!

269 :だんご:2005/12/13(火) 23:44:33 ID:+8Ng5EKb0
ちょっかい出さなければなんにもしてこないって判っていても、
爆弾岩の群れを抜けるってのは良い気分じゃないわね。
全くもう。旅人が居るんだから、爆弾岩処理に国費かけてくれないのかしら。
実際見たこと無いけど、メガンテって厭な呪文じゃない?
理由は……んー。そう云われると特に思い付かないなぁ。
生理的にってヤツなのかな?

こんな処まで来てホントに天空の城について判るのかな。
ていうかさ、天空の城と竜の神様を知る必要があるの?
他にあてもないから仕方ないとも思うけど、
こんな爆弾岩だらけの岩場まで連れてきてなんにもなかったじゃ、わたしの気が済まないわよ。

ちょ、勇者。なにやってるの?爆弾岩処理のお手伝い……って。
あ、ほら目を覚ましたっ!!勇者が剣で突っつくからよっ!!!
手っ取り早い爆弾処理は爆発させることだって……此処にいたら巻き込まれちゃうでしょっ!!
あーもう!!このばかゆうしゃがーーーーーーーーー………

(ドーン……)

270 :だんご:2005/12/13(火) 23:45:20 ID:+8Ng5EKb0
王様を笑わせたものは好きな褒美をくれると。
で、この城には天空の兜が伝わっているんでしょ。
てことはだ。王様を笑わせれば、その天空の兜を手に入れることが出来るってことね。
ふふーん、みてないさい。わたしの必殺ギャグで王様もイチコロよっ!!
ふっふっふ、天空のお城も此なら直ぐねっ。待ってなさい、竜の神とやらっ!!


……………なによ、何か云いたいことがあるならさっさと云いなさい。
其処ッ!!申し訳なさそうな顔して目を伏せないっ!!
ああもうっ!!敗残兵にかけていいのは、同情じゃなくて嘲笑よっ!!
そんな生暖かい眼差し向けないでッ!なんて駄目エルフなんだって嘲笑ってよっ!!
お願いだから……

う、うわぁぁぁぁん………ゆうしゃのばかぁ…………

271 :だんご:2005/12/13(火) 23:46:16 ID:+8Ng5EKb0
この町に、有名なパノンとか云う芸人が居るのね。
マーニャさんは劇場の支配人さんの処に挨拶しに行ったけど……

あ、勇者が帰ってきた。もう、何処行ってたのよぅ。
ん?なに落ち込んでるの。なんかあったの…?
え?ぱ、ぱふ…………………
そう。姿が見えないと思ってたら、そんなところ行ってたの。
どうせわたしには出来ないわよ。ナイムネですもの。
……仕方ないじゃない!!わたしの種族は華奢なんだからっ!!
そんなにおっきいのが良いなら、そっちに行ってればいいじゃないっ!!

…………ううん、やっぱ駄目。わたしがなる。
どれがいいっ!?どれが勇者の好みなのっ!?
ほら選びなさいよっ、モシャスで変わってあげるからっ!!
いいって……どうしてよっ!もういい、わたしが勝手に選ぶ。
……あれで良いわねっ!モシャモグモグモグ

272 :だんご:2005/12/13(火) 23:47:20 ID:+8Ng5EKb0
あ、あんなのでよかったなんて………
物分かりが良い王様なんだろうけど、わたしのかいた恥って一体………
お願い。慰めなくて良いから、せめてそっとしておいて………

パノンさんはもう帰っちゃったんだぁ。
へこんでないで、笑いの極意を教授して貰えばよかったわ。


天空の盾がバトランドにあるって話だけど、ライアンさんは聞いたことあるの?
…ふーん、そっかぁ。全く聞いたこと無いって、ちょっと怪しいけど。
でも吃驚だったなぁ。
その兜、勇者が被ったら大きさが変わってサイズがピタって合うんだもん。
……ねぇ、其れちょっと被らせてみてよ。
幸い船の上だから、帽子とることにもあんまり抵抗無いし。興味あるし。

(ズシッ)

お、重い……く、首がお、れる……ううう、重くて…はずせ、ない……
ぽかーん、とみて…ない、で……はず…すのて、つだって……

273 :だんご:2005/12/13(火) 23:56:06 ID:+8Ng5EKb0
ナイチチモシャスネタが二度目ってどうなのさ。
他の展開にしようとも思ったのですが、どうもその後を考えるとしっくりいかずお蔵入り。
プロットが決まっているっていうのも、また別の意味でむつかしいものだと知りました。

274 :YANA :2005/12/14(水) 15:20:55 ID:6qiNMLL30
GJですw
OK、次はツンでなく、デレのナイチチネタで(ry
まぁそんなことされたら俺が萌え死ぬわけだが。

えー…これよりサマンオサ編が始まるわけですがー…
礼の独自味付けで、勇者の精神的成長のために原作にも登場している「ある人物」を主軸に書いたら
おっそろしいほどスレタイから脱線したシナリオになっちまいました。
有体に言えば「過去のボス戦に輪を掛けて少年漫画な展開」に。
ですが勇者をデレにするためのエピソードでもあるので、その辺を理解して読んでもらえると幸いです。

275 :YANA 38-1:2005/12/14(水) 15:22:12 ID:6qiNMLL30
「…あなた…どうしてあなたが…うう」
「また、ここにいたのか」
「あ…兄さん…だって…」
「ブレナンさんのことは気の毒だった…だが泣いてばかりいては、彼も成仏できないよ」
「やめて下さい…今はどんな言葉も悲しいだけです…」
「………」
 …い………か?
「?…おい、今何か聴こえなかったか?」
「…はい…確かに…人の声が…」
 ゴンゴン
「ひゃっ…あっちの墓石の下から…何かを叩く音…?」
「声もそっちから聞こえるみたいだな…」

 おい、これどうやって開けるんだ?
 知らないわよ、力が足りないんじゃないの?
 目一杯やってる。…あ、これは駄目だな。錆付いてやがる。
「…?何でしょう?」
「…わからん」
 ふむ。では私がやろう。
 え?…ちょ…
 ドガァァァァァンッッッ
「キャァァァァッ!!」
「うわぁぁぁぁっ!!は、は、墓石が…!?」
 ッッッ…ガラン、ガラガランッ
 …ヒョコッ
「…む。ここは、墓場か。まいったな、大穴あけちまった」
「「………」」
 ちょっとゴドー、後がつかえてるんだから早く出てよ!
 ヒョコッ

276 :YANA 38-2:2005/12/14(水) 15:22:47 ID:6qiNMLL30
「…あれ?…あは、あははは、すいません、お騒がせしました〜」
 ヒョコッ
「…申し訳ない。火急の事態でした故、墓石を砕いてしまいました。神父殿には、あとで必ず直すとお伝え頂きたい」
「………はぁ」
「よし、行くぞ。野郎の化けの皮を剥いでやる」
「あ、待ちなさいってば!…それじゃ、失礼しま〜す!」
「………(ペコリ)」

「………なんだったんでしょう」
「………さあ」

『拝啓 母さん、突然の事態で酷い目に遭いました。
 順を追って説明しますと…まず私たちは、航海の途中偶然見つけた旅の扉を潜り、ここ、サマンオサの国に辿り着きました。
 そこでは、人変わりしたという王様の圧政で、国民や旅人が毎日牢に入れられては処刑される毎日が繰り広げられているとかで…。
 それを聞きつけた私たち、見過ごすことも出来ず、原因の究明のためお城に乗り込んだのですが…王様は私たちを見た途端、
 牢屋に入れるよう兵士に命じ、つい先ほどまで牢の中にいた次第です』

「で。どうするよ。また城に行っても同じことの繰り返しだぞ」
「うむ。どうにか、奴の尻尾を掴まねばなるまい」

『この人はエデンさん。牢屋の中で知り合いました。何でも、行方不明になった父・勇者サイモンさんを探して旅をしていて、
 この町で聞き込みをしていたら牢屋に入れられてしまったのだそうです。
 事情を聞いた私たちは、一先ず協力して牢を抜け出すことを考え、最後の鍵で錠を開け、隠し通路を発見し、脱出したのでした。
 …まぁ、その出口の蓋が錆付いて開かなくなっていて、エデンさんの力で破壊することになり、
 更にそれが墓場に繋がってた、なんてギャグでしかありませんが…』

277 :YANA 38-3:2005/12/14(水) 15:23:14 ID:6qiNMLL30
「奥の牢屋に本物の王様がいた。『変化の杖を奪われた』…か。どういうことだろうな」
「親父に昔聞いたことがある。使用者の姿を変える魔性の杖だ。…まさか実在しようとは」
「厄介だな。つまり奴がそれを持ってる以上、ボロはでねぇわけだ」
「…そうだ。あの、訊いていいですか?」
「何かな、アリス殿」
「エデンさんのお父さんってどんな人だったんですか?」
「どうしておまえはそう人の家族関係を訊きたがるかね」
「い、いいじゃない…ほら、あたしお父さんが…だし、あんたも…だし、気になるのよ。
 子供が何年も探し続ける父親って、どういう人なのかなーって」
「………」
「(あ、あれは『おまえのいうことは気に入らんが俺も少し気になるから否定できん』っていう顔だ…)」
「…ふむ。二人ともわけありのようだな。まあ、子が蒸発した親を探すのは、世の常であろう。
 それでも敢えて私の親父の話を聞きたいというのであれば、話そう」
「お願いします」

278 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/14(水) 16:54:17 ID:oHIWpiQXO
二人ともGJです
意地を張っての微エロはツンデレならではハァハァ
サイモンネタは3の中でも好きだったから楽しみだ

279 :だんご:2005/12/14(水) 22:24:49 ID:s18v6v1u0
……ねぇ、勇者。もしかして、夢見た?
うん、わたしも……。
あれがピサロ…ううん、デスピサロ……。敵、なんだけどなんなんだろう……。
其れに哀しそうだったあの娘。ロザリーとか云ったっけ。
多分、あの娘はエルフだ。ほら、わたしみたいに耳が尖ってたでしょ?

……デスピサロにロザリーって娘が匿われているのなら、もしかして……

な、何?じーっとわたしの顔見て。だ、駄目だって。こんなみ、みんな居るし。
で、でも。もしもよ?も、もしも勇者がそんなにが、我慢できない…………は?
………あのエルフは淑やかそうで可愛かったのにって。
なに?まるでわたしが淑やかじゃなさそうな言い種じゃない。
その通りですってぇぇぇぇぇ!!!!
なによっ!!どうせわたしは金髪じゃないわよっ!!
清楚でもないしっ!!可愛くもないしっ!!あんなね、立派なエルフじゃないもん!!
そこら辺に転がってるエルフと同じだもんっ!!どうせ、十把一絡げの野良エルフよっ!!

う、ううぅぅぅぅぅぅーーーーーーうわぁぁぁぁぁぁん………

280 :だんご:2005/12/14(水) 22:25:09 ID:s18v6v1u0
で、結局バトランドの先々代の王様はスケベだったから、
天空の盾はガーデンブルクに行きましたとさ。ってことなんでしょ。

男ってみんなそう。可愛い子には目がないのよ。
どうせみんな、ガーデンブルクに行けることが嬉しいんでしょ。
良いじゃない、喜んでおきなさいよ。
勇者もよかったわね。可愛いことお友達になれるかもしれないじゃない。

……知らないわよ。ほら、行くんでしょ。


ここら辺一帯がマグマの固まった跡だと思うけど……此処でマグマの杖を使うの?
と云うか此を使うとどうなる……ううん、いい。其れ貸して。

わたしが使うからに決まってるじゃない。ほらっ、さっさと貸しなさいよっ!!!

(ゴゴゴゴゴゴゴゴ)

凄い熱気……溶岩が流れて、こんな………熱い…………
う、う……もう………だ……め……………………

(トサ)

281 :だんご:2005/12/14(水) 22:37:04 ID:s18v6v1u0
そこら辺に転がってるエルフと同じだもんっ!!
どうせ、十把一絡げの野良エルフよっ!! 汎用ドット絵よっ!!
悲劇のヒロインなのにねっ!!なんで専用ドット絵ぐらい用意しないのよっ!!!
あんな魔族の愛奴如きには用意されてるのにぃぃぃ!!ムッキーーーーーーーーーーーーー!!

とか考えて最後まで悩みましたが、やっぱり却下。
ネタとしては面白いんだけどなぁ。

サマンオサは色々燃え要素を加えられる処なので、wktkして待ってます。

282 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/15(木) 00:00:31 ID:SrvKSHWM0
すげー!!
このスレおもしろい。
書き手の方、がんばってください。

283 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/15(木) 15:03:13 ID:BnPozYVrO
野良エルフ(´Д`)ハァハァ…
一人下さいな

284 :YANA 39-1:2005/12/15(木) 19:28:01 ID:ja2BtHkE0
「親父は…一言で言うなら武人の鑑だったな。強く逞しく、誰にでも分け隔てなく接する。まさしく勇者だ」
「へぇ…やっぱり、勇者ってそういう人が多いんだ」
「………」
「あ、ち、違うのよ!別にあんたに不満があるとかじゃ…」
「…いや、それはいい。エデン、続けてくれ」
「うむ。…だが、そんな親父がある日突然行方不明となり、私は旅に出た。
 …そうして、ここサマンオサの王が、どこかの湖の牢獄に、親父を幽閉したという話を聞いたのだが…」
「…それを聞いてるのを見つかって、牢屋の中、か」
「うむ。私は武を究める上で目標とした親父の行方を確かめたい。そして、もし既に死んでいるのならその無念を晴らしたい…」
「…立派な人だったんですね」
「ああ。…私も親父のようになりたくて、今まで鍛錬を続けてきたが…」
「…が?」
「どうも、私には魔法に関する才能がないらしくてな。未だにホイミの一つも使えんのだよ」
「ありゃ…でも、さっきの墓石を砕いた時といい、すっごく強そうじゃないですか」
「うむ。その通り。私が持つことを許された能力は一つ。この腕力だけだ。故に私は勇者でなく戦士。
 私はこの力で、一体でも多くの魔物を倒し、いつか親父を超えてみせる」
「…わぁ…なんだか、尊敬しちゃいます」
「私からはこれくらいだな。今度は、貴殿らの話を聞かせてもらって構わないか?」
「ん?まぁ、そんなに込み入ってもいないし、目的くらいなら。俺たちは、魔王バラモスを倒すために旅をしてる」
「魔王バラモスを?むぅ、それは大層な。しかし、それがなぜこんなところに?」
「ああなに。単なる人助けのつもりで乗り込んで、牢屋にぶち込まれただけだ」
「それは災難だったな。………そうだ。貴殿ら、魔王のところに行くのなら、ネクロゴンドに行くのだろう?」
「…そうなる」
「あそこに行くためには、避けて通れぬ道がある。知っているか?」
「―――ああ。火山、だろう」
「…っ(ゴドー…)」

285 :YANA 39-2:2005/12/15(木) 19:28:32 ID:ja2BtHkE0
「うむ。今まであそこを越えようとして火口に落ちた者は数知れぬ。…だがな。
 そもそも火山を越えようという行為自体が間違い≠ネのだとしたら…どうする?」
「…なん、だと?…どういうことだ」
「火山を越えねばならないのは、川や岩山で、完全に道が閉ざされているからだ。…ならば、他に道があればよい」
「………」
「親父は、その道を作る道具を持っていた。…それを、ガイアの剣≠ニいう」
「…何が云いたい」
「…恥は承知。私一人で奴に引導を渡すのは確実とは云えん。いや、正々堂々一対一の戦いとなれば私だけで奴を倒す自信はある。
 だが、今の奴は仮にも王…人間の姿の奴を討つわけにはいかんのだ…」
「…つまり、俺たちに、そのお膳立ての用意をしろと」
「…お頼み申す。もし奴を倒し、親父の居所が分かればガイアの剣も見つかろう。それは貴殿らの役に立ててほしい」
「………」
「………ゴドー」
「…気に入らねぇ。何が気に入らねぇって、自分でことを始める前に人に頼ろうとする、その魂胆が気に入らねぇ」
「…ゴドー、そこまでいわなくても…」
「………いや、彼の意見は尤もだ。当然だ、私も今ほどただの戦士しかない自分の惨めさを感じたことは無い。
 …すまぬ、今のは聞かなかった事に」
「話は最後まで聞け」
「む…?」
「…気に入らねぇが…あんたの親父さんに免じて、一度だけ力を貸してやる。
 そうだな、あんたが奴と戦うまでに必要な材料、一つだけ揃えるのに協力しよう」
「む、真か!いや、それで十分だ、ありがとう」
「…もう。素直じゃないんだから」
「さて。さしあたって情報か。こういう面倒な道具絡みなら…気は進まんがあいつしかいねぇだろ」

286 :YANA 39-3:2005/12/15(木) 19:28:56 ID:ja2BtHkE0
 ・ ・ ・
「…ははぁ…成る程、事情は大体わかったわ」
「なにか、奴のイカサマを破る方法はねぇか、アレイ」
「あるわよ。…ラーの鏡ね」
「「「ラーの鏡?」」」
「うん。ラーの鏡は真実の姿を映し出す鏡。それでその王様を照らせば、変化は解けるはずよ。
 在り処は…えーと、それは、サマンオサの話なのよね?」
「うん」
「ラッキーね。サマンオサから南東、池の真ん中に洞窟があるはずだから、行って探して御覧なさいな。ラーの鏡はそこにあるはずよ」
「忝い、アレイ殿」
「んーん、いいわよー。丁度お店も軌道に乗り始めて、そろそろ知り合いに見せたかったところだからね」
「すまねぇな、何か見返りは…そうだな、ラーの鏡、用が済んだらおまえにやるよ」
「あらら、相変わらず律儀なのね。別にいいのに。…あ、いらっしゃーい」
 ・ ・ ・
「…目的ははっきりしたんで戻ってきたわけだが…」
「…あれ、エデンさんは?」
「それだ。…なんか、牢に入れられる前に隠しておいた武器を取ってくるとかなんとか…」
「?」

287 :YANA 39-4:2005/12/15(木) 19:29:22 ID:ja2BtHkE0
 ザッ
「いや、すまぬ、時間を掛けた」
「やっときt…!!?」
「?どしたのゴd…わぁぁっ!!!?」
「…?」
「…あんた。その馬鹿でかい斧は一体なんだ」
「これは私が愛用する魔神の斧≠セ。これを持って町を歩くと住人を驚かせてしまうのでな、
 普段はその町の人気の無い場所に隠しているのだよ。まともな腕力なら持つことも適わぬので、盗まれる心配も無い」
「…(いくらなんでも大きすぎだろ)」
「…(身長より大きいじゃない)」

『えー…母さん、かくして私たちは、エデンさんと協力してサマンオサの偽王打倒を目指すのでした。
 それにしても、この人、腕力がすごいとはいってましたが、ここまでとは…。敬具』

288 :YANA:2005/12/15(木) 19:40:05 ID:ja2BtHkE0
「瞬発力は天性のものだ」と、ある権威ある格闘漫画がいってました(ぇー

えー、期待されてる方がちらほらおられるようですが、一つ。
本シナリオ、個人的に滅茶苦茶気合入れて書いたつもりですが、終わって見るとちとグダグダ感が漂う結果になってしまいました…。
結構手直ししましたが、あまり過度の期待を抱かないようにしますとダメージ少ないかと思われます…orz

そしてシンシア…何だこの破壊力w
ツンデレのコンプレックス(ナイムネやら野良エルフやら)ってのがこんなに可愛いとは…いやぁ、使い方次第なんだなと痛感w

289 :だんご:2005/12/15(木) 21:02:02 ID:POzzdQ1r0
………う、ん……うう………なんで…………うぅ…………


あれ……わたしなんで……此処…何処…?
もう…勇者ったら…なんて顔…してるのよ………すぅ………


えーと、なに?
泥棒に騙されて泥棒呼ばわりされることになって、
その疑いを晴らすために、真犯人を捕まえなきゃいけなくなったってこと?
……全くもう、鼻の下伸ばしているからよ。
だったら、じゃあさっさ…え?仲間の誰かを置いてかなきゃいけない……?
や、やっぱりわた……………トルネコさん?
奥さんも子供もいるから、危険は犯させられないって説得したって……
其れ、全然説得になってないから。

何よ、わたしも付いてくわよ?もう元気になったし。
動いてない方が、身体が腐っちゃう。

判ってる。もうあんな事しないから。
でも………ううん、なんでもないっ!!!

290 :だんご:2005/12/15(木) 21:02:39 ID:POzzdQ1r0
もう!!なによ、この洞窟!!!
階段上がったり下がったり、直ぐ其処に宝箱が見えるのにぃーーー!!

え?探しているのは宝箱じゃなくて、泥棒………
ま、まぁほらっ。もしかしたらすっごい武器とか、
世界を救うなんかとか入ってるかもしれないじゃない。

え、っとぉ……トルネコさんには黙っておいてね?


ねぇ、もしかしてアイツ?

こぉらっ!!あんたのせいで、こーんな訳の判らない洞窟彷徨う羽目になったんだからっ!!
神妙にお縄に……ううん、実力行使よっ!!
みんな、こてんぱんにのしてやってーーーー!!

291 :だんご:2005/12/15(木) 21:04:45 ID:POzzdQ1r0
人質まで取って、結局の処信用されてなかったってコト?
アイツやっつけた途端、兵士が表れるなんて。
全くもう、失礼しちゃうわ。可愛い顔してえげつないんだから。
でもなぁ、鍵だけ寄越して仲間を出してあげなさいって、へーんなの。


うわ、なにこの鍵ッ。おもしろーい。
見てみて、ほら鍵穴に近づけるとね、うにょってなるのよ。
ほーらほーら、うにょ、うにょ、うにょ、う……

(パカン)

あいたっ。なにするのよー。勇者は面白くないのー?
え、トルネコさんが?……あー……、隅っこでいじけちゃってる………

292 :YANA 40-1:2005/12/15(木) 21:41:52 ID:1cM+X59B0
『拝啓 母さん、今私たちは、ラーの鏡があるという、暗くて深くて広くてとにかく陰気な洞窟の中にいます。
 今まで入ったどんな洞窟よりも空気が淀んでいて…なんだかいるだけで寒気がします…』

「食らえっ」
 ドカンッッッ
「ギィィィッ!!」
 カラカランッ
「「ギギギッ…」」
「…どうした骨野郎ども。お仲間の仇を討ちにこねぇのか?」

「ガァァァッ!」
「………憤ッ!!」
 ブオンッ、ズンッッッ
「ガ…」
 ズシンッ
「…ここにはガメゴンが生息するのか。だが、例えぬしらの甲羅だろうと、我が魔斧までは防げぬぞ」

『そんな中、全く動じないで獅子奮迅の大暴れをする怪物達(すごいひとたち)が約二名…』

“………”
「…?どうしたアリス。顔が見えねぇが、不機嫌そうだな」
“…わかってんじゃない。どこの世界にこんな猫のぬいぐるみ着せられて喜ぶ女の子がいるってのよ”
「見た目よりずっと防御力高いぞ、それ。拾い物にしては上等だ、暫く辛抱しておけ」
“…はぁ。まぁそれはいいけど。どうするのよ、ここ、回れるところは全部回ったけど、鏡なんて見つからないじゃないの”
「ふむ。確かに。フロア全体に置いてある宝箱は、全て魔物か、ラーの鏡とは関係ない道具ばかりだった」
「アレイが偽情報を掴ませるとも思えん…なにか見落としがあるはずだ」
“…うーん、こういう時は…”

(…足でいけるところは…ねぇ)
(落ちないと行けない場所に…)

293 :YANA 40-2:2005/12/15(木) 21:42:20 ID:1cM+X59B0
“そうだ!”
「ん、どうしたアリス。…しかしその格好だと緊張感ねぇな」
 ボガッ
「ぐは…」
“誰のせいよ、誰の。それより、ほら、ガルナの塔の悟りの書のこと、思い出して!”
「?」
「あん?…ああ、例の、実はロープから落ちねぇと見つからない場所にあった、ってやつか?………あ」
“そう。あれ、もしかしたらここにも同じことが云えるかも知れないわ”
「む…確かに。可能性は否定できん」
「どういうことだ、ゴドー殿」
「ある宝を探してるとき…その宝は高所から飛び降りることでしか行けない場所にあった、という前例があってな。
 今回も、それなんじゃねぇかって」
「ふむ。成る程」
“じゃあ早速、それっぽい穴を探しましょう!”
「よし。…しかし、ほんっとに緊張感がねぇな」
 バキッ
「ぐえ…」
 ・ ・ ・
 〜一時間後、サマンオサ〜
「…灯台下暗し、であったか」
“まさか、あのフロアに降りてくる階段のすぐ横にあったとはね”
「だが、あんな窪みに穴とは、何の嫌がらせだろうな…分かりづらいにもほどがある」
「無事鏡は手に入ったのだ。良しとしよう。…ありがとう、ゴドー殿。貴殿の協力なくして、ここには辿り着けなかった」
「ああ、いいよ。約束だしな。…だが、ここから先はあんたの仕事だぞ」
「承知。貴殿は宿で吉報を待つなり、我が仇討ちの見物をするなりしていてくれ。必ずや奴めを討ち取ってみせよう」
 あ、みてーママ。猫さん〜。
 ホントね。ほら、猫さんにバイバーイって。
 バイバーイ!

294 :YANA 40-3:2005/12/15(木) 21:42:44 ID:1cM+X59B0
“………ねぇゴドー。あたし、いつまでこの格好してなくちゃいけないの?”
「………いや面白いから暫くそのm」
 メキョッ
 ・ ・ ・
「…おまえ、もしかしてもう俺より強くなってねぇか?」
「…あんたが馬鹿なだけでしょ。もう…」
「ふむ。なかなか心が和む衣装であったが。残念だ」
「エデンさんまで…」
「それにしても…私は正直、羨ましいぞ。貴殿らのように息のあったコンビは、そういるものではない。
 私にも、親父やゴドー殿のような人望があったのならな」
「え?そ、そんなことないですよ、今までのあたしたちの喧嘩、見てなかったんですか?」
「ふふ、年長者として助言をしておこう。喧嘩と戦いは、仲がいい者たちのするものだ。
 ―――仲が悪くて始まるのは、手段選ばぬ戦争≠セ」
「「………」」
「その点、貴殿らはお互いの線引きをよく心得ている。理想的なパーティだ」
「…誉め言葉として、受け取っておく」
「いや、世話になっておいて説教が過ぎたな。…さて。私は今夜の決行に備えて、少し外で牙を研いでくるとしよう。
 貴殿らは先に、宿をとっておいてくれ」
「ああ、わかった」

295 :YANA 40-4:2005/12/15(木) 21:43:09 ID:1cM+X59B0

「ねぇ。前から気になってたんだけどさ。あんたって、普通に喋る人と敬語を使う人ってどうやって区分してるの?」
「はぁ?…なんだ、そんなこと訊いてどうするんだ」
「別にどうも。ただの興味本位。…えっと、王様や、会ったばかりの時の船長さんは敬語でしょ。
 で、エデンさんや…アレイやあたしにはタメ口…一緒に戦う人には、タメ口?…あれ、でもランシールの神官さんもタメ口…???」
「簡単だ。一応、俺なりの拘りでな。…ハナっからこっち側≠フ人間にはタメ口。そうでない人間で、目上の人は敬語。それだけだ」
「こっち側=H」
「そう。魔王・魔物と戦う、或いはそれに直接加担する使命を背負った奴らの世界=c勇者やその仲間、その試練を司る人間は、
 それに属する。で、そんな使命とは無関係、ないし直接使命を背負ってねぇ、国の王様や雇われ船乗りさん方には、敬語」
「…あぁ」
「いってみれば単純な線引きさ。…お互いに命を預けあう間柄で、変な垣根を作りたくねぇんでな…俺の都合ではあるけど」
「ふぅん。なんだ、ただの一匹狼かと思ったら、色々考えてるんだ」
「そうでもねぇさ。…本音は『おまえや俺の生きる世界は、言葉遣いなんかでまごまごしてるほどのんきな世界じゃねぇぞ』
 っていう、俺なりのささやかな主張なんだからな」
「…前言撤回。やっぱりあんた、自分勝手だわ」
「何を今更。…ほら、俺たちはさっさと宿を確保しに行くぞ」

『母さん、今夜はいよいよ、エデンさんの敵討ちです。…って、私が気合を入れても仕方が無いのですが…。敬具』

296 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/15(木) 23:51:53 ID:jH6Yg54IO
アリスがまたツン気味でたまらん…
顔が見えないが不機嫌ワラタ

297 :だんご:2005/12/17(土) 12:34:03 ID:hOoen9m40
ふーん、其れが天空の盾かぁ。
天空の装備って、どれもキラキラして綺麗だね。
……なんで離れるのよ………
良いじゃない、持たせてくれたってっ!
今度は腕が折れるー!?何よっ、わたしはそんなに非力じゃないもんっ!!
……そりゃあ、ちょっとはか弱いかもしれないけどさ……
良いじゃない、ちょっとくらい……ゆうしゃの意地悪っ!べ〜〜っだ!!


なーによ。あんな辺鄙な小島になんか良いものでもあったの?
……なにそれ。天罰の杖?え、わたしにくれるの…?
色気も何もないなぁ。まぁいいわ、くれるってならもらっといてあげる。
感謝なんてしないからね。

………まだあるの?
何よ、なんかあるなら、モジモジしてないでさっさと渡しなさいよ。
…………其れ、金の髪飾り…?
ガーデンブルクで買ったって……だ、ダメよ、そんなの貰えない…………
ちょ、そんな無理矢理……あ、ゆうしゃ!!

(タッタッタッタ……)

行っちゃった…………
受け取るとも云ってないのに、押しつけちゃって………
バカね、普段帽子脱げないのに、こんなのいつ付けろって云うのよ………

…へへ、えへへ……へへへへへ………う、うう…うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ………………

298 :だんご:2005/12/17(土) 12:35:35 ID:hOoen9m40
凄かったねぇ、あの変な石。まさか、滝の流れを止めちゃうなんて。
まー、船で入れる洞窟ってのも凄いんだけどね。


ちょ、ちょっと、此処の魔物少し強くない?
いや、別にわたしが戦ってる訳じゃないけどさ。
……気をつけてね?
ち、違うっ。心配してる訳じゃ無くて……、
ほ、ほら、やられちゃったら、わたしとか船の人とかが危ないじゃないっ。
ね、そういうこと。そ、そういうことにしておきなさいっ。


ねぇ、この鎧って………どっかで見たことあるような………
あ、そうだっ!!アネイルで見た英雄リバストの鎧よ!!
彼処のは、形こそ立派だったけれど偽物だった。
きっと、此が本物よ。そうよ、思い出した。リバストの霊は天空の鎧って云ってた!!!

でも、天空って名前の付くものって、ホントキラキラして綺麗ねぇ。

(カシャカシャ)

……ちょっと、勇者なに身につけようとしてるのよ。
わたしが変な気を起こす前に………
いいじゃないっ!!別にちょっとくらい着させてくれたって!!
其れの何処が変な気よっ!!
意地悪ばっかりしてると、天罰くらわせるわよっ!!!

299 :だんご:2005/12/17(土) 12:51:44 ID:hOoen9m40
ちょっと読み返してみたら、最初からちょっとキャラ変わってね?とか、
泣きすぎだよねとか、情緒不安定だよとか思ったけど(゚ε゚)キニシナイ!!

そういやサマンオサの洞窟にぬいぐるみ落ちてたんでしたね。
苛ついてる猫さん(*´Д`)ハァハァ

300 :だんご:2005/12/17(土) 12:57:00 ID:hOoen9m40
恥ずかしい展開になったのは、きっとかいちょーたちのせいだ。

301 :YANA 41-1:2005/12/17(土) 15:35:03 ID:D2ilvYtl0
「親父。次の稽古は、いつつけてくれるんだ?」
「…エデンよ、すまんな。今度の旅は長くなりそうでな。…もしかしたら、もう家には帰らぬかも知れん」
「………」
「おまえは、もう戦闘に関して私が教えることは無いほどに強い。ついぞ呪文の力は開花せなんだが…
 その比類なき力は、既に私の力量を超えている」
「…そうだろうか。だが私は、それでも貴方という人間には遠く及ばないと…そう考えている」
「ふふ…そうか。だがそれに気付いているのなら、いずれおまえの中の私を超えられよう。…よいかエデン。慢心だけはするな。
 いかに戦士といえど、力だけでは何者にも勝てんぞ」
「…御意」
 ・ ・ ・
「(親父。見ているか。…今夜私は、貴方の無念を晴らす。そして…今日こそ貴方を…)」
 ズンッ
「…超えていく」

「…行ったか」
「うん…ねぇ、本当に、見に行かなくていいの?エデンさんの決闘…」
「仕方ねぇさ。…相手があいつの親父さんの仇で、あいつが一人でやるといって、それに協力した以上、あいつを信じるのが礼儀だ」
「…なによ、エデンさんに頼まれた時は散々不機嫌そうに振舞ってたくせに。
 じゃあ最初から、エデンさんの敵討ちを手伝うつもり満々だったわけ?」
「ん?いや、あいつの魂胆が気に入らなかったのは本当だ。…ただ」
「ただ?」
「…ただ、子供が父親の敵を討つ…それがどういう過程を経て、どういう結果を迎えるか…興味があった」
「…ん、そっか。………なんか。変わったよね、あんた」
「…そういう、おまえもな」

302 :YANA 41-2:2005/12/17(土) 15:35:29 ID:D2ilvYtl0

「………」
 あーん!おとーさーん!!
「…(む…)」
 …義父さん、やはり、この国から引っ越すしかないんでしょうか…。
 …ふぅむ。一家全員でいつ処刑されるとも分からぬ今…それも已む無し、かのう…。
「…(…気の毒にな。だが、私の戦いに雑念は不要。戦士として戦い、奴を両断するのみ…!)」

「…今日は、何人処刑されたっていったっけ」
「宿屋のおじさんがいうには…三人だって」
「………そうか。…だがそれも、今日で終わらせないと、な」
「終わるわよ、きっと。エデンさんなら、負けないわ」
「だと、いいが…」

 ガタッ…
「…むにゃむにゃ…誰じゃ…用があるなら明日にせい、明日に…」
「…偽りの王よ。残念だが、貴様に明日は無い」
 チャッ
「…むぅ?…!!」
 ボワンッッッ
「変化が…!?貴様…見たな…!?」
「トロールの変異種か。いざ尋常に勝負ッ!」
「くく…何者か知らぬが、見られた以上は生かして帰さぬぞ!!」

「…あれ?何よ、道具袋の中身広げちゃって」
「…ああ。準備だよ、準備」
「?なんの?」
「なんのって…エデンが仇討ちに失敗したら、次は俺たちが偽王をやる番だろ。
 …おまえまさか、そもそも何で俺たちがわざわざ牢屋に入れられたか、忘れたわけじゃないだろうな?」
「う…(しまった…エデンさんのことで頭一杯だった…)」
「あいつが死のうが、偽王を倒すことに変わりは無い。

303 :YANA 41-3:2005/12/17(土) 15:35:58 ID:D2ilvYtl0
 それはただ、あいつの仇討ちが未遂に終わるだけの話…俺たちの目的は、微塵の変更も無い」
「…そう。割り切ってるのね」
「…なんだ、いつになく反応が大人しいな。軽蔑したか?」
「ううん、逆。…それってつまりさ。エデンさんが最後の結果を出すまでは絶対手を出さない、ってことでしょ?
 喧嘩っ早いあんたが、赤の他人の為に自分の目的を遅らせるなんて、滅多に無いもん」
「………」
「最近わかってきたけど…あんたって、根っこのところですごく優しいのよね」

 ガインッッッッ                ドンッッッ
「雄雄ッッッ!!」
「ぬぅぅぅっ!」
 ズガンッッ
「はぁ…はぁ…はぁ…(こやつ…本当に人間か…俺様とまともに打ち合う力…食らえばただでは済まぬ…!)」
「…(見た目より、素早い。それに技量もある。…魔神の斧で葬るのは容易でないな…ならば!)」
 スッ
「ぬ…剣だと?ふん、その巨大な斧では俺の動きについて来れんと踏んだか、腰抜けめ」
「そう思うか」
 ビュンッッッ
「!?」
 ズパンッ、パラパラッ
「…な…(城壁が…切れた!?)」
「我が豪腕から繰り出される斬撃は、得物がただの剣であろうと、当たれば必殺の一撃。
 純粋な破壊力は斧に劣るが…貴様程度の体躯であれば、一刀の下に二つの肉塊を作り上げて見せよう。―――次は当てるぞ」
「く…(冗談ではない…こんな人間がいようとは…む?しかし待てよ?…威力こそ段違いだが…今の剣の動き、どこぞで見覚えが…?)」
「…貴様を両断する前に、一つ尋ねる」
「ぬ…」
「…勇者サイモン。我が父を、どのように裁いた」

304 :YANA 41-4:2005/12/17(土) 15:36:23 ID:D2ilvYtl0

 パリンッ
「きゃっ…」
「………」
「…ごめん。…でも、おかしいな、カップには触ってないはずだけど…」
「…アリス。出かける準備をしろ」
「え?」
「…どうも嫌な予感がする。偽王のところに行くぞ」
「は?へ?」
「俺の勘は当たる。急ごう」
「え、あ、待ってよ!」

「…勇者サイモン。我が父を。数年前、この土地に訪れた男を、どうした」
「…勇者…サイモン…?」
「………」
「…!!(そうか…あの太刀筋…あの男の…!見覚えがあるはずだ!…こやつ、彼奴めの子せがれ…くくく、これは使える!)」
「どうした。最後の言葉を残すチャンスを与えてやっているのだぞ」
「うむ…よかろう。教えてやるぞ。…奴がここを訪れたのは五年前…そうだ、確か…ロマリアの北東、湖の牢獄に、
 島流しの刑に処したのだ…」
「…うむ。結構。武人として、戦士としてのせめてもの情けだ。楽に殺してやる」
 スッ
「…くく…楽に殺す…か」
 ゴソゴソ…
「―――それは、どちらのことかな?」
「…なに?」
 ボワンッ
「!!っ」
「終わりだ。散り際は無様であったな、息子≠諱v
 ゴッッッッッ

305 :YANA 42-1:2005/12/17(土) 15:52:32 ID:D2ilvYtl0
「ふぅ…暗殺者にでもなった気分ね」
「似たようなもんだ。この塔を飛び降りたら…奴の部屋は近いぞ、気を引き締めろ」
「うん」

「…(…なんたることだ…)」
「人間の甘さよな。少し肉親の姿をちらつかせただけで、決定的な隙を自ら露呈する…。
 そうか…兵士がサイモンめのことを嗅ぎまわっている男を捕らえたと云って来たことがあったが、貴様であったか」
「……(体は…駄目か。かろうじて頭部が自由になる程度か)」
「…冥土の土産だ。最後にいいことを教えてやる」
「…む…」
「貴様の父…サイモンは、五年前、貴様のように俺様の寝込みを襲ってきた。だが彼奴めは貴様ほど強くは無くてな…
 少しばかり痛めつけ、城の下に放り出して、暗殺に忍び込んだが足を踏み外した間抜けに見せかけ…島流しにしてやったのだ」
「………」
「しかし滑稽よな。貴様は俺を凌駕する力を持ちながら…今度は父には無かった甘さが災いして、仇討ちに失敗する」
「………」
「そうそう。…何をやったか知らぬが…俺の変化を解いたのは失敗だな。いざ尋常に…か。なんたる甘さ、反吐が出る。
 貴様の父は、そのような甘さは持ち合わせなんだ。…民の平和のため、などと叫んで、正体を現す暇も与えず俺を討ちに来た」
「………(…馬鹿者め…)」
「まぁ変化を自ら解く前に俺を倒しきる能力は、彼奴には無かったわけだが。
 貴様に父と同じ非情さがあれば或いは討てたかも知れぬのにな。無念よなァ、ぐははははっ!」
「………(馬鹿者め…結局…民の平和など微塵も考えず…一対一なら勝てると慢心し…親父の仇討ちに執着した結果が…この始末か…)」
「さぁて…そろそろ満足だろう。最後の一撃をくれて」
 ドンッッ
「…!」
「ちょっと、扉蹴破らなくても………えっ!?」
「…む?なんだ、仲間がおったのか」
「………」

306 :YANA 42-2:2005/12/17(土) 15:52:55 ID:D2ilvYtl0
「エデンさんがやられて…?それに…え?誰?あの人…?なんなの?何が起こってるの?」
「…ちっ。予感が当たりやがった。…アリス。あいつが偽王だ。そして今の姿は…おそらくは、エデンの親父」
「え?…じゃあ…あの人がサイモンさん…?」
「いや。変化の杖、だろう」
「あ………」
「その通り。貴様はこの木偶の坊と違って頭が回るらしいな」
「………」
「こやつ、戦闘能力であれば俺様をも凌駕しようというのに…心の方はまだまだだったようだな」
「………」
「いや、しかし咄嗟の反応は見事だったな。この姿を見たことによる動揺はほんの一瞬、
 かろうじて痛恨の一撃を急所に受けるのを避け、あまつさえ俺様に返しの一撃を入れようとしてきおった」
「………」
「だが一瞬で十分だ。必殺は避けたとはいえ、こやつはもう虫の息、今しがた止めをくれてやるところ…」
「―――おまえ、ちょっと黙ってろ」
「!………っ(…馬鹿な…俺様が気圧されるだと…!?)」
「………よう。みっともねぇ格好だな。どうだい、自信たっぷりだったタイマンで負けた気分は」
「な…ゴドー、そんな言い方」
「悪い、アリス。少し、話をさせてくれ」
「…ゴドー、殿か。…いや…申し開きの…言葉も無い…斯様な失態を晒すことになるとは…」
「笑い話だな。意気込んで乗り込んだはいいが、いざ戦いとなると詰めを誤って、父親の姿を見て形勢逆転…ってところか」
「…ははは…まったくその通りだ…」
「…どうする。まだ、あいつを討つ気はあるか?」
「…ゴドー殿」
「ん?」
「…貴殿は、人助けの為に、この城に乗り込んだといっていたな…」
「…ああ。あんまりこの国の人たちがしけた面してるんで、どうにかしてやろうと思ってな」
「…そうか。…やはり、貴殿もまた勇者であったか」

307 :YANA 42-3:2005/12/17(土) 15:53:19 ID:D2ilvYtl0
「…何?」
「…私は、勇者である親父を超えたかった。この瞬間まで、ずっと。…敵討ちであると同時に、それ故に親父を殺した仇を倒そうとした。
 …だが昔、私は親父に、私の力は既に自分を超えている、と。そういわれたことがある」
「………」
「だが、私はどうしても親父を超えた気がしなかった…親父は、俺がそれに気付いているのなら、いつか自分を超える日が来る、
 と…いった。…今なら、私になくて親父にあったそれが…分かる気がする」
「………」
「…親父の人望。勇者の称号。それはつまり、民を、人々を思う心だったのだな。
 親父の力に追い縋ることで、いつか親父のようになれると信じていた私では…辿り着けぬはずだ。
 私は親父を超えるのなら…何をおいても…民の平和のため、まずは奴を討たねばならなかった…」
「…だとしても、これはあんたの意思で出した結果だ。…それで?ここからのあんた≠ヘどうしたいんだ」
「―――ゴドー殿。…今一度。私の為に力を貸して欲しい…」
 …ポタポタ…
「今度は…復讐のためでも…無念を晴らすためでも…まして親父を超えるための踏み台としてでもなく…。
 …父のように!ただ民の平穏の為に…!!」
 ポロポロポロポロ…
「…エデン、さん…」
「我が体はもう動かぬ…最後まで、何一つ自分一人では達成できなかったこの時まで…
 …己の精神の未熟に気付かなかった愚かな私の…代わりに…!」
「―――わかった。暫く休んでろ。すぐ終わる」

「念仏は終わったか。どうした、そいつを治療して三人で掛かってこんのか?」
「知るか。こいつの戦いはここで終わりだ。…今度は俺たちが相手だ」
「かかか!そうか、人間にも貴様のような非情な人間がおるのだな!愉快よの!」
「…アリス」
「…なによ」

308 :YANA 42-4:2005/12/17(土) 15:53:55 ID:D2ilvYtl0
「ごめんな。今回の失敗、俺があの野郎の寝込みを問答無用で襲えば…未然に防げた。…俺は、勇者失格かも知れん」
「…何云ってるの。あんたは、ただエデンさんの仇討ちに協力しただけ。あいつが、こんなこと汚い真似なんてわからなかったし。
 …それでもあんたが、これを失敗だと思うなら…後であたしが叱ってあげるわ」
「………そう、か。ありがとうアリス。…おまえが相棒で、よかった」
「〜〜〜(/////)も、もう…そんなこといったって何もでないわよ。それよりほら、来るわよ」
「ああ。…俺が次におまえの名を読んだら…ありったけの補助呪文を俺に掛けてくれ。…それがゴングだ」
「わかったわ」
「さて、始めるか人間ども」
「その前にいいか、バケモノ」
「ぬ?」
「…おまえ、何でその姿をとった?」
「おかしなことをいう。己の命が掛かっているのだ、確実に勝てる手段をとるのは当然だろう。
 …ふん、そうか。貴様もアレか。人間お得意の、卑怯だ何だのをいうつもりか」
「いや、別に。俺たち人間の道徳を、おまえら魔物に強要する気はねぇ。それに、俺がおまえでも多分そうする」
「ふふん、貴様は人間にしてはなかなか話が分かる奴ではないか」
「ただ実際。俺は、おまえがその手段を使わなければ、本当にエデンが殺されるまで手出ししないつもりだった。
 一応、正々堂々の勝負があいつとの約束だからな」
「屁理屈を。何がいいたいのだ?」
「…そうだな。無駄話の方はこの辺りで止めだ。…いい加減、おまえにその格好でべらべら喋られるのも我慢できねぇ」
「?なにをわけのわからんことを」
「最後だ。訊く事と教えてやることが一つずつある」
「???」

309 :YANA 42-5:2005/12/17(土) 15:55:28 ID:D2ilvYtl0
「…おまえ、エデンの反撃を食らいそうになったといったな。それは、どの辺りにだ?」
「ぬ…肩から腰に掛けて袈裟懸けだが…それがどうした、小僧」
「…やっぱりな。気づいてやがらねぇ」
「?どういうことよ、ゴドー」
「…おい化け物。おまえ、ちょっとそこから動いてみろ」
「なんだと……………?……ぬ…く…動かん…?…何故だ、何故動かん!!?」
「人体に精通した武芸者なら、よく見れば分かるんだが…多分、おまえの足の神経、あいつの反撃でズタズタだよ。
 今はかろうじて、骨と筋が均衡を保って立ててるようだけど。…早すぎる斬撃は、痛みを感じないんだぞ。知らなかったか?」
「…ぬぅ…馬鹿な…」
「それが一つ。…もう一つ、教えてやることはな。
 …さっきいっただろ。俺がおまえでも、相手が動揺する肉親の姿をとるって」
「…それがどうした」
「…けどな。俺はもしやるなら、やった相手とその仲間から、どんな仕打ちを受けて殺されても文句をいわねぇ覚悟をする。
 それくらい、この戦法は道を外れてる…」
「ふん…粋がっておいて、結局は俺を罵る気か」
「いやだからよ…勝ちに準じたおまえは正しいよ。…ただ、それをやられた人間がどんな行動に出るか。
 そこまでの覚悟を、おまえはするべきだったということだ………アリス!!」
「!スカラっ!!」
 ミシッ

「…硬度」


310 :YANA 42-6:2005/12/17(土) 15:56:07 ID:D2ilvYtl0
「!?…な…何を…?」
 カチッ
「星降る腕輪…」
「ピオリムっ!」
 ミシミシッッ

「…速度」

「…な…」
「バイキルトっ!!」
 ミシミシミシッッッ

「………重量」

「な…ちょ…ま…」
 シュゥゥゥゥゥッ
「ふぅ…って、あれ?…!!ゴドー、まさか…!!」

「―――思い知れ。てめぇは、骨も残さねぇ」

「あ、ひ、ま、待ってくれ、たの…」

               パアアアアアアアアァァァァァァァァンンンンッッッッッッ

311 :YANA :2005/12/17(土) 16:08:08 ID:D2ilvYtl0

ゴドーぶちぎれ。こいつはプッツンすると静かにキレます(普通に怒った場合は怒鳴ったりもしますが)。
でもこの先、どんなにキレても怒りに任せて覚醒とか謎パワーアップなどの、超展開だけはしません。ご了承をw

で、お気付きの方もいるかと思われますが、最後のこれは例のあの攻撃です。
っていうか、どうしてうちの勇者は、ボス戦になると気がついたら素手になってるんだろう…orz


312 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/17(土) 16:53:02 ID:Mg7tyukJ0
素手勇者かっこいいっス。
今回もおもしろかったです。
燃える展開ですね〜。

313 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/17(土) 21:26:11 ID:V3wWUQYrO
変化の杖がこういう使われ方をするとは…
サイモンとエデンと勇者の対比も面白かった

314 :だんご:2005/12/17(土) 21:45:08 ID:hOoen9m40
………この先にかつて魔族が住んでいた村が……ロザリーヒル…………

ううん、なんでもなーい。
と、ところでどう…?に…あ、ってる?
……や、やっぱりヘンだよねっ。わたしになんか似合うわけな……い?

……何云ってるか判らない………って?
あのねっ!!勇者がくれたでしょっ!!此っ!!無理矢理握らせてっ!!
折角付けたのにっ!!なんで肝心のあなたがスルーしてるのっ!!
今更似合うとか可愛いとか云ってもおそーいっ!!
天罰じゃーーーーーっ!!

(ブォォォォォォォォ……ドサ)

ふん、いい気味よっ。
………貰ったときは云いそびれちゃったけど……ありがとね。

315 :だんご:2005/12/17(土) 21:45:59 ID:hOoen9m40
夢の通りなら、其処で笛を吹けばいいのね。
ほら勇者、早くやってみなさいよ。

(ピーピロリーピロリー)

あ、あんな処に階段が。ほら、早く行ってみましょうよ。

まぁ簡単に辿り着けるとも思ってないけど……。
あの玉のから光が……何?
静寂の玉?知ってるの、ミネアさん。……呪文を、封じる?
ちょっとそれじゃあ!!


大丈夫?どっか怪我無い?もう呪文使える?
し、心配なんかしてないよっ。してないんだからっ!!
して無いったらしてないっ!!

(ボカッ!!)

あ……………ちょ、大丈夫!?

316 :だんご:2005/12/17(土) 21:46:52 ID:hOoen9m40
ロザリーさん………やっぱりあなたもエルフだったのね………
わたしも見ての通り、ね?

そう……此処にいるのはデスピサロが、
まだピサロだった頃に助けられてなのね。人間の…………エルフ狩りから。

ゴメン、後の話はみんなで聞いていて。
わたしはちょっと外で風に当たってくるから……


判っていたこと………判っていたコトじゃない………
わたしたちが世界に出たらどうなるのか………
きっと、だからデスピサロは………でもだからって………

(ガサッ)

…………人間……?

いや……来ないで………やめて…………
……来ないで……近付かないで………お願い……もういや…もういやなの………
…あんなことは……こないで………たすけて………

317 :だんご:2005/12/17(土) 21:50:11 ID:hOoen9m40
注:18禁展開ではありません。

誤解されそうなので、一応補足してみました。
つうか、わたしなら絶対そう思うし。

サマンオサ編GJでした。
燃え展開良いなぁ燃え展開。戦闘シーンウラヤマシス。

318 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/17(土) 22:00:44 ID:Hp3M4f4rO
ヒント:殺すついでの強姦なんてリアルの紛争でも行われてる

319 :だんご:2005/12/17(土) 23:15:05 ID:hOoen9m40
(ドカッ)

……いやなの……もうあんなことはいやなの……

ひっ!!いやだぁ!!たすけてっ!!たすけてっ!!ゆう………
ゆうしゃ……?ううぅぅぅぅぅ……うわぁぁぁぁぁん、怖かったよぅ……

うん、大丈夫……ありがと………
何もされてないよ?ほら、見たら判るじゃない。まだ触れてもいなかったんだから。
でも来るのがあとちょっと遅かったら、どうなってたか…どうなってたか……
…ありがとう……

いや、絶対外さない。せめてこの村にいる今だけは着けるの。
折角貰ったんだから……は、はねぼうしだって大切にしてるよっ。
でもね、でも……ちょっと、無理に引っ張らないでよっ。
え……離れるなって……?ま、まも、守っ………
………わかった。離れないで、くっついてる。

(ギュッ)

320 :だんご:2005/12/17(土) 23:17:00 ID:hOoen9m40
色んな意味で誤解をまねくっぽい&キリが良いので、一つだけ追加。
狙ったタイミングで現れるのがヒーローなのです。

321 :だんご:2005/12/18(日) 23:32:40 ID:zo8DTWW+0
墓荒らしまですることになるなんて……
うん、判ってる。必要なんでしょ、その変化の杖とやらが。
勇者のやるコトじゃないと思うけどねー。
え?お墓を荒らしてこそ真の勇者?
そんなこと誰が云ったのよ………。


なんか出るかなぁ、呪われないかなぁ………
は、離れないでね…。こ、怖い訳じゃないのよっ。
約束したじゃない……だからちゃんと守ってよねっ。

こんな処でも魔物は、変わらず現れるのね……。
アイツらはお化けとか怖くないのかなぁ……。

(ドン)

きゃ、ちょっと勇者、押さないで………あれ、そんなに急いで何処行くの………

(キュキュキュキュキュキュキュキュキュ)

って、ええ!?これってまさかわたしが動いてるっ!!?
ちょ、待って!!なんでこんな目に………たすけろーばかゆうしゃぁぁぁぁーー………

322 :だんご:2005/12/18(日) 23:33:44 ID:zo8DTWW+0
もうなんでこんな処で独りぼっち………
離れるなって云ってくれたのに……守ってくれるって云ってくれたのに……
あっ!でもそう云われたことが嬉しかったんじゃなくて、約束したんだから……
…………ハァ、独りでなにやってんだろな、わたし。

(ガサガサガサ)

な、なに!?まも……の?
なに此奴……弱そう。ヘラヘラしてるし、ピカピカしてるし。
よーし、天罰を食らえーーーー!!

(ブォォォォォォォォーーー)

げ、全然効いてない………

(ゴゥ)

きゃあ!!呪文唱えたよっ!!呪文!!
あんななんにも考えてなさそうな顔してギラなんて。動きも素早いし………
こうなったら……おじいちゃんに借りたまま返してないどくばりでッ!!

(ドシュ)

やったやったっ!!倒した、すっごーい!!わたし強い!?実は強い!?

323 :だんご:2005/12/18(日) 23:34:27 ID:zo8DTWW+0
(ガサガサガサ)

あの魔物に変わってみたけれど、硬いし素早いしで良いわね、此。
早くみんなと合流しなきゃだけど……また変な床ばっかりで良くわかんないよ。
もぅ、勇者のヤツ見つけたらとっちめてやるんだから………。

(ガキーン バゥ)

あ、あっちから物音がする……きっと勇者たちだっ!!

(ドスーン)

戦いが終わったみたい………やっぱり勇者だ!!

おーい!!やっと見つけたっ!!なんて事してくれるのよっ。
わたしを動く床に押し出すなんt………………
みんな、なに血走った目でわたしを見てるの………?
ちょ、アリーナさん!!キラーピアスって本気ッ!!??

もうっ!!なんでわたしばっかこんな目にばっかりーーーーーーー!!

(ズザザザザザ)

324 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/19(月) 00:32:16 ID:Wx7KijURO
ワロスwwww

325 :YANA 43-1:2005/12/19(月) 18:26:15 ID:WKWoLsvc0
「…すげぇな。何やったらこんなんなるんだ?」
「王様に化けてた魔物の死体、木っ端微塵に吹っ飛んで原型跡形も無いんだって?なんかすごい魔法でも使ったんじゃないか?」
「いやぁ…それが、壁や家具なんかには血飛沫が飛び散りまくってるだけで、爆発の焦げ目とかの跡はないんだよ」
「はぁ?…じゃあ、単純な力でこれか?…まさかぁ、外壁に風穴開いてるんだぜ?どんなくそ力だよ…」
 ・ ・ ・
「いやすまなかったな。…変化の杖を奪われ、何年も国民を苦しめてしまった…貴公らには、なんと礼を言ってよいか」
「いえ、いいんです。これも勇者の役目ですから」
「本当に、ありがとう。…ところで、勇者殿と、サイモンのせがれ殿はいかがなされたのだ?」
「あ…あ、すいません。あの二人は、昨日の魔物との戦いで負った怪我の治療の為に、宿屋で絶対安静なんです」
「むぅ…それは残念だ。直接会って、礼をしたかったのだが」
「二人には、私の方から伝えておきます」
「おお、よろしく頼む。そうだ、せめてもの礼に、この変化の杖を貴公らの役に立ててほしい。どうか使ってくれ」
「ありがとうございます、王様」
 ・ ・ ・
 ガチャッ
「ただいま…」
「おう、おかえり。早かったな」
「………はぁ。相変わらずね、あんたは」
「…なんだよ。これ≠フことなら、昨日散々謝っただろ。まだ怒ってるのか?」
「別に。…でも、本当に何とかなるんでしょうね。いくら賢者になったあたしでも、『完全に無くなった右腕』なんか治せないわよ」

『拝啓 母さん、決着は、つきました。
 エデンさんの敵討ちは失敗に終わり…最終的に、王に化けていた魔物はゴドー(と私)が倒しました。
 ですが…その時の攻撃で、ゴドーの右腕は吹き飛んでしまいました。それというのも…』

326 :YANA 43-2:2005/12/19(月) 18:26:59 ID:WKWoLsvc0
「…二度とやらないんじゃなかったの?あの攻撃は。…おまけに今度はバイキルトとピオリムの駄目押しつき。耐えられるわけないわ。
 そりゃ受けた相手は跡形もなく吹き飛ぶけど、あんたの右腕まで吹き飛ばしてどうするのよ」
「だから悪かったって。…ああ、うん、一応、何とかする方法はある。…凄まじく気が進まんが」
「なんだか知らないけど。そんなに気が進まないなら、何でそれをしなくちゃいけないような攻撃したのよ?
 あんたなら、こうなることくらいわかってたでしょ?」
「…ん、俺も、久々にキレて、つい見境がなくなってた」
「はぁ…あんたがキレると何するかわからないってことはわかったわ。…でもあんた、なんであんなに怒ったの?
 確かに卑劣なやり方だったけど…いつも冷静なあんたがあんな真似をするなんて」
「…いうなよ。俺だって、ちょっと自己嫌悪なんだ」
「?」
「…なんだろ。多分…俺と違って、エデンはちゃんと親父を尊敬して、親父の背中を追いかけてた…そんな何でもない、
 どこにでもある親子の関係をあんな風に利用されたのが、トサカに来たんだろ、きっと」
「………なんだか曖昧だけど。ま、そういうことならあたしもこれ以上何も言えないか。
 あーあー、あたしはあんたをキレさせないようにしないとね。こんなことがまたあったらたまんないもん…」
「(…昨日俺の右腕がないのを見て大騒ぎしてたくせに、治ると分かったらよく喋る…)」
「ところで、エデンさんは?もうあたしの呪文で傷は治ってると思うけど…」
 ガチャッ
「…む。アリス殿。帰っておられたか」
「あ、おかえりなさい。でも、安静にしてなくちゃ駄目じゃないですか。まだどこか傷んでるかもしれないんですよ?」
「申し訳ない。だが…」
「ああ、アリス。多分、俺のせいだ」
「?」
「俺が、この右腕の治療に金が掛かるって口を滑らしたら、『金を工面してくる』っていって飛び出してな…俺は止めたんだが」
「何を申される。私の失態のせいで、貴殿が今後の人生でそのような障害を背負うことになったなど、我が一族末代までの恥。
 金で治る問題なら、我が財の全てを擲(なげう)とう。その懐に納めて頂きたい」
 ドンッ

327 :YANA 43-3:2005/12/19(月) 18:28:51 ID:WKWoLsvc0
「…ちょい待ち」
「む…もしや足りぬか。ならば、我が武具を質に入れてでも」
「いやいやいや。多すぎ。…この半分もあれば足りるから」
 ・ ・ ・
「本当に世話になった。貴殿らには、大変な借りを作ってしまった。いつか、返せれば良いのだが…」
「気にするなって。今回は、俺もあんたから学んだことは多かったからな。…それであんた、これからどうするんだ?」
「うむ。暫くは、ここサマンオサで己を見つめ直そうと思っている。…今のままの私では、親父を超えることは適わん。
 だが、今回の一件で、その糸口を見つけた気がするのでな。少し、今までとは違う角度で自分を鍛えようと思う」
「ん、そうか。…エデン」
「む?」
「実はな、俺も………」
「…いかがなされた?」
「…いや、すまん。やっぱりやめておく。じゃあ、これで」
「うむ」
「お元気で、エデンさん」
「貴殿らも、どうか息災でな」

「ん〜!今回は、色々あったわね〜」
「…そうだな」
「…あ、そういえば、あんたは、これでよかったの?」
「何がだ?」
「ほら、昨日の宿で言ってたじゃない。…『子供が父親の敵を討つ…それがどういう過程を経て、どういう結果を迎えるか』…って。
 何だかさ、エデンさん最後は、もう敵討ちなんかどうでもよくて、ただ国の人たちを助けられればいい、って感じで」
「…ああ、それか。…ん…残念といえば、まぁ残念だけどな…あいつの選んだ道だ、仕方ねぇ」
「あれ、意外と諦めがいいんだ」
「………」

328 :YANA 43-4:2005/12/19(月) 18:30:09 ID:WKWoLsvc0
(私は、親父を超えたかった。今、この瞬間まで、ずっと。)
(親父の人望。勇者の称号。それはつまり、民を、人々を思う心だったのだな)
(今度は…復讐のためでも…無念を晴らすためでも…まして親父を超えるための踏み台としてでもなく…)

「………なぁ、アリス。おまえがエデンだったら、あの時どうした?」
「え?」
「敵討ちのために、死んでも奴を譲らなかったか。やはりあいつのように、俺に涙を流して奴を討つよう頼んだか…」
「………わかんない。けど、どっちかっていうと…やっぱり、お父さんの仇なら、自分で倒したかったかな…」
「ああ。それも正解だ。…そして、あいつの選択も多分正解」
「…???なにそれ。なぞなぞ?」
「…何。ちょっと、考え事だ。…初志を是が非でも貫徹する事と、人々の為に自分の信念を曲げる事。
 ―――それは果たして、どちらがより辛い道で、どちらがより強い決意を必要とするか…」
「うわ…らしくないこといってる…」
「…そうか?こういう自問自答、割と好きなんだけどな」
「ふーん。初耳。あんたはもっと、ゴーイングマイウェイな奴だと思ってたけど」
「…ふん。まるで俺が、自分以外は…(何も信じてないみたいな言い方………いや。やめておこう。…実際、似たようなもんだったしな)」
 ボリボリ…
「(…糞親父…見てやがるか。あんたの息子は、もしかしたら俺自身でも想像できない道を歩んであんたを超えていくかもしれねぇぞ…)」
「?」
「…アリス。もう少し、傍に行っていいか?」
「へ?………な…何よ急に…怪我で頭もおかしくなっちゃったの?」
「酷い言い草だなおい。…嫌か?」
「…ん、別に。いいわよ…あんた、今は怪我人だし」
 ギュッ
「ひゃぁっ!?…ちょ、ちょっとぉ…(/////)」

『母さん…えーっと…なんていうか、その…今日のゴドーは、なんだか変です。…でも嫌な感じはしません。何なんでしょう…。敬具』

329 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/19(月) 20:18:08 ID:HqcwDt3J0
み、右腕無くなったんか?ど、どやって治すんだろ?

YANAさん、更新楽しみにしてます、頑張って!!

330 :だんご:2005/12/19(月) 23:30:51 ID:G/2QdGxb0
………此で勇者達に殺されかけたのって、何度目だっけ?
ええ、そうよわたしが悪いの。だから怒ってないわよ!
でもね、酷いと思わないッ!?わたしを押し出すなんてっ!!
お陰でどんな酷い目にあったか………
そうだ。折角だからこの甲板から海に落としてみようか?そうしたらわたしの気持ちも……
怒ってないわよ、怒ってない。何処をどう見たら勇者には怒ってるように見えるの?
ふーんそう。そういうこと云うんだ。
そんなこと云う勇者には………天罰でも受けなさーい!!!

(ブォォォォォォォォーーー ドサ)


なにこのでっかい像………有り得ないわ。色んな意味で有り得ない。
先ず人型である必要性が感じられないし。
ていうか、この湖を渡るなら小舟でも用意すれば………

って、勇者!!いつもの如く先に行かないでよっ!こんな処で置いてかないでよっ!!
行かないなんて云ってないでしょっ!!
行く、一緒に行くからっ!!あーん、まってよぉーー………

331 :だんご:2005/12/19(月) 23:31:24 ID:G/2QdGxb0
ねぇ、勇者。いったいこの像登ったからって何があるのよ………
一番上から辺り眺めて、「たかーい、すごーい、きれー」で済ませないでよ?
まさかっ!?てっぺんで魔神像ペナントとか魔神像キーホルダーが売ってるとか!?
其れだったらあれねぇ……魔神像1/60フィギュアとかないかなっ。
………魔神像まんじゅう食べたいな。


たかーい、すごーい、きれー!!
うわー、此処目だよ、目。目から見てるんだよ。ちょっと面白いよね。
でも、柵もなにもないって怖いなぁ………。お土産屋さんも何処にもないし。
え、なにしようとしてるの?
………神は自らの涙を手に受け止める?
手って、もしかしてあの赤ん坊くらいの大きさしかない、アレ?
涙って、目から落ちるわたしたち?
え!?此処から落ちるの!?彼処に!?無理無理無理無理、絶対死ぬって!!!
だって、こんなに高いんだよっ!?風のマントも持ってないんだよっ!?
だ、抱きしめッ!?え!?厭とかそんな……ううん!!厭じゃない、厭じゃない!!
けど、こんな処で……キャッ!?み、みんな見て…?

ちょ、いや……!!きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーー………

(ヒュゥゥゥゥゥゥゥーー……)

332 :だんご:2005/12/19(月) 23:32:23 ID:G/2QdGxb0
い、生きてる………奇跡だわ………
もうっ!!こんな処で死んだらどうするつもりだったのよっ!!
わたしだって、死ぬわけにはいかないって云うのに………
生きてるから良かったようなも、の、の………!?
ちょ、離してッ!!降りるッ!!降りるからぁ!!

もー、あんな格好で落ちたら尚更危ないじゃないっ!!
わたしのためっ………あのね、わたしなんかどうなったって良いの。
勇者が死んじゃったら取り返しが付かないじゃないのっ!もう、バカなんだから…………バカ。


此処が、い、一番上よ……。
さっきの処よりも上があったのね。
………?なにあのレバー。ねぇねぇ、倒してみて良い?
えー、いいじゃん。他になんにもなさそうだよ?見るからに怪しげ?
ぶーぶー。じゃあこのまま下まで降りるの?なんの収穫も無しに?魔神像煎餅もないのに?

やったーっ!!へっへー。じゃあいっくよー……てりゃぁ!!

(ズシーンズシーンズシーン)

うわっ!!動いたっ!!動いたよっ!!凄い凄いすごーい!!これで向こう岸ま、で………
ゆ、揺れて気持わ

333 :だんご:2005/12/19(月) 23:36:16 ID:G/2QdGxb0
以下、お見苦しい点がありましたので省略させていただきました。
ご了承下さい。

義手の勇者かっこええなぁ、とか思ったのですが。
もしかしたら、生えてくるのかしら………
今回の見所は共にデレ分が増えたことだと思います。GJ!!

334 :YANA:2005/12/20(火) 00:00:56 ID:aGmTPzHS0
さて。これより原作ドラクエ3とは大きく外れ、「ツンデレ」という観点からみると
第二部最大の山場「激突!ツンデレ 対 素直クール」編が始まります。
…っていうか第二部長ぇよw サブキャラ関係力入れすぎたかね、こりゃ。

そんなわけで、原作のシナリオを楽しみにしてる方、ジャンプアニメの、アニメオリジナルシナリオを
観るときのような生暖かい目で見てくださると嬉しいです。

…因みに、もうバラモス戦・ゾーマ戦・エピローグの展開も全部出来上がってます。ベタですが!
あとはそこまでのリンクを繋ぐのみ!

335 :YANA 44-1:2005/12/20(火) 00:01:40 ID:nEQJXCQg0
「…よっ、と。…アリス、本当に持ってもらっていいのか?」
「立つだけで一呼吸入れてる人間が何いってるのよ。ほら、いいから道具袋、貸しなさいよ」

『拝啓 母さん、こちらは久しぶりに、アリアハンに戻ってきています。
 ゴドーの無くなった右腕を治す(イマイチ半信半疑ですが…)ため、なんでもここに来る必要があるんだとか。
 ただ、お母さんを心配させたくないとかで、こいつはわざわざ町の宿屋を使っているわけですが。
 こいつは、割と親孝行なところがあるようです』

「それで、これからどうするつもりなの?」
「あー、なに。ついてくれば分かる。…というか…本当に考え直さねぇか?」
「なによ、また、ここで待ってろっていうつもり?絶対ついていくんだから。あんただって、昨日散々説得したけど諦めたじゃない」
「そうだけどよ…はぁ。わかったわかった。ただし、これから行く場所では、必ず俺の指示にしたがってくれよ」
「それも聞いたから。もう、あたしだっていつまでもあんたのその痛々しい右腕の裂け目見てたくないんだからね、さっさと行きましょ」
 ・ ・ ・
「…んー…狭い…」
「…っと」
 コツンッ
「あ、大丈夫?」
「ああ、ちょっとバランス崩しただけだ。…ちっ、何度も足を運んだ場所なんだがな…体がちょっと欠けるとこれだ、くそ」
「…アリアハンに、こんな寂れた場所があったなんて…知らなかった…」
「そうだろうな。地元の人間も滅多に近寄らない、違法のゴミ捨て場みたいなもんだからな…噂じゃ、死体も埋まってるって話だ」
「え!?…も、もう、やめてよ…」
「…さて、確かこの辺のタルの下に…」
 ガタッ
「地下室?…ねぇ、こんな場所に、何があるっていうの?」
「………イカれた僧侶が、一人」

336 :YANA 44-2:2005/12/20(火) 00:02:11 ID:nEQJXCQg0
 ・ ・ ・
 ガチャッ
「うわ…なにここ…部屋…?すごい散らかり様…」
「…あいつめ、相変わらずだな…おーい、ライナー!どこだーっ!!」
「ライナー?」
「………鍵は開いてたし、いるはずなんだが。ちっ、野郎、また解剖室だな。アリス、ちょっと待ってろ、引きずり出してくる」
「へ?(…解剖室?)」
「それと、そこら辺の本とか棚の瓶とかに手を出すなよ。何をいわれるか分からん」
「う、うん…」
 おいキチガイ医者ーっ!仕事を持ってきたぞーっ!!
「…はぁ。なんなの、一体」
 ゴソッ
「ん?あれ、本踏んでたわ。…えっと、何々?………『人体の関節と筋肉の縫合』…?なにこれ?」
 コツンッ
「あいたっ。…なにか、頭ぶつけた?………わぁぁぁっ!!?………え……これ…魔物の頭?…薬品漬けの…?」
 シィ………ン…
「…ちょっと…なんなのよここ…よく見たら、魔物とか人の体関係のモノばっかりじゃないの…」
 ガタンッ
「ひいっ!!?」
「よう、大人しくしてたか」
「…なんだ、あんたか。もう、脅かさないでよね」
「?何怯えてやがる。まぁいい…ほら、何もたもたしてる、出て来いよ」
 ガタタンッ
「…むぅ…十ヶ月と十六日ぶりに来たと思ったら、随分乱暴なのだな、君は。いやしかし、私は相変わらずで嬉しいよ」
「へ…(わぁ………綺麗な、人………法衣?そっか、僧侶さんていってたっけ)」
「む?なんだ、ゴドーだけではなかったのだな。ここに他の人間が来るのはどれくらいぶりだろうね?
 …よろしく、ここで医者をやっているライナーという者だ。よければ、名を聞かせてもらえるかな?」
「あ、は、はい!アリスっていいます、初めまして!」
「…何で固くなってるんだ、おまえは。言っておくがこいつは女だから、変な気を起こすなよ」

337 :YANA 44-3:2005/12/20(火) 00:03:25 ID:aGmTPzHS0
 ゲシッ
「ぐお…」
「わかってるわよ」
「こらこら、怪我人を粗末に扱うのは感心しないな、アリス君」
「あ…す、すみません、ライナーさん」
「ま、いい。とりあえず、君がそんな有様で、ここに来た以上、大体用件はわかるが。
 …そこのテーブルに掛けてくれ、すぐに茶を淹れる、話はそれから聞こう」
 ・ ・ ・
 カチャ
「ライナーさん、お茶のおかわり、戴けますか?」
「ああ、構わんよ」
「ありがとうございます。…ズズッ」
「…ふむ。成る程。しかし君を本気で怒らせるとは、その魔物も中々に不運だが、大物だったと見える」
「茶化すな。それより、この右腕なんだが」
「ああ、わかっている。アレをやればいいんだろう?………だが痛むぞ。覚悟はあるんだな?」
「馬鹿いうな。…何年付き合ってるんだ」
「尤もだな。…承知した。それで、金とブツは持ってきたのだろうな」
「ああ。…アリス、袋を」
「え?あ、うん」
 ドサッ

338 :YANA 44-4:2005/12/20(火) 00:04:36 ID:nEQJXCQg0
「…あの、ライナーさん」
「ズズッ…うん?失礼、何かな?」
「…こいつの右腕。本当に、元通りになるんですか?」
「うむ、なるとも。材料さえあれば、ね」
「…材料?」
「…ゴドー。彼女に出させる気かね?」
「わかってる。こいつに触らせるわけにはいかないからな」
 ゴソゴソッ、トン
「(?…小瓶?…白い液体?…なんだろ)…ズズッ」
「今朝採ったから、鮮度は保証する。…金も用意してある。15000G、きっちり」
「うむ、確かに。…しかし、事前に出してくるとはね…用意しないで来てくれても、私がしてあげたというのに」
「…冗談。遠慮しておく」
「………あのう…さっきから、採るとかするとか、その液体、何なんですか?…ズズッ」
「ああ、精液だ。彼の」
 ブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ

『か、か、か、母さん、朝から大変です、突然人気のないゴミの山の地下室に連れてこられて
 袋からあいつのせ、せ、精液が出てきてわーーーーーーーーん!!敬具敬具敬具…』

339 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/20(火) 00:04:49 ID:5YjATzyVO
何か素クールってどこ行っても機械人間みたいな扱いしか受けてないよな。

340 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/20(火) 05:03:45 ID:Kujv01ur0
こんなスレあったんだぁ
              ハ_ハ  
            ('(゚∀゚∩ おもしろいよ!
             ヽ  〈 
              ヽヽ_)



341 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/20(火) 09:34:18 ID:CLKzhTqi0
>>338
コーヒー噴いた

342 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/20(火) 12:16:22 ID:WfQt0shgO
世界樹の葉とか使うのかと思いきやw

343 :YANA 45-1:2005/12/20(火) 13:10:54 ID:Q9vB+ue10
『拝啓 母さん取り乱してすみません。えー、話を聞きますと、こういうことらしいです』

「馬鹿野郎…ばらすやつがあるか」
「む?なんだ、もしかして彼女とはまだしてないのかね?存外にウブなのだな」
「するか。…こいつは俺の旅の相棒で、それ以上でも以下でもない」
「あう、あう、あう…」
「ふむ、すまなかったね、アリス君。落ち着いて聞いてくれ」
「………はい」
「ズッ…これがさっき話した、彼の右腕の材料でね。これがないと、彼の右腕は治らないんだよ」
「そ、そうなんですか?」
「うむ。まぁ、治療に金の方はあまり掛からないんだが…一応、私は闇医でね。教会では出来ない治療≠隠れてやっているので、
 色々と日常生活も入用なのだよ。だから自然、治療費も高くなってしまう。許してくれ」
「は、はぁ………ズッ」
「ズッ…こいつは人体マニアでな。嗜好に少し難があるが、体の治療の腕は真っ当な僧侶とは次元違いだ。
 昔偶然会ってから、酷い怪我をしたときはこいつの世話になってる。…ま、あくまでビジネス関係ではあるけどよ」
「…ふむ、そうだ。それで思い出したが…ゴドー、あの話、考えてくれたかな?」
「…またそれか。勘弁してくれ、俺は、おまえとそういう関係になる気はねぇよ」
「???あの話って、なんですか?…ズズッ」
「うむ、プロポーズだよ」
 ブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ…ボタボタ…
「…この野郎、俺にこの上、風邪まで引かせるつもりか」
「ケホッ、ケホッ…いま…なんて…」
「ああ。私は彼に求婚しているのだがね…残念ながら、もう何年も色よい返事をもらえないのだ。
 …彼が首を縦に振ってくれれば、すぐにでも治療費などタダにしてやるのだが」
「ふざけろ。そんなことしたら、おまえに何をされるかかわからん。
 …アリス、こいつはな、俺の体のタフさに目をつけて、色々よからぬことを考えてやがるんだ、気をつけろ」

344 :YANA 45-2:2005/12/20(火) 13:11:27 ID:Q9vB+ue10
「人聞きが悪いな。私はただ、障害に苦しむ人々の助けになる技術の革新のため、君の体の仕組みに興味があるだけだよ」
「そ、そうよ、ゴドー、いくらなんでもあんまりな言い方よ!」
「ほう。これを見ても同じことが言えるか?」
 ドンッ
「あ…」
 ジャキキキキキィィィィンッ
「わぁぁぁぁっ!!?…ほ、法衣の下から…ナイフが!!?…っていうかそれ何本あるんですか!?」
「むぅ…見られてしまったか」
「…こいつの二つ名は千本ナイフのライナー=c全身に無数のナイフを仕込んだ、生物解体オタクだ。
 いいか、こいつは医療のためと称して、世界中の魔物をバラして回ってる。生物の体のことになると、見境がない」
「………」
「失礼だな、君は。確かに私が幾千もの魔物を殺めているのは事実だが…それ自体は嗜好でなく、あくまで人体の探求のため、
 研究の一環として解体しているに過ぎない。それに、生きた人間は一人も手にかけてはいないのは評価して欲しいところだ」
「…ああそうかい。そいつは悪かったな」
「まぁ、私は君のそういう歯に衣を着せない、はっきりとした人となりに惹かれたのだがね」
「(///////)」
「…なんでおまえが赤くなってるんだよ。…おい、そろそろ始めよう。これ以上余計なことを喋られたらかなわん」
「ふむ、そうだな。解剖の休憩はこんなところでいいだろう。…ついてきてくれ」
 ・ ・ ・
「………」
「………」
「…さて。一応、私の医者としてのけじめでね。もう一度確認を取らせてもらうよ。
 …この手術の過程における苦痛や、私の過失によらない事故等においての責任は、一切の保証をしかねる。いいね?」
「…ああ。さっさと始めてくれ」
「…わかった」
「あ、やっぱりちょっと待った」

345 :YANA 45-3:2005/12/20(火) 13:11:59 ID:Q9vB+ue10
「?」
「…アリス。これから俺がどんな状態になっても、絶対に手を出すな。…必ず、完治させるからな」
「え?…うん?わかった…。…???」
「…ふむ。少し、紳士になったのではないかね?…やれやれ、惚れ直しそうだ」
「…ふん。もう、いいぞ」
「心得た。では…」
 バシャーンッ
「っ…」
「聖水消毒完了。…次工程に以降」
 グイッ
「!!?(ええええっ!?精液、飲んじゃうの!!?)」
「………」
 ブーーーーーーーーーーーーッ
「(あ…口に含んで、傷口に吹きかけるんだ…でも、なんで?)」
「………」
「…いいな、ゴドー。要領は以前と同じだ…耐えろ。ただし、今回は右腕丸ごとだ、痛みは比にならんぞ」
「…わかってるよ。焦らすな」
「うむ。…では、傷口に少し手を入れるぞ…」
 グチ…グチ…グチ…
「…よし。ではいくぞ」
「おう」
「…ブツ…ブツ………setz」
「………ぐ」
 ビクンッ
「…ぐああああああああっっっっっ!!!!」
 ビクビクビクビクンッッッッ
「えぇっ!?ちょ、ライナーさん、ゴドー、物凄く苦しんでますけど!?」
「黙ってみているんだ」
 ビクビクビクビクンッッッッ
「ガアアアアアアアアアッッッッ!!!!!」

346 :YANA 45-4:2005/12/20(火) 13:12:42 ID:Q9vB+ue10
「そんな、だって、あんなに痛そうに…」
「彼を信じてやるんだ。…それに、見てみろ。彼の傷口を」
「え…(…あれ?さっきまで肩から先は完全になかったのに…二の腕あたりまで、生えてる…!?)」
「彼の精子を無くなった細胞の代替物として、再生の素になる種子に、私の魔力を起爆剤に、彼の再生力を爆発的に促進させている。
 最早これは再生でなく増殖に近い…あまりの異常な回復に、他のまともな細胞が大挙して悲鳴をあげる…!」
「うううぅぅぅぅぅっっ!!…」
 ビクビクッ…トサッ
「………おさ、まった…?」
「…すぅ…すぅ…」
「…ふぅ。第一過程、完了。…やれやれ、本当に、見上げた精神力だな」
「…え?あの、まだ四分の一も…」
「慌てるな。…この再生には波があってな、無くなった部位の体積にもよるが、大体全てが再生するのに、
 今のような激痛を4、5回味わうことになる…そうだな、あと3日、といったところか」
「…嘘。だってあいつ…」
「君は、今までゴドーと旅をしていたのだろう?」
「…はい」
「ならば分かるだろう。彼は、どんな怪我をしても取り乱さなかったはず。…その彼が、ここまで苦痛を露(あらわ)にする。
 …まともな人間なら、数秒で廃人になる。今までにこの手術を完遂した人間は………発案者たる私と、彼。ただの二人だけだ」
「…そんな苦痛を、あと5回も…」
「不安かね?」
「…ううん。あたし、信じます。こいつは、必ず完治させるって…いいました。なら、あたしはそれを信じるだけです」
「ふふ、そうか。彼は、どうやらよい相棒に巡り会えたらしいな…」
「…そう、でしょうか」
「?」
「…いえ、なんでもありません」
「…ふむ。彼はこれから三日間、安眠と激痛の狭間を彷徨うことになる。それまですることもないだろう。
 私はここ暫く地下に篭もりきりでね、よかったら、君たちの話を聞かせてもらえないかな?」
「あ、はい。構いません。…よければ、あなたとゴドーの話も…」
「!…ふふ、よかろう。よもや、この話を人にするときが来るとはな…わからんものだな」

『母さん、ひとまず、右腕の治療のことはゴドーを信じるとして…。思いがけず、ゴドーの昔の話を聞けそうです。敬具』

347 :YANA:2005/12/20(火) 15:55:15 ID:ktig61AS0
楽しんで読んでくれてる方々、応援dクス!
…それにしても…ライナー編長いなぁ…たった三日なのにオーブ三つ集めるより時間掛かってるのは何故だw
あと3、4話でカタがつく予定です。

その後のサブキャラシナリオは…バーグ編で一波乱あって、そこからは殆ど寄り道なし、
「行く所まで行ったれやーッ!!」な感じになります。
因みにバラモス編のために用意した未消化の伏線(みたいなもの)が、今までに二つあります。
勇者の能力を考えたら分かる人もいるかもしれませんが…まずこれに気付いたら神かキチガイのどっちかでしょう(汗

348 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/20(火) 23:43:38 ID:aeZwMMX60
>>347
一瞬アッー!な展開になるのかとオモタよ
すごい安心したw

349 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/21(水) 01:11:30 ID:nVS2z45eO
確かにホイミなら再生ぐらいできるかもわからんね。

350 :YANA:2005/12/21(水) 16:08:18 ID:9r8rlZ1x0
お仕事前に更新。
見慣れない設定とかは殆ど独自脚色(多分ライナー関係が最も濃い)ですので、
公式設定好きな人に叩かれる覚悟で。

レッスン1「そもそもドラクエで医者って何なのよ?」

351 :YANA 46-1:2005/12/21(水) 16:08:49 ID:9r8rlZ1x0
『拝啓 母さん、今私は、ライナーさんの地下室にお世話になっています。
 …今日、ライナーさんと私は、お互いの知っていることを話しました…そうして、ライナーさんという人が、どういう人なのか、
 少しだけ、知ることが出来ました…』

 〜治療・一日目〜
「さて、何から話そうかな」
「あの、その前に、いいですか?」
「?なんだろうか」
「…あたし…恥ずかしいんですけど………」
「?」
「…その、イシャ≠チていうのが…どういうお仕事なのかよく分からないんです………ごめんなさい」
「!…ははは、なんだ、そんなことか。いや、謝ることは無いよ。
 無理もない、この世界において、人の怪我の治療というモノは、まだまだ僧侶の領分であるからな」
「…はぁ」
「宜しい、ではまず改めて自己紹介といこう。私はライナー。職業は元僧侶…今は医者をしている。
 医者というのは、平たく言えば魔力を使用せずに人の体を治す術を模索し、実行する者の事を言うのだ」
「へぇ、そんな職業があるんですか…」
「とはいえ、まだまだ医学…あ、これは医者の行う、治療の学問の事を言うのだが…は、歩き出したヒヨコ程度のもの。
 未だその実行を、魔力に頼らざるを得ない状況だ。だがいずれ、魔力持たぬ者にも扱えるようにしてみせる…。
 そのため、私のような者が医学を探求している」
「…魔力を…持たない者にも………す、すごいじゃないですか!そんな、何で地下室なんかに篭もってるんですか!?
 そんな立派なこと、どうして堂々とやらない…」
「あぁ、まぁ落ち着きたまえよ」
「…す、すいません」
「…私が、元僧侶、というのは聞いただろう」
「…はい」
「僧侶も医者も、人を治し、異物を排除するという点の素晴らしさにおいて共通している。だが、一つ。絶対に相容れない領域がある。
 …両者の決定的な違いを教えてあげようか。………実験だよ」
「………実、験…?」

352 :YANA 46-2:2005/12/21(水) 16:10:34 ID:9r8rlZ1x0
「そう。僧侶の、教会の魔法は、魔力で人の生命力を活性化させて治療するもの。つまり大元たる人間の回復力がなければ、
 成立しないものなんだ。0に何を掛け算しても0にしかならないだろう?そういうことさ」
「…じゃあ、医者は…?」
「基本的にはやることは僧侶のそれと変わらない。人の回復力を根幹とし、それに沿った治療を行う。
 だが、その過程が問題だ。医者というのは魔力を使わないことが本分だ。つまり、道具≠ニ技術≠ノ頼らねばならない」
「はぁ…」
「僧侶の魔法は、魔力を人体に流せば、その対象の人体の回復力が増幅され、術者が何もせずともあるべき姿≠ノ修復されてくれる。
 一方、医者は、どんな道具≠ナ、どんなことをすればいいのか≠フ技術がシビアに求められる…」
「………」
「さて問題だ。…その、どんな道具≠ナどんなことをすればいいのか=cこれは、一体どうやって知ればいいのかな?」
「………………………………は」
 ゾクッ
「…分かるだろう。医学はね、誰かの犠牲≠ネくして発展しないんだよ。
 その誰か≠ヘ皮膚を切られ、腸を裂かれ、筋を断たれ、それまで見たことも無いような薬を体内に流し込まれ」
「やめてください!!!」
「………すまない。………そうして発展した医学は、時として僧侶の魔法をすら凌駕する。先ほど、両者の仕事に基本的に
 やることは変わらない、といったのはそのためだ。やり方次第で、医学・医術は対象の人間の回復力が0でも、著しい効果を示す。
 そういった意味では、医学は僧侶の掛け算≠ノ対して足し算≠ニいっていいかもしれないな」
「…それ、ライナーさんは」
「先ほどもゴドーにいったろう。私は、生きた人間は一人も殺めていない。…まぁ、廃人は何人も作り上げてしまったがね」
「…そう。そうです、ゴドーの右腕も」
「ああ。あの治療は私が研究の過程で開発した、魔法と医療の混合治療法だ。
 人体の欠損部分を、男性は精子、女性は卵子を使用することで行う。…あれらは元々、増殖する≠アとだけに特化した
 タンパク源でね、少しばかり傷口に細工して魔力を流せば、驚くほど死にかけの細胞≠ノよく馴染む。
 だが、アレは知っての通り激痛が伴う…足や腕を失った者がどこからか私の話を聞きつけ、何人もここを訪れ、治療を希望したが…」

353 :YANA 46-3:2005/12/21(水) 16:11:04 ID:9r8rlZ1x0
「あなたとゴドー以外は…廃人に?」
「うむ。私にいわせれば、この技法は欠陥品だ。…私は医学の研究をしているというのに魔力は使うし、痛みは発狂もの、加えて」
「加えて?」
「口の中が生臭くて仕方ない」
「あはは…」
「話を戻すが。…そんな暴挙を、教会は許しはしなかった。教会では、一度体から失われた・離れた肉は既に別の存在である、
 というのが教義でね。それ故に教会の魔法は失われた肉を癒しはしない。
 私は医学の発展のため、人の体に触れ合う機会が最も多い僧侶となったが…彼らはこの研究を神への冒涜として、私を破門したよ」
「それで、今はここに…」
「うむ。…誤解の無いように言っておくが、私はこれでも、今まで三桁近くの人間を生死の境から救っている。
 医療費は確かに法外だが、仕事はきっちりこなす、れっきとした医者だ」
「………信じます。あなたは、ゴドーが頼った数少ない人ですから」
「ありがとう。…さて、医者についてはこんなところだ。今度は、君と彼の話を聞かせてもらえるかな?」
「あ、はい」
 ・ ・ ・
「………」
「…驚いたな。うむ、確かに大元は私の知っているゴドーだが…それが事実なら、彼はかなり君を大きく意識していると見える」
「えぇ!?そ、そんなことは…」
「いや、あるな。…してやられたな、まさか君のようなライバルが出現するとは…」
「ライバル?なんのです?」
「?なにって、決まっているだろう。君は、ゴドーが好きなのだろう?」
「………えええええぇぇぇぇぇぇっっっ!!!!!?」
「おや、違うのか?」
「あ、あ、あ、あた、あた、あた…」
「ふむ。私の勘違いか…なら、彼は私がもらってもよいのだね?」
「そ、それは…でも、ほら!ライナーさん、あいつは、何されるかわからないからそういう関係になる気は無いって…!」
「ああ、あれは、この話をするといつもいうんだよ。…で、いつだったか、業を煮やしてこういったことがある。
 …あくまで例えば、の話だが…『では、君が気に入らないというこの研究を止めれば結婚してくれるだろうか?』とね」
「………そうしたら?」

354 :YANA 46-4:2005/12/21(水) 16:12:18 ID:9r8rlZ1x0
「…『それは誤解だ。俺はおまえの研究自体は別に嫌いじゃない。俺が気に入らないのは、
 おまえが医学の為に俺の体に興味がある≠ゥらだ。俺の体をそういう目で見なければ…まぁ、考えてもいい』…だそうだよ」
「〜〜〜〜〜」
「これには参ったよ。私が彼の体に興味がなくなるということは、医学そのものに興味が無くなるということだからね。
 そんな器用な条件は呑めんよ」
「ほっ…」
「―――だが、いよいよライバル出現となれば…私も女だ、彼の為に余生の研究を捨てる覚悟を決めるかも知れん」
「なっ!?」
「私は確かに彼の体に医学の観点から興味がある。だがそれとは別に、異性として彼は魅力的なんだ。
 彼と残りの人生を歩めるなら、医学を諦めるも一つの選択か…と考えている」
「………」
「………ふむ、もうこんな時間か。久しぶりに、随分長話をしたものだ。…すまんね、続きは明日にしよう。
 隣の客間を使ってくれ、邪魔な本があるようなら、こちらの部屋に適当に移しておいてくれ」
 ギィ…バタン

『―――母さん。今まで考えたことも…ううん、もしかしたら、考えないようにしていたのかもしれません。
 私は、ゴドーのことを、どう思ってるんでしょう?ライナーさんは、あいつを好きだと…。私は…私は…? 敬具』


355 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/21(水) 20:32:10 ID:nVS2z45eO
女だったの?

356 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/21(水) 21:38:53 ID:AXd0R5hE0
今までライナーを男だと思ってた・・・
まあ、なんにせよ面白い。続きを期待しています。

357 :YANA:2005/12/21(水) 22:55:37 ID:EPba83Vy0
むぅ、やっぱり素直クールは知らない人が見ると男に間違われやすいのだろうか。
そういえばモチーフ(てか喋り方が殆どそのまんま)にした、前スレの素直クール僧侶も男に間違われてたっけ。

因みに、ライナー初登場後、五行で女であることがカミングアウトされてますが…分かりづらかったかな
精進しまっす orz

358 :だんご:2005/12/21(水) 23:24:54 ID:uGNYRb870
せっかくモシャスが役立つと思ったのに………
でもそうよね、モシャスじゃわたししか変身できないもんね。
はぁ、結局役立たずか………


此処にデスピサロがやってくるのね……ちょっと、勇者。落ち着きなさい。
姿を見せたからって、斬りかかったら駄目よ。じゃないと、忍び込んだ意味がないじゃない。
魔族側の情報を得ておくことも、大事なんだから。
地獄の帝王についてだって良く判ってないんだし………って、彼処でしてるの勇者の話?

ゴ、ゴホン。あのとき死んだはずってことは、お、お前は勇者を見たんだよな。
お、おれは参加してないから知らないんだが、どんなヤツ……だったんだ?
髪の毛は緑で…ちょっと腹の出た…?そ、そうか、よくわかったよ。

…どうやら、宿屋のおじさんが身代わりになったみたい………
わたしがいけなかったから仕方なく、だって事は判ってるの。
でもね……その程度の変装でもやり過ごせるんだったら、わたしが変身しようとした意味って………


よく我慢できたね、勇者。手なんかプルプル震えてたけど。
ほら、頭出しなさいよ。いいこいいこしてあげるから。別に良い?なんだつまんない。

でも、アッテムトに地獄の帝王か。早く行った方が良いよね、魔族達も向かってるようだし。
………ふっふっふ、漸く出すときが来たわ。見なさい、このキメラの翼をっ!!
此を使えば、今までに行ったことのある町にひとっ………なにしようとしてるの?
ルーラって、ちょっと待ってッ!!せっかく出したのにっ!!わたしの存在い

(ビュイーン!!)

359 :だんご:2005/12/22(木) 00:28:01 ID:OWCTBjws0
此処にデスピサロがやってくるのね……ちょっと、勇者。落ち着きなさい。
姿を見せたからって、斬りかかったら駄目よ。じゃないと、忍び込んだ意味がないじゃない。
魔族側の情報を得ておくことも、大事なんだから。
地獄の帝王についてだって良く判ってないんだし………って、彼処でしてるの勇者の話?
……ちょっとわたし行ってくる。

って感じに、一文入れた方がいい気がするので。

360 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/22(木) 19:59:14 ID:odHZprloO
知るも知らないも、男口調は素直にもクールにも関係無いんだよな。
何でこんな歪んだ方向に発展したんだろ。

361 :だんご:2005/12/23(金) 00:23:32 ID:ulQjik8/0
こんな地下遺跡がアッテムトに眠っていたなんて……
一攫千金目指して黄金掘って出て来たのは、人間を滅ぼす地獄の帝王。
文字通り、地獄の釜の蓋を自らの手で開けちゃったわけだ。
人の欲深さには感心するわ。……決して真似たいとは思わないけどね。
行くか引くか………って云ったら結局行くんでしょ。はいはい、さっさと行きましょう。

此は、、、人が昔住んでたのかしら?
……地獄の帝王の居城だったら、デスパレスみたく住んでたのは魔物かなぁ。
いまいち、そういう生活感溢れるものが残ってないから、良く判らないわ。
って、ちょっと!!さっさと行こうとしないでよっ。
人間に襲われるのもそうだけど、魔物に襲われるのも勘弁なんだからね。
……離れるなって云ってくれたじゃない。

うわっ!!骸骨が喋った!!シャレコウベがカクカクいったっ!!?
………何よ、て事は後ろに見えてる宝箱は取らせてくれないってことっ!?
いいわ、そのエスタークとやらを血祭りに上げた後で、ゆっくりと調べてあげる。
待ってなさい、この迷惑骸骨ッ。

362 :だんご:2005/12/23(金) 00:30:02 ID:ulQjik8/0
エスターク戦が本気で書けないので、取り敢えず此だけ投下。
展開は決まってるのですが、筆が進まない………
楽しみにしてくれてる方……いなさそうだけど。最近萌えが足りない気がするし。
なんにせよ、残りは世界樹に天空の塔、天空の城。そして決戦。なんとか頑張ります。

363 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/23(金) 02:18:16 ID:ztcawOoO0
>>362
がんがれ

364 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/23(金) 03:43:31 ID:PpoWETNU0
>>362
楽しみにしてるおw

365 :YANA:2005/12/23(金) 09:20:58 ID:M++3S2KR0
>>360
ああ、そういやそうだ。
なんか滅茶苦茶書き易い口調だった上(職業のせいか?)、アリスのウブさと
ゴドーの無愛想に噛み合ってたから違和感を感じなかったわ。

一気に行きます、レッスン2「ゴドー九歳、ライナー十六歳の時分」

366 :YANA 47-1:2005/12/23(金) 09:21:39 ID:M++3S2KR0

 グゥ…アアアアアアァァァァァッ!!!

 〜治療・二日目〜
「…ズッ。…三度目の再生、か。漸く五合目といったところだな」
 カチャ
「………」

『拝啓 母さん、治療も二日目、ライナーさんが言うには半分のところらしいです。
 …因みに私は、昨日のライナーさんとの会話が頭の中でグルグルして、あまり眠ってません。
 それにしても…あいつの悲鳴を聞きながら、この人は平然とお茶を啜ります…慣れてるんでしょうか?』

「飲まないのかね?…ふむ、その様子では、昨日は一睡もしていないようだ。寝不足は美容の敵だよ、可愛い顔が台無しだ」
「…いいです。それより、随分落ち着いてるんですね。あいつはこういうこと、よくあるんですか?」
「む?………そうだね。昨日は君にばかりゴドーの話をさせてしまったし、今日は私が彼の話をしよう」
「お願いします」
「…彼と私が出会ったのは、今から七年前の話だ…」

 〜七年前、ライナー宅前〜
「………」
「………」
「………」
「………少年。生きているかね?」
「………勝手に殺すな。ほっといてくれ」
「ふむ。放っておいてくれ、というのなら構わないが…そこは私の家の玄関なのだよ。
 君が退いてくれないと、私は帰宅出来んのだ」
「………」
 ゴロッ

367 :YANA 47-2:2005/12/23(金) 09:22:16 ID:M++3S2KR0
「…立つ事すら侭ならぬのか。その怪我だ、無理ないか。よければ手当てするが?」
「いらねぇ。時間が経てば治る、さっさと行けよ」
「おやおや。…まぁ、君のような少年が私の治療費を払えるはずも無い…か。死んだら君の体は有効利用させてもらうよ。
 ―――何しろここはゴミ捨て場だ、何を誰が拾っていこうと文句は言われない」
「…好きにしろよ。俺は死なねぇけどな…」

 〜一週間後〜
「(ふぅ…いくら良質なドラゴン種を何匹も採取できたとはいえ…一週間篭もりきりとはいやはや、私もそろそろ人間失格かな?)」
 ガタンっ
「っと………?」
「………」
「…君は。まさか、本当にまだ生きているとはな。大した生命力だ」
「…うる、せぇな…てめぇなんかと…お喋りしてる体力はねぇんだ…失せやがれ…」
「………ふむ」
 スッ
「………何の…真似だ」
「…口元に一角うさぎの体毛、か。
 ………君は、その傷でここに転がって、尚寄ってくる魔物と戦い、その肉を食らって生き延びていたのか」
「…は、それがどうした…わりぃかよ…」
「…いや。その力強さは、尊敬に値する。待っていたまえ」
 ・ ・ ・
「…なんだい、こりゃ」
「果物とミルクだが。食わんのか?私はこれでも医者の端くれでね、人が不摂生な食生活を送っていると、顔色を見ただけで
 その体が欲しているものが分かる。…緑黄色野菜、柑橘類の果物、それと………ついでにカルシウムだな、君は些か気性が荒い」
「………」
「施しを受けるのが嫌なら、後で金を持ってくればいい。食事代くらいは両親に出してもらえ」
「…ちっ。ほら」
 ヂャラッ
「一週間、襲ってくる魔物倒して手に入れたGだ。それで足りるだろ」
「…ふふ、心得た」

368 :YANA 47-3:2005/12/23(金) 09:22:47 ID:M++3S2KR0
「私はライナー。ここで医者をしている。…君、名前は?」
「…ゴドー。これでも勇者の見習いだ」
「ふむ。神の如き者≠ゥ。なるほど、確かに君の回復力は神懸っている。あれだけの食事と、あんな未熟な回復魔法だけで
 あの傷を治してしまうのだからな…いや、医者の立場が無い」
「………ふん。用はもう済んだだろ、行けよ」
「君、歳は?なぜこんなことを?」
「…(…聞けよ…)…9歳。さっきもいったが俺は勇者見習い、その修行で町の裏で魔物とやりあってたら、引き際を誤ってあのザマだ」
「ほほう。私は16だが…ふむ、君のように幼少から実戦で修行を始める子供もいるのだな」
「…なんだよ、まだ何か聞きてぇことあんのか?」
「いやいや。私は地下室での研究と世界中の魔物との戦いを繰り返す日々でね。少し、話し相手に飢えていたところだ。
 どうかな、私と話すのは嫌かな、少年?」
「…別に。どうだっていいぜ」
 ・ ・ ・
「………あのぅ」
「なにかね?」
「…あいつ、今でも結構口汚い方だと思ってましたけど。昔はこんなにすごかったんですか?」
「ははは、まぁこの年頃の少年は、これぐらい威勢がよくて丁度いいものだよ。
 …そうだ、これから話すに当たって、予め知っておいてもらいたいことがある。休憩もかねて、少しいいかな?」
「は、はい」
「君も気になっていただろうが…人間の医者である私が、何故魔物を捕らえ、解剖しているかについてだ」
「あ………」
「まぁそんなに難しいことは無い、安易な理由だ。人体の欠損、その代替物ないし治療の助けとなる材料になるものが
 魔物の強靭な肉体から採取できないか。そして、優れた身体能力を誇る彼らの肉体に、より丈夫な肉体を作るヒントはないか。
 …私は長年、それらを模索しているのだ」
「な、なるほど…確かに、魔物の中には人間の何倍も頑丈な奴が沢山いますしね」
「…で。それを知った彼はね…」

369 :YANA 47-4:2005/12/23(金) 09:23:30 ID:M++3S2KR0
 ・ ・ ・
 〜ゴドーとライナーの出会いから一ヶ月後〜
「…おまえ。もしかしてものすげえ暇なんじゃねぇか?」
「毎度、物凄い重傷を負って私の地下室に勝手に雪崩れ込んできて何を言うのかね?」
「おまえ、変な奴だけど手当ての腕はいいからな。そこは認めてるから、利用させてもらってる。
 心配しなくても、治療費とやらは勇者になったら必ず返しに来る」
「ふふ、そういうことにしておこう」
「…で。突然出て行って、突然帰ってきて地下に篭もって。かと思ったら持って帰ってきた魔物の死体をナイフでバラし始める。
 よく飽きねぇよな、実際」
「君こそ、私の趣味を見ていて楽しいのかな?」
「別に。治療が完全に済むまでここから出るなっつったのはおまえだろ。他に見るものがねぇんだから仕方ねぇ」
「…魔物を解体している私を見て、怖いだとか、嫌だとかは感じないのかね?」
「そりゃまぁ、いい気分はしねぇわな。でも、俺は別にライナーのやることにケチをつけるつもりはねぇよ。
 俺だって自分が趣味を楽しんでる時に、それを他人に『やめろ』とか『気味悪い』とかいわれりゃ腹立つ。
 おまえは別に人に迷惑を掛けてるわけでもねぇんだし、自分のやりてぇことやりゃあいいさ」
「―――そうか。君は、優しいのだな」
 ・ ・ ・
「………」
「今思えば、既にその時、私は彼に惚れていたのかもしれないね…」
「………」
「それから暫くは、なんのことはない、友人とも取引相手ともいえない妙な関係だよ。
 お互い、家族や生い立ち、込み入った話をすることもなく…私の知る彼は、ただ、手当て・解剖の見学・修行の繰り返し」
「えっと…その先は…」
「いや、特に何も………あ、いや」
「?」
「…そうだな。君には一応、話しておいた方がいいか。恋のライバルが相手では、隠し事はフェアではない」
「な…!!こ、こいの…らいヴぁる…!!?そそそっそそんな…」
「まぁ聞きたまえよ。…ただ、私がこれを話したこと、彼には内緒だよ?」
「あ………はい」

370 :YANA 48-1:2005/12/23(金) 10:07:00 ID:ull537NN0
 ・ ・ ・
「………右手、を…?」
「…ああ。彼と知り合って一年ほどのことだった。いつものように、魔物の死骸を解剖しようとした矢先のことだったのだが…
 こいつがいつになく大きくてね、解剖台に納まりきらなくて…。いや不覚だった。
 君には刺激が強いだろうから見せられないが、私の解剖室には、そういう魔物の分割のため、巨大なギロチンもどきが設置されている」
「はい…」
「仕方なく解剖台に昇り、その魔物の体に跨った時…そのギロチンに体をぶつけて…刃が私に向って倒れてきた。
 …その時、いつものように見学していた彼は、身を呈して私を突き飛ばし、助けてくれた…」
「………」
「だが彼は、その時右の手首を、ごっそりと、ね」
「それであいつは、以前もこの治療を受けたようなことを…」
「うむ。まぁいうのは簡単だが…実際は大変だった。何しろ完成していたが、当時はまだ人で実践したことがない再生手術、
 加えて相手は十歳前後の少年…成功確率など、計算するのも馬鹿馬鹿しい」
「あ………す、すみません、部外者の癖に簡単にいっちゃって…」
「構わんさ。…だがね、彼は自分の右手がなくなったというのに、平然としているんだよ。まるで『これが俺の生きる道だ』
 といわんばかりの態度でね、いや人間とは、歳若くとも、かくも堂々と出来るのだな、と感心した」
「…それで、ゴドーは」
「…私は、罪の意識に苛まれ、いよいよ右手の再生のことを話した。無論、その治療におけるリスクも含めて、だ。
 …そうしたら、彼は、なんと言ったと思う…?」
 ・ ・ ・
「………なんだ、治るのか。じゃあさっさとやってくれよ、不便でしょうがねぇ」
「な…君は私の話を聞いていなかったのか?これをやると、君の精神は崩壊するかもしれないのだぞ?」
「どっちにしても、右手がなけりゃ俺は勇者として不完全なままだ。ならそのうち野垂れ死ぬ…だったらいっそ、
 治る可能性のほうに賭けてみるさ」
「………」

371 :YANA 48-2:2005/12/23(金) 10:08:56 ID:ull537NN0
「なんだよ、自信がねぇのか?らしくねぇな…」
「………君は、文句の一つもいわないのだな。私の不注意で、そんな怪我をしたというのに…」
「はぁ?馬鹿かおまえ。俺が勝手に助けてドジ踏んだだけじゃねぇか、この怪我のどこがおまえの不注意なんだ?」
「だが、私は」
「ああ、じゃあおまえが悪いってことでいいよ。いいから早く何とかしてくれ。それで貸し借りなしだ」
 ・ ・ ・
「なにそれ…丸っきり今も昔も変わらないじゃないですか、その無茶苦茶っぷり…」
「同感だよ。…そしてその後、彼は本当に、この治療の、私以外での初の成功例となった。
 私も自分の体でやったことはあるが…指を一、二本魔物に食い千切らせて、それを治す程度でしか試していなかったし…
 あんな子供が、あの激痛を耐え切るとは思わなかった…」
「………」
「で、右手の再生が終わるや否や、開口一番『死にかけた。二度とやらねぇ』だ。…まったく、どの口が言うのだろうね?」
「あはは、確かに………………?…あれ?なにか…忘れてるような…?」
「ふむ。君の違和感を当てようか。………その時、彼の精子はどうやって用意したのか=c……違うかね?」
「…………………」
「…わたs」

 〜暫くお待ちください〜

「〜〜〜〜〜〜(////////)」
「ははは、少し横道に逸れたね。…まぁ確かに、私も無傷で、彼の右手は治った。だが、それでは私の気が済まない。
 奇しくも、結果的に彼を私の研究の実験台にしてしまったのだからな」
「…あ、そうか。自分以外は、やったことがなかったって…」
「そう。そうして私は、彼にこういう提案をした」

372 :YANA 48-3:2005/12/23(金) 10:09:47 ID:ull537NN0
 ・ ・ ・
「戦い方?」
「そうだ。君の戦い方は無駄が多い。というか、でなければいつもいつもそんな致命傷を負ってここに来たりはしない。
 明らかに、君の戦い方は矛盾を孕んでいる。ここは一つ、私に戦闘について君に指導させてくれないか?」
「…別に、いい。おまえに借りを作りたくない」
「そうくるだろうと思っていた。君は律儀で強情張りだからね。では、こういうのはどうだ?
 私と君の貸し借りは帳消しになった。だが、君は私を助けてくれたのに加えて、私の研究に貢献してくれた。
 私は君にその分の礼を、まだ払っていない…どうか、私の礼をもらってやってはくれないかな?」
「………………」

 〜翌日〜
「うおぉぉぉぉっ!!」
 ザシュッ
「ギェェェェッ!!」

「…ふむ。成る程。よくわかった」
「はぁ…はぁ…なにがだよ」
「君は、自分の体を粗末にしすぎだ。あんな戦い方で、よく今まで生き抜いてこられたものだな…」
「うるせぇな…俺はこれくらいじゃ死なねぇよ」
「アリアハン程度の魔物でへばっている人間が何をいう」
「…ふん」
「確かに君の体は類稀なタフネスを持っている。…だがそれ故、君は今まで防御をそれに頼りきり、まるで受けの技術を磨かなかった。
 しかしそれでは、この小さな大陸では通用しても、広い世界ではたちまち海の藻屑だ。…なんなら、一度海に出てみるか?
 心配せずとも、私が死の一歩手前で君を助けてあげよう。どうする?」
「………遠慮しておく」

373 :YANA 48-4:2005/12/23(金) 10:11:31 ID:ull537NN0
「…宜しい。…ではまず、敵の攻撃を避けることから」
「待った」
「む?なにかね?」
「それなら、修行の初めの方でやった。…だけど、駄目なんだ。俺は不器用だから、避けるなら避ける、攻めるなら攻めるで
 集中しねぇと、戦いにすらならねぇ。…それで、戦うなら敵の攻撃を避けないで、やられる前にやるしかねぇ、って…」
「…ふむ。要するに、君は戦闘の技量という点においては、極めて不得手というわけか」
「………」
「よし。では君には、私の取って置きを伝授しようか。これを会得すれば、君は敵の攻撃を避けず、攻め、
 更に自身のダメージも最小限に抑えられる…うむ、これ以上君の体の特性を活かせる戦い方はない」
「…?」
「―――私が人体の構造について研究しているのは知っているね?」
 ・ ・ ・
「…ライナーさん。もしかして…」
「…気付いたかね?」
「…ゴドーが、あんな戦い方をするようになったのは…」
「そう。彼の、敵の攻撃を全て急所を外して当てさせ、その隙に攻撃する≠ニいう戦闘スタイルは、私の入れ知恵によるものさ」
「………」
 クラッ
「確かに彼は攻撃を避けることは不得手だった。だが敵の攻撃を見切る反射神経、それ自体は秀逸でね、
 当初の予想以上に、彼はこのスタイルを気に入ってな。
 今では知っての通り、自分から無茶をしない限り、敵の攻撃で致命傷を負うなど殆どなくなったはずだ」
「…(カンダタのときといい、おろちのときといい…やばくなっても確かに致命傷だけはなかった…)」
「しかし私が教えたのは人体の急所の位置くらいなんだが。彼は受け≠フ楽しみを知るや、物凄い速度で
 そのスタイルをモノにしていったよ…いやすごい才能もあったものだ」

(―――勝つことだけ考えたら無駄な技術だけど)

374 :YANA 48-5:2005/12/23(金) 10:12:59 ID:ull537NN0
「―――あ」
「いや、だが形はどうあれ、彼が受けの技術を会得してくれたのは安心したよ。私としても、いつもいつも彼の酷い傷を
 診るのは結構心臓に悪かったのでね」
「………」
「まぁそれ以降、彼がここに来る機会はめっきり減ってしまったのが残念だが。
 …仮にとはいえ、元々ビジネス関係でしかなかったわけだし、医者としては喜ぶべきなのだろうね」
「………」
「うん?どうした、アリス君―――」
 ギュッ
「???」
「…ごめんなさい。ごめんなさい、ライナーさん」
「おいおい、急に抱きついて…どうしたのだね?」
「あたし…あいつの戦い方に、そんな、ライナーさんの大切な気持ちが篭もってたなんて知らないで…あいつに、
 ひどいこといっちゃって…!…ごめんなさい…っ!!」
「………ふむ。何をいったのか知らないが。私はそれを知らないし、知ろうとも思わない。
 それに、彼は別に怒ってはいなかっただろう?」
「…それは…はい」
「なら、それでいいのではないかな?君は私のことなど気にせず、君の思うように彼と接すればいい。
 …でなければ、私も君を考慮して彼と会話しなければならなくなる。私はそんな器用な真似は出来んよ」
「………ライナーさん」
「うん?」
「…いい人、なんですね」
「―――ふむ…」
「どうかしました?」
「…いや。いい人…などと…ゴドーにさえいわれたことはなかったのでね。少々、面食らっただけだ」

『母さん…ライナーさんって、クールだし、考え方は大人だし、綺麗な人だけど…
 結構、かわいいところもあるみたいです。…ちょっと、好きになっちゃいました…。 敬具』


375 :YANA:2005/12/23(金) 10:26:43 ID:ull537NN0
ライナー編ラスト、レッスン3「千本ナイフ≠ニ…」

376 :YANA 49-1:2005/12/23(金) 10:27:19 ID:ull537NN0
 〜治療・三日目〜
 ガチャ
「…どうでした?」
「うむ、最後の再生も終わり、治療は無事成功…といいたいところだが…」
「何か、問題が…?」
「彼は今眠っている。本当に成功したかどうかは、彼が起きて、問題なく右腕が動くかどうか確認しなければわからない。
 なにせ、右腕一本分の再生の成功例はかつて無いからね、私も測りかねる」
「…そう、ですか…」

『拝啓 母さん、遂に、ゴドーの右腕が完全に再生されたようです。
 …ですが、その是非は、あいつが目を覚ましたとき、初めて問われるようです…』

 ・ ・ ・
「…さて。もうそろそろ話題も無くなって来たな…すまないね、気の利いた話の一つも出来なくて」
「あ、いえ、それは別にいいんですけど。…それにしても、すごい本ですね。全部一人で集めたんですか?」
「うむ。私は生物、主に人間の体に小さい頃から思いを馳せていてね。元々、医学を学び始めたのも、
 その強い好奇心が、実際に人体に触れることを要求したことに起因する」
「………」
「…おや、失礼。人助けのため、ということにしておいた方が、君の夢を壊さなかったかな」
「いえ。ちょっと安心しました。ライナーさんも、人並みの欲を持ってたんだな、って」
「はは、そういってくれると助かる」
「あの、ライナーさんは」
「うん?」
「…その…千本ナイフ≠チて…呼ばれてるんですよね?…やっぱり、お強いんですか?」
「………」
「あ、あはは、ごめんなさい、変なこと訊いちゃって。そりゃ強いですよね、あの一匹狼なゴドーが師事する位ですし…」
「―――ああ、強いぞ?その気になれば、世界中の魔物を敵に回しても殺しきる自信がある」
「………………」
「これでもあらゆる魔物を何千と解剖してきたからな、彼奴らの体の泣き所は知り尽くしている。
 …とはいえ、誉められたものではない。仮にも人々を癒す医者が、誰よりも優れた殺害技術を持っているなど」

377 :YANA 49-2:2005/12/23(金) 10:29:49 ID:ull537NN0
「…あ、は…」
「…アリス君」
「っはい!」
「出来れば、その二つ名はあまり口にしないでくれると助かる…その、一応、割と耳が痛いのだ。
 私が医者としてより、魔物の殺し屋として有名になってしまっていることを、実感させられてしまう…。そういうのは、悔しいんだ」
「…ご、ごめんなさい」
「ところで」
「?」
「…君は、ゴドーの目標を知っているかね?」
「え?…それは、バラモスを倒す」
「それは彼の目的。私は、彼の目標を知りたいんだ」
「…どういうことです?」
「自分でいうのもなんだが、医者と患者の関係とはいえ、彼との付き合いは長い。彼への好意も何度となく口にした。…だが、彼は。
 …未だに、何故自分がバラモスを倒そうとしているのか…それを話してくれないんだ」
「………」
「目的というのは、目標に到達するために満たさねばならない条件だ。目的がある以上、目指すべき目標があって然るべきだ。
 ゴドーにそれを訊ねると、決まって俺は勇者だから≠ニお茶を濁す。…彼がそんな抽象的な動機で動かないのは、よく知っている。
 ―――あの男が旅の同伴を許している君なら、もしかしたら聞いているのではないか、と思ってな」
「…それ、は…」

(…皆が親父に期待したそれを超える偉業を成し遂げればいい)

「(…あいつは、父さんを超えるためにバラモスを…)」
「どうかな?心当たりは」
「………ごめんなさい」
「………ふむ。君は、嘘をつけない人間らしい。顔が『知っているがあいつの許可無く話せない』といっているよ?」
「!」
「いや、すまない。悪かった。こういうことは、自分で聞き出さなければフェアではないね。
 …しかしまいったな。ほんの一年足らずで、ここまで差をつけられているとは。これはいよいよ、私も覚悟を決めるべきかな?」
「なぁっ!!?(///////)」

378 :YANA 49-3:2005/12/23(金) 10:30:45 ID:ull537NN0

 ガチャッ

「!」
「む」
「…あー…寝すぎて頭痛ぇ…ったく、容赦なく暴れやがって俺の体め。ああ、もうやらん。絶対やらん。今回は本当に死ぬかと思った」
「あ…(よかった…ちゃんと右腕ついてる…!)」
「…お早いお目覚めだね、ゴドー。右腕の感覚はどうかな?」
「…ああ、おかげさまで。ただ、ちと考えてから動くまでに微妙なラグがあるな。…神経の方がまだ不完全なのかもしれん」
「ふむ、今度は規模が大きかったからな、多少の誤差は致し方ない、か」
「時間が経てば治るだろ。でなければ、文句つけに来るぞ。………ところで。おまえら、さっきから何を話してた?」
「あ…もしかして、聴こえてた…?」
「少しだけな。内容はよくわからん」
「いや、私と彼女、どちらが先に君をムググ…」
「あは、あははは、気にしちゃダメ、何でもないから、ね?」
「?」
 ・ ・ ・
「じゃあ、世話になったな」
「ありがとうございました」
「うむ。私もいい気分転換になったよ。…また、酷い目に遭ったらいつでも来るといい」
「縁起でもねぇ…まあ、また機会があれば、な」
「楽しみに…というのも不謹慎か。ではな」
 ギィ、バタン

『母さん、治療も完了し、いよいよ冒険再開です。…でも、ライナーさんの言うこと…少し、引っ掛かってます。
 私はこれからあいつに…女の子として?仲間として?…どう接すればよいのでしょう…? 敬具』

379 :YANA 49-… liner's side:2005/12/23(金) 10:32:43 ID:ull537NN0

 ―――ギィ、バタン

 今まで何百何千とくぐった扉が閉まり、彼と好ましい恋敵の姿が消える。
 …私はそれを見送り、椅子に腰掛けて冷めたお茶を啜る。
「………」
 さて。一服したら、中断していた解剖の続きをしよう。………何しろ、私に残された時間は、人に比べてそれほど多くは無いのだ。
「…やれやれ。ゴドー、君のマイペースにはいつもいつも焦らされるよ。…私を受け入れずとも、せめて彼女を受け入れてくれれば、
 私もいっそ諦めがつくのだが…」
 アリス君には話してもよかっただろうか。…いや、彼女は優しい人だ。余計なことを言えば、私の為に身を引いてしまうだろう。
 それはきっと、フェアではない。
「…医学は誰かの犠牲無くして発展しない…か。全く、その通りだな」
 私は一人の人間も殺めていない。なのに、研究は進んでいる。この矛盾。…答えは一つ。

 ―――私の余命も、あと十余年。度重なる薬物の投与、神経系列の調整、運動機能の再々改良…
 どれをとっても常人なら十回は殺して余りある。だが、私は、それによって得られた研究成果を施すことで生き長らえている。
 蝕むは医学、救うも医学、とは…何とも因果な話ではあるが。
「…ゴドーよ。このことを話せば、君はどんな顔をするだろうね?」
 …何度打ち明けようと思ったか。だが、君は自らの重荷を私に話してはくれない。
 ならば私も、己の重荷を打ち明けることなど出来ようはずも無い。
 …それもいいだろう。君は君の道を往け。私も私の道を往く。
 カップを傾け、中身を飲み干す。私は立ち上がり、解剖室の扉に手をかける…。
 
 ギィ、バタン

 雑然とした見慣れた部屋には、見慣れぬ三つのティーカップだけが残った。

380 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/23(金) 16:48:20 ID:bhoIevvb0
ラ、ライナー・・・

悲しすぎる・・・

381 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/24(土) 00:10:08 ID:PfJa0RqJ0
ちょっと下がりすぎなんでageとく

382 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/24(土) 00:25:40 ID:c6Y+xCGxO
ヒント:ここvipじゃねーし。

383 :YANA EX-1:2005/12/24(土) 16:18:58 ID:VzEe31wD0
「フンフンフンフンフーン、フフフンフンフンフンフーン♪」
 カチャカチャ
「…おいアリス。おまえ人の部屋に何やってんだ」
「え?何って、飾り付けじゃないの」
「そんなことは見れば分かる。…俺がいってるのは、どうしてそんな鈴やら植木やらを、人の部屋に持ち込んでるのかってことだ」
「どうしてって、決まってるじゃない。だって今夜は…」

 〜番外編「いつか夢見た聖夜」〜

「―――苦理・済ます?なんだ、修行でもするのか?」
「馬鹿。違うわよ、クリスマス=I!…今日は、教会の開祖さんの誕生日を祝う日の前夜で、皆で集まってご馳走を食べたり、
 お酒を飲んだりして楽しむものなの。…まさかあんた、そんなことも知らないの?」
「………いや、すまん。初耳だ」
「…ちょっと。本気でいってるの?」
「本気だ。…その…俺は、物心ついた頃から修行ばっかりで、そういう文化に触れる機会がなかったから…」
「あ…そっか。…うん、そうよね。
 よし、じゃあ、今夜はあたしとあんたが出会ってから最初のクリスマイヴだし、特別にあたしが色々教えてあげるわ」
「え?い、いや、俺はそういうの苦手だし、別に…」
「い・い・か・ら!」
「…わかったよ。好きにしてくれ…」

『拝啓 母さん、メリークリスマス!
 冒険の都合でそちらに戻れないのが残念ですが、今私とゴドーは丁度、あいつの自宅に休息に来ているところです。
 …で、私は早速こいつの部屋にクリスマスイヴの飾りつけをしていたのですが。こいつは、なんとクリスマスを知らないというのです。
 そこで、優しい私は、そんな寂しい子供時代を送ってきたゴドーに、クリスマスイヴのいろはを教えてあげようと思います!』

「………なるほど。概要はわかった。要するに、普段より金をかけた食事で楽しく騒げばいいんだな?」
「風情も何もないけど。…まぁ、そういうことになるわ」
「…しかし、一ついいか?」
「なによ?」

384 :YANA EX-2:2005/12/24(土) 16:19:34 ID:VzEe31wD0
「どうして教会の偉い人の誕生日に馬鹿騒ぎをせにゃならんのだ?」
「え?………………」
「…知らねぇのか」
「…ふ、ふん。そんなの、気にしたら負けよ。例えお肉屋さんや酒屋さんの陰謀だとしても、楽しんだ人の勝ちなんだから」
「そういうもんか。…だがこうなると、他の奴のクリスマスイヴの過ごし方とやらが気になるな…」
「ん…」
 ピィン
「そうね、せっかくだから、他の人たちのところにも様子を見に行きましょうか?」

 〜ケース1・アレイの場合〜
「クリスマスイヴ?…んー、特に予定はないわね」
「ありゃ」
「ほらな、こいつはそういうのと縁がねぇって」
「あら、失礼ね。一応、子供の頃は兄さん達と人並みのお祝いはしてたわ。今は、お金の無駄遣いになるし、
 集まる仲間もいないからしないだけよ。…誰かさんみたいに、クリスマスの存在自体知らないなんてことはないわよー」
「う…」
「んふふ、あんたのそういう顔見るのって、結構快感かも。…そだ、じゃあさ。今の口ぶりだと、お金を使わなくて、
 集まる仲間がいれば、お祝いしてもいいってことよね?」
「ん?…んー、そうね、そういう条件なら。損するわけじゃないし」
「やた!」
「おい…何する気だ」
「ふふ、何のためにあんたの部屋を飾ったと思ってるの?」
「………おい、よせ。何考えてる…」
「いったでしょ。あんたに色々教えてあげるって。お金は、あたしが出すからさ。
 …ね、アレイ。今夜、こいつの部屋に来てくれない?場所は…」
「………おいおい…」

385 :YANA EX-3:2005/12/24(土) 16:20:53 ID:VzEe31wD0
 〜ケース2・エデンの場合〜
「ふむ。聖誕祭のことか」
「はい」
「むぅ…残念だが、私も知識こそあるが、生涯をひたすら武に費やしてきた故…実際に聖誕祭を祝ったことはないのだ」
「全然構いませんよ、こいつなんて、そもそも知識すらなかったんですから」
「………(覚えてやがれ…)」
「ふむ…しかし、私のような無骨者が出席して、お邪魔にならないだろうか…」
「いいんです、今夜はこいつに、クリスマスイヴがどういうものかを教えるためのパーティなんですから。
 寧ろ来てくれると助かります」
「おまえな、人の家を何だと」
「はいはい、初心者は口ださなーい」
「…承知。他ならぬゴドー殿のためとあらば、私も無碍に断ることは出来ん。しからば、今夜はアリス殿の提案に賛同するとしよう」
「(頼むから無碍に断ってくれー…)」
「りょーかい!はい、次つぎー♪」

 〜ケース3・ライナーの場合〜
「クリスマス?なんだねそれは」
「「ちょっと待て、元聖職者」」
 ビシッ
「…いきなり来て随分な物言いだね」
「いやいくらなんでもおまえが知らねぇのはどうかと思うぞ」
「えっと、クリスマスって言うのは…」
 ・ ・ ・
「成る程。教会の開祖の誕生祝か」
「…本当に知らなかったんですね」
「すまない、私は元々、人の治療のためだけに僧侶となった身でね…あまり、彼らの風習には興味がなかったんだ」
「はぁ…まぁ、丁度いいです。ライナーさん、今夜はお暇ですか?」
「む?あぁ、解剖の資材も底をついて、そろそろ狩りに出ようかと思っていたところだ」
「ラッキー!それじゃ、今夜、こいつの家に来てください。クリスマスイヴのお祝いをするんで、是非」
「ふーむ…心得た。私としても、彼とその聖夜とやらを共に過ごせるのなら、断る理由もない」
「………あぁ、もう。どうなっても知らねぇぞ、俺は…」

386 :YANA EX-4:2005/12/24(土) 23:04:53 ID:C/wiOFSP0
 ・ ・ ・
「…というわけで、お三方とも、本日はこの幸せ音痴に世の文化を知らしめるパーティーに、よくぞ出席して下さいましたーっ」
「あははー、似合ってるわよーアリスーっ!」
「…む、むぅ…これが聖誕祭…随分と、華美な装飾をするものなのだな…」
「…おや?ゴドー、顔色が悪いようだが?よければ、薬を処方するが」
「………いい。ほっといてくれ」
「はいそこー、仮にも主賓が鬱になってんじゃなーいっ!…ほら、あんたも何か言いなさいよ!」
 グイッ
「あ?な、お、おい!」
「ふむ、これは見物だな」
「ふふふ、頑張れー、勇者様ーっ!」
「ゴドーよ、気楽にやれー」
「(こいつら…)…ああ…その…今日は俺なんかの為に、こいつの思い付きに付き合ってくれて………すまない」
「「「「………」」」」
「…ついては、今日の食い物や酒の経費は全部アリス持ちなので容赦なくやってくれ。以上だ」
 ゴンッ
「ぐは…」
「はい、最後のは余計よー、ヘッポコ」
「やかましい、これだけ我侭聞いてやってるんだ、これくらいの憂さ晴らし大目に見やがれ平和ボケめ」
「なんですってぇっ!この世間知らず!!」
「は、今までその世間知らずに何度命を救われたか数えてみろ」

「…!!!」
「…!!?」
「…相変わらずねー、二人とも。でも…」
「そのお互いの気後れの無さが、見る者に活力を与える…そして」
「そんな二人が、世界を救う…か。いやいや、人生とはこういうことがあるから面白い。…まだまだ死ねんな、これは」
「「「………ふふっ」」」

387 :YANA EX-5:2005/12/24(土) 23:05:24 ID:C/wiOFSP0
 ・ ・ ・
「「………」」
 ゴキュッゴキュッゴキュッ
「「プハーーーーーーーッ!」」
「…すげぇな。お互い一歩も譲らねぇ」
「今ので二桁の王台よ…どういう体してるのかしらねー」
「うわぁ…十一杯目…うう、貯金のゼロが減っていく音が…」

「…ふむ。中々やるな。私とサシで飲み比べ出来る男がいるとはね」
「親父に鍛えられていたのでな…貴殿、名を聞いておこう。私はエデン」
「ライナーだ。…そら、休憩している時間は無いぞ」
「是非も無い…」
 グイッ
 ・ ・ ・
「「「「………」」」」
 コン
「それ、当たりだ」
「えっ!?」
「ほれ、國士無双十三面待ち、ダブル約満。…おまえなぁ、俺がヤオチュウ牌全く切ってねぇの見え見えだろうが、
 どうすればそんな危険牌を放る選択に至るんだ」
「うう…アレイ〜」
「ごめんねー、まさかそれを切るとは…ね」
「アレイ君、せっかく初心者のアリス君と組んでいるんだ、アドバイスは的確に・妥協無くしてやるべきではないかな?」
「全部あたしがやったら、アリスもつまんないでしょー。だから、この子にも勝負の楽しみをあげようと思って」
「別にいいわよぅ、そんなの」

 ジャラジャラ
「「「「………」」」」
 コン…コン…コン…
「………」

388 :YANA EX-6:2005/12/24(土) 23:06:07 ID:C/wiOFSP0
 スッ、コンッ
「―――ちょっと待て、ライナー」
「―――何かね」
 ざわっ…
「?どうしたの、ゴドー(っていうか今の音、何?)」
「左手出しな。ゆっくりな」
「………ふむ。相変わらず、動体視力と反射神経は侮れんな、君は」
「………」
 パッ
「……え?白が…二枚?どういうこと?」
「エデン」
「………む」
「…ったく、油断も隙もねぇ。さっき酒飲みで意気投合してたと思ったら、早速これか」
「ちょっと、あたしにも分かるように説明してよ」
「ライナーとエデンのコンビ打ちのイカサマだよ。卓下で牌を…(ry」
「………あたし、降りていい?」
「だーめ。大丈夫、イカサマまで使われちゃ、私も本気で行かせてもらうから。…いい、アリス、私の言う通りに切ってね」
「う、うん」
「…暫く見ない間に、こすい真似するようになったなエデン。…人生をひたすら武に費やしてきたんじゃなかったのか?」
「ふむ。これは親父の数少ない趣味の一つだった。幼い頃は、よく面子の数合わせに付き合わされたものだ。
 そのときの面子が全員玄人揃いでな…つい、これをやると昔の癖が出てしまう」
「ふふ、ゴドーが本気を出す前に差をつけようと思ったのだが…」
「………上等だ、そういう魂胆なら、ここからは全開で往くぞ。半荘でハコにしてやる」
 ざわっ…
「うわぁ…(だからこの音、何!?)」

389 :YANA EX-7:2005/12/24(土) 23:06:46 ID:C/wiOFSP0
 ジャラジャラ…
「「「「「………」」」」」
 スッ、コンッ
「ツモ。天和、大車輪」
 ざわっ…
「な…莫迦な!?」
「…やられた。まさかいきなりとは」
「あらら、しくじったかー」
「………え?」
「…ゴドー。ツバメ返し≠ゥ」
「は、気付くのが遅ぇよ。らしくないんじゃねぇか、ライナー」
「面白い。積み込みで私と張り合うつもりか。…よかろう、神速の五秒積みを見せてやろう」
「もういや〜!!誰か助けてーっ!!」
 ・ ・ ・
「む…また3か。さっきから三つ進んで三つ戻るの繰り返しじゃねぇか」
「ゴドー殿、まぁ気を静められよ」
「くじ運無いわねー。…ほいっと」
 コロッ
「…あ、『振り出しに戻る』」
「…くじ運がなんだって?」
「あははー、ま、こういうこともあるわ」
「ふむ、次は私か…」
 コロッ
「…何々、『次の順番の人とキス。された相手は一回休み』…なんだね、このコマは」
「はぁ!?ちょっと、このすごろく、そんなイベントないはずだけど」
「………」
「ア・レ・イ〜?どうして目を逸らすのかな〜っ!?」
「あはは、ほら、パーティーといえば、ランダムのキスイベントはつき物だって聞いてたから」
「…ところで、私の次の番は………アリス君なのだが」

390 :YANA EX-8:2005/12/24(土) 23:07:26 ID:C/wiOFSP0
「………え?」
「…ふむ。男性ではないし、私の貞操について傷がつくこともなし…何事も経験だ、試してみよう」
「…え?え?…あは、あはは…ライナーさーん、目がちょっと怖いですよー…いやぁぁぁぁっ!!」
「…暫く戻って来そうにねぇな。仕方ねぇ、あいつらは置いといて。ほら、一個飛ばして、次はエデンだ」
「承知…」
 コロコロッ
「………『一つ前の順番の人と腕相撲、五回勝負』…?三回連続で勝てたら六つ進む………ふむ」
 コキッ
「おーいアリスー、お呼びだぞー」
「な、ちょ、ま、アレイーーーーーーッ!!」
「…ご愁傷様」
 ・ ・ ・
「さて、めでたくドンケツのアリスさんには罰ゲームが待ってるわけですが。…何か言い残すことはあるか?」
「…あうう。一番酷い目に遭ったあたしが、どうして罰ゲームまで…」
「『ビリに罰ゲーム』とか言い出したのはおまえだろうが。けじめをつけやがれ」
「…わかったわよ。アレイ、くじ出して」
「はいはい」
 ドンッ
「何が出るかな、何が出るかな〜♪」
「…急かさないでよ。…っと」
 ピラッ
「………………っ…ちょっと、誰よ、これ書いたの!!」
「あん?………ぶっ!!!」
「いかがなされた、ゴドー殿?………む…」
「?…おやおや、これは………」
「んー、何々、何引いたの?………あ」
「「「(………アレイ(殿・君)か…)」」」

 今夜、就寝時は一つ上の順位の人と床を共にするべし。全裸で

391 :YANA EX-9:2005/12/24(土) 23:09:15 ID:C/wiOFSP0
「………えーっと…」
「…む…確か、四位は…」
「…アレイ君、私、エデン君ときて…」
「………俺か。ちょっと待て、シャレになってねぇぞ、これ」
「………」
 フラ〜
「あ、倒れた」
「…ふむ、ショックが大きすぎたようだね。…ここは一つ、せっかくだから勇者様に介抱を」
「…アレイ、覚えておけよこの野郎」
「あら、役得じゃない。感謝されこそすれ、恨まれる筋合いは無いわよ?頑張ってねー」
「…ゴドー殿。据え膳食わぬは男の恥…という言葉があるぞ。しっかりな」
「…私が負ければよかったかな」
「俺が襲うのは決定事項か、おまえら」
 ・ ・ ・
「じゃあね、お休みー。今日は楽しかったわ」
「わざわざ宿まで見送りについてこなくともよかったのだが…」
「まぁエデン君。こういう好意は素直に受け取っておくものだよ」
「今日はどうもありがとうね、三人とも」
「何を仰る、御馳走になったのは我らの方だというのに」
「それじゃ、ごちそうさまー」
「…明日は、気をつけて帰れよ」
「はいはーい」

「…んー、今年も終わった終わった…どうだった、ゴドー?初めてのクリスマスパーティーは」
「…ま、最初は戸惑いもあったけどな…慣れれば意外と、その…悪くない気分だな」
「ん、結構結構。あたしも出資した甲斐があったってもんだわ。それにしても、あんたがあんな麻雀強いなんてね。
 ただの修行バカでもなかったんだ」
「アレイに仕込まれただけだ。勇者の嗜みとか何とか。…今にして思えば、奴の暇つぶしのための技術を養成されただけとも思えるがな」
「あはは、それはあるかも………あ」
「ん?………雪、か」
「………綺麗」

392 :YANA EX-10:2005/12/24(土) 23:10:06 ID:C/wiOFSP0
「珍しいな…こっちは、あんまり降らねぇんだけど」
「………っ」
 ブルッ
「…どうした?」
「ん?あ、大丈夫。ちょっと冷たかっただけ」
「………」
 ファサッ
「え………」
「…そんな肩出した服じゃ、マントつけてても寒くて当たり前だ。俺のマントも使え」
「でも、それじゃあんたが…」
「気にするな。俺はおまえほど脆弱な体してねぇからな」
「…むっ。…どうしてあんたは、そういう刺のある言い方しか出来ないのかな」
「………悪かったな」
「…えい」
 ファサッ、ボフッ
「うわっぷ………何をする………!?」
「…こうすれば、二人ともマントに包まれるでしょ」
「…密着してるから歩きづらいぞ」
「…(/////)っもう、情緒が無いなぁ、ホントに!」

「………」
「………」
 シン、シン、シン…
「…積もるかな。雪…」
「さぁな…どうだろう」
「………」
「………」
「…今日は、ありがとう、な」
「―――え?」

393 :YANA EX-11:2005/12/24(土) 23:10:37 ID:C/wiOFSP0
「初めて…友達と…何でもない、楽しい時間を過ごせたと…思う。ありがとう」
「……何よ、急に」
「………なぁ」
「ん?」
「………クリスマスって。プレゼントを渡す習慣があるのか…?」
「ん…サンタさんが、子供にプレゼントを送る、っていうのが一般的かも。…でも、それがどうしたの?」
「…ああ、いや。じゃあ、ダメか…」
「気になるいい方ね。何がダメなのよ?」
「…何でもねぇ」
「いいなさいよ、ほら、あんた借りは作らない主義なんでしょう?だったら、あたしに今回の借り、さっさと返しちゃいなさい」
「う………分かったよ。………昔。俺の一番古い、親父の記憶だ」
「………」
「…俺が物心つくかつかないかって時分。親父は確か、12月24日…俺に、木彫りの熊をくれたことがあった。…その、親父は…
 何だかよく分からんが、赤い服と白い付け髭なんかつけやがって…どうも他人を装いたかったらしい…」
「…ああ。それ、多分、サンタさんの振りをしてたのよ。…もう、あんたがそんな風に思ってたら、お父さんの努力意味ないじゃない」
「ああ、そうなのか?…はは、バレバレだ、何やってんだか。………でな。俺の記憶の中で…憎しみまみれの親父だけどよ…
 …その時だけは…その…ほんの少し、嬉しかった………気がするんだ」
「…ふぅん。いいことじゃない」
「………それで、まぁ、なんだ」
 ザッ
「?わ、とと…どうして離れるのよ、寒いじゃない…ううっ」
「悪い………すぐ終わるから」
 ゴソゴソ
「?」
「じっとしてろよ…」
 スッ…
「………え?…なに?………ピアス?スライムの?」
「…ちょっと加工して、作ってみた。…悪いな、あんまり出来はよくないと…思う」
「………これ、あたしに…?」

394 :YANA EX-12:2005/12/24(土) 23:11:38 ID:C/wiOFSP0
「………あー…なんだ。俺は、そのサンタじゃねぇけど………もらってくれると、嬉s」
 ギュッ
「………」
「………」
「…ありがと…すっごく、嬉しいよ…」
「…ん」
 シン、シン、シン…
 ・ ・ ・
「…ただいま…って、あれ。誰もいねぇ?…おかしいな」
「おば様、いたはずよね?…あれ、手紙?」
「ん?どれどれ…」

『ゴドーへ 今まで貴方に勇者として強くなって欲しい一心で、子供らしいクリスマスのお祝いも教えてあげられなくてごめんなさいね。
 でもお母さん、貴方に面白いお友達が沢山出来たみたいで、嬉しいです。貴方ももう一人前の勇者になりましたね。
 話はアレイちゃんから聞かせてもらいました。あなたも16歳、いよいよ大人の階段を昇る日が来たのですね。
 頑張ってください。ただし、きちんと合意の上でするのですよ? 母より。

 ゴドーよ、おまえもこのじいの孫じゃ!しっかりと男の誇りを見せるのじゃ! 爺より。

 追伸:私とお義父さんは邪魔にならないよう、今夜は町の宿に泊まることにします。それでは』

「「………」」
「(母さん…貴方の考えていることは限りなく誤解だと思う。…つかあのアマは次に会ったら四、五枚にオロシテヤル)」
「………ねぇゴドー」
「ああ、気にしなくていい。あのバカが勝手に吹聴しただけだ…」
「………罰ゲーム。まだ、覚えてる?」
「………」
 ドクンッ
「…おい、何考えてるか知らねェが、やめといた方がいいぞ。…俺も男だから、あんまり馬鹿やると何するかわからん」
「………でも、けじめをつけないと、っていったのは、あんただよ…?」
「………じゃあ、一つ、条件がある。これだけは譲れん。
 ベッドに入るまではバスタオルでも巻いておけ。…直視したら、俺もどういう行動に出るか自信が無い」

395 :YANA EX-13:2005/12/24(土) 23:13:18 ID:C/wiOFSP0
 ・ ・ ・
「…向こう、向いてて」
「ん…」
 モゾモゾ
「…じゃ、入るからね?」
「ん…」

「…そ、それじゃあ…バスタオル、外すから」
「…ああ」
 ゴソゴソ…ボトッ
「「………」」
 シン、シン、シン…
「………雪、まだ降ってるね」
「…ああ。この分だと、本当に積もるかもな」
「………くしゅん」
「大丈夫か?」
「…ず…流石にちょっと寒いかも…」
「………何もしねぇから。声、上げるなよ」
「え…」
 ギュッ
「「………」」
「………暖かい」
「…ピアス、つけたままなんだな」
「当たり前でしょ。………あんたからの、初めてのプレゼントなんだから」
「…そんなもんか」
「ゴドー」
「ん?」
「…メリー・クリスマス」
「?…めり…???」
「いいから。…メリー・クリスマス。ゴドー…」
「…メリー・クリスマス。アリス」

396 :YANA:2005/12/24(土) 23:14:11 ID:C/wiOFSP0
   番外編「いつか夢見た聖夜」 〜完〜


うずうずしてやった。時節ネタなら何でもよかった。
今は満足している。後悔はしていない。

本編ほっぽりだしてこんな糞長い番外編書いて、何やってんだ俺はorz ごめんよ、ちょっとやってみたかっただけなんだ。
ていうかスライムピアス以外に、一見さんがこれをドラクエ世界の話と特定する材料がないのはどうなんだ。

397 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/25(日) 00:02:23 ID:/Qnn6tjn0
>YANA
メリクリ…。

ぐはっ(萌)。無念後を頼む。

398 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/25(日) 02:30:31 ID:sMhHHvLpO
これぞ聖夜にふさわしいネタだ

399 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/25(日) 03:46:29 ID:kV0/jwAUO
マジでGJな件について

400 :おかいものさん:2005/12/25(日) 09:33:05 ID:PzeJYR9/0
いい仕事してますねぇ

401 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/25(日) 13:28:10 ID:tOYe0cDOO
アレイに惚れた

402 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/25(日) 18:26:51 ID:7hN+FyGLO
こんなトコに避難してたのかwwwwwwwwwwww
ずっと知らなかった・・・バカスwww
ちょっとPC開いて>>1から読んでくる!!

403 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/25(日) 20:57:59 ID:JHkxOiXe0
これで執筆係りさんが光臨してくれれば、最高なんだが。

404 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/25(日) 21:48:25 ID:ZYmZB/wf0
いい仕事だ。
マジで。

405 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/26(月) 00:08:13 ID:2iN0y+L+0
マジでGJでしたww

406 :だんご:2005/12/26(月) 15:13:51 ID:zMu2od4K0
YANAさん、GJ!!

さて、GJの嵐の中投稿するのは少々勇気がいりますが、漸く規制も解けたのでいってみようかと。
やはり引っ越しがてら、バイダ変更するべきか。

一応言い訳。ロザリーヒルからこっち伏線回収モードに入っています。
で、そのせいか知らないけど今回全く萌え分がありません。つうか、萌えってなに?
ああもう下手に設定付けるからこんな羽目に陥るんだ。
そもそもこんな状況に叩き込んで何とかするだけのスキルがあるのか?それが一番の問題だ。

407 :だんご:2005/12/26(月) 15:15:01 ID:zMu2od4K0
前座はもう終わり……?もうわたしそっち行っても良い?

此がエスターク……でっかいけど……まだ寝てる……。
今のウチに攻撃したら、起きる前に倒せないかな。
……え、っと。勇者、死なないで、ね?

(ピカー!!)

うわ、ずっこいっ!!アイツ、寝てるのに攻撃してきたっ!
大丈夫かな……だって地獄の帝王だよ?竜の神様だって、封印しかできなかったんだよ……?
それなのに、そんなヤツと戦うなんて……。
腕輪は……ちゃんと嵌めてる。勇者は、わたしが守るの。

(ブォォォォォーーーー!! ズシャッ!! グシャァ!!)

ああ、そこっ!!いけっ!!あん、ダメ……やったっ!!その調子ッ!!

(ズババババッ!! バシュッ!! ズッガッッ!!!)

勇者ッ!!……勇者は、勇者を殺させはしない……!!

(タッタッタッタッタ)

勇者、危ないッ!!!

(ゴォォォォォォーーー!!)

408 :だんご:2005/12/26(月) 15:16:05 ID:zMu2od4K0
…………う、うう。わたし、……生きて………?
…エスタークは?そう……倒したの……。勇者は……無事ね。良かった………。

わたし……また死に損なっちゃった……どうして……?
どうしてなの……?あの時死ぬはずだったのに、生き長らえて。
だからっ。せめて、せめて勇者を守って死ぬつもりで一緒にいたのに……。
勇者を守ることだけっ、それだけを頼りに此処まで来たのにっ!
どうして、今も死なせてくれないのっ!?みんなが待ってるのにっ!!
わたしなんて生きててもしょうがないのよっ!勇者に迷惑ばっかりかけるしっ!!
なんでっ……なんのために生き残ってるのよっ……!
……生きていればいいことがある?この世界のどこに…?
勇者だって薄々勘付いてるでしょ!?わたしがこの世界でどんな目に遭ってきたか!!
人間が嫌いなのっ!だいっきらいっ!!いなくなっちゃえばいいのよっ!!!
……でも、みんなは優しかった。こんなわたしにも優しかった、受け入れてくれた。
でも、みんな死んだ……!優しい人たちから死んでいく……
…だったら、わたしが生きていける場所なんて無いじゃないっ!!
みんなが待ってる……だから、せめて勇者を守って死ぬしかないじゃない………
それしか、それしかないじゃない…………。うっうっ……。

(ルビーの涙は音もなく崩れ去った……)

409 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/26(月) 18:33:44 ID:H0hvipdbO
乙っす
前に「決めた」って言ってたところが今回なんだろうなぁ
シンシアぁ…

410 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/26(月) 20:25:22 ID:lLASnGeh0
シンシアの健気さに惚れた。

411 :YANA 50-1:2005/12/26(月) 22:42:35 ID:usnrGyvN0
『拝啓 母さん、無事ゴドーの右腕も元通りになり、私とゴドーは次の目的地に向います。
 サマンオサでの一件で、サイモンさんが投獄された祠がロマリアの北東の湖にあることをエデンさんから聞いた私たち。
 今はそこを目指し、船で大陸の北の大河を上っている最中………でした』

「………」
「おい」
「………」
「…おーい、アリス」
「え?あ、うん、なに?」
「…どうした?ボーっとして」
「ううん、何でもないの…(ああもう…まただ…あれから、ちょっと一人になると、こいつのこと考えてる…どうしたんだろ、あたし…)」
「…海なんか眺めて。俺が釣りしてると文句垂れるくせに」
「そ、それよりも、さ。………さっきの、あんたは、何も感じなかったの…?」
「………」
「………あ、ごめん。そんなはず、無いよね」

『大河を上り、湖へと進入しようとした矢先…どこからか悲しい歌声が聴こえて来て、船を押し戻してしまったのです。
 私たちはその歌声にえもいわれぬ無念を感じ、近くの岬の宿屋で途方に暮れています…』

「…どうするかな…ここに泊まってた旅の詩人に聞いたんだが」
「え?」
「嵐で沈んだ船に乗ってた恋人さんの死を悲しんで…オリビアって人、湖に身投げしたんだって。
 …で、成仏できずに、岬を通る船を呼び戻してるらしい…」
「………そっか」
「流石に死人を助けたことはねぇからな…」
「………ねぇ、その人の無念、晴らしてあげられないかな?」
「ん?どうやって?」
「…う……うーん…そうね…恋人さんとの、思い出の品とかあればさ、その人と一緒に天国に行けるかも…なんて…」
「…現実的じゃねぇな。相手が沈没船じゃな…」

412 :YANA 50-2:2005/12/26(月) 22:43:38 ID:usnrGyvN0

「そうでもねぇぞ、兄ちゃん」

「あ、船長さん」
「ん?どうしたんだ?」
「手はあるぜ」
「?」
「悪いが話は聞かせてもらった。オリビアちゃんを成仏させるために、エリックの持ち物が欲しいんだろ?」
「エリック?」
「恋人の名前だよ。で、その手なんだが…俺が昔航海してた時にな………幽霊船に遭ったことがある」
「―――」
「…穏やかじゃねぇな。それで?   おいアリス、言い出しっぺが逃げるんじゃねぇ」
「あう…」
「特徴のある船だったからよ…はっきり覚えてたぜ。間違いねぇ、ありゃあ、エリックが乗ってた船だ。
 もしかしたら、中にオリビアちゃんとの思い出の詰まったモンが残ってるかも知れねぇぞ」
「…ふぅん。成る程。探してみる価値はありそうだが………何であんたがそんなこと知ってるんだ?」
「なに、ちっと昔、縁があってな」
「………で。どこに行けばそいつは見つかるんだ?」
「おう。ありゃどこかに行けば遭えるっていうモンじゃねぇんだ。必要なのは運と…船乗りの骨≠セ」

413 :YANA 50-3:2005/12/26(月) 22:44:29 ID:usnrGyvN0
「はぁ?なんだそれ」
「死んだ船乗りの骨は、仲間の船乗りの霊魂を呼び寄せる。こいつを持ってれば、かなり遭える確率は上がるはずだぜ」
「幽霊に遭う為に船乗りの骨…何よ、その冗談になってないホラー話」
「がはは、いわれてみりゃそうだ」
「仕方ねぇ、癪だがまた少し回り道と行くか。…ところで船長、近く死にそう、若しくは死んだ船乗りは」
「こらぁっ、ゴドーッ!!」
「…冗談だ」
「大丈夫だ、脈はある。サマンオサの北の島に、古くからの飲み仲間のじーさんが住んでてな。
 昔、海賊から船乗りの骨をもらって大事に持ってるんだそうだ」
「よし。それじゃ、そっちに行ってみるか」
「ようがす!」

『母さん…そんなわけで、今度は幽霊船探検に挑むことになりそうです。…本当は、ちょっと怖いんですけど。敬具』

414 :YANA:2005/12/26(月) 22:53:37 ID:usnrGyvN0
だんご氏、GJ!!
シンシア、泣かすじゃねぇかチクショウ(;つД`)

っつーわけで何事もなく再開。因みにEXは文字通り番外編なので、伏線は勿論、
今回のアレイやエデンたちの面識も本編には全く反映されませんのでご了承を。

しかし今日、資料集めの為に原作の
 オルテガVSキングヒドラ〜エンディング
の流れを再プレイしたら泣けてきた…親父ーーーっ!

415 :だんご:2005/12/27(火) 00:50:53 ID:bB5S04Xf0
え……何?ゴメン、聞いてなかった。
そう、ロザリーさんが人間に……それでロザリーヒルに来てたんだ。
で、なにかわかったの?イムルの村……?
そっちに連れ去られたんだ。見てたのがいたならなんで………
ううん、なんでもない。で、どうするの?
……ああ、そっか。イムルの村に行くのか。

此処に残れって………?
なんでッ!?わたしを置いてかないでっ!!
置いてかないでよぅ………お願いだから……なんでもするから……お願いします………
それしか……わたしにはもうそれしか………


結局この村に来ても、なんの手掛かりもなかったの……?
そう………。ねぇ、もう暗くなってきたから宿に行きましょうよ。
……もう…………

416 :だんご:2005/12/27(火) 00:51:32 ID:bB5S04Xf0
どうして……どうして………ッ!!!
どうしてあの子は……あんな目にあって…然もその最期でッ……尚、あんな事を云えるの………?
良いじゃない、人間なんて……きっといない方が……
ううん、いなかったらロザリーはきっと幸せになれたよ…?
そしたら、わたしだって………なのに、どうして止めて欲しいって……
わかんない、わかんないよ。わたしにはわかんないっ!!!

あ、勇者………なんでもない。呼びに来てくれたの?
うん、今い

(ガシッ)

ちょ、なにするのっ。離して。離してよっ。
……え?人間が滅べば……勇者も死ぬ………?
いや、そんなのいやだ。そうだ、逃げようよ……逃げよう?魔族の手の届かないところに二人で。
みんなも死ぬ……の?いやぁ……これ以上好きな人が先にいなくなるのは堪えられない……
堪えられないの………ねぇ、どうしたらいいの?わたしはどうしたらいいの?
ねぇ、答えてよ。答えて……答えてよっ。もうなんにもわかんないよっ!!

417 :だんご:2005/12/27(火) 00:52:17 ID:bB5S04Xf0
ま、もる?

えへへ、ダメだよ……それはわたしの役目。勇者を守るのがわたしなんだから……
それにわたしには勇者が守る価値なんて、無いよ。

ねぇ、勇者。知ってる?なんでエルフは確かに存在するのに、見ることがないのか。
……みんなね。隠れ住んでるの。見つかったら、酷いから…………
岩山に囲まれた砂漠の中に立つ、世界を支える一本の樹。
世界樹にわたしたちは隠れ住んでるの。わたしたちを外界から守るために。
でもね。あの里がつまんなかったんだ、わたしには。
もっと広い世界が岩山の向こうにはあって、いっぱいの人たちが暮らしてる。
それに憧れて飛び出したのが50年前。世界を放浪したって話、嘘だと思ってた?本当なのよ。
でもね……わかるでしょ?直ぐに人間に捕まったのよ。
エルフの人間たちの間での扱いは聞いてたけど、若かったのかな。実感が無くてね……
こうして生きてるんだから、責め殺される前に逃げ出せたんだけど。
でもね、そこで…酷いあつか……扱い………う…うう………

ごめんなさい……うん、大丈夫……大丈夫………
それでね、自分の身を守るためにモシャスを覚えたの。エルフだってばれないように。
それからは世界を回って、最後にあの村に辿り着いたんだ。
……辿り着いたって云うより、遭難の果てにと云った方が良いのかもしれないけれど。
みんな、みんな優しかった。エルフだって判っても優しくしてくれたのよ。

418 :だんご:2005/12/27(火) 00:53:18 ID:bB5S04Xf0
そしてある日、あの村に赤児の勇者が来て、みんなで育てたの。それからは勇者も知っての通り。
だからね、みんなあの日も覚悟の上だった。
勿論見つからずに勇者が勇者に成れればそれが一番良かったんだけどね。
みんなで勇者を守る。わたしも勇者を守る。今のわたしに残ってるのはそれだけなの。
でも、人間なんてどうなったっていい。寧ろいなくなって欲しい。
もうどうしたらいいのか判らないのよ………何を願ったらいいのか判らないの………

……え?うん、みんなのこと好きだったよ。大好きだった。
だったら、その遺志だけでも………?どうしたらいいのか判らないのなら……?
でも他の人……守るって…だから、わた
大事って……ふふっ、そんなことあるわけ無いよ。わたしなんてどこにでもいるエルフだし。
そ、そんなことないっ。勇者のこと良く知ってるよ?だから信じられないなんてそんなこと……

…………わかんない。ロザリーさんの想いもわたしの想いも。
でも、みんなの遺志と勇者の言葉は信じる。今はそれだけを頼りにするね……。
お願い……ちょっとで良いから胸貸してくれないかな……?
うう…ふぅぅぅぅうぅ、うぅっ…うわあぁぁぁぁぁぁぁぁん……………

419 :だんご:2005/12/27(火) 01:02:46 ID:bB5S04Xf0
モシャスを覚えるタイミングがPS版とは異なりますが、大目に見てやって下さい。
というか、最後まで過去を語らせるつもりは無かったんだけどなぁ。何故かこんな事になりました。
つうかよくよく考えたら、既に判ってることを長々書き連ねたのかっ!?反省。

なんか意図せずに、人を呪いながら人に愛された少女と、人を愛しながら魔族に愛された少女の対比が出来ましたとさ。

420 :YANA 51-1:2005/12/27(火) 19:51:15 ID:S10Iyfb30
『拝啓 母さん、ここはサマンオサの北、グリンラッドの島。
 今しがた、船乗りの骨を持っているというお爺さんのところで話をつけ、船に帰ってきたところです。
 しかし、骨を譲ってもらったのはいいのですが…なんだか変わった交換条件を出されました』

「あんな人気の無いところで変化の杖なんてもらって、何が楽しいのかね?」
「さあ…人気が無いからこそ、暇つぶしに飢えてるとか?」
「ま、別に使い道も無かったし、これで骨を譲ってもらえるなら御の字か…ところで、これ、どうすればいいんだ?」
 プラーン
「………あたしに訊かないでよ」
「残るオーブは二つ…うち一つは所在不明、もう一つはネクロゴンドの奥。そのネクロゴンドに行くためには、まず幽霊船…か。
 難儀だね、どうも。…いっそ火山強行突破でもやるか?」
「ダメよ。…あんたにまで…お父さんと同じ末路を辿らせるわけにはいかないもの…」
「…俺ならそんなへまはしねぇ自信があるけどな。………俺には、おまえがいるし」
「え?」
「…あ、いや。何でもねぇ…」
「???………あれ?…ねぇ。船乗りの骨」
「ん?」
「…さっきまで揺れてたのに………全然動かなくなってる…?」
「何?………む、なんだこれ。………何かを…指してるのか…?」
「この骨の指した先に…幽霊船がいるって事?」
「…当ても無くぶらつくよりマシ、か。よし、行くぞ………っていや、待った。この方角なら…うん、大した寄り道にもならんか」
「どうしたの?」
「幽霊船に行く前に、あいつに借りを返しに行く」
 ・ ・ ・
「ようこそ、アレイバーグへ!」
「「………」」

421 :YANA 51-2:2005/12/27(火) 19:51:53 ID:S10Iyfb30

「なぁアリス」
「ねぇゴドー」
「「………」」
「何だよ?」
「…先にどうぞ」
「………俺たちが前来た時は確か、店が一軒あるだけだったはずなんだが。これは俺が耄碌(もうろく)したのか?」
「…多分違うわ。あたしも、同じ事考えてたし」
「…じゃあなんだ。この町は、俺やおまえの見てる幻というわけではねぇ、と」
「…うん。アレイ、本当に町を作っちゃったんだ…。ところで、アレイはどこにいるのかしら?ラーの鏡、渡しに来たんでしょ?」
「ああ。さて…どうやって探すか………ん?」
「わ…大きい屋敷」
「…む?あなた方は…?どうかなさいましたか?」
「ん、ああいや。何でも。…そうだ、あんた、ここら辺でアレイって商人の住んでる場所を知らないか?」
「アレイ様?でしたら、このお屋敷がそうですが?」
「「…は?」」
「…失礼ですが、お名前をお聞かせ願いますか?」
「…ゴドー。こいつはアリス」
「どうも」
「ゴドー様に…アリス様。かしこまりました、アレイ様に、御両名がいらしたらお通しするよう仰せつかっております。こちらです」
 ・ ・ ・
「いらっしゃーい、二人とも。そろそろ来る頃だろうと思ってたわ」
「久しぶり、やったわね、アレイ。夢を叶えたのね!」
「あはは、ううん、まだまだこれからよ。見ててね、これからもっと、大きくしていって見せるから」
「無駄にでかい屋敷構えやがって…何考えてんだ」
「しょうがないでしょー、やっぱり、町が大きくなると商人としては財の保管場所に困ってね。大きい家が必要になるっていうか」
「…まぁいいや。それより、ほら。約束の報酬だ」
「ん?ああ、例のラーの鏡ね。はい確かに〜。…もう、本当に几帳面なんだから」

422 :YANA 51-3:2005/12/27(火) 19:52:23 ID:S10Iyfb30
「ほっとけ。…さて、用は済んだし、行くか」
「え?もう行くの?ゆっくりしていけばいいのに、もてなすわよ?」
「そうよ、久しぶりにちゃんと会えたんだし、もうちょっと話して行きましょうよ」
「遊びに来たわけじゃねぇんだ、俺たちは俺たちの目的を果たす。…大体、おまえ、この町をもっと大きくするんだろ?
 …なら、俺たちはお邪魔だろう」
「うーん…そうでもないんだけどねー。ま、いいわ。貴方がそういうなら」
「もう…じゃあ、またね」
「んー、いつでも来てね、歓迎するわ」
 ・ ・ ・
「そんなに慌てなくても、幽霊船は逃げないわよ」
「わからんぞ、逃げるかもしれんだろうが」
「………確かに、断言は出来ない、け、ど………?」
「?どうした?」
「………ねぇ。あそこ。噴水のところに座ってるお爺さん」
「ん?………あ」

 ザッ
「おい、じいさん」
「…ん?………おお、あなたたち、確か!わしです、ここに初めからいた爺ですじゃ!」
「やっぱりそうか。…まぁ見つけたのはこいつだけど」
「どうも、久しぶりです。どうしたんですか?元気なさそうですけど」
「………」
「?」
「………アレイ…よく頑張ってくれた。町の長として務めて…人、沢山集まって、町も出来た…わし、満足…」
「…なにか、問題でもあるのか?」

423 :YANA 51-4:2005/12/27(火) 19:52:52 ID:S10Iyfb30
「…でもアレイ…まだまだ、まだまだ…これからもっと町を大きくすると…町の人間をどんどん働かせて………。
 裏では、アレイの方針に不満を抱えてる者、沢山いる…わし、それが不安で仕方ない」
「………」
「…嘘。だって、そんな、あのアレイがそんなこと………」
「わし、アレイに町の者がどう思ってるか話したけど…まるで取り合ってくれない…わし、どうしたらいいか…」
「…(ちっ。あいつめ、悪い癖が出やがったな…)」
「…あたし、ちょっと行って来ます!」
「おい、どうする気だ」
「決まってんじゃない!…あの優しいアレイが、そんな、人の気持ちを考えないなんて…そんなことあるはずないもの!」
 ダッ
「おい、待てアリス!………ふぅ。困った奴だ」
「………」
「…悪いなじいさん。もしかすると、アレイは一度痛い目見ないとわからねぇかも知れねぇ」
「………?」
「…アリス。おまえ分かってねぇよ。…あいつは優しい≠じゃない。…ただひたすらお節介≠ネだけなんだよ…」

424 :YANA 51-5:2005/12/27(火) 19:53:27 ID:S10Iyfb30

 バンッ
「あれ?どしたの、アリス。戻ってきたの?」
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「?あれ、ゴドーは一緒じゃないの?…喧嘩でもしたのかな?」
「…はぁ、ねぇアレイ」
「うん?」
「…おじいさんに聞いたわ。あなた、町の人に…」
「ええ。重労働を課してることで、陰口叩かれてるんですってね」
「だったらなんで…!」
「仕方ないわ、この町を大きくするためだもの」
「―――え?」
「ここに住む人たちにとって、町が大きくなることは間違いなくプラスになるはずよ。今は辛いかもしれないけど、きっと、
 将来『あの時苦労してよかった』って思える日が来る。そのために、私は合理的な労働力の配分を惜しまない」
「………」
「そんなこと、当たり前でしょ?…将来の為に今を犠牲にするなんて、世の中では極有り触れた光景だと思うけど…?」
「…町の発展の…町の人たちの幸せの為に、どんなにその働いてる人達が苦しんでも…?」
「うん。どうしたの、急に?」
「…あは、あはは、急に変なこと訊いて、ごめんねアレイ。あたし、ゴドーを待たせてるんだ」
「ええ、別に気にしなくていいわ。―――あ、そうだ、オーブのことなんだけど」
 バタンッ
「…あらら、行っちゃった。せっかちさんね、どうしたのかしら?」

『母さん…私は、いけない子なのでしょうか。親友と思った子を…初めて―――怖い、と。そう思ってしまいました。敬具』

425 :だんご:2005/12/27(火) 23:21:13 ID:MQQGPpXo0
凄い凄い、ホントに空飛んでるっ!!
昔の人はよくこんなもの考えついたわねぇ………
あ、勇者!みてみてっ!!町があんなに小さいよっ。
………ふはは、みろっ!まるで人がゴミのよう

(パカン!)

あいたっ!!もう、なにするのよっ。
目が潰れるからやめろって?そんなことあるわけ無いじゃないっ。あっかんべーだっ。

……別に無理してないよ?多分。でも、いつまでもへこんでたってしょうがないじゃない。
あのままじゃみんなも気にするし雰囲気だって、ねぇ?
それにね……ロザリーさんの想いくらい叶えてあげたいかなぁって。
……何をしたらいいか判らないから、死者を言い訳にしてるだけなんだろうけど。
拗ねてるよりは、まだマシでしょ?
てことで、ほら。行くわよ。

………どこにって……あのねぇ。
前に云ったでしょ。×印に行くにはそれこそ空を飛ぶしかないって。
今は空を飛んでるの。判る?
此なら行けるのよ。大地を支えているとすら云われる生命を司る巨木、世界樹に。

426 :だんご:2005/12/27(火) 23:21:50 ID:MQQGPpXo0
ええと……お、お久しぶり………
げ、元気だった……?う、ん。わたしのほうはなんとか………
後ろの……?ああ、そう。人間、なんだけど……
違うッ!違うのよっ!!脅されてるわけでも無理矢理連れてこられたわけでもないの。
あの人たちはね、世界を救うために旅している勇者様ご一行なの。
地獄の帝王も倒しちゃったのよ。
それでね、ここに来たのは何かが世界樹にあるらしくて………
何かって……それはそのぅ……そうっ!!きっと天空の剣があるのよっ!!
後はそれがあれば、竜の神様に会えるんだから、そうに違い……じゃなくてあるの。

……酷い目……に?う…ん。一度……ね。
でも優しい人たちもいたよ……?魔物に殺されちゃったけど………
あの人たちもみんな優しいよ。……トルネコさんはお金が絡むとわかんないけど。
だからね、里に入れて良いでしょ?長居する訳じゃないから………
え?わたし……?わかんない………けど、一度出たエルフなのに……

(ギュッ)

心配してくれてた………の?ありがとう……ごめんなさい。
えと、あのその………ただいま。

427 :YANA 52-1:2005/12/28(水) 01:02:23 ID:t4kzA8Ug0
「………ゴドー、あのね」
「ん…」
「訊いて、いい?あの子のこと…」
「…俺の知ってる範囲でよければ」

『拝啓 母さん、結局…私は何も出来ないまま、アレイの屋敷を飛び出し、そのままゴドーと航海に戻ってしまいました。
 今まで、頼りになって、すごく優しくて、いつも柔和な笑みを崩さないアレイ…なのに、どうしてあんなことを。
 …『町を大きくするために、町の人たちを苦しめても構わない』と…平然と言い放てるのでしょう…』

「まず、おまえ、多分勘違いしてる」
「え…」
「あいつは優しいわけじゃねぇ。ただ自分が『この人にはこれをやると、きっと幸せだろう』と思ったことをやってるだけだ」
「………?」
「―――要するにな。あいつは例えそれが、本当は『ああ、この人は何て余計なことをするんだろう』と思われるようなことでも…
 自分さえ『この人は幸せになるだろう』と思えば、躊躇無く実行する…そういう奴なんだ」
「…つまり、あの町の人たちが『もうこの町は今のままで十分幸せだ』…と思っても」
「ああ。あいつが『もっとこの町が大きくなれば住人は幸せになるだろう』と思えば…他人の意見なんぞ見向きもしねぇ」
「………」
「俺があいつを、お節介な奴だ、といってるのはそういうことだ。
 …昔、何でも出来る天才だったせいか、あいつは満足を知らない。常に高みを目指し、際限なく隆盛することを求める。
 端的にいえば………あいつは、自分の意思が確立すると、他人の気持ちなんかこれっぽっちも考えねぇんだよ」
「…でも、アレイ、いってた。…お兄さんが死んで以来、『人はどんなときに笑って、どんなときに泣くのか考えた』…って」
「そこが落とし穴だ。…アレイはそうして、確かに色んな人の例を参考に、自分の見聞を深めた。だから、おまえもあいつの的確な
 お節介を優しさと取り違えてた。だが…それはあくまで経験したことがある範囲に限られる。おそらくは、今回のケースは」
「アレイが今までに、経験したことが無いケース…ってわけ?」
「だろう。…あいつに町作りの経験が無い以上、しょうがねぇんだろうがな。
 …完全な子供は不完全な大人になる…とか聞いたことがあったが…誰の言葉だったかな。皮肉なもんだ」
「………でも…あたし、何とかしてあげたいよ…」

428 :YANA 52-2:2005/12/28(水) 01:03:50 ID:t4kzA8Ug0
「今は、あいつを信じてやれ。俺たちには俺たちの、あいつにはあいつの意志で決めた使命があるんだから」
「………うん。そうだね」
「………さて。丁度いい、そろそろお出ましらしいぞ」
「え?………霧?」
 
 勇者の兄ちゃん!!正面だ!来やがったぜぇっ!!

「よし、行くぞ」
「う、うん!………うう」
 ・ ・ ・
 ギシッ、ギシッ
「………ここが…幽霊船…」
「………」
 死にたくねぇよ…
 嵐が来る…いやだ…溺れて死ぬのは苦しい…
 いやだぁっ!!シニタクネェヨォッ!!!
「…っ………」
「大丈夫だ。…ただの霊魂だ、害意は無い」
「…相変わらず、反応薄いのね。死人に対しては結構冷たいよね、ゴドー」
「…む。じゃあ、俺が同情して鬱になって、こいつらは喜んだり成仏したりするのか?」
「………それは…」
「アリス。そういうのは、おまえや、他の奴がしてやれ。…俺は、勇者だから、前に進まなけりゃいけない。
 過ぎたことにかまけて務まるほど、甘い役目じゃねぇんだ、これは」
「………」
「………悪かったな。少し、言い過ぎた」

 ザリッ
「!」
「………」
「けけけ、この船に生きた人間がいるとはな!幽霊船には死体が相応しいだろう!死ねぇっ!」
「来るぞ、アリs…」

429 :YANA 52-3:2005/12/28(水) 01:05:01 ID:t4kzA8Ug0
 ザクッ
「………グゲッ!?」
「…メラミ」
 ボンッッッ
「………」
 ブスブスッ、ドサッ
「………」
 シュッ、パチッ
「………アリ、ス…?」
「…いいわ、ゴドー。あたし、別に怒ってないから」
 クルッ
「…でも、ちょっと驚いた。あんたがあたしの言う事に、そんなに真剣に反論してくるなんて、思わなかったから」
「………」
「ごめんね。あたしも、ちょっと無神経だったね。
 …この魔物にはちょっと可哀想だったけど、あたしの気持ちの切り替えのきっかけになってもらっちゃった」
「…成る程。気の毒だ。…じゃあ、行くぞ」
「うん」
 ・ ・ ・
「船を漕ぐのは罪人か奴隷の仕事だ…」
「えんやー、こーら、えんやー、こーら…」

「…からくりが読めてきた。どうやらこの船は、魔力の塊で出来てるらしいな。だから…」
「いくつかの魂は、実体を持ってる………テドンの村と同じように」
「ああ。ただ、海上だし、常に動いてるせいでテドンほど魔力の動きが安定してないから、実体化しても、そいつに
 生の実感は薄い…文字通り、死に体というわけだ」
「…やりきれないわね。………?ねぇゴドー。あの人…ほら、実体があるのに、一人だけ倒れてるよ」
「ん?」

430 :YANA 52-4:2005/12/28(水) 01:05:47 ID:t4kzA8Ug0
「おい、あんた、意識はあるか?」
「…う…うう…」
「…ダメだわ、魔力が弱すぎる。実体化が解けるのも時間の問題…」
 ギシッ
「…なぁ、あんたたち。そいつに用か…?」
「ん…あんたは?………見たとこ、生前は囚人、か」
「ははは、当たりだ。それで、あんたらその兄ちゃんと知り合いかい?」
「いや、違う。…少し、この船に探し物をしに来て、たまたま目に付いたんでな…」
「そうか。…そいつは無実の罪でこの船に乗せられたらしくてな…気の毒に、死ぬ寸前まで残してきた恋人の名前を呼んでたよ」
「!囚人さん、その恋人の名前を?」
「ああ。…オリビア、オリビア…って」
「…じゃあ…この人が…」
「…エリック…」
「うう…オリ…ア…」
「なんだ、知ってるのか」
「俺たちは…残されたこいつの恋人に、こいつの遺品を渡すためにここに来た」
「ほお…殊勝だなぁ…そうだ、奥の部屋に、こいつが大事そうに持ってたペンダントがある。
 オリビアとの思い出がどうとか…そいつを持っていくといい」
「あ、ありがとうございます。…囚人さん、いい人なんですね」
「んなこたねぇよ。おらぁ、人を殺しちまったでな。どんな死にかたしても文句はいえねぇけど…
 やっぱり、無実の人間が死ぬのは、見てられねぇでよ」

431 :YANA 52-5:2005/12/28(水) 01:06:32 ID:t4kzA8Ug0
「…そうか。…まぁ確かに、これであんたの罪が消えるわけじゃねぇけど」
「…だなぁ、ははは」
「それでもあんたは、俺たちの助けになってくれた。世界中があんたを人殺しだって言っても、
 少なくとも俺たちにとってあんたは―――いい人、だ」
「ゴドー…」
「!………はは…嬉しいなぁ…こんな俺のことを…いい人なんていってくれる奴がいるなんてな…」
 ポゥッ…
「あ…囚人さん…」
 ありがとうな、兄ちゃん、嬢ちゃん…
「…ゴドー、さっきの」
「…ああ。いつかのおまえの、受け売りだよ。でも、嘘はねぇ。俺にとってあのおっさんは間違いなくいい人≠セった」
「…そっか」
「…なぁアリス」
「なに?」
「…俺でも、死人を救えるんだな…」
「やってみるもんでしょ?」
「違いねぇ」

『母さん、幽霊船といっても…そんなに怖いところではありませんでした。
 寧ろ、大切な何かを得られたような、そんな気がします。敬具』

432 :YANA:2005/12/28(水) 09:54:48 ID:p3mtVhcT0
そろそろ第二部も終盤、シリアス分ばっか過剰供給でスマソ。
年明けまでに第二部を終わらせられるといいな、なペースで執筆中…。

433 :YANA 53-1:2005/12/28(水) 09:55:28 ID:p3mtVhcT0
「…始めるか」
「うん………すぅ…オリビアさーーーーーーーーんっっっ!!!」
 …ポゥッ
「あ…ペンダントが…?」
「…見ろ、空だ」
「あ…!」

「お、おかしら…」
「…ローレライ≠ゥ…俺もこの職業長ぇが、この目で歌声の主の姿を見るのは初めてだな」
「…おかしら?どうし…」
「わりぃな、おまえら。ちっと、一人にしてくれねぇか?」
「は、はい…」

 エリック…
 オリビア…
「………アリス、ペンダントを」
「うん」
 フワッ…

 オリビア…もう君を、絶対に放さない…
 エリック…ああ、エリック…
 ・ ・ ・
『拝啓 母さん、オリビアさんの悲しみは…消えたようです。
 ペンダントは空に消え、歌声も湖を包んだ未練も…全て、天国へと昇って行きました。
 でも、私たちの仕事はここからが本番です!』

434 :YANA 53-2:2005/12/28(水) 09:56:16 ID:p3mtVhcT0
「………?あれ、船長?どうしたんだ?」
「………もう二度と、オリビアちゃんを泣かすんじゃねぇぞ。…バカ息子」
「!………」
「…んあ、おう、兄ちゃん…もしかして、見てたのか?」
「いや、何のことだ?…それより、船を湖の真ん中に向けてくれ、俺たちは牢獄に用があるんでな」
「………おう!わかってるぜ!野郎ども、配置につけぇっ!!」
 ・ ・ ・
 ザリッ
「「………」」
 ヒュゥゥゥゥ…
「…人っ子一人いやしねぇ」
「もう何年も、人の手が入ってないみたい。…オリビアさんが船を通さなかったんだから、当たり前か…。
 きっと食料も水も、何も届けられなくて…見張りの人も囚人さんもみんな…」
「…ああ、もう、辛気くせぇ。さっさと用事は済ませよう」
「そうね…」
 待て…
「…ん?…おい、誰か、生き残ってる奴がいるのか?」
「…違うわ、ゴドー。あれ、あの火の玉…」
 スタスタ
「え?お、おいアリス…怖くねぇのか?」
「…うん。何でか、今は全然…あたしもよく分からないけど…」
 ザッ
「…囚人さん。何であたしたちを呼び止めるの…?」
 ………私は………サイモンの…魂…
「!!な…」
「…そうか。そういうことか」
 …貴殿らが何者かは知らぬ…だが…おそらくは、あの哀れな娘の無念を…解いてやったのだろう…?
 でなければ、誰一人ここに来ることは叶わぬはず…
「…はい。そうです。私たちは…あなたが、ネクロゴンドへの道を切り開くというガイアの剣を持っていたと聞いて…ここに」
 ………そうか。…有難い。私も、あれを誰かに委ねられぬまま死にきれず…こうして醜態を晒し、現世に残っている始末。
 貴殿らが外へと持ち出してくれるのなら、願っても無い…
「それで…剣はどこに?」

435 :YANA 53-3:2005/12/28(水) 09:57:10 ID:p3mtVhcT0
 ………
 ボッ
「!」
 灯火の棚引く方向へ行くがよい…我が亡骸の傍、そこにガイアの剣は置いてある…
「…そうか。ありがとう」
「………」
「どうした、アリス。行くぞ」
「うん。でも、ちょっとだけ待って。…サイモンさん。これだけ、お礼に伝えておきますね」
 ………?
「あなたの息子さん。エデンさんは…立派な戦士になりました。
 サマンオサも、私とこいつと、エデンさんで平和な国に戻しました。…だから…安らかに、眠って下さい」
 !………そうか。貴殿らは、あやつの縁の者であったか。…いや、神は私に、最後に素晴らしい贈り物を下さった。
 …本当に、有難う…最後に会えたのが貴殿らで…よかっ………た……

 シュゥゥゥゥッ…
「………」
「…終わったか」
「うん。そして私たちにとっては…新たな始まり」
「…そうだな。…行くぞ」
「ええ」

『母さん、遂に、ガイアの剣は手に入り…私たちはシルバーオーブを探しにネクロゴンドに
 …え?…すいません母さん、ゴドーがこれを書いていたら後ろから何かいって来ました。『後方の憂いを断っておく』…? 敬具』


436 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/28(水) 21:23:53 ID:v6ZAa0G20
>>YANA氏
囚人とのくだり、不覚にも涙した
GJ!!!!!

437 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/28(水) 22:51:01 ID:UKHHUzVOO
>>YANA氏
GJ!
これからも益々期待出来る展開です!

438 :だんご:2005/12/28(水) 23:38:57 ID:xWipjDaE0
世界樹にまで魔物が出るなんて……
昔はいなかったのよ、魔物なんて。
だからねー、よく上まで登って、隠れんぼしたり昼寝したりしたのよ。
ほら、ここって他になんにもない処じゃない。
隔離されて安全だとは云え、やっぱり小さい頃は色々と興味が出る訳よ。
外界に出るには大変だし、砂漠なんてわたしたちにはつまらないしで、此処しか遊ぶ場所がなかったの

ね。ふふ、世界樹にとっては良い迷惑だったかもしれないけれど。
まぁ、今の魔物が跋扈するような状況に比べれば、マシだったと思うわよ?
何年前………?前に云わなかった…っけ?女の年は訊くもんじゃないって………
云ったでしょっ!!天罰受けてなさいっ!!!

(ブォォォォォォォォーーー ドサ)

あっ、声はあっちのほうから聞こえてくるよ。
ほら馬鹿勇者。世界樹の葉一枚あげるから、それ食べてさっさと起きあがりなさいよ。


すごーい、本当に羽が生えてる………
天空人って本当にいたんだぁ。想像上の生き物かと思ってた。
ちょっと触らせて?あ、そっか怪我してて痛いんだ……じゃあ治ったr

わかった。もう云わない。云わないから、勇者。その握り拳を解いてくれないかなぁ?

439 :だんご:2005/12/28(水) 23:40:22 ID:xWipjDaE0
嘘から出た真って、ホントにあるのねぇ。
まさか、世界樹に天空の剣が本当に眠ってたとは思いもしなかった。
でも此……本物?なーんか他の装備に比べて、神秘さが足りないというかなんというか……
ねぇ、ルーシアさん。何か知らない?
……ふーん、知らないかぁ。もしかしたら天空のお城に行くための鍵ってだけで、武器としては大した

ことないだけなのかもね。
アネイルの鎧みたく、偽物って事は……無いよね?


え?付いてきて良かったのかって?
まぁ、ね。彼処は故郷だし、安全な場所だから残るって選択肢はあったよね。
実際、わたしも考えなかった訳じゃないし。

……戦力外とか、ちゃんと自覚してるからいちいち突っ込まないの。
云ったでしょ、デスピサロを止めるの。それがロザリーさんの遺志だったんだから。
わたしなんかに継いで欲しくないかもしれないけれど、そう決めちゃったのよ。
だから、代わりに結末を確かめに行くのよ。例えどんな形になろうとも。
………もう勇者を守って死のうなんて思ってないわよ。
しょうがないじゃない。エスタークの時だって無意味だったんだから。
幾ら死にたくたって、わたしよりずーっと強くなっちゃった勇者を守ったって、ねぇ?

だ・か・らっ。ちゃーんとわたしを守ってよねっ、勇者さまっ!!

440 :YANA:2005/12/28(水) 23:42:21 ID:1GsUkB+m0
バーグ編、一気にうpします。

…物凄い乱暴な正義論が展開されます。
云いたいことは全部ゴドーがいってくれてます。
でも、多分、意味は全部理解できないはずです。それでいいんです。
何を正しいと思うか。一人一人、それが違うからこそ、世界は変わっていくのだから。

441 :YANA 54-1:2005/12/28(水) 23:43:08 ID:1GsUkB+m0
『拝啓 母さん、なんでもゴドーが言うには、これから最後の戦局へと挑むに当たって、やり残したことを片付けるのだそうです。
 …そうして私たちは、再び、アレイバーグ…アレイの作った町へと、足を運ぶのでした』

「まったく…アレイを信じるんじゃなかったのかしら?」
「だからそういうんじゃねぇって。…オーブの数、数えてみろ」
「?…ひぃ…ふぅ…みぃ…四つ?」
「そう。一つ足りねぇんだ、シルバーオーブを手に入れても」
「あ、イエローオーブ。所在不明なんだっけ?」
「今まで後回しにしてきたけど…そろそろ何の情報も無いのは不味い。
 他のオーブを集めてる間に手掛かりの一つも見つかるかと思ってたんだが…甘かったな、ここまで徹底して何も無いとは」
「それで、アレイを頼りに?」
「癪だがな…また何か、あいつに報酬を用意しないといけねぇ…今度は船乗りの骨でもやるか?」
「いや、多分いらないと思う…」

『―――ですが。あんなことになり。その報酬も、必要ないものとなってしまいました』

 ―――バタンッ
「…どうだった、ゴドー?」
「………」

『アレイバーグは、私たちが到着したときには既に………労働者たちの革命によって、その在り方を変えていました。
 町の責任者たるアレイの姿は屋敷には無く、私たちは宿の一室で交代で様子を見に出かけています…』

「アレイの姿は見つからなかった」
「…そう」
「…だが、爺さんに会った」
「!本当!?おじいさん、何て!?」
「…ああ。アレイは、町外れの牢屋に捕まってるらしい」
 ガタンッ
「おい、待てアリス!どうするつもりだ」

442 :YANA 54-2:2005/12/28(水) 23:44:13 ID:1GsUkB+m0
「助けに行く」
「馬鹿か、今あいつを連れ出したら、俺たちも共犯者だぞ。…革命が成功した今、あいつに加担することはこの町では悪だ」
「…それでも、あたしは」
「落ち着け。…今は、とりあえずあいつに会いに行くだけだ。約束しろ。でなければ、詳しい場所は教えない。…いいな?」
「………わかったわ」
「…約束だぞ。…今夜、出るぞ」
 ・ ・ ・
 ギィッ…
「………?…こんな遅い時間に…誰か…いるのかしら…?」
「シーーーーッ!…あたしよ、アレイ」
「………あ…アリス…か。ってことは、ゴドーも?」
「…いるぞ。何てザマだ、お節介女。昔からの癖、少しは直したらどうだ?」
「…あはは…ごめんねー、心配かけちゃって。…おかしいな…私、町の皆のことを思ってやってきたはずだったんだけど…」
「っ…どうして…」
「…?」
「ねぇ、どうして…?あなたは、ルイーダの酒場に初めて来て、勝手の分からないあたしによくしてくれて…
 今までも、冒険の助けになる情報をいくつもくれて…なのにどうして、町の人たちの気持ちを…わかってくれなかったの?」
「………」
「あなたは賢い人だから…町作りの経験なんて無くても、上手くやれたと思う。なのに…なのに…!」
「アリス、落ち着け」
「…あは、は…耳が痛いな…うーん…いくら頭がよくても、心の方は別問題ってこと、かな?未熟だったわねー、私も」
「………こんな時でも、笑顔なんだ、あなたは」
「………」
「…おい。おまえ、ここから出たいか?」
「………ううん。いいわ。少し、一人で考えたいの」
「…そうか。じゃあ、俺がすることはない。…行くぞアリス」
 クルッ
「あ、ちょっと、ゴドー!」
「………」
「(ああもう、こいつはどうしてこう、いつもいつも…アレイがこんな目に遭ってていいはずないし…うん)…決めた」

443 :YANA 54-3:2005/12/28(水) 23:44:48 ID:1GsUkB+m0
 バッ
「!?おい、アリス何を」
「最後の鍵を…」
「な…アリス、やめて、そんなこと」
 ミキミキミキ、カチン
「よせ、アリス、おまえ」
「聞かない。…アレイ、もう一度、やり直そう?ね?あなたの笑顔は、こんなところに似合わない。
 もっと、もっとたくさんの人を幸せに出来る力がある…」
 ギィ、スタスタ…
「…あ…来ないで、アリス…」
「どうしたの?さ、アレイ…立って………………!!?」
 ニチャッ………
「…あはは…バレ…ちゃったかな…」
「――――――」

444 :YANA 54-4:2005/12/28(水) 23:45:26 ID:1GsUkB+m0
「………アリス」
「………る」
「…?おい、今、なんて」
「………殺してやる。この町の人間。全員。一人残らず殺してやる…」
「っ…どうしたんだ、おい、おまえ」
「うるさい!!男のあんたには分からないわ…こんな…こんなこと…!!」
「アリス、お願い、やめて。あなたのそんな顔、見たくないわ…」
「アレイは黙ってて。…待ってて、すぐにこんな牢屋吹き飛ばしてあげるから…!!」
「おまえ、自分が何言ってるかわかってるのか!?」
「…うるさいっていってるでしょ。あたしは、ここを壊して、アレイを助けて、この町の人間を皆殺しにするの。
 邪魔をするなら、いくらあんただって容赦しない………」
「―――」
 カチンッ
「…そうか。だが俺は勇者だ。人々を守る使命を負ってる」
「………そう。だから?」
「おまえが町の人間を殺すなら…俺が、おまえを止める」
「いいわ。好きにすればいいじゃない」
「…外にでろ。アレイにとばっちりがでるぞ」
 スッ…ギィ、バタン

「………あはは…おかしいな…どうして…どうしてこんなことになっちゃったんだろ………
 ねぇ、兄さん…教えてよ…私は…どこで道を間違っちゃったのかな…?」

445 :YANA 55-1:2005/12/28(水) 23:46:16 ID:1GsUkB+m0
 ホウ…ホウ…ホウ…
「………」
「………」
「…どうした。掛かってこねぇのか?おまえが始めねぇと、俺から手を出すわけにはいかねぇんだが」
「…舐めないでよ。あんたなら分かるでしょ。…今のあたしなら、あんただって倒せるだけの力があるって」
「………」
「手の内だって知り尽くしてる………スカラ」
 ミシッ
「………」
「…あんたは呪文攻撃は好まない。自分の体捌きに自信があるから………ピオリム」
 ミシミシッ
「………」
「…加えて、補助呪文の類は一切使えない。強化すれば、あたしが身体能力であんたを圧倒することも出来る…バイキルト」
 ミシミシミシッ
「………」
「…でも油断はしない。あんたはいつでも、考えもしなかった手段であたしを驚かせる…マホトーン」
 キュゥゥウ
「………」
「どうしたの?…わざわざこっちの準備が整うのを待っててくれたの?」
「…能書きは終わったか、馬鹿娘。いいから…かかってこいっつってんだろうが」
「!…っ…馬鹿にして!」
 ダッ
「(いける!こいつに迎撃の手段は無い!一撃で…)」
「………」
 ザクッ
「(!?…剣を…地面に…?)」
「―――蝕め、草薙」
 キュゥゥゥゥッ
「!?な、スカラが…!?」
 ゴッ

446 :YANA 55-2:2005/12/28(水) 23:46:58 ID:1GsUkB+m0
「―――か、は………?」
「甘ったれ。その程度で俺に勝とうなんざ、百年早い」
 ヨロッ、ピョンッ
「…ふぅ…ふぅ…ベホ…イミ!」
「………」
「(あれは…草薙の剣…!?こっちの守りが弱まったのはあれの…?)」
「まだやるか」
「っ…当然。あんたを殺して、あたしはアレイを助ける…」
「…そうか。なら、思う存分殺しに来い。準備運動はもういいだろ」
「ふざけないで!!あたしは…あたしは…!イオ…」
 キュゥゥウ
「ラ!!………!?なんで?なんで何も起きないの!?」
「こいつだよ」
「…魔封じの杖…!!あんた、また…」
「悪いな…俺はどうしてもおまえを止めないといけないんでな。使えるものは使わせてもらう」
「ふ、ふん!いいわ、こっちにはまだバイキルトとピオリムの効果が残ってるもの!」
「やれやれ…いっておくが、肉弾戦ならやめておいた方がいい。―――おまえの能力の優劣に関わらず、地獄を見ることになる」
「っ…」
「おまえ、人を斬ったことは無いだろう?いいもんじゃねぇぞ、あれは」
「うるさいうるさいうるさいッッッ!!!」
 グサッ
「…あ…ごめ…」
「………どうした。遠慮はいらねぇ、もっとザクッとやれよ。おまえに、その覚悟があるならな」
「く…このぉぉぉぉぉっ!!」
 ・ ・ ・
「…はぁ…はぁ…」
「く…ふ……終わりか?………ったく…下手糞め…何十回切るつもりだよ…もっと上手くやらねぇと…朝になっちまうぞ」
「………なんで」
「あん?」

447 :YANA 55-3:2005/12/28(水) 23:47:45 ID:1GsUkB+m0
「…なんであんたはそんなになってまで…今まで一緒に旅してきた仲間に切りつけられてまで…
 アレイを汚した人間たちを守ろうとするのよッッッ!!!」
「………」
「そんなに大事!?顔も知らない人達が!?仲間が踏みにじられたことよりもっ!!
 いいじゃない、一度くらい勇者の役目を破っても!!あんたはあの子を助けたくないわけっ!!?」
「………助けたい」
「じゃあ、どうしてっ!!?」
「――あいつが助けて欲しいといったら、俺も皆殺しまでいかなくとも、こっそり連れ出すくらいはした。
 だがあいつは…『要らない』と云った。だから、これはあいつの力で何とかしなくちゃいけない…戦いだ。
 …だったら、俺は町の人たちを殺そうとし、あいつの戦いを踏みにじろうとするおまえを…止める」
「っ………」
「けど」
「…なによ」
「おまえが、あいつの意思を無視してでもあいつを助けようというなら…それを否定する気はねぇ。思いっきりやればいい」
「…あたしの邪魔をしておいて、よくいうわ」
「…こいつは、俺の持論なんだが」
「……?」
「俺はな。この世に悪なんてものはないと。そう思ってる」
「…なにそれ」
「悪≠ネんてものは、そもそも人間が自分たちの善を証明するためにでっち上げた代物だ。
 …『自分たちのすることが正しい、だからそれ以外は正しくない…悪だ』ってな」
「………」
「人間が…いや、生き物が何かを実行するということは…実行するに値する理由なり本能なりが、根源にある。
 家族の仇を討つため…より豊かな生活のため…欲望を満たすため…それが正しいかどうかなんて、他人が決めることじゃねぇ」
「………」
「『何かをする』ってことは『そうするのが自分にとって正しい』と思ったからだ。絶対的な善悪を決めるのが自分である以上…
 『誰かの行為』は全て…善≠セ」
「冗談じゃないわ、そんなの。
 じゃあ、『たまたま目に付いた子供が目障りだった、だから殺した』なんていうのも、あんたは善だって云うの?」

448 :YANA 55-4:2005/12/28(水) 23:48:17 ID:1GsUkB+m0
「当然だ。それは、『自分の気分を害するものを排除する』っていう、欲望に従っただけだ」
「は、馬鹿馬鹿しい。あんたもどうかしてるわ、この人でなし」
「だがな―――その善が、『世界に受け入れられるかどうか』は別問題なんだ」
「―――」
「勿論、その子供も、その親も、そいつを憎んで、殺したくなるだろう。それもまた善…。
 結局、みんな何かしらの言い分があるんだ。それが、人の目にどう映るか、が違うだけでな」
「………」
「世界は変わっていく。同時に、善悪の基準も変わる。
 世界が動物だけだったときは、弱肉強食、力こそが正義。人間が繁栄すれば、道徳こそが正義。
 …そんな不安定な中で、自分が正しいと思ったものが、いつの間にか悪になっている。これはどうしようもない、世界のシステムだ」
「………」
「『俺が正しい』『いや、俺が正しい』『違う、私が正しい』って…どいつもこいつも自分の正義を主張する…
 世界は、『正義と正義のぶつかり合い』で成り立ってるのさ」
「…で?長々と説教垂れて、結局、何が云いたいの、あんた」
「…アレイがこの町の人間から受けた仕打ちは別にして…おまえのやろうとしてることは、
 連中にとって…いや、世界中のあらゆる道徳からみても、間違いなく悪≠セ。だが…」

「…俺は。『おまえの殺意を善≠ニして容認する』」

「!!」
「おまえはアレイを助け、あいつを犯した町の人間を殺すことを正しいと選んだ…
 だが、俺はこの町の人たちと、アレイの戦いを守ることを正しいと選んだ。…ほらな、こういうことなんだ」

449 :YANA 55-5:2005/12/28(水) 23:49:00 ID:1GsUkB+m0
「………」
「世界の秩序の維持のため…個人の正義は悪≠ニして否定される…それは酷く…理不尽に思える。
 だからせめて、俺は…秩序を乱す個人の正義を、全て…悪≠ニしてでなく善≠ニして………叩き潰す」
「…偽善ね。結局、潰すのならいっそきっぱり否定された方がいいわ」
「かもな。…ま、俺なりの価値観だ、全ての人に認められるとは思ってねぇさ。
 …そういうわけで、俺に、おまえの行為を悪だと否定することはできねぇ。けど俺も自分の選択を悪だと思わん。
 だから退けともいえねぇし、自分から退く気もない」
「ゴドー…あたしは…」
「…さあ、始めよう。正義と正義の、意地の張り合い」
「………」
 スゥ…
「ふぅ。…いいわ、でもそれはあんたの理屈。あたしはあんたを悪と思って切りかかるかも知れないけど。…それでもいい?」
「何べんも言わすな。…俺にとっては、それもまた正義、だ」
「…そう。じゃあ、遠慮なくいくわよ」
 カランッ
「?なんだ、得物はもういいのか?」
「やめやめ。あんなので切っても、つまんない。…あんたは、あたしのこの手で張り倒す」
「…上等だ。おまえのヘナチョコパンチくらいで、俺をやれると思うな」
「あら、バイキルトとピオリムの効果、忘れてない?」
「…そうだったな。いいだろ、ここからは俺も攻撃するぞ」
「好きにすれば」
「「………せーのッッッ!!」
 ゴッッッッッ

450 :YANA 56-1:2005/12/28(水) 23:55:11 ID:1GsUkB+m0

 ギィ…

「…アレイ」
「…ゴドー?…アリスは………?」
「…宿屋に置いて来た。大丈夫、大した怪我はねぇ」
「そう。止めて…くれたのね」
「……随分、粘りやがったがな…」
 ドサッ
「ふぅ…馬鹿力め…久しぶりに、戦いで意識が飛ぶところだったぞ…」
「…ベホマ」
 ポゥッ
「…ありがとよ。悪いな、うちの馬鹿が心配かけて」
「素直じゃないのね…もう」
「………なぁ。そろそろ自分を許してやって、いいんじゃねぇか?」
「…あはは、何のこと?」
「とぼけるなよ。…おまえ、そんなんで笑ってても、人を不安にするだけだぞ」
「………そう、かしら」
「…ま、俺も気づいたのは、ついさっき、おまえとあいつのやりとりを見た時なんだけどよ。
 ………おまえ、もしかして、兄貴の死に目に笑顔を見せられなかった負い目で…」
「…うん。私は、兄さんが好きだったっていった…この笑顔で、これからの人生を生きていくって誓ったの。
 だから、私は何があっても泣くわけにはいかないのよ」
「…疲れねぇか?それ」
「貴方ほどじゃないと思うけど。…私も、いつか賢者の試練を教えるよう頼まれたとき、アリスの態度で気付いちゃったわ。
 ゴドーが、私やアリアハンの人たちが思ってるような理由で旅をしてるわけじゃない、何か別の思惑があったんじゃないかって。
 …貴方、それを彼女だけには話したんじゃない?」
「………」
「…お互い、大きな隠し事があったみたいね」
「…そうみたいだな」
「…ねぇ」
「なんだ?」

451 :YANA 56-2:2005/12/28(水) 23:55:45 ID:1GsUkB+m0
「…少しだけ、ほんの少しだけ。昔の私に戻ってもいいかしら?」
「好きにしろ」
「うん…ありがとう」
「………」
「…ゴドー。これは、私の独り言です。ですから、貴方はただ聞いていればいい」
「………」
「私は、貴方の話を幼い頃から聞いていました。最初は、どうということのない、有り触れた復讐劇の一つだと、
 歯牙にもかけませんでした。…あの日。兄さんが、死ぬまでは」
「………」
「色々な人の話を求め。色々な人と触れ合い。色々な価値観がありました。…貴方もその中の、何でもない一人のはずだった」
「………」
「…だっていうのに。貴方は………人の忠告を聞かなくて…自分の危険なんて省みないで…知らないうちに、人に勇気を与えて。
 …でも、いつも無愛想で。どんな時も笑顔だったあの人とは、似ても似つかないのに。…なのに!」
「………」

 ―――貴方を…兄さんと似ている、なんて。思ってしまった。

「………」
「…おかしいでしょう。お察しの通りです。私は兄さんの面影を貴方に重ねて、付き纏い、野暮な興味に駆られ、
 仕舞いには貴方の旅についていきたいと強請(ねだ)り………夢を求め行き着いた先が、この牢屋です」
「………」
「…兄さんのようになりたくて、今までどんな時も笑顔でいることを心がけてきましたが…そんなものは所詮、中身の無い飾り。
 貴方や兄さんのように、その人、一人一人のことを思いやることは…人形の私には、叶いませんでした」
「………」
「…独り言は終わりです。最後に、お願いがあります」
「…いってみろ」
「…私は汚れてしまいました。借り物の理想を被って、今まで生きてきました。………そんな、私ですけれど…」
「………」
「…貴方を好きになって、いいですか…?貴方を心の支えにして、いいですか…?」
「…俺がおまえを好きになるかどうかは、保障できねぇぞ」
「それでも、いいです」

452 :YANA 56-3:2005/12/28(水) 23:56:17 ID:1GsUkB+m0
「…じゃあ、一つ。俺のいうことを聞いてくれるか?」
「私に、出来ることで良ければ」
「―――泣いてくれ。今のおまえの笑顔は、見てられねぇ」
「―――」
「人は泣くし、怒る。驚いたり、怯えたりもする…笑顔の価値ってのは、そんな、色んな顔があるから、重いんだと、俺は思う」
「………う」
「…おまえは泣いていい。だって、人は…」
(辛いときは泣いてもいい、人を頼るんだ。そのために人は…)

「泣けるんだからな」
(泣けるんだよ?)

「う………わあああああああぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」
 ギュッ…ナデナデ
「………」
「っわあああああああああああっ!!」
 ・ ・ ・
「…ん…ここ………!?」
 ガバッ
「…あたしたちが泊まってた、宿屋。…あつ…なんだろ、体中が…イタッ…なにこれ?…うぅ」
 ガチャッ
「…む、もう起きてやがる。タフさまで成長してるのか、大したもんだ」
「あ、ゴドー。どこに―――」
 ズキンッ
「っ………そうだ、あたし、は………負け…」
「?…どうした」
「………」
「………女と殴りあう趣味はねぇんだが。ああなったら、寧ろ手を抜く方が失礼だと思った。
 何しろ、お互いの正義の頑固比べだからな。…安心しろ、外傷は呪文で治ってるはずだ。筋肉痛が残ってるかも知れんが」
「…ゴドー、あの、ゴメ」

453 :YANA 56-4:2005/12/28(水) 23:57:20 ID:1GsUkB+m0
「いうな」
「え…」
「謝るな。おまえはおまえの正しいと思ったことをしようとした。今回はたまたま、俺のほうが頑固で馬鹿だった。それだけの話だ」
「………」
「…ああそうだ。アレイからおまえに伝言だ」
「…?」

『私のことなら心配しないで。私は私で、自分の戦いに必ず勝って見せるから。
 勝って、町の皆から何が悪かったかじっくり教わって、牢屋から出してもらう。
 だから貴方も、自分の戦いに勝って、今度会うときはお互いの勝利を祝いましょう』

「………そっか」
「…それと、土産だ」
 ゴロッ
「え?………黄色の…オーブ…?」
「どこかのお節介が、相も変わらず人の為に探し回って、どこからか買い取ってたんだと」
「………もう。これじゃ、絶対負けるわけにはいかないじゃない」
「元より、負ける気なんかねぇよ。…少なくとも、俺は」
「でしょうね。…さあ、行きましょう。ネクロゴンドに!」

『母さん、私も、アレイも、新たなスタートラインに立ったところです。
 …最後のオーブ。シルバーオーブを求め、私たちは魔の山・ネクロゴンドに挑みます! 敬具』

454 :YANA 56-5:2005/12/28(水) 23:57:54 ID:1GsUkB+m0

 ―――その日。私は夢を見た。

「………」
「はぁ…はぁ…はぁ…すごいなアレイは。あっという間に、マッドオックスの群れを倒しちゃった。
 これが初めての実戦とは思えないよ」
「…そうでしょうか。私としては、落第点もいいところなのですが」
「?なんでだい?」
「いえ。何でもありません」
「あ、待ってアレイ」
「何でしょうか、兄さん」
「手、繋ごうよ。夜だし、はぐれたら嫌だろう?」
「…ふむ。確かに、兄さんを一人にするのは心もとないですね」
「あはは、面目ない」
「…ですが…今は、遠慮して欲しいです」
「ありゃ。なんでかな?役立たずな僕のこと、嫌いになっちゃった?」
「っ…そ、そんなことはありません。…ですが…」
「よかった。じゃ、ほら」
 ギュッ
「!!!」
 バッ
「ど、どうしたんだい、アレイ!?」
「…はぁ…はぁ…はぁ…。…すみません。何でも、ありませんので。どうか、ご心配なさらず…」
「…アレイ。ちょっと、左腕、見せてごらん」
「………」
 スッ
「…これ、骨折してるじゃないか。…さっき、僕を庇ったとき…?」
「…申し訳ありません、兄さん。このような無様を晒すつもりはなかったのですが」
「…バカ」
 ギュッ

455 :YANA 56-6:2005/12/28(水) 23:58:28 ID:1GsUkB+m0
「………」
「…僕は君に、そんなことは求めていないよ。僕はただ、アレイが無事であることを願ってる」
「ですが私は、父上や母上から、兄さんを守るためにこの旅に同行するよう頼まれましたのに…こんな」
「アレイ」
 ナデナデ…
「兄さん…」
「ごめんよ、アレイ。僕が弱いばっかりに。…けど、一つだけ。僕を助けてくれるのは、嬉しい。アレイは強いからね。…でもね。
 それは、君が辛いときにそれを口に出してはいけない、ということじゃないんだ」
「………」
「僕は笑顔が好きだけど。…それは、みんな色んな貌(かお)をするから、そんな中で一番輝いてるからなんだ。
 だから―――いいかい?これからは、辛いときは泣いてもいい、人を頼るんだ。…そのために、人は泣けるんだよ?」
「………覚えておきます。兄さん」
「ん、よし。じゃあ、とりあえず町に行って手当てをしないとね」
「あ…待って下さい」
「うん?…わ」
 ドサッ
「っとと…え?何?これ…アレイの荷物?」
「…私の腕は片腕しか空いていませんので。これは、兄さんが持って下さい」
「?…いいけど?」
 スッ
「あ…」
「…その。こちらの手で、よければ(/////)」
「…うん」
 ギュッ

 …何て馬鹿だったんだろう。私はとっくに、泣いてよかったのだ。
 兄さんの死に目に会って、一人で全てを背負い込んで。こんな、こんな簡単な、兄さんとの忘れてはならない約束を忘れていた。
 …兄さんとそっくりなあの人は、それを思い出させてくれた。あの人は、間違いなく………勇者だ。
 唯一つ違う点があるとすれば…それは、あの人は兄さんと違って、私の守りなど必要ないということ。
 …でももしかしたら、それも間違いなのだろうか。あの人はもしかしたら…あの子が、守っているのかもしれない。

456 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/29(木) 00:25:12 ID:9tUm+99u0
感動した・・・
YANAさんGJ

457 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/29(木) 00:42:03 ID:2vhTVz0M0
2人とも年末なのに乙です
>世界樹の葉一枚あげるから、それ食べてさっさと起きあがりなさいよ。
いやぁやっぱりシンシア面白いなぁww

>何を正しいと思うか。一人一人、それが違うからこそ、世界は変わっていくのだから。
同感です。まったくそれに関して卒論を書こうかと思ってたんでw
でも、やっぱり文章展開がうまいなぁ。言いたいことをキチンと表現できるのが羨ましいです

458 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/29(木) 01:35:25 ID:H4hHw0h50
お二人とも年末なのに乙ですw

ってかバーグの住人許せねぇな!!ぶっころs・・・と元も子もない発言。

459 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/29(木) 02:34:37 ID:PWA4RGeR0
強姦は嫌ぁぁぁぁぁぁっ!!
どんな無残に殺されてもいいけどレイプはヤだなぁ。
まぁ女だから当たり前っちゃ当たり前なのかな。
このスレなかなか楽しかったよ、ありがとう。
職人さん達も読み手も仲良くがんばってね。

460 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/29(木) 19:04:46 ID:xDaxQWgj0
あんまりマジメに語るのもバカみたいだけど,
自分たちが正義だと思ってるならなんで強姦なんかするんだろう
人間ってよく分からないな
俺も人間だけど

461 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/29(木) 19:21:08 ID:NXrTYtBGO
ヒント:
・暴動となると騒ぎたいだけのVIPPERみたいなのもいくらか混ざる
・アレイの横暴は描写されてない
・生きてるだけまし

462 :YANA 57-1:2005/12/29(木) 23:35:26 ID:tXCNh4Sy0
 ザー…ン、ザー…ン
「おかしら…勇者さんたち、大丈夫ですかね?」
「心配ねえさ、兄ちゃんも嬢ちゃんも、若いけどしっかりしてる。…俺らは、帰りを待つだけさ」
「…はい」
 ・ ・ ・
「………」
「………」

『拝啓 母さん、ここは魔の火山。ネクロゴンドの入り口、そして―――ゴドーのお父さんの、死んだ場所。
 …色んなことがありました。私たちは今まさに、ゴドーの父さんの、限界を超えようとしています。
 敢えて多くは語りません。…全ての決着が、近いのです』

「…エデンの話では、これを火口に投げ込むらしいが…」
「…麓(ここ)から、届くかな」
「常識で考えれば、ま、無理だろう…だが、見てみろ」
「?…え…ガイアの剣が…」
 ガチャガチャ、ガチャガチャ…
「さっきから、役目を果たしたくて、コイツは暴れたがってる」
「…そっか。行くんだ、あなた」
 チャキッ
「…やるぞ、アリス。二人で」
「ええ、ゴドー」
 チャキッ
「………」
「………」
 ヒュゥゥゥゥゥゥ…ザッ
「「往けェェェェェェッッッ!!!」」
 ブンッッッッ、シューーーーーーーーーッ

463 :YANA 57-2:2005/12/29(木) 23:36:59 ID:tXCNh4Sy0
「「………」」
 ………ゴゴゴゴゴゴ…
「…始まったな。離れるぞ」
「うん」
 ・ ・ ・
「マグマが流れて…」
「…河が、埋まって…道が出来た…すごい、これがガイアの剣の力…!」
「………」
「…どんな気分?ゴドー。ここから先は、あんたの父さんも踏んだことが無い土地よ」
「…感無量、とでもいうのかな。だが、まだ俺は、何も成し遂げてねぇ」
「そうね。あと一息、だもんね。それまでは、気を抜けないわ」
「ああ」
「………」
「…どうした?」
「―――ね。そういえば、さ。まだ、あんたの父さんの名前、聞いてなかったよね?」
「?………なんだ。アレイの奴から聞いてなかったのか?随分半端な教え方だな、あいつめ」
「うん。なんでか、いいタイミングであんたに邪魔されちゃってさ」
「…まぁ、別にいいけど。そんなこと訊いてどうするんだ?」
「なんでも。あんたも、あたしがこんなことを気にして戦いに支障が出たら嫌でしょ?」
「………そうだな。――――――親父の名は、オルテガ。アリアハンで…勇者と謳われた男だ」
「―――そっか。ゴドー、あたしと初めて会った時、あたしが魔法使いになりたかった理由を聞いたでしょ?覚えてる?」
「?…確か…小さい頃、魔物に襲われて…助けてくれた奴に憧れて、そいつみたいになりたかった、とかいったか…?」

464 :YANA 57-3:2005/12/29(木) 23:37:57 ID:tXCNh4Sy0
「うん。…その人の名前がね。―――オルテガ、っていうの」
「―――そうか」
「驚かないんだ」
「別に。…あの親父がどこで誰を助けようと、知らねぇし、興味もねぇ。
 ついでに、おまえを助けたのが本当に親父かどうかも、俺はどうでもいい」
「………」
「だってこれは。俺とおまえの戦いだから」
 ギュッ
「あ…(手…握って…)」
「俺は親父を憎んで、親父を超えるために。おまえは親父に憧れて、親父のようになるために。
 始まりは対照的だけど。俺とおまえは、こうして同じ場所に立って、同じ場所を目指してる。…俺は、それでいいと思う」
「…うん」
「往こう。最後のオーブを迎えに」
「―――うん!」

『母さん、私と母さんを助けたあの人は、ゴドーの………ごめんなさい。やっぱり、続きは、バラモスを倒した後にします。
 だってあいつは、これを、俺とおまえの戦い≠ニいったから。後ろを振り返るのは、決着をつけてからにします。 敬具』

465 :だんご:2005/12/29(木) 23:54:54 ID:GJvul7W00
まさか、この島から天空のお城に行けるなんてねぇ。
前から気にはなってたのよ?船から見ても断崖絶壁の孤島で何があるかも知れないし。
世を拗ねるには丁度良いかなぁ、とか思ったこともあったわね………
でもこの島は、魔界にも近いんでしょ?そんなことしてたら、なんか変なのになってたかたかもねー。
ふふ、ねぇ勇者。そうしたら勇者はわたしを倒してくれた?

……ちょ、勇者!それじゃあダメじゃないっ。
なんでわたしを守って戦うとか云うのよ……ハァ。それじゃあ勇者失格よ?
じゃあ元に戻すって……もぅ、無理だったらどうするの。
えー?もし勇者が化け物に変わったら?
そりゃもう、こう容赦なくズバーッと一撃で、痛くないように倒してあげるわよ。
無理だってどうして判るのよー。なんかむかついた。ほら、その剣貸しなさい。
何云ってるの。わたしの剣の腕を、身をもって体験して貰おうと思ってるだけじゃない。
大丈夫、ちゃんと急所は外すから安心して死になさ…じゃなかった、斬られなさい。

あーそう。……どーしても貸してくれないのね。じゃあいい。

(ガサゴソ)

ふっふっふ、このどくばりのサビにしてくれるわっ!!
ちゃーんと世界樹の葉は摘んできてあるから、心配しないで急所を刺されなさいっ!!

466 :だんご:2005/12/29(木) 23:56:07 ID:GJvul7W00
ふぅふぅ……や、やっとてっぺん?
こんな高い塔が地上に立っていることが、信じられないわ。
地震でもあったら崩れちゃうじゃない。この塔を建てた人、柱減らしたりしてないよね………

うわー凄い高い……
魔神像よりも世界樹よりも、気球よりも高いよ、此処。
此だけ高いと地図を見ているみたいね………霞んであんまり見えないけれど。

ねー、天空のお城は何処ー?
これ以上、上には行けないわよ?まさか飛び降りて行き着く先がとか云わないでしょ…
あ、なんか変な雲が降りてきた。あれに乗るの……?
ねぇ、大丈夫なのルーシアさん?あー……そうなの………
心のきれいな人じゃないと乗れない、とかないの?
ちょっと待ってっ!お、押さないで。じ、自分で乗る……きゃあ!!!

………だ、大丈夫だった………
うわー、雲が上に登ってる……これ以上高いところに天空のお城はあるんだ……
まぁそれはいいとして。さっき、勇者は背中押してくれやがりましたわよね。
やっぱりね、こういうのはお礼が必要だと思うの。わたしはお陰で雲の上に乗れたんだし。
ほら、必死の状況になると空を飛べるようになるかも知れないじゃない。
ね、試してみようか?……何云ってるのよ、勿論勇者でに決まってるじゃない。
ほら、じっとしてないとちゃんと突き落とせないから、静かにしてなさい。
あ、コラッ!!逃げるなっーーーー!!!

467 :だんご:2005/12/29(木) 23:56:51 ID:GJvul7W00
すごいぞ!ラピュt

(パカン!!)

イタッ!!もう馬鹿勇者は、お約束ってのを知らないのっ!?
これもあれね、山奥の村に17になるまで閉じこめておいた弊害よ、きっと。
でも凄いなぁ、天空のお城。綺麗だし浮いてるし立派だし。
……なんか、事ある毎に凄いとしか云わないわたしって、もしかしてバカっぽい?


竜の神様でもデスピサロは止められないのね………あーあ、ちょっとは期待s

(ドーン!!)

うわ、なにっ!?何が起こったの!?地震!?揺れたよっ!!
あれ……でも空の上でも地震てあるの?


デスピサロの仕業………だったのね。地の底からこんな空の高みまで波動を飛ばすなんて……
進化の秘宝……完成したのかしら………
ねぇ勇者、なんとしてもヤツを止めないと。
そしたらわたし、一発アイツの横っ面叩いてやらないと気が済まないわ。
ロザリーさんのためにもね……別に人間滅ぼすのは構わないんだけどなぁ……
あ、嘘ゴメン気のせい、口が滑っただけ……って、ちょっとなにするの……?
こっから飛び降りるっ!?それでデスピサロの処にって!!
デスピサロの処に付く前にわたしたちに羽が生えちゃうよっ!!若しくは天使の輪っか!?
いや待って、だって絶対無理だって、無

(トン)

きゃあ!!七代先まで呪ってやるーーーーばかゆうしゃーーーーーーーーー………

468 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/30(金) 01:52:53 ID:uD2rhVJlO
ラピュタ王萌えす

469 :だんご:2005/12/30(金) 17:27:27 ID:I0KS6fE+0
よくあの高さから落ちて死ななかったわね………
というか、あの高さから落ちてなんで死なないのよ。
結果的に生きてるからよかったものの、覚えておきなさい。祟ってやるから。


あの床嫌い……いったい何度はぐれて酷い目に遭ってきたか。
……乗らなきゃいけないの?じゃないと先に進めないって……
むー……わかった。はい。
手を出して何って…手を繋いでって事でしょっ!!その位直ぐ判ってよね。
手を繋いで一緒に乗ったら、はぐれる心配ないでしょ?
またわたしだけ先に踏んで、キュキュキュの果てに見知らぬと魔物とこんにちはなんて、厭なのっ。

(キュッ)

ぁー……や、やっぱりは…はな………や、ちょっと!!

(トン キュキュキュキュキュキュ)

馬鹿勇者にはっ!心の準備ってもんが必要なのが判らないのーーーー……………

470 :だんご:2005/12/30(金) 17:28:19 ID:I0KS6fE+0
洞窟に潜ったはずなのに、出てくるときは塔なのね。
地底に広がる世界って、不思議………おどろおどろしくて、あんまり長居のしたい処じゃないけど。
さっきの天空人て、ずーっと此処にいて見張ってるのかな………暇潰しは一人人生ゲームとか?

(ガサガサ)

魔物!!?………なに此奴。フワフワしてたましいの出来損ないみたいな……
呪文……!?って、モシャスッ!!?何わたしの専売特許をとっ…………………わたし?
わたしに化けてどうするのよ……ほら、困った。何も出来ること無いから。
あーあ、まごついちゃって。うーん、ねぇ勇者。どうし

(ズシャッア!!)

って、ドラン………情け容赦なく、そんな………
魔物が化けているって判っていても、自分の姿をしたものが無惨にやられる姿を見るのは、気分の良い

もんじゃないわ………

471 :だんご:2005/12/30(金) 17:32:45 ID:I0KS6fE+0
なんか変な改行入ったー
>気分の良いもんじゃないわ………
は、一続きで。

とうとう魔界編突入。と云えば聞こえは良いものの、もう決戦間近だってばよ。
取り敢えず、マネマネネタはやっておきたかった。モシャス仲間だし。

472 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/30(金) 18:32:34 ID:pxCR/k53O
ageようか

473 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/31(土) 00:37:41 ID:3vEh0NQp0
>>472ここはVipじゃないぉ^^;


474 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/31(土) 03:32:40 ID:VyJ4DC06O
それは分かってるけど…
上にあったら執筆さんが気付いてくれるかも…!という淡い期待

475 :YANA 58-1:2005/12/31(土) 18:48:07 ID:aichUqdJ0
『拝啓 母さん…この、ネクロゴンドは…』

「おい…アリス。しっかりしろ」
「ん…」
「手紙書いてる途中で寝てるんじゃねえよ」
「………ごめん」
「…ああ、くそ…なんて馬鹿長い洞窟だ。進んでる実感なんてありゃしねぇ」
「…あれ、あんた…そんな刺々しい鎧と赤い剣、装備してたっけ…?」
「…ここの二階辺りで見つけたんだろ。おまえ、本当に大丈夫か?」
「…ん…ちょっと…辛いかも」
「おら、これ飲んで目を覚ませよ」
「…ありがと」

『すいませんでした。少し、疲れて気を失ったみたいです。
 このネクロゴンドは、とにかく長い洞窟で…もう半日以上も潜ったままです。日も替わって、疲労も限界に達しかけています。
 更に、魔物も見たことも無い、強い奴らばかりで。消耗も激しく、予想以上の苦戦を強いられています…』

「………ふぅ」
「…ゴドー、大丈夫?あんた、あたしよりも肉体労働多いんだから、ゆっくりしても」
「馬鹿いうな。俺から体力をとったら、何が残るんだ。心配しなくても、俺はおまえがダウンしたって死なねぇよ」
「…顔色、悪いよ?」
「…暗いからだろ、気のせいだ」
「………」

『強がってますが、流石のゴドーも、疲労の色を隠せないようです。あいつがここまではっきりと疲れを見せるなんて…』

「こら、何書いてる」
「あ、ちょっと、見ないでよ」
「…あのな、少しは信じろよ。本当に大丈夫だって。ちょっと限界に片足突っ込んだからって、弱気になるな」
「でも…」
「おまえはどうか知らねぇが、俺の今までの無茶は知ってるだろうが。
 …今更、たかだがただの疲労くらいでしくじるような真似は、絶対にしねぇ」

476 :YANA 58-2:2005/12/31(土) 18:49:29 ID:aichUqdJ0
「…ま、確かに、大蛇に右腕かじらせたり、右腕吹き飛ばしたり、塔からピョンピョン飛び降りたり…
 それに比べれば、随分マシだけどね」
「そうだろ。…信じろ。おまえは、必ず俺が守る。こんな洞窟も抜けてみせる」
「…はぁ。わかったわ。でもね、あたしもあんたに守られるだけなんてごめんよ。
 あんたがあたしを守るように、あたしもあんたが危なくなったらちゃんと守ってみせるから」
「…ああ。頼むぞ、相棒」
「りょーかい…っと、団体さんのお出ましね」
「骨野郎とライオン頭か…ちゃっちゃと片付けて、オーブ手に入れて、帰って飯食って寝るぞアリス」
「急に物言いが俗っぽくなったわね。…ま、同感だわ………メラミっ!!」

 ・ ・ ・
 カチッ
「………ここに日を刻み始めて、今日で12506日か。…やはり、この祠に辿り着ける者はおらぬのだろうか…」
 ―――ドタンッ
「…む?なんじゃ、今の物音は?…」

「はぁ…はぁ…はぁ…見たかコンチクショーーーーーッッッ!!俺はネクロゴンドを超えたぞーーーーーーッッッ!!!」
「………あんまり…叫ばないで…頭に響く…うう」
 ドタドタッ
「…おお!!おぬしら、人間か!!」
「…んあ?…なんだいおっさん。なんでこんな山奥に?」
「わしはこの祠の主じゃ。…おぬしら、ボロボロじゃが…まさかこのネクロゴンドを越えて来たのか…?」
「はい…そうです…シルバーオーブが…ここにあると…聞いて」
「!!なんと、オーブのことを!」
「…あー…悪い。おっさん、今は…ちょっと寝かせてくれ。体がもういうこと…きか…ね………ぐぅ」
「あ…こら…ゴド………すぅ」
「あ………ふむ。無理も無い。…しかし大した者たちだ。たった二人で、あの洞窟を抜くとは…」

 〜翌日〜
「ふぁ………あーあ。…悪い、寝床借りちまったみたいだな」
「すいません、夜分遅くにいきなり来て…」

477 :YANA 58-3:2005/12/31(土) 18:50:09 ID:aichUqdJ0
「よい。それよりおぬしら…これが欲しかったのだろう?」
 スッ
「シルバーオーブ…それじゃ、あんたが…?」
「うむ。わしは今代のこの祠の守り手。このオーブを守り、勇者がここに訪れるのを待っていた。
 …そう。あの、魔窟・ネクロゴンドを突破するほどの力を持つ、本物の勇者を、な」
「…あはは、聞いた?ゴドー。あんた、本物の勇者だって」
「…む」
「…ところで。外の城は、もう見たかな?」
「外の城?…いや、昨日は疲れてて、とにかく人の気配のする場所を目指すのが精一杯だったから」
「…見よ、あれを」
「………どこですか?」
「湖の真ん中じゃ」
「………あ」
「………」
「あれこそが、全ての元凶。…魔王バラモスの居城じゃ」
「…あれが…」
「見ての通り、周りは断崖絶壁、しかも絶海の孤島。徒歩でも船でも入ることは能わず。
 …おぬしら、オーブを知っているのなら、その伝説も知っておるな?」
「…オーブを全て揃えた者は、この空を、我が物に」
「うむ。他の五つのオーブは…?」
「持ってる。だから、ここに来た」
「…そうか。では、オーブを集めて、どうすればよいか、聞いておるか?」
「………いや。そこまでは」
「私は、集めたオーブの使い方を口伝する役目も負っているのだ。
 …ランシールの西、ここより南の島。レイアムランドへと向え。かの者≠フ卵が、おぬしらを待っている」
「…レイアムランド」
「陸も海も閉ざされたバラモス城…かの者ならば、おぬしらをあそこへ送り届けよう」
「元より、そのつもりだ…わかったよ、世話になったな、おっさん」
「…お元気で。ありがとうございました」
「うむ。わしの方こそ、ありがとう。…私の代でオーブを勇者に渡せたこと。光栄に思うぞ」

『母さん、果てしない洞窟を抜けて…遂に、遂に、全てのオーブが、揃いました。私たちは、最後の戦いへと向います。 敬具』

478 :YANA :2005/12/31(土) 18:52:11 ID:aichUqdJ0
多分、今年最後の更新…スマソ、第二部ラストまで間に合わなかった…。
それでは、良いお年を。

479 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/31(土) 18:54:17 ID:a6GIZuCK0
グッジョブ〜。ワクテカして待ってます。
良いお年を〜。

480 :執筆係 ◆iUYYbbU6T. :2005/12/31(土) 22:00:48 ID:rN2KMjYBO
まとめさんみなさん久しぶり!
ホントにDQFFに立ってたんだ・・・。自分が書かなかったせいで消滅しちゃったんかと思ってた。
VIPには毎日いたんだけど。全然知らなくて、スンマセンしたー!
8〜いたスト以来だから1年振りだよココ。
それにしても。ここはプロのスクツですか?レベル高杉w
とりあえず職人様たちの作品をゆっくり>>1から読んでくる。

481 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/31(土) 23:45:29 ID:E/nPI8myO
待ってたぜ、勇者様wwww

482 :だんご:2005/12/31(土) 23:46:25 ID:v3J6JAXF0
結界は消えたわね。此でデスピサロの処まで行けるけど………
………エビルプリーストのこと、考えてるの?
アイツさえいなければ、ロザリーさんはあんな目に……
もしかして、裏で手を回したエビルプリーストのことが判れば、デスピサロも……
でも、踊らされたとはいえ、手を下したのは人間か………

あ、ちょっと待ってよっ!!こんな処まで来て先に行こうとするなぁ!!


この城って、いったい誰がなんのために作ったのかな……
魔族の世界に在るんだから、やっぱり魔族の王のために作ったのかな?
……もぅ、勇者ったらいつもみたいに相手してよっ。
……決戦間近だからって、力は入り過ぎ。

(キュ)

ほら、手もこんなにガチガチになっちゃって。
そんなに気負わないの。こんなんじゃ、雑魚にも後れをとっちゃうわよ。
まだこの城を抜けないと、デスピサロには会えないんだから。
わかったら、先ず深呼吸から行くわよっ!!

483 :だんご:2005/12/31(土) 23:47:20 ID:v3J6JAXF0
なーがーいー。
まだ着かないの?もぅ、大きく作り過ぎよ、此処。
魔物の皆さん、頑張りすぎ。手抜きとかしなかったのかなぁ………
ダメじゃんっ!!手抜きしたら崩れちゃうよ、崩壊だよ!?
地震が来たら一網打尽じゃん!!勇者、急いでッ!!きっと此は罠y

(パカン)

あいたっ!!もう、真面目に忠告してるのにー。
知らないよ?崩れだして埋まっても知らないよ?
ぶー……一人じゃ行けないから、一緒に行くけどさぁ………
あっ!勇者、こっちに抜け道があるよ?何か良いアイテムがあるかも知れないし、行ってみようよー。


抜けた………お城なのに後ろに抜けた……
まるで何かを守るみたいに、建てられたとしか思えないわ。
そして、今守られているだろうものと云えばただ一つ………

………………デスピサロ

484 :だんご:2005/12/31(土) 23:49:21 ID:v3J6JAXF0
そんな……あんな化け物に………
あれが進化の秘宝だって云うなら、それは失敗作よっ!!
あんなの、あんなのが進化だなんて、そんなことあるはずないっ!!!
勇者のことまで忘れて、人間を滅ぼすだなんて……
思い出してよっ!!ロザリーさんのことっ!!ロザリーヒルでの暮らしをっ!!
そんなこと、あの子は望んでなかったっ!!ただ一つ、あなたとの平穏な暮らしだけ……

……?なに?
ちょ、勇者!!下がってろって………きゃあ!!!

(ズシャア!!)

あんな化け物にまでなって、過去の全てを忘れて……そんなに苦しかったの?
だったらどうして、あの子の願いを聞き届けてあげなかったの……?
そうしたら、きっとこんな事にはなってなかった。誰も苦しい思いをすることはなかった。
手なんか汚さずにただ一緒に、側にいてくれたら……………側にいてくれたら?

485 :だんご:2005/12/31(土) 23:51:35 ID:v3J6JAXF0
なんとか、年内に更新が間に合いました(ニガワラ)

と云うか、執筆係さんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
投稿がスレ汚しになっていなければいいのですが、よかったら続きを見たいなぁ?
とか書いても良いですか。


486 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/01(日) 00:38:06 ID:aJonUUwx0
このスレにもあけおめと書こうと来てみれば!
執筆さん気づいてくれた〜!!!!!!!!!!1111111
ずっとwktkしてましたよ〜
とりあえずこのスレに携わってるみなさんあけましておめでとう!

487 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/01(日) 01:52:27 ID:cWMyB/gLO
A HAPPYNEWYEAR!!
そして執筆係さんイヤッホオォォォウ

488 :一読者 ◆iUYYbbU6T. :2006/01/01(日) 07:44:04 ID:1vNPugHIO
>>485
>>投稿がスレ汚しになっていなければいいのですが、よかったら続きを見たいなぁ?
とか書いても良いですか。


全く汚れてないし、つーか俺がそんなん語れる立場にないし、
今活躍されてる職人さんの作品はボリュームあって面白いし、
ここ落ちないしじっくり書けるから俺も少しづつ書いてくよ。
トリップ必要なさそうだけどまとめさんの手間考えて一応付けて書いてく。

489 :執筆係 ◆iUYYbbU6T. :2006/01/02(月) 13:13:36 ID:mP5qQeDdO
うっわあー・・・でっかい穴・・・。
すっごー・・・。
・・・へえー、ギアガの大穴って、ちゃんと名前付いてるんだ。
ね、こんなトコに落っこちたらどうなっちゃうんだろーね・・・。

・・・はぁ。通ってったって、落ちてったって事ですか?この穴に!?
あらぁー・・・お気の毒に・・・。

それにしてもスゴいわよねー。吸い込まれそう。
底なんか全っ然見えないし・・・。
ん・・・あ、あれ?
あれ?
ね、あのさ、それでここには何しに来たわけあたしたち。

・・・ごめん。も1回言って。
んー、聞こえないわ。
全然聞こえな、あ!待って!
わかったから!準備するから!
だから、ちょっとだけ・・・あ、バカ・・・まだダメ・・・



ひぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

・・・アホーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!


(ヒューーーー------------ーン・・・・・)

490 :執筆係 ◆iUYYbbU6T. :2006/01/02(月) 13:54:06 ID:mP5qQeDdO
・・・ん。
う、うん。おはよ・・・・・・あ!
じゃなくて!
ああああんた何てことすんの!それにここドコ!?
はぁ!?ここってさっきの穴の底なの!?んもぉー・・・。
・・・うっさい!
もぉいいから、ほら早く行こ。これからどうすんの?
あ、誰かいるわよ!こんなトコにまで。
間違って落っこちちゃった人なのかな。
それにしても暗いなぁ。

ここアレフガルドって言う世界なんだ。なんか覚えづらい名前ねぇ。
んで、あっちの方にあるってゆーのがラダトーム。
ダメ。なんかあたし混乱してて、名前とかどうでもいい。

あの船借りていいの?んじゃ早く行きましょ。
お城があるなら宿屋もあるわよねきっと。もう夜遅いし。
ね、この世界にそのゾーマってのがいるの?
・・・あ、そぉなの。

491 :執筆係 ◆iUYYbbU6T. :2006/01/02(月) 14:25:20 ID:mP5qQeDdO
ここって結構大きい町なワリにはフインキ暗いわねー。
いつかみたいにいきなりお葬式やってたりして。

・・・そっかぁ。みんなゾーマのせいで明るくなれないんだ・・・。
バラモスもゾーマからすれば手下の1人だって言うし。
なんかすごくオーゴトだったんだねー。
よし!あたしも頑張るから!


・・・は?
だれコレ。カンダタ?って誰だっけ?

あ、あー!あの王冠泥棒と人さらい!!まだ生きてたの!?
ふふふふふ、ここであったが百年目!
今こそ決着ってゆーかトドメを刺してあげるわよ!

太陽の石?そんなんでゴマかそうったって・・・そうはいか・・・
は!ちが・・・
だからあたしは悪者じゃないし!
違うし!

ほらソコ!!お腹抱えてないでかばってよ!
あたしは悪者じゃないから!
ホントにホントだから!!

ああんもう知らない!
あたし宿屋行ってるからあんたテキトーに町回ってなさい!
敗走とか言うな!

もう!覚えてなさいよ!!

492 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/02(月) 18:49:35 ID:PqJNt4FA0
wktk

493 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/02(月) 20:56:12 ID:sOJbQeRU0
執筆係さんも復活で、作者は三人に!!

新年もwktk・wktk!!!

494 :だんご:2006/01/03(火) 13:46:34 ID:e1gXum9P0
何あれ………どうして、頭まで吹き飛ばしても倒れないのっ!?
此が窮極の進化?化け物以外の何物でもない存在になるのが?
生命の系図から外れて迄力を得て………お腹に顔を作るために?

さっきより図太い腕が生えてきた……鉤爪とか痛そう………
攻撃をする度に強くなるの?其れだったら、どうしたら倒せるの……?
デスピサロはもう止まらないの?どちらかが死ぬまで戦うしかないの…?
勇者、大丈夫かな……?

み、三つ目………お腹のも合わせると五つ目。
よく見えるのかな……見落としがないのかな……
勇者……頑張って………お願いだから、生きて帰ってきて……。

(ヒュゴォォォォォォォォォォ!!)

つ、冷たい……こんな処までアイツの吐いた息の冷気が来るなんて。
…み、みんなはっ!?

495 :だんご:2006/01/03(火) 13:47:07 ID:e1gXum9P0
ああ、みんな倒れてる、どうしよう、どうしよう。
何か出来ること……出来ることがないの?わたしに何かできること……
ミネアさんが、起きあがった?何をするつ……メガザルッ!?
そんな、命をかけて……
そうだ、こうしちゃいられない!!

(タッタッタッタ ガサゴソガサゴソ)

確か此処に……あった!!
煎じておいた世界樹の葉。此を飲ませれ……?どうやって?
考えてる時間なんてない…ええい、魔法の聖水に混ぜて口移しよっ!!

(ゴクゴクゴク)

よかった……気が付いた……?もう、無茶しちゃって。
でも、お陰でみんなは助かったわ。ああもう、起きたばっかりなんだから少し休んで。
ほら、もう一本ぐらい魔法の聖水飲んで一息ついてからでいいでしょ?

496 :執筆係:2006/01/03(火) 14:31:41 ID:V4SsYqiHO
>>494-495
wktk!!
hrhrdkdk!!
gngr!!tndr!!
snsa!!

497 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/03(火) 17:48:20 ID:Zn1Y5ABHO
ちょwwwwテンション高杉wwwww
シンシア最終決戦頑張れ!!!!!!

498 :執筆係 ◆iUYYbbU6T. :2006/01/03(火) 18:49:21 ID:V4SsYqiHO
・・・おかえり。何してたの?
あ、それが太陽の石ってやつなんだ?
んー、別に?あんたが拾って来たんだしどうせ何か使い道があるんでしょ?

ふーん…王者の剣と、光の鎧と、勇者の盾かぁ。
無駄に大ゲサなネーミングねぇ・・・。名前だけはすんっごく強そうな感じ。
そうね。まずはそっちから探した方がいいかも。
いらなかったら売ればいいんだし。
明日はどこ行くか決まってるの?
洞窟かぁ。洞窟ってどこにでもあるのね・・・。
ね、それよりあたしお腹すいたぁ。何か食べに行こうよ。
ほら、早くー!


さっきの話だけどさ、王者のぉとか光のぉとか。
すごく勇者っぽいわよね。
・・・あんたのための武器なのかも。名前通りならだけど。
あーあ・・・あたしもそーゆーの欲しいなぁー。
かわいらしい賢者のタメの杖とか・・・どこかにないかなぁ。

・・・別に?何も言ってないわよ?
あんたの聞き違いじゃないの?
あ、ねぇ見て!あの店感じが良さそう!あそこに決めた!
ね、いいでしょ?いいでしょ?
ホント!?やったー!
じゃ、じゃ、早く行こ。

早く早く!
・・・
・・

499 :執筆係 ◆iUYYbbU6T. :2006/01/03(火) 20:01:02 ID:V4SsYqiHO
まったくもう、呪文が使えないだなんて・・・。
にくったらしい洞窟よね・・・。

でもさ、ここ、薬草が大っ活躍よねー。
薬草がなかったらきっと大変よねぇここ。
ね、ね、あたしに何か言う事ない?
うんうん、そーよねー。
やっぱり感謝の気持ちは忘れちゃダメよねー。



うっわ何コレ。デッカイ地割れ・・・。
わ・・・底が見えない・・・。
ここでまたこんなトコに落ちたら今度こそさよならよねー。
・・・あ、そろそろ昨日の仕返しをする時間だ。
んー大丈夫よ。そんなに力入れないし。
いいからいいから。
軽ーく優しく落としてあげるから・・・ね!
(ドン!…ヒューーーーン)

あれ・・・、おーい!
ねえー!ちょっとー!・・・生きてるー?
返事しなさいよー!

・・・おーい!


・・・ねーってばー!


・・・おーい!!

500 :だんご:2006/01/04(水) 00:23:11 ID:oOLwS3PX0
どんなに攻撃しても、全然ダメだ………
全く弱る素振りを見せないよ。このままじゃ……このままじゃ………全滅………
ダメ。そんなのダメよ。勇者が死んじゃうじゃない。
なんとか、何とかしないと………ロザリーさんの無念だってっ………!!
わたしに出来ること……わたしに出来るこ、と…………

…………思い付いちゃった。もしかして、わたしって天才?
いやでも、上手くいくなんて限らない……それよりも失敗するよね。きっと。
だって、デスピサロ……あれだよ?
……全滅しちゃったら、わたしだって殺されるよね。
でも、どうせ死ぬなら、せめて勇者より先に死なないと、みんなと会わせる顔がないか。
動きを少しでも止められれば、御の字よ。

(ブォォォォン!!!)

………勇者ッ!!!!
村のみんな、ロザリーさん、力を貸して頂戴っ。
いくよ、シンシア。覚悟を決めなさい………ッ!!

ロザリーさんの姿を思い浮かべて………モシャスッ!!!

501 :だんご:2006/01/04(水) 00:23:54 ID:oOLwS3PX0
ピ、ピサロ様ッ!!お待ち下さいッ!!

………うわ……近くで見ると一段と大きいというかでかいというか………
ああ、いけない。そんなことで気をとられてる場合じゃなかった………

わたしです、ロザリーです。わかりませんか?あなたがくれたこの名前ですらも………
思い出してくださいピサロ様……。

わたしは……わたしはただあの時から、ピサロ様が共にいてくれれば其れでよかった。
使命にも宿命にも縛られず、ただピサロ様のみがピサロ様の主人であったあの頃………
わたしと同じ名前を持つあの村で、共に暮らしている時間が続いてくれていれば、其れでよかった。
……………一緒に、一緒にいられたのに、なんでその生活を捨てたの?
わたしはずっと一緒に居たかったっ!!
使命も宿命も、そんなもの全部捨ててもらってただの人として生きたかったっ!!
自分から背負い込むこと無かったのに………なんで、どうしてっ!?
あなたがずっと居ればあんな目に遭うことなかったっ!!あなたがずっと守ってやれば良かったッ!!
其れが、自分の手を汚してまでする必要のあったことなのっ!!?
答えろーーーー!!馬鹿ピサロッーーーーーーーー!!!!!

(ポタン)

………デスピサロが………元に……………もど、る?

502 :だんご:2006/01/04(水) 00:24:46 ID:oOLwS3PX0
………え、っと……ピサロ……様?

………そうよ。直ぐ判るようにロザリーさんじゃないわよ。
悪かったわねっ、あの人みたいに上品じゃなくて。野良エルフなんてこんなもんよっ。
…モシャスで変わったのに……失敗したかしら?
そんな話じゃなくてっ!世を拗ねて全部壊されちゃ困るのっ。せめて人gムグムグ

だから、ロザリーさんを殺すように仕向けたのはエビルプリーストだったの。
まぁ、其れに乗っかっちゃう人間も悪いんだけどさ。
で、貴方はどうするの?
此まで通り人間を滅ぼす?だったら、わたし……じゃなくて勇者たちが止めるだろうけど。
わたし……?
わたしは別に人間を滅ぼそうがどうしようが構わないけど、彼らを殺されるのは困る。
数少ない友人だもの。もう喪いたくないの。人間の中にも良いのはいるのよ?

だか……ら、思い直してく……れ、な……い?

(クラッ)

あ……れ?世界が、かたむ………く…………

503 :だんご:2006/01/04(水) 00:30:18 ID:oOLwS3PX0
執筆係さんGJ!!ヤベェ、テラモエス。
然しこう見ると、影響受けてるの丸分かりで恥ずかしいなぁ。

と云うわけで、オリジナル展開で6章突入です。
役立たずシンシアがとうとう面目躍如。お父さんは嬉しいよ。
まぁ、この先役に立つことはないけどね。
正直、永らくピサロを倒して終わろうかどうしようか悩んでいたわけですが、
ハッピーエンド&どうせ役立てるならとことんやらしてしまえということで。
もう少しだけ続きますが、あと少しのお付き合いをどうぞ宜しく御願いします。

504 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/04(水) 02:45:06 ID:HYNaMsn10
頑張れだんごさん!!ハッピーエンドは目前だ!!

505 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/04(水) 03:09:16 ID:SmzOrgC40
wktk

506 :執筆係:2006/01/04(水) 07:17:59 ID:+g7MizUOO
6章行くんかいwww
それでもペース的にだんご氏が最初のEDになりそーだね。

鳥タマ論争に期待w

507 :YANA 59-1:2006/01/04(水) 19:36:10 ID:0f9VAkBV0
『拝啓 母さん、オーブは六つ揃い、後はレイアムランドに行って、目的を果たすだけなのですが…。
 ゴドーは、何だか歯切れの悪い口調で、「決戦の前に、一日くらいゆっくりしてもいいんじゃねぇか」なんて、
 あんまりにもらしくないことをいって、何故かここ、イシスに立ち寄りました。アリアハンでは、いけなかったのでしょうか…?』

「………ね。ゆっくりするならさ、別に、あんたの家でもよかったんじゃない?なんでイシスなの?」
「ん………ま、夜になるまで、待ってくれ」

『なーんて、上の空。どうしたっていうんでしょう?で、今の私はというと』

「…くちっ!…うう、ちょっと冷えるかも。…もう、夜になったら、先にお城の庭で待ってろなんて…なんなのよ、もう」
 ザッ
「…悪い、待たせた。慣れない服だったんで、手間取った」
「もう、何なのよ、こんなところで、何を………」
「………笑いたければ笑え。俺だって、正直恥ずかしくて死にそうだ」
「………タキ、シード?…ぷふ、あははははははは!!な、なによそれ、あんた、どうしちゃったのよそのかっこ!!あはははっ!」
「にゃろう。…ほら、おまえもこれ着ろよ」
「あはは…え?…何これ。…パーティードレス?………え?え?え?うそ、何で…?」
「―――いつか、おまえ、ここでいってたろ。ドレスを着て、舞踏会に出るのが夢だって」
「―――あ」
「…戦いの前に、悔いは残さねぇ。観客も他の参加者もいない、たった二人だけの舞踏会だけど。…俺と。踊ってくれ」
「―――っ(/////)そ、そんな、だってあたし、全然お淑やかじゃないし、女王様みたいな上品さもないし、それにそれに…」
「〜〜〜ああもう、これ以上俺だけにこんな恥ずかしい格好させとくつもりか。いいからいう通りにしろって!」
「………」

508 :YANA 59-2:2006/01/04(水) 19:36:43 ID:0f9VAkBV0
 ・ ・ ・
「…どう…かな…?」
「………うん。似合ってる。俺なんかとはえらい違いだと、思う」
「ホント?変じゃない?ガサツに見えない?」
「…ああ。綺麗だ」
「…ありがと」
「じゃあ、始めようか」
「…うん」

「………」
「………」
「ねぇ…」
「ん?…」
「…あんたは、さ…この戦いが終わったら…どうするつもり?…」
「…そうだな。特に何も、考えてねぇんだよな。…本当に、親父を超えるためだけに生きてきたから…」
「…ふぅん…もし、あんたさえよければ…あたしの故郷に来ない?」
「…え?」
「…母さんに、紹介したいの。こいつが、今まで一緒に旅してきた勇者です、って」
「…あー…まぁ…別に、いいけど。おまえは、何かやりたいことはねぇのか?」
「あ、あたし?…うーん…あはは、あたしも、何も考えてないや。ほら、あたしも、魔物と戦うために魔法使いになったわけだし」
「…お互い、夢の無い少年少女時代ってわけか」
「…そうね」
「………」
「………」
「…なぁ…」
「…なに?…」
「…おまえから見て、さ。俺は、どうだった?」
「何が?…」

509 :YANA 59-3:2006/01/04(水) 19:37:49 ID:0f9VAkBV0
「いや、だから…これまで二人でやってきて…俺はおまえにどう評価されてるのかな、って」
「…うーん…そうね。率直に言えば、身勝手で、何考えてるかわかんなくて、喧嘩っ早くて、人の意見を聞かなくて…」
「…手厳しいな…」
「誰より強くて、何だかんだで優しくて、でもそのくせ誰より孤独でいたがる。手のかかる、どうしようもない変な奴。…でも…」
「ん…?」
「ライナーさんと会って…あの人の、あんたへの思いを聞いて。考えて…なんとなく、気付いちゃった。
 …あたしも、もう、逃げない。逃げたくない。だから、いうね」
「…?」
「―――あたし、きっと、そんなあんたのことが好きなんだと思う」
「―――――――――」
「…今度は、あたしから訊くよ?…あんたは、あたしをどう思ってくれてるの…?」
「………」
「………」
「………」
「………」
「…ごめん。今はまだ、よくわからねぇ」
「…そう」
「…全てが終わったら、答えを用意しておく。だから…それまで、待ってくれ」
「…うん。全てが終わったら、ね。…約束だよ」

『母さん、私はもう、逃げません。ゴドーには、私の気持ちを伝えました。…あとは。どんな答えを、ゴドーが用意してきても。
 私はそれを受け入れるだけです。…この手紙は、多分、この旅の最後の手紙となるでしょう。
 …行ってきます。全てを、終わらせるために。 敬具』

510 :YANA:2006/01/04(水) 19:42:56 ID:0f9VAkBV0
ちょwwwクオリティタカスwww
そして俺ペースオソス…orz 
そりゃこんだけオリジナルシナリオぶちこめばなぁ…。

ごめんよ、ちょっとの間、気長に待ってくださいな…

511 :おかいものさん:2006/01/04(水) 22:16:51 ID:qmxke5cC0
>>507-510
グッジョブ

512 :だんご:2006/01/05(木) 01:18:22 ID:uy02tkJb0
………うぅん………あれ………白い天井………
ああ、勇者……此処、何処……?ちょっと……何泣いてるのよ………

過労と極度の緊張のために倒れたって………なにそれ。
其れじゃあまるで、わたしが貧弱娘みたいじゃない。
いやまぁ、そりゃ確かにココは貧弱だけどさ………じゃなくてっ!!!

ゴットサイドって、地上に戻ってきたんだ。
そっか。って、あれ?いったいどうな…………デスピサロッ!!?
なんでこんな処に、いやそれどころじゃなくてっ!!天罰の杖………
ていうか、よく考えたら勇者たちはいったい何してるのよっ!!!?

はぁ………それで不本意ながら同行することにした、と。、と。
ふーん………あ、もしかしてわたしの説得が効いた?あはは、そんなわけ……あるの?
嘘でしょ、どうしてっ!?あんたもしかして馬鹿ッ!?
ああ、わたしがエルフだって事が大きいのね。
そうよね、そうよ………世間なんてそんなもんよ……

此からどうするの?
………この町の祭壇に大きな穴が空いたから其処に行ってみる?
なにそれ。どうしてそういうことになるのよ。第一其処に潜ったからってどうなる………
……そういえば、今までそれでなんとかなってきたのよね………
勇者、貴方ってもしかして何かに憑かれてるんじゃない?

513 :だんご:2006/01/05(木) 01:18:53 ID:uy02tkJb0
うへー………なに此の洞窟………
見たことあるような処を歩いたかと思えば、全然知らないところを歩いてるし。
魔物だって、今まで見たこと無いくらい強いのが居るし………
まぁ、流石魔族の長って強さをピサロがみせてくれてるけどさぁ。
……ていうか、みんなのお株奪いすぎ。
ただでさえ活躍の場がないのに、見てご覧なさいよ、馬車の隅っこ………
トルネコさんが膝抱えて嘆いているわよ。ああもう、アイテムの鑑定始めちゃった。


こんな変な洞窟なのに、なんで宿屋とか教会とかあるんだろう………?
変な洞窟だからあるのかな?変だからなんでもアリとか。
ねぇねぇ、勇者はどう思う?え?それどころじゃない?
どーしてよー。見て判らないかって?………うん戦ってるね。魔物と。
でもね、わたしは暇なの。飽きたの。つまんないの。わかる?
こーんな、わけのわかんない洞窟に連れてこられて、歩かされて。
普通、飽きるでしょ?だから相手して。
今忙しいって………相手して相手して、あーいーてーしーてーよーぅ。
あーもういいもんね、拗ねちゃうもんね、ピサロに進化の秘宝教えて貰うもんね。
あっかんべーっ

514 :だんご:2006/01/05(木) 01:24:53 ID:uy02tkJb0
YANAさんGJ!!やっぱり決戦前には必要なイベントですよね(*´Д`)ハァハァ

で。いったい、なに此の駄々っ子。
デスピサロ戦終えて緊張の糸が切れたのは、わたしだけではなかったようです。

つうかなんだ、推敲漏れがあるじゃないかorz
>、と。、と。
は、どう見ても後ろが消し忘れです。本当にありがとうございました。

515 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/05(木) 01:24:58 ID:FWM5edLfO
ちょwシンシアwwしかしいい娘だ

516 :だんご:2006/01/05(木) 01:38:51 ID:uy02tkJb0
うわー、ホントに緊張の糸切れてるっぽい。
>>514の最後は、此で。

あーもういいもんね、拗ねちゃうもんね、ピサロに進化の秘宝教えて貰うもんね。
今から相手するって来ても相手してあげないもんね。もうしーらないっ。
あっかんべーっ !



517 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/05(木) 04:13:14 ID:ajOCpwKKO
主人公が過労で倒れないか不安なのだが

518 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/05(木) 05:46:26 ID:TV48J9ZbO
つ【パワリン】

519 :執筆係 ◆iUYYbbU6T. :2006/01/05(木) 19:11:17 ID:TV48J9ZbO
・・・だからごめんってばぁ。
ごーめーんーってばあ。
まったくもぉー何回も謝ってるのに、何よぉ。
お互い様じゃない・・・。
なぁんであたしだけ謝んなきゃなんないのよバカー。
勇者の盾も見つかったんだしもうこれ以上グダグダ言わないのー。

あとさぁ・・・、
吐き出されたんなら途中で粘ってないでさっさと上がって来なさいよねー。
もうちょっとで心配するトコだったんだからね!

それで、これからどうするの?
とりあえず南?久しぶりに出たわねー。あんたの大好きなとりあえずが。
うん、わかった。行ってみましょ!
とりあえず南ね!

あ、その前に薬草買わなきゃね!

520 :だんご:2006/01/06(金) 00:19:19 ID:B9U5tPeO0
ながーい………長すぎる。
なんで水の中で息が出来たのよ。フツーに歩いてるの。
なんで洞窟探検していると思ったら、塔を登ってるのよ。
もーわけわかんないっ!!

よし判った。
わたしは、どうして此処がこんな理解出来ない洞窟なのか、勇者に説明責任を求めます。
なんでって、最初に行こうって云いだしたのは勇者じゃない。だからよ。
一番最初に云いだしたのはアリーナさん?
……………関係ない。わたしは勇者から話を聞いたんだもん。
誰が最初に言い出したとかは別にいいの。わたしが最初に話を聞いたのは勇者、其れでじゅーぶん。
だから、わたしに理解できるように早く説明してよっ。
……わかんないって、いったい何年勇者やってるのよ。全くもう、そんなんじゃ勇者失格よー。
ほらほら、早く考え無さ………何あの光?

わー、旅の扉だっ。ねぇねぇ、何処に繋がってるんだろうね?
………ていうか、此処がこの洞窟の最奥?て事は此処が目的地?
よーし、飛び込んでみよーっ!!

(フィンフィンフィン………)

ちょっと、勇者ッ!!見るからにホッとした表情s…………

(フィィィィィィィン)

521 :だんご:2006/01/06(金) 00:20:02 ID:B9U5tPeO0
旅の扉を抜けたら、其処は雪国でした。
って、事はない訳ね。で、なにこ此処、山?

辺り一面に卵と鶏。火口と絵の入った額縁。そして………口論する二人の変態。
なんなの、このシュールな光景は………。
あんな変態二人組に関わるぐらいだったら、さっきの洞窟を延々と彷徨ってたほうがマシだわ。
ねぇ、引き返………そうと思っても、旅の扉はこっちにないのね。はぁ………

……卵と鶏について言い争ってるの?どっちが偉いとか。
馬鹿みたい………ねぇ、ホントにこんな変態に話しかけるの?
はぁ……じゃあほら、勇者が話しかけなさいよ。なんでって……勇者だからに決まってるじゃない。

鶏と卵どっちが好きかって………馬鹿勇者。そんなの決まってるじゃない。
勿論………両方よっ!!!!!!
ゆで卵も好きだしねー、軽く食べたいときはスクランブルエッグ。
勿論フライドチキンも鶏の唐揚げもだーいすきっ……食べ物のこと考えたらお腹減ってきたなぁ……
食べたいなぁ、目玉焼きにローストチキン………。
ササミとキュウリで棒々鶏とか溶き卵のスープでもいいなぁ。お腹減ったなぁ………

何、襲いかかってきたの?そう、頑張ってね。
あーあ、お腹へったぁ。早く帰りたいよー。宿屋の食事がわたしを待っていわー。

(グゥー)

522 :まとめ人:2006/01/06(金) 08:31:23 ID:kKPD+67X0
年あけ一発目の更新です。
相変わらずまとめ処理でごめんなさい。
そして執筆係さんおかえりなさい。

執筆係さん http://www.geocities.jp/game_trivia/dq3/
YANAさん http://www.geocities.jp/game_trivia/dq3/yana2.html
だんごさん http://www.geocities.jp/game_trivia/dq3/142.html


523 :執筆係 ◆iUYYbbU6T. :2006/01/06(金) 21:06:37 ID:Zzerijw0O
この世界って昼間でもずっと暗いままなのね・・・。
・・・ヤダなぁー。夜の砂漠って歩きたくないなぁ。
何でって、バカ。当ったり前じゃない。こんな気味悪いとこ。
ズブトイあんたと違ってあたしは普通なんだから・・・。
あ、町が見えてきたわね。
どこに行っても人って必ずいるんだね・・・。
こんなとこにわざわざ町作る意味がわかんない。


で、ここで何すんの?
オリハルコン?うん!探す探す!
あたし見た事ないんだ。あんたもないわよね。
どこにあるんだろ!ね!オリハルコン!
さっきの鎧着てた人より先に見つけなきゃ!
あ、ねぇ!あんまりキョロキョロしないでよ。探してる事バレないように探すの。
そそ。さりげなく、さりげなく。
は?デート?うーん・・・。
そうねー、イチャつきながらブラブラしてればさりげないかも。
よ、よし。それで行くわよ。

・・・・・。
・・・・・。
ね、ねえ。
な、な、何か話しなさいよ・・・。
あんたが言い出したんでしょ?
こ、これじゃケンカしてるみたいじゃない・・・。
あ・・・もしかして照れてる?照れてる?

・・・・・。
あのさ・・・、あたしの事・・・

好き?

524 :執筆係:2006/01/06(金) 21:09:41 ID:Zzerijw0O
>>まとめさん
乙であります。
感謝してるからメ欄の件は突っ込まないでおくw

525 :まとめ人:2006/01/06(金) 22:07:43 ID:kKPD+67X0
>>524
いや、それもう言ってるようなもんだしw

526 :だんご:2006/01/07(土) 00:50:42 ID:NN5WAd6F0
あ、おわったぁ?
もうわたし、お腹がぺこぺこ。ご飯にしたいのー早く帰ろうよー。
何、褒美?なんの褒美よ。襲いかかってきたの撃退しただけでしょ?
どうして褒美なんて貰う必要があるのよ。
で、何貰ったの?

………何処かの木に珍しい花?
あの額縁の絵…なにあれ?もしかして……世界樹の花?
いや、わたしも本でしか見たことないから、自信ないけど。
うん、千年に一度咲いてどんな命も甦らす力があるって云うけど……どんな命も………?
もしかして、世界樹の花があればロザリーさんが甦る…?
実物は知らないけど、言い伝えが本当ならそうよっ。きっと生き返るっ!!
ピサロ!!ロザリーさん生き返るよっ!!


で、なに?この火口に落ちると元の世界に帰れるって?
元の世界って事は、此処はやっぱり不思議時空だった訳ね。
もう、勇者の癖にそんなことも判らないなんて、やっぱりダメねぇ。
………この火口の落ちる?火口に?マグマの中?ドロドロ?ちょ、馬鹿ッ!!死ぬッてっ!!
火口に落ちても瀕死になって他の世界に辿り着いた人もいる?
いや、其れ瀕死ってっ!!下手したら死ぬって事じゃないっ!!!
他にあるんでしょっ!!?
あ、ちょっと待って、抱きついて何する気………まだ心中したくなーいーーーー…………

(ヒュウゥゥゥゥゥゥゥゥ………)

527 :だんご:2006/01/07(土) 00:51:34 ID:NN5WAd6F0
また世界樹に来るなんて………然もこんな短期間に二度よ?
わたしだってそうだけど、みんなだって戸惑った顔してたじゃない。
いや、戸惑ったと云うより、何でまた来たんだ此奴、だったわ。
もう、こんな思いまでしてきた世界樹に目当てのモノがなかったら、
あの変態とりたま二人組をどうしてくれよう。
世界樹の花の話は聞いたこと在るけどさ、もっと先だったような気がするのよねぇ。
あの変態に咲かす力があるって考える方がおかしいわよ、うん。
あー、なんか考えたら腹もっとムカムカしてきた。
ねぇ、気晴らしにこっから落としていい?
だいじょーぶよ。天空のお城から落ちても大丈夫だったじゃない。へーきへーき。
あ、ちょっと待てッ!!逃げるなぁーー!!神妙にしろぉーーーー!!!

でっかいね。咲いてるね。ちゃんと世界樹から生えてるね。
此が世界樹の花かぁ………千年に一度よ?エルフだって中々見たこと無いの。
わたしだって若い方なんだから、実物は見たこと無いのよ。
………人間と比べるな、馬鹿勇者。
でもおっきいねぇ、花の癖に。此って、やっぱり持ってかなきゃ駄目でしょ?
うん、頑張ってね?ちゃんと応援してるから。

ふれーふれーゆうしゃっ!がんばれがんばれゆうしゃー!

528 :だんご:2006/01/07(土) 00:52:34 ID:NN5WAd6F0
ロザリーさんのお墓、ピサロが作ったのね……
ふーん……お墓作ったり、化け物になってみたり。
きっとあれ、ピサロが人間を滅ぼそうと決めたのもロザリーさんのためでしょ?
愛情表現には問題が多々在りだけど、愛されてるんだねぇ………

そのでっかい花。ちゃんと効果あるのかなぁ。
不吉な事云うなって云われても、初めて見るのよ?やっぱり聞いただけってのは、ねぇ?
其れに、あの変態とりたまが関わってる訳じゃない。やっぱりねぇ……
というかさ、そのでっかい花。どうやって使うの?
あ、勇者が無視して世界樹の花を置いた。………それじゃあでっかい献花にしかみえn

(ペカー)

何?光った…………ロザリー……さん?
ホントに生き返った………偽物じゃなかったんだぁ。

ほら勇者、行くよっ。
なんでって……ちょっと空気読むスキルぐらい身につけなさいよっ。

(ガサガサ)

うわー抱き合っちゃって………
ねぇねぇ、次はチューかな?チューかな?勇者はどう思う?
なにしてるのって……えっと、今後のための勉強?そう、草むらに隠れて。
あ、ちょ、引き摺らないで……もうちょっと見るー、もうちょっと見るのぉーーー………

529 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/07(土) 01:45:42 ID:DkIXhT1wO
アーチェみてーな奴だな

530 :だんご:2006/01/07(土) 02:35:27 ID:NN5WAd6F0
もうっ、勇者は全然興味なかったの?
……どーせわたしは趣味が悪いですよーだっ。

ねぇ…ピサロから聞いたんだけど、アイツを嵌めたアレ。
え、っと。名前なんだっけ。出てこないけど、まぁいいや。
アレがデスパレスにいるらしいね。

……一緒に行くんでしょ?だって、伝説の勇者だもんね。世界を救わなきゃね。
でも、此が最後なんでしょ?戦い終わったらどうするの?
そっか、村に戻るんだ。そうだね、みんなのお墓作ってあげなきゃだもんね。
わたし?わたしは……どっしよっか………
ピサロは止めたし、ロザリーさん生き返ったし。わたしのやりたいこと、無くなっちゃった。
世界樹に戻ってもいいし、此処でお世話になるのも安全だ……けど、此処で暫く二人で暮らすって云って

たから、そうするとピサロの世話になるって事よね。其れはまだ厭かなぁ…やっぱり心情的にね。
そういえば天空のお城にもエルフが居たから、彼処で暮らすってのも在りかなぁ。
ふふふ、そうね。世捨て人になってみたい気分なのかも。
格好良くない?勇者のために死ぬって。わたしみたいなのでも、世界の役に立つって。
勇者が貰われてきてから、ずーっと其ればかり考えて生きてきたからかな。
今更急に、ねぇ?

嘘って………どうしてそんなこと云うのよ。

531 :だんご:2006/01/07(土) 02:36:30 ID:NN5WAd6F0
ピサロに言い放った言葉……?
あれはロザリーさんの言葉を代弁しただけで………
どうして違うって言い切れるのよっ。口調って……わたしがただ育ちが悪いってだけでしょっ。
はぁ……なんでそれだけで勇者への想いが出てたなんて思い上がれるの?
そんなこと……あるわけ無いじゃない。
嬉しかったって、馬鹿じゃないの。別に勇者のこと云ってたわけじゃ……
なんで、其れでも良いから一緒に来て欲しいになるのよっ!!
馬鹿も休み休みにして頂戴。駄目よ、駄目……駄目なの………
なんでって……ゆ、勇者のことがうっとおしいからに決まってるじゃない。
今までだって、が、我慢して付いてきたんだから。

必要って、どうしてそんなことが云えるのよっ!!
わ、わたっわたしッ…わたしなんかよりっ!良い娘は一杯居るよ!
どうして、勇者さまが騒がしくて生意気で野良でナイチチで…汚れてるエルフを選ぶのよっ!!
そんなの駄目よ…駄目……勇者にはもっと相応…し……い…娘……が………

(ギュッ)

止めて……お願いだから…離して……泣くよ、泣くぞ、泣き叫くぞ…………
ううー……う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー………!!!!

532 :だんご:2006/01/07(土) 02:37:18 ID:NN5WAd6F0
そんな話覚えてたの……?幸せに暮らしてる夢って………恥ずかしいなぁ。
……なぁんでも無い毎日を送りたかったの。
あなたに勇者だって宿命もなく、わたしが怯える心配のない日常。
わたしが欲しかったのは、ただそれだけ。

で、でもやっぱり駄目よ。ずっと一緒なんて……
だって、世界を救ったら、きっと女の子を選り取り見取りだよ?
うぅ……どうしてそんな恥ずかしいことをきっぱり云えるかなぁ………
あっ、そうだっ!!モシャスで変わろうかっ。そしたら……意味無いの?
どうしてよっ。せっかく勇者の為を思って考えてるのに。勇者だっておっきいほうが好きでしょ?
なにがって、もちろんおっぱいのことだけど。
え、違うの?人間はみんなそうだって聞いてたけど………
じゃ、じゃあ、触って……みる?
えっ?いや試しというか……やっぱり小さいのは厭なんだ…それともやっぱり汚れて………
ね、ほらっ!!だから、ちゃんとした娘を選んだ方がいいよっ。

え?なに真剣な顔で気合い入れ……さわっ!?
ま、待ってッ!!やっぱり止め、じゃなくて変わる……

や、やじゃないよっ!!厭じゃない………けど、小さいし……それに汚いし………
わ、わたしがの良いって……………(コクン)

533 :だんご:2006/01/07(土) 02:53:09 ID:NN5WAd6F0
>>まとめ人さん
いつも乙です。

えーっと、それと完全なわたしのミスなんですが、
>>439
>もしかしたら天空のお城に行くための鍵ってだけで、武器としては大した ことないだけなのかもね。
の改行。
同様に先程投稿した(なにやってんだ)>>530
>世界樹に戻ってもいいし、此処でお世話になるのも安全だ……けど、此処で暫く二人で暮らすって云って たから、
の改行。
>>501の発言の一部を以下のように。
>使命も宿命も、そんなもの全部捨ててもらってただの人として生きて欲しかったっ!!
後は>>521の最後の一行からぬけている『る』を入れて
>あーあ、お腹へったぁ。早く帰りたいよー。宿屋の食事がわたしを待っているわー。
と、していただけると幸いです。
ホント、ミスが多くて済みませんorz

と云うことで、最終決戦前のお約束イベント、なんですが、急ぎすぎた感が強いなぁorz
いやまぁ、此にも一応理由があって来週頭に引っ越す為に、暫く投稿出来そうにないので、
キリの良いところまで頑張ったというか。ホントは終わらせられれば一番だったのですが、生憎其処までは行きませんでした。
投稿は恐らく此で暫く開くと思いますが、楽しみに待っている方々は、いらっしゃるようなら暫くおまちください。
必ずエンドまでは持って行きます。あと一寸だし。

534 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/07(土) 22:40:43 ID:g3VBYLDYO
終わり良ければ全てよし

535 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/08(日) 20:22:11 ID:uRweMwn90
お、久しぶりに見に来たら執筆係さんがいるじゃないか
だんごさんもYANAさんもGJですよ!

536 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/09(月) 17:12:51 ID:E4FuWtWz0
wktk

537 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/11(水) 23:34:12 ID:rsdTVFwCO
やっぱり書き手さん達忙しいのかな
(´・ω・`)

538 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/12(木) 09:31:05 ID:nGcoG5uI0
ね、念の為よ、念の為!!
あ、あんたの為に保守上げするんじゃないんだからね!!
な、何よ、別にありがとうなんて言って欲しくて上げたんじゃないんだからね!!

539 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/12(木) 10:22:23 ID:aETqEjE4O
ありがとう

540 :執筆係 ◆iUYYbbU6T. :2006/01/12(木) 12:28:58 ID:zOIJrAU4O
ありがとう

541 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/12(木) 20:10:06 ID:RWPQfUhx0
きのこる先生


542 :YANA 60-1:2006/01/12(木) 23:42:22 ID:29PxosAD0
 カン、カン、カン
「…長い階段だな…しかし、こんな辺鄙なところによくもまぁ………」
「…閉ざされた雪の島に、祠が一つ…ネクロゴンドの番人さんがいうには、何かの卵があるらしいけど…?」
「かの者とか、なんとか………と」
 カツンッ
「あ…」
「抜けたか…」
「うん………?ゴドー、あれ、部屋の真ん中!」
「ん?」
「祭壇の上、見て」
「………」
「………」
「…卵?」
「…特大の、ね」
「…そのまんまじゃねぇか。こんなの、どうすればいいんだ」

 ―――お待ちして、おりました。
 ―――お待ちして、おりました。

「…む………?」
「…女の子?…あなたたち、誰なの?」
「…私たちは、ラーミアの巫女」
「…私たちは、ラーミアの巫女」
「「…ラーミア?」」

543 :YANA 60-2:2006/01/12(木) 23:43:00 ID:29PxosAD0
「ラーミアは」
「神々の使わした巨鳥」
「心正しき者だけをその背に乗せ、空を舞う」
「勇者の来訪を待ち」
「卵へと還り」
「今という時に備えていました」

「…なんのことかわからんが。その、ラーミアっていう鳥が、この卵に入ってて、孵ったら俺達を乗せて飛んでくれる…
 と、そういうことでいいか?」
「はい」
「はい」
「…それで、俺たちはどうすればいい?」
「オーブを」
「ここへ」
「!…わかった」
 ・ ・ ・
 ゴトンッ
「…ふぅ。アリス、そっちはどうだ?」
「ん、OK。全部の台座にオーブを設置できたわ」
「…準備完了、か」
「…!ゴドー、卵が…!!」
「ん………!?」

 ピシッ、ピシピシピシッ
「私たちは」
「私たちは」
「この時を」
「待っていました」
「舞え、ラーミア。大空はおまえのもの」
「今こそ、その使命を果たしなさい…」
 ピシッ、パキイイイイィィィンッッッ

544 :YANA 60-3:2006/01/12(木) 23:43:35 ID:29PxosAD0
「うわ…まぶし………」
「っ………?………!…アリス。目を開けてみろ」
「え?………………」
「………クゥゥゥ」
「…と、り…これが、ラーミア…私たちの、翼」
「………」
「勇者様」
「勇者様」
「?…ああ、あんたたちか」
「ありがとうございました」
「ラーミアは貴方たちの僕」
「是非、使命の完遂にお役立てを」
「そのつもりだ。…ところで」
「「…?」」
「あんたたちは、これからどうするんだ?」
「…(…ゴドー?)」
「…私たちの役目は」
「ラーミアの卵を守ること」
「ラーミアが蘇った今」
「私たちは、ここで静かに生涯を終えるだけです」
「………」
「え…ちょ、ちょっと待ってよ。あなたたち、そんな若いのに、役目を終えたなら、残りの人生を楽しんでも罰は」
「いいえ、私たちは」
「神が、ただラーミアを守らせるためだけに生み出した擬似生命体」
「数百年の間の、活動に耐えうるように」
「その構造は人間のそれとかけ離れています」
「ラーミアの誕生により、あと数年のうちに」
「私たちの生命活動は停止し、消滅します」

545 :YANA 60-4:2006/01/12(木) 23:44:14 ID:29PxosAD0
「!!…そんな…そんなの、悲しすぎるよ…ねぇゴドー、あんたからも何か…?ゴドー?」
「………」
 スッ
「…俺たちは、これからこいつに乗って、魔王の城に向う。だがそのまえに、あんたたち二人に言っておく事がある」
「…はい?」
「…はい?」
「………」
 ギュッ
「あ…」
「あ…」
「…ご苦労様。長い間、こんな淋しい所で、たった二人で、よく守ったな。ゆっくり休んでくれ」
「………」
「………」
「「…あり、がとう(////)」」
「………」

「…クゥゥゥ」
「…それじゃ、頼んだぞ、ラーミア」
「クゥゥゥッ!」
 バサッバサッ
「…で。さっきから、何を膨れてやがるんだ、おまえは」
「…べっつにー。あんた、小さい女の子には、あんなに気安く接する奴だったんだー、って思ってただけ」
「?………ちょっとまて。誤解だぞ。俺は純粋に、あの二人の何百年間の苦労を労いたかっただけだ。
 仮に二人が男でも、俺は多分同じ事を」
「え?あんた、男でもいけるクチだったの!?」
 ボカッ
「あいたーっ!な、なにするのよっ!!」
「こっちの台詞だ、真性妄想馬鹿が。これから決戦ってときに何考えてやがる」
「…うー。いいもんいいもん…これが終わったら、絶対ゴドーは独り占めするんだから…」

546 :YANA 60-5:2006/01/12(木) 23:45:31 ID:29PxosAD0
「何をブツブツと…それより、ほら」
 グイッ
「…え?わわわっ!」
「落ちるぞ。もっとこっちに来いって」
「………うん」
 ギュッ
「???…急に大人しくなったな。なんなんだ…」
「えへへ…それじゃ、ラーミアちゃん。目的地、ネクロゴンドの頂上、バラモス城へ!お願いね!」
「クゥッ!!」
 バサッ、ビュゥゥゥッ

547 :YANA:2006/01/12(木) 23:52:40 ID:29PxosAD0
お久し。随分間が空きましたが。えろうすんません。
こうなることが分かってたから、十二月のうちに何とか第二部を終わらせようとしたんだ…orz
つか俺、なんかクオリティ下がってない?大丈夫?

そして第三部の切り出しにえれえ悩んで第二部の執筆にまで遅滞が生じたバカ一人。
第三部にしてようやく、ようやく本ストーリーのタイトルが登場。
…いや、やっぱり、まがりなりにも自分の書いた話がいつまでも名無しというのは心苦しく。

548 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/13(金) 00:18:28 ID:qtobmh4j0
    ∩
    ( ⌒)     ∩_ _
   /,. ノ      i .,,E)
  ./ /"      / /"
  ./ / _、_   / ノ'
 / / ,_ノ` )/ /
(       /  
 ヽ     |
  \    \


549 :冷え性:2006/01/13(金) 00:41:23 ID:eSdM3q2J0
YANAさん、GJです

6のストーリーでも書き込んでみます
読み物を全然読まないので語彙力、文法形成等至らない点が多々ありますが
何かありましたらご指摘のほどよろしくお願いします

550 :冷え性:2006/01/13(金) 00:42:19 ID:eSdM3q2J0
1:-プロローグ-

「あら?もう目が覚めた?あまり眠れなかったのかしら?」
「うん、ちょっとね・・・」
「無理もないわね いよいよですものね・・・ところで彼、どこまで見にいったのかしら・・・ずいぶんおそいようだけど」
「あ、帰ってきたよ」
「お!ふたりとももう起きてたか!ちょっとまわりを見てきたけどやっぱあの城にまちがいないようだぜ」
「さてそろそろいかないか?もうじゅうぶんに休んだだろ?」
「そうね こうしててもはじまらないわ そのために今までずいぶん長い旅をしてきたのですものね」
「うん・・そうだね・・・奴を倒さないと・・・」
「いくぜロイ!相手は大魔王だ!死んだ気で戦おうぜ!」
「もしこの戦いに勝てば世界に平和が訪れるはずよ」
「準備はいいわねロイ?さあいきましょう」
「うん・・・」

ロイは焚き火に向かい砂をかけ、静かに火を消した 
辺りは漆黒にそまり、冷淡な風がロイの右頬を突き刺した
ロイは ふう、と一息付き、断崖へと歩んだ


551 :& ◆.IboJWS1JY :2006/01/13(金) 00:43:18 ID:eSdM3q2J0
「このガケの下が魔王ムドーの居城だ もうあともどりはできねえぜ・・・・・・」
「うん、わかってるさ 僕らは、勝たなくちゃいけない」
「いよいよですね・・・もし言い伝えが本当ならこの笛で・・・」
「さあ、笛を吹くわよ・・・」

金髪の女性は黄金色の笛を手に取り、その細い指で凛然とした旋律を奏でた
すると崖の下方からなにやら黒い影が迫って来る
その正体は金色の竜だった 
ロイ達は竜の背に飛び乗り、魔王ムドーの城へと向かう

−−−−−

「ここが・・・ムドーの城か・・・」
「さすが魔王の城だ 化け物のにおいがプンプンするぜ」
「どうやら先に進むしかなさそうね ロイ 先にいって」
「うん、行こう」


552 :冷え性:2006/01/13(金) 00:44:16 ID:eSdM3q2J0
ロイ達は歩き出した しかしその最中、妙なことに気がついたのだ
魔物の姿がどこにも見当たらないのだ
そう思った時、ロイ達は大扉の前ですでに禍々しいオーラを感じていた

「まってロイ! このトビラのむこうにはたぶん魔王ムドーがまちかまえているはずよ」
「うん、この強烈な圧迫感、この奥にムドーがいるんだね・・・」
「いよいよだな けどよ それにしては静かすぎると思わねえか」
「そうなんだ、おかしい 仮にも魔王の城だ、手下を配備していないはずはないと思うんだけど・・・」
「だよな こんなにすげえ城なのにここまでカンタンにはいりこめるとは・・・
 ええい!考えててもしょうがねえ さっさとのりこもうぜ!ロイ!」
「よし、みんな、行こう!」

ロイ達は大扉を開けた
なんと!靄がかかっていて何も見えない
「なに!?これは・・・」
「えっ!?この部屋は!?」
「なっ!なんだこりゃあ!これじゃなにも見えねえ・・・うわっ!」
「きゃーーっ!」
「くっ・・・」

ロイ達の体が宙に浮くと同時に醜悪なプレッシャーを感じる巨大な化け物が現れた!

「わっはっはっはっ この私をたおそうなぞあまくみられたものだな
 おろか者め!石となり永遠の時を悔やむがよい!」
「くっ、ムドー!体が・・・うご・・・か・・・な・・・くそ・・・うわーーっ!」


553 :冷え性:2006/01/13(金) 00:45:36 ID:eSdM3q2J0
2:村長の頼み

「お、おにいちゃん だいじょうぶっ!?」
「うわ・・・あ・・・ん?」
「もう、また寝ぼけてるわね・・・おにいちゃん今ベッドから落ちたんだよ!」
「ん・・・おお・・・ターニアか、おはよ・・・」(ん?)
「ちょっと、ほんとにだいじょうぶなの?あたまうたなかった?」
「ああ・・・大丈夫だよ」(夢?)
「もう・・・心配ばっかりさせて・・・
 あ、そうそう、村長さんがおにいちゃんのこと呼んでたわよ 家に行ったほうがいいんじゃないかなあ?」
「そうか、分かった(なんか嫌な夢を見てたような・・・あれ?なんだっけ・・・)
 ところで俺の朝飯は?」
「もうお昼過ぎてますよ〜だ!」
「マジかよ・・・ちぇっ・・・」
「今パン焼くから待っててね」
「お!さすがターニアだな♪」
「それ食べたら村長さんとこ行くのよ、いい?」
「あいよっ!」


554 :冷え性:2006/01/13(金) 00:46:25 ID:eSdM3q2J0
「ふ〜まぶしいな〜外は おうにゃんこ!エサならターニアから貰えよ!・・・おっ!」
「あらロイ、もう昼よアンタ!相変わらず寝ぼすけだねえ・・・」
「まあしょうがないじゃんよおばちゃん・・・眠いもんは眠いんだから・・・」
「ったく!ぐうたらしてないで畑でも耕したらどうだい!ほれ、クワなら貸すよ!」
「おっとっと、俺は今から村長んとこ行かなきゃいけないんでさ、わりいがパスだぜ じゃあな〜おばちゃ〜ん!」
「ほんとに!あのぐうたらは・・・」


555 :冷え性:2006/01/13(金) 00:47:08 ID:eSdM3q2J0
「お〜い村長、俺に何か用かい?」
「おお、ロイ 来てくれたか いや実は頼みたいことがあってな」
「俺に?めずらしいな」
「この村の民芸品が町で高く売れることはロイも知っとるだろう」
「そういや、じいさんばあさんが一生懸命やってるのを良く見るな」
「そして毎年そのお金で精霊のかんむりを買ってきて村祭りの時にかざるのだが・・・
 今年はロイに精霊のかんむりを買ってきてほしいんじゃよ
 この村からふもとの町へおりるのは大変だが ロイなら大丈夫じゃろう」
「なるほどな、これを町で売ってくりゃいいんだろ?任せとけよ どうせ暇だしな」
「うむ、この木ぼり細工ときぬおりもの10枚じゃ この袋に入れておくぞ
 この村から南に山をおりればシエーナの町じゃ ではたのんだぞ ロイ!」
「あいよっ!」


556 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/13(金) 01:17:05 ID:63lKkj5l0
ツ、ツンデレはでるんだろうか?ってかもう関係なくいくのか?

DQ小説発信基地?

557 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/13(金) 17:03:17 ID:SFkL9d760
たぶんムドーがツンデレ

558 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/13(金) 17:57:10 ID:9zlUvCZH0
いやたぶん冷え性本人がツンデレ

559 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/13(金) 18:38:53 ID:D9BNb/kF0
ホーム - PS2版DQ5会話データベース
ttp://dq.ath.cx/who/0/search/-/odb/id/
作者さんの参考になるかもしれないんでおいときますね

560 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/14(土) 09:07:38 ID:FmknTW//0
>DQ小説発信基地?

ドキュン小説と読んじまったゼイ

561 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/15(日) 01:46:21 ID:q9JES+i9O
vipの様子を見てるとこっちに引っ越してきたのは正解だったかな
と今更ながらおもた

wktkだお

562 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/16(月) 21:11:08 ID:cTjpu41H0
保守

563 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/16(月) 21:25:49 ID:/dRwTCDxO
(´・ω・)ホス

564 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/17(火) 19:13:20 ID:14Y2aWTlO
主人公がツンデレじゃなくてもいいですか?

565 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/17(火) 19:21:20 ID:PNKjMIWxO
どれ。書いてみろ。





うそですお願いします。

566 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/17(火) 22:46:18 ID:14Y2aWTlO
そうか、ありがとう

何か新しいのも始まったみたいだし、さすがに多いと思うんです
今は書き溜めします

567 :冷え性:2006/01/17(火) 23:56:35 ID:KLFb0I8R0
ツンデレはバーバラに設定しているんですが、前置きが長いかもしれないですね・・・

568 :冷え性:2006/01/18(水) 01:34:14 ID:sP9Tap840
3:冠職人

「ふ〜、この山に来るのも久々だな・・・相変わらずモンスターはうじゃうじゃいやがる…ん?あれは・・・」
「ぐ〜・・・」
「お〜い、ランド!」
「・・・ん?・・・ああ、ロイか
このあたりはあまり強いモンスターも出ないしのんびりひるねしてたんだよ」
「ったく、お前親父さんが怒ってたぜ 仕事しろってよ」
「ああ、まあそのうちな ところで・・・
今年の村祭りはターニアちゃんが神の使いをやるんだって?楽しみにしてるって伝えておいてくれよ ア・ニ・キ!」
「お前なあ・・・ターニアに変な気を起こしたら承知しないぞ・・・」
「へへへ、大丈夫だって!ところでなんか用事でもあるのかい?」
「ああ、村長に頼まれてな、精霊の冠を買いにいくとこだ」
「へ〜、そりゃご苦労さんだね・・・頑張ってな ア・ニ・キ!」
「気持ち悪いな・・・じゃあ行ってくらあ よっと」
ロイは山道を駆け抜けていった


569 :冷え性:2006/01/18(水) 01:34:55 ID:sP9Tap840
ロイはシエーナの町へ到着した
「ふう、着いた着いた ひゃ〜・・・しかしすげえ人だな・・・さて まずは精霊の冠を作ってもらわねえとな あっ すいません」
「はい?」
「冠職人さんの家はどこか分かります?」
「ああ それならバザーの通りを抜けたところにある一軒家がビルテさんの家だよ」
「あそこに見えてる家ですね どうもです」
「なるほど とすると今年は君が精霊の冠を買いにきたのかい?」
「はい」
「しかしなあ ビルテさんは木の材料を取りに西の森へ出かけるって言ってな それからしばらく帰って来ないんだよ」
「・・・ それはいつ頃のことなんです?」
「もうかれこれ3日になるんだよ 娘さんもとても心配しててね・・・何かあったんじゃないかと・・・」
「・・・」
「だから」
「俺が探します」
「え?」
「俺がそのビルテさんを探してきます 西の森なんですよね?」
「西の橋を渡ってずっと行ったところだが・・・モンスターもたくさん出るし危険だぞ」
「なに 大丈夫ですよ ささっと行って帰ってきますんで じゃあ ありがとうございました〜」
「・・・元気の良い若者だな」


570 :冷え性:2006/01/18(水) 01:36:07 ID:sP9Tap840
「さて・・・このあたりで良いはずなんだが・・・」
「・・・れ すけ くれ・・・」
「何か聞こえた!あっちか!」
「お〜い 助けてくれ〜!」
なんと!地面に大きな大穴が開いている!下の方には大陸であろうか 陸地が姿をのぞかせている
「な なんだこの大穴は!?あれは・・・人!?まずい!落ちそうだ!」
「おお!ありがたや!やっと人が来てくれたか!わしは冠職人のビルテじゃ 頼む 助けてくれ!」
「あ アンタがビルテさんか!よしっ こっちの手をもって さあ」
「ふっ すまん うおおっ!」
「あっ うわあああぁぁぁぁぁ・・・」
「しまった!な なんてこったい・・・」


571 :冷え性:2006/01/18(水) 01:36:55 ID:sP9Tap840
4:幻の大地
「ん・・・ここは・・・    そうか 大穴に落ちて・・・ここはどこなんだ?ん?あれは町か とりあえずここのことを聞いてみよう」
ロイは南東の町へ訪れた
「(とりあえずここの人の話を聞いてみよう) あの〜」
「・・・」
「あの ここは一体どこ」
「・・・」
「ん?あの・・・あれ?行っちゃった なんだよあの人
まあいいや、あの人に聞いてみよう あの〜すいません・・・
「・・・」
「あの・・・ちょっと!」
「?何かしら?空耳?」
「は?あ おい ちょ・・・なんだなんだ!どうなってんだ・・・!?くそっ つめてえなあ・・・ ん!?(ぼちゃ」
「ちっ 水たまりかよ〜・・・ !? な 俺の姿が・・・うつらない?なんだこれ!?・・・なんなんだよ一体 あ〜どうするか・・・」
「じゃ 北の岬にある夢見る井戸に行ってみない?」
「やだよ あそこに行って帰ってこなくなった人もいるんだし・・・」
「何よ!ジミーの弱虫!蛆虫!」
「なんだよ!キャロルの黄ばみパンツ!」
「なっ」

「・・・(オイオイ・・・この子たちすげえ言葉遣いだな・・・ん〜・・・夢見る井戸か なんのアテもないし ここの人にゃあ俺の姿は見えないし 行ってみるだけ行ってみるか・・・)」


572 :冷え性:2006/01/18(水) 01:38:17 ID:sP9Tap840
ロイは夢見る井戸へ着いた
小さな小屋がポツリと建っている
「(キケン!!ちかよるべからず!!って思いっきり書いてあるじゃん・・・何がいるんだよ)」
ロイは恐る恐る小屋の扉を開けた 小屋の中にあったのは小さな井戸だった
「なんで小屋の中に井戸が・・・」
井戸からは不思議な光がもれている
「なんだこの光・・・なんか・・・心地良い この奥になにがあるんだ・・・? 
まあいい なんとかなるだろ・・・よし!飛び込むか」
ロイは勢い良く井戸へ飛び込んだ 不思議と懐かしい光がロイの体を包み込むとロイは見覚えのある光景を目にしていた

「あれは!」
裂けた大地に広がる大穴 ロイは自分のいたところへ帰ってきたのであった
「やった!帰ってきたぞ! ところで今時間はどれくらい経過してるんだろうか・・・急いで精霊の冠を買わないと!」

ロイはシエーナへ大急ぎで向かった 店をたたんでいる人も数多く賑やかだったバザーも そろそろ終わりを迎えようとしていた

「はっはっ!ビルテさん!」
「きゃっ!だれ!?」
「おお!お前さんは!わしを助けてくれた!」
「ああ 元気そうじゃねえか・・・よかったよ・・・」
「まあ それじゃああなたが父を・・・」
「ビルテさん 俺は精霊の冠を」
「うむ 話は町の者から聞いておる もう出来とるぞい!」
「おお!これが・・・」
精霊の冠は神秘的な輝きを放っている
「うむ 代金は結構じゃ 命の恩人のお前さんから金をとろうとは思わん!それよりももう夕暮れ時じゃ 早く村へ帰るがええぞ」
「あ!まずい!祭りが始まっちまう!じゃあビルテさんまた! ありがとう!」


573 :冷え性:2006/01/18(水) 01:38:49 ID:sP9Tap840
「村長 ただいま!ほら これ!」
「おおロイ!帰ったか!ご苦労だったの ほう・・・今年のは特に良く出来ているな しかしだいぶ手間どったようじゃが何かあったのかの?」
「ああ・・・いろいろあってさ 大変だったよ」
「ふむ とにかく今は祭りの準備じゃ ああ忙しい忙しい ロイは疲れているじゃろうから準備はせずともよいぞ 家で休んでおれ」
「ああ そうさせてもらうよ くたくただしな」

「ロイよ」
「ん?おっ じいさんか」
「わしのかわりによくぞ務めを果たしてくれたのう ご苦労じゃった しかし遅かったのう どこぞで道草でも食っていたのかのう?」
「違うよじいさん ちょっと不思議なことがあったんだ」

「ふむ・・・その話ならわしも聞いたことがある 幻の大地と呼ばれる場所のことじゃな」
「幻の大地?」
「うむ・・・話には聞いたことがあるが実際にそのようなところがあるものなのかのう・・・」
「ほんとだって!じいさん」
「ふむ・・・まあロイも疲れているじゃろう 祭りまでゆっくり休んだらどうじゃ?」
「ああ そうする・・・ じゃあまたな じいさん」

「ただいま〜 あれ?ターニアは・・・? あ そうか 今年はあいつが神の使いをやるんだったな 準備してるんだろう 
 とりあえず今日はもう疲れたな 祭りまで一眠りするか」


574 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/18(水) 11:40:36 ID:ooT1Xe7jO
ターニアキタ━━(´∀`)´・ω・`);゜Д゜)^д^)m9 ̄ー ̄)゚∀゚)´_ゝ`)▼皿▼)`・ω・´)゚д゚)・∀・)'A`)´∀`*)ノ´Д`);^ω^)二⊃━━!!!!!!

575 :冷え性:2006/01/18(水) 23:47:53 ID:sP9Tap840
5:旅立ち

奴を倒さないと・・・
僕らは勝たなくちゃいけない
よし みんな 行こう!
くっ・・・
わっはっはっはっ 
この私をたおそうなぞあまくみられたものだな
おろか者め!
石となり永遠の時を悔やむがよい!

「うわーーっ!(がばっ) はあはあ・・・夢?・・・前にも見たような・・・くそ・・・思い出せない・・・どんな夢だった・・・?なんだ・・・この不安感は・・・
 何かを忘れているような まるで自分が自分でないような・・・」

「ロイ!早く!もう祭りが始まるぜ!ロイ・・・?起きろ〜!」
「・・・(ランドか・・・)ああ 今行く!(・・・ちっ 祭りだっつうのに嫌な気分だ)」

この町-ライフコッド-では 毎年精霊の儀式と呼ばれる伝統的な祭典を行っている 高山地帯にあるこの町の民は 自然を重んじ 山の精霊を神として祭る概念を宿している 
そしてその山の精霊に 今後一年間を無事に過ごせるよう祈願するのだ 
そして毎年 町の娘を神の使い・あるいは精霊の使いと称し 巫女の格好をさせ 一年間の無事を約束してもらう証拠として 教会にある女神像に精霊の冠を捧げさせるのだ

「神の使いの行進が始まるぞ!」
「し〜っ しずかに・・・ほらっ ターニアちゃんがくるよ」

村長の家から精霊の冠をかぶり 巫女の格好をしたターニアがゆっくりと歩いてきた
しなやかに肩まで伸びた青髪 純白の装束 真っ白ですらりと長い腕 綺麗 可愛い 美しい そんな一言で表現するには勿体無い気さえした


576 :冷え性:2006/01/18(水) 23:49:52 ID:sP9Tap840
ひそひそ ひそひそ
「(綺麗だ・・・さすがターニアちゃんだな)」
「(おやまあ さまになってるわねぇ)」
「(おい・・・タ ターニアちゃん すっごい可愛いじゃん!なあロイ!)」
「(あれが・・・ターニアなのか?いつものぐずぐず言ってる姿から想像も出来ねえ・・・)」
「(なに見とれてんだよアニキ!)」
「あ・・・いや」

ターニアが教会に入ると それを見守っていた町の人々も後に続き教会に入っていった

「1年の時を経て 今夜再び精霊の使いがこの村をたずねてくださいました
 おおいなる精霊の使いよ! さあ そのかんむりを我われにお与えください」

ターニアは精霊の冠を高くささげ 目を閉じた

「山の精霊よ あなたの冠を たしかにお受けいたします そしてこの女神像を通して また1年の間 我われをお守りください
精霊の使いよ これであなたの役目は終わりました どうぞ精霊のもとへお帰りください」

「わかりました ではまた来年まいりましょう みなさまに平和を・・・」
そういうとターニアは参列していた人々の間を歩き始めた と ロイの前に通りかかったその時 あたりを奇妙な感覚が覆った


577 :冷え性:2006/01/18(水) 23:51:15 ID:sP9Tap840
「ロイ・・・わたしの声が聞こえますね」
「うわっ!?え?なんだアンタ!?」
ロイの目の前にマントを纏った美しい女性像が映し出された その女性は優しい声で語りかけた
「ロイよ・・・あなたは不思議な運命を背負い 生まれてきた者
やがて世界を闇がおおう時 あなたのチカラが必要となるでしょう」
「運命?闇?どういうこ」
「その時が来るまえに ときあかすのです 閉ざされたなぞを・・・」
「ちょっと待て!なぞってなんだ?じいさんの言ってた幻の大地と何か関係があんのか!?」
「そして あなたの -本当の姿を-・・・!」
「本当の姿・・・?お おい!俺は一体何者だっつうんだよ!」
「ロイよ 旅立ちなさい それがあなたに与えられた使命なのですから・・・」
「ちょっと待ってくれ!俺が一体なんだっていうんだ!おい!教えてくれ!おい!」

「あら・・・? 私 どうしたのかしら? 急に気が遠くなって それからあたたかいものが」
「す すげーよ!本物の精霊みたいだったよ ターニアちゃん!」
「(皆には見えてなかったのか?あれは・・・)」
「さあ 儀式も終わったし 祭りを楽しもうぜ 行こう ターニアちゃん!」
「あ ちょっと ランド・・・」
「(・・・俺は)」
「ロイ・・・ちょっといいかの?」
「(村長・・・?)ん・・・ああ なんだい?」
「話があるのじゃ すまんがあとでわしの家へ来てくれるか?」
「ああ わかったよ」(気分が悪いな・・・あの夢といい さっきのといい 俺はどうなってるんだよ ・・・ ふう・・・ 崖っぷちで風にでもあたってこよう とても祭りを楽しめそうにないしな・・・)


578 :冷え性:2006/01/18(水) 23:53:32 ID:sP9Tap840
「ん?あれは・・・ターニア・・・とランド? あの野郎また変なことっ(ぐいっ」
「こら!今いいところなんだから邪魔しちゃだめだよ!」
「おい ちょっと!あいつは俺のいもうと」
「いいから早く こっち!」

「ねえ 考えてくれたかい? 俺との結婚のこと」
「(はぁ!?結婚ってあのやろ 何考えてやがる!)」
「ごめんなさい・・・やっぱり私 まだ・・・」
「年のことなら早くないと思うぜ オレはもう17才だし ターニアだって今年16だろ?」
「年のことじゃなくて 私ね よくわからないの 自分のことが・・・」
「(・・・)」
「なにをいってるんだよ 君のなにがわからないっていうんだ?」
「ごめんなさい・・・でも私 本当にわからないの この世界のことも 私自身も・・・」
「(・・・)」
「もう少し考えさせて それじゃ・・・」
「(・・・自分のこと・・・か    そういや村長に呼ばれてたっけ・・・」
「いいねえ・・・青春だねぇ・・・」


579 :冷え性:2006/01/18(水) 23:55:54 ID:sP9Tap840
「村長・・・邪魔するよ 話ってなんだい?」
「おお 来たか ロイ じいさまから聞いたが ロイは幻の大地を見てきたそうじゃな?」
「・・・まあ」
「それとのう さっきも教会で妙な雰囲気になったが あの時お前だけ様子がおかしかった様に見えたが 何か感じたのかの?」
「・・・」
「ふむ お前には何か不思議なものがあるのかも知れん よし!村長としてこの町を旅立つことを許そう!これを持って行け レイドック城に入れるはずじゃ」
「通交証か・・・」
「レイドック王は眠らずに国を治めていると聞くが・・・いずれにせよ博識であることは間違いないだろう 会って話を聞いてみるのも良いのではないかのう 簡単には会えぬじゃろうがな」
「・・・」
「しかし もちろん旅立つのはお前の自由じゃ ターニアのこともあるじゃろう」
「・・・夢」
「む?」
「変な夢を見たんだ ものすごく嫌な夢 だけど起きた途端にその中身を忘れちまうんだよ ただいつもと同じ夢だってことはわかるんだ」
「ふ〜む・・・」
「それに俺 なんだか自分がわからないんだ 今ここにいる俺は 誰だ? ロイとは俺のことなのか・・・と 思うことがたまにある 自分を自分だと認識できないことが」
「・・・」


580 :冷え性:2006/01/18(水) 23:57:00 ID:sP9Tap840
「ただ 自分が何なのか知りたい それにいつもの夢についても何かわかるかもしれない 教会でも・・・」
「ん?」
「いや・・・とにかく・・・俺は旅に出ることにするよ このままじゃすっきりしないしな」
「うむ すると出発はいつ頃にするのじゃ?」
「明日 朝一にでも発とうと思う」
「また急じゃのう・・・なら町のみんなを集めて送別」
「ああ いいってそんなの!みんなせっかく祭り気分に浸ってんだし あんまり心配もかけたくないしな」
「ターニアはどうするのじゃ?連れていくわけにも行かんじゃろうが・・・」
「・・・ああ ちゃんと言うさ」
「・・・・・・・・・・・・準備はしっかりするんじゃぞ」
「あ そうだ この袋と あと民芸品 精霊の冠をタダで貰ったから売る必要がなくてさ」
「それは持っていけ 餞別代りじゃ 何かの役に立つかも知れん 袋などは特に荷物の整理に使えるじゃろう」
「ありがとう 助かるよ じゃあ 世話になったな 村長」
「うむ いつでも帰ってこい ここはお前の故郷じゃからの」
「ああ!みんなにもよろしくな!じゃあ 元気でな!」(バタン!)
「山の精霊よ・・・どうかロイを・・・お守りください」


581 :冷え性:2006/01/18(水) 23:59:19 ID:sP9Tap840
「よし・・・帰」
「おにいちゃん(どきっ!!」
「うわっ!ターニア・・・どど どうしたよ?・・・」
「おにいちゃんが村長さんの家に入っていくの見えたから・・・それで・・・ねぇ」
「えっな な なに!?」
「行っちゃうんだね」
「・・・あ・・・    ふう・・・  聞いてたのか(どうせ話すつもりだったけど・・・」
「あたしをおいてっちゃうの・・・?」
「・・・ターニア 俺は どうしても行かないといけないんだ 気になること 知りたいことが たくさんありすぎてさ だから」
「あたしも行く!」
「!!」


582 :冷え性:2006/01/19(木) 00:00:45 ID:hCadeQ4m0
「って言いたいとこだけど」
「・・・」
「おにいちゃんの重荷にはなりたくないし・・・ね」
「・・・ターニア 待っててくれ 絶対帰ってくるからさ な?」
「・・・う・・・ぐすっ・・・」
「ほら(ぎゅっ)待っててくれるよな?ターニア」
「・・・うっ・・・うっ・・・お・・・にい・・・ちゃ」
「泣くなよ もう・・・(なでなで)」
「ぜ・・・たい・・・かえ・・・ってき・・・ぐすっ」
「ああ 帰ってくるよ それまで 頑張って 」
「うん・・・ヒック・・・・・・・・・くすん・・・・・・」
「じゃあ家に戻るか・・・」
「おにいちゃん!」
「ん?」
「・・・今日は・・・一緒に寝よ・・・」
「・・・」
「だめ・・・?」
「・・・ああ」
「ありがと・・・♪」

こうしてロイは 慣れ親しんだ故郷での最後の夜を過ごし ライフコッドを後にした


583 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/19(木) 01:10:28 ID:62C/Mx34O
冷え性さん乙
妹萌え〜&懐かしいなぁ
と、6を最初のムドー倒したところで止めた俺が言ってみる

584 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/19(木) 22:02:24 ID:7C63H7z/0
ターニア・・・(;´Д`)ハァハァ

585 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/20(金) 00:23:18 ID:lxD2nyPL0
6:志願

「ここがレイドックか・・・いやあ・・・都会って感じがするなあ・・・」
「あら あなたもレイドック王に会いに来たの?」
「ああ なんでも眠らずに国を治めていると言うらしいじゃないか 話を聞いてみたいと思ってさ」
「ふ〜ん でも無理だと思うわ 誰だって王様に会いたいけど そんな人全部に会ってるほど王様はヒマじゃないもんね それに・・・」
「それに?」
「今 魔王ムドーが日増しに力をつけているっていうじゃないの 王様はその対策を必死に考えている最中なのよね」
「魔王ムドーって何?」
「え!?・・・知らないの?もう あなたどこの出身よ・・・最近ね ムドーっていう魔王が世界を滅ぼそうとしているのよ 大地に大穴を開けたって話も聞くわ 
それでうちの王様は今のうちに魔王を討伐するおつもりなのよ 今は外部から兵士の募集もかけているくらいだしね」
「・・・(大穴・・・あ〜 あれか・・・しかし・・・ムドー?どこかで聞いたような)」
「だから王様に会うのは無理ってわけよ!わかった?旅人さん」
「(・・・・・・・・・ん?兵士?)・・・・・・
今 兵士を募集してるって言ったな もしかして兵士になったら王様に会えるチャンスが出てくるってことじゃないか?」
「そんなの無理よ!よ〜〜〜〜っぽどすごい手柄を立てでもしない限りね」
「でもゼロじゃないんだろ!よし!俺も兵士になってみるか」
「あなた・・・ばか?兵士って言ったってね よっぽど強くないとなれないのよ それに試験だってあるだろうし怪我でもしたら 何よりあなたまだそんな若い」
「姉ちゃん 情報ありがとう!助かったよ じゃレイドック城に行ってみるな!じゃ〜な〜・・・」
「ちょ・・・聞きなさいよもう!ちぇっ・・・でもちょっと可愛かったかも・・・」


586 :冷え性:2006/01/20(金) 00:24:50 ID:lxD2nyPL0
「あの・・・」
「む?なんだ?兵士になりに来たのか?」
「そうなんだけど・・・」
「ふむ お前のような若者がか・・・ ・・・
まあいい ではもう半刻ほどで城の鐘が鳴る その音を合図に再びこの城門へ来るんだ わかったか?」
「あいよっ!(・・・それまで城下町でもふらつくか・・・)」

−−−−−

「へぇ・・・店がたくさんあるな〜」
「ちょっと〜〜!」
「あれ?さっきの姉ちゃん どうしたの?」
「あの コレ」
「・・・ブーメラン?」
「そ!コレあげる」
「え?なんで・・・」
「コレすごい便利なのよ!対モンスター様に強化されてるし 一度にたくさんの標的を攻撃できちゃうんだから!いいでしょ!」
「え・・・そりゃすごいけど でもなんで?」
「別に・・・ただちょっと あなたみたいな若い子が一人なんて ちょっと心配だし・・・あっ別に変な意味じゃないからね」
「(何も言ってないよ・・・)
・・・そっか・・・ありがとう!(ゴ〜ン ゴ〜ン)
あ 鐘だ 行かないと じゃあ姉ちゃん 兵士になったら教えるからな!
「気をつけなさいよ!じゃあね」

「(変な人だったな 見ず知らずの俺にいきなり声かけてきてさ・・・ でも姉ちゃんがいたらあんな感じなのかもな)」


587 :冷え性:2006/01/20(金) 00:26:12 ID:lxD2nyPL0
「よし これより兵士長のソルディ様がお前たちとお会いになる くれぐれも失礼のないようにな」
「(おいおい 俺合わせてたったの6人かよ・・・兵士ってのはそんなに人気のないもんなのか・・・うわ・・・この人は剣士か・・・強そうだな お 女の人もいる・・・うわ! あいつすげぇ筋肉・・・しかもモヒカン・・・)」
「よくぞ集まった わが王宮の兵士に志願する 心ある者たちよ」
「(この人が兵士長か・・・さすがにすごい威厳だな)」
「だがしかし 誰もがわがわが城の栄誉ある兵士になれるわけではないのだ」
「(しかし6人だぞ・・・よっぽど厳しいのか 単に人気がないのか)」
「そこで私にキミたちを試させて欲しい」
「(きた!)」
「この城より南に試練の塔と呼ばれる物がある その塔よりあるものを取って来てほしいのだ 」
「(あるもの・・・)」
「それがなんであるかはそれぞれが考えるように」
「え!?」
「む?」
「あ いえ すいません・・・」
「さあ ゆけっ! 試練の塔の扉は 今まさに 開かれたっ!」
「(・・・あるもの それは自分で考えろ・・・か てっきり実技試験だと思ったが・・・いや これもその一環か 判断力とかも試されるってことなのか? ・・・
まあいいや とりあえず試練の塔とやらに行くとするか そこに手がかりはあるはずだ)」

ロイは レイドック城の兵士となるための 「あるもの」を目指し 南の試練の塔へと向かった


588 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/20(金) 12:33:10 ID:V8A8ZzPV0
>>冷え性氏
乙です!
ここで姉属性ツンデレとはっ!
再会時にも期待w

589 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/20(金) 19:07:12 ID:Prvny/aB0
wktk


590 :YANA:2006/01/20(金) 20:39:05 ID:aJrLoE4C0
すまんみんな。
突然だが、漏れに力を貸してくれ。

SFC版3の、

バラモス打倒時〜ギアガの大穴突入

までの会話&メッセージデータを公開しているサイトか、
若しくはそのデータ自体が分かるなら教えて欲しい。

FC版のなら掲載しているサイトを知ってるけど、俺のはリニュ版準拠なので…情報求む。
おながいします。

591 :名無しでGO!:2006/01/20(金) 20:51:02 ID:3iYiX/gJ0
>>590
捨てアドレスさらしてくれ
いくつか協力できると思う

592 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/20(金) 20:53:06 ID:pOk5OSEl0
ttp://www.parabox.or.jp/~takashin/d3.htm

こんなんでいいかな?YANAさん楽しみにしてるよーww

593 :YANA:2006/01/20(金) 22:34:53 ID:zvu25PZ10
協力dクス!
OK、やっぱり王様…な感じだったんだな。
よっしゃ、予定通りの展開でいくことにします。

うまくいけば、明日・明後日辺りでバラモス戦をうpできますので、お楽しみをw

594 :だんご:2006/01/21(土) 01:15:24 ID:wYquCz/H0
…………ねぇ、勇者?
勇者はピサロと一緒にいても別に構わないの?
うーん、なんていうかほら。一応カタキな訳でしょ?
殴り倒してやりたいとか、戦闘の時に間違った振りして斬り殺してやりたいとか。
……ふーん、どうしてそう思うようになったの?
だって、前は絶対に殺してやるって、昏い目して云ってたじゃない。
まぁ、当時に比べれば健康的なんだろうけどさー。

ピサロにはピサロの理由があった。アイツを赦すことは出来ないけれど、
全てアイツが悪い訳じゃない………か。
故郷滅ぼされて両親殺されて言える台詞じゃないよ、其れ。
でも……旅する中でおっきくなったって事かもね。良い傾向ではあるのかな。
わたしには絶対云えないよ。だって、今だって殺しても飽き足らないくらいだもん。
じゃあどうしてって………そんなの何度も云ったでしょ。ロザリーさんの為よ。
彼女の想いは……………………わたしの想いだから。
ねぇ、もしわたしがあの………ううん、なんでもない。なんでもないよ。なんでもないったらっ。
其れに、第一もしもの話したって仕方が無いじゃない。もう有り得ない過去のことなんだから。
もーなんでもないのにー。あんまりしつこいとチューするぞっ。

っ!!!?ちょ、どうして勇者からチューするのよっ!!
もう、まだまだお子様のくせに生意気なんだから。
ちゃんとわかってる?わたしのほうが勇者よりもおねーさんなのよ?

………判ってないようだから教えてあげる。
こういうことはね。おねーちゃんからするものなの………

595 :だんご:2006/01/21(土) 01:18:28 ID:wYquCz/H0
やっとネットに繋がったー!!
引っ越しは色々大変でした。
で、暇なときに書いた分を投下。

済みません、此しか書けてません、ごめんなさい。
かなぶんよりもごめんなさい。

596 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/21(土) 02:16:28 ID:zAVoyRqdO
そこ!さりげに射矢ガールネタ入れない!!


ママ オニヤンマより感動!!

597 :YANA 61-1:2006/01/21(土) 14:37:21 ID:1F+AReyI0

                    ドオオオオォォォォンッッッ

「なに?エビルマージ班が帰還しないだと?」
「はっ、一番隊から五番隊までが音信不通、六番隊以降が増援に向いましたが…」
「敵は何体だ?」
「…それが、偵察班のはぐれメタル隊も…おそらくは侵入者どもに壊滅させられたらしく、状況が不透明であります」
「…ちっ、役立たずどもめ」
「いかがなさいますか?」
「かくなる上は俺様自らが…!」
「おおっ!大隊長直々に!?」
「仕方なかろうが。…しかし解せん。侵入者どもは、一体どこから…?
 このバラモス城、断崖絶壁・難攻不落の要塞、船でも陸路でも入城は困難を極めるはず…翼も無い人間がどうやって…」
「はっ、それに関しては、巡回班のスノードラゴン隊から報告が入っておりますが…」
「なにぃ!?何故それを早く言わん!」
「…も、申し訳ありません。…ですが、その…信じがたい情報ですので…お耳にお入れしてよいものかどうか…」
「かまわん、言ってみろ」
「では、恐れながら。…実は、彼奴ら」
 ドゴオオオオオォォォォォォンッッッ
「ぐはぁぁぁぁぁっ!!!」
「!!ぐ…ホロゴーストっ!?な、なんだ、一体!!?壁が…爆発した!?」
 ザザッ
「!!」
「…ん?なんだ、話し声がするからここかと思ったんだが。骨野郎が一匹か」
「…はぁ…なんだじゃないわよ、ゴドー。決戦前だって言うのに、無駄な魔力使わせないでよ」
「仕方ねぇだろ、この城始めっから戦闘だけを想定して作られてて、親玉の居場所がわからねぇようになってやがる。
 一番手っ取り早く見つけるには、手当たり次第当たるしかねぇんだよ」
「手当たり次第はいいけど、もうちょっと考えてやってもいいと思うな、あたしは」
「あのな、俺たちはたった二人で敵の根城に乗り込んでるんだぞ。長期戦は絶対不利だから、短期決戦に持ち込むしかねぇだろうが。
 考えてる暇があったら動いた方がいい」
「…じゃあ、壁の破壊とか、自分の魔力でやりなさいよね」

598 :YANA 61-2:2006/01/21(土) 14:38:23 ID:1F+AReyI0
「ああ、それは勘弁してくれ。バラモスとの戦いに温存しておきたい」
「あたしの魔力はいいわけ?へー…えい」
 ガスッ
「ぐは…この野郎…」

「………(…なんだ…こいつらが…侵入者?…我らがバラモス城に乗り込み…仲間割れだと…?正気か?
 馬鹿者どもめ、我らバラモス様を守る精鋭が、こんな人間どもに敗れたというのか…!?)」
「だから、俺の魔力よりはおまえの魔力の方が絶対量がだな」
「人間どもっ!!!!」
「…ん?」
「…え?」
「貴様ら、どうやったか知らんが、人間風情たった二人でこの城に乗り込んできた勇気は誉めてやろう!
 だがその浅はかな暴挙もここまでだ!!バラモス様直属の護衛隊隊長である、このソード」
「バイキルト。ゴドー」
「おう」
 ザンッッッッ、ドンガラガッシャーン
「…イ…ド…」
「…おい、骨野郎。おまえ、この城じゃ見ない魔物だな…直属の隊長とかいったか?
 教えろ、バラモスはどこにいる?」
「…く…は…誰、が…」
「せっかく頭だけは残してやったんだ、喋れるうちに喋った方が身のためだと思うぞ、おらさっさと吐け」
 ゲシゲシッ
「ぐ…おのれ」
「ゴドー、それ勇者の台詞じゃないよ…」
「…む。そういえばそうだ」
「(今だ…!)キエエエエエェェェェェッ!!」
「!!っっっ…うるせぇな、なんだこいつ、突然叫びやがって」

599 :YANA 61-3:2006/01/21(土) 14:38:58 ID:1F+AReyI0
「…!ゴドー、部屋の外!」
 オオオオオォォォォォ…
「ん?…やれやれ、団体さんのお出ましか」
「くくく…俺が城中の部隊をここに召集したのだ、これで貴様らも一巻の」
 ポイッ、カラカラーン
「こらぁっ、捨てるな!話はまだおw…」

「さーて、どうする?最悪の事態だぞ、こいつは」
「あんたがバカやってるからでしょうが。…どうするもこうするも、やるしかないでしょ、建物中囲まれてるもの」
「違いねぇ」
 オオオオオォォォォォ…
「…往くぞ、化け物!!」

 待てぃっっっ!!!!

「「!!」」
 オオオオオォォォォォ…?…!!
「え…なに?…魔物が下がっていく…」
「………」
「ひ、ひひひ、お、おまえたちももう終わりだ…!バラモス様が、動き出した…!
 これから貴様らは八つ裂きにされ…!?」
 ボッ

600 :YANA 61-4:2006/01/21(土) 14:39:38 ID:1F+AReyI0
「!…骨野郎」
「…うそ」
「ひ、ひぎぃ…あう、あつい…あつ…ぐふっ!」
 ブシュゥゥゥッ
「………」
 役立たずな部下どもが失礼したな。まずはそれを詫びようか。
「…おまえは」
 慌てるな。…その部屋に玉座があるだろう。正面の扉から出たら、中庭に回り、池の階段を降りるがよい。
 心配ない、糟どもは下がらせてある、あとは一本道だ。…わしはそこにおる。
「………」
「ゴドー、行くの…?罠かも…」
「ないな。俺達を嵌めるなら、さっきの魔物どもに襲わせて、それからでも遅くない。
 それをわざわざ下がらせた…」
「そっか…じゃあ」
「…災い転じて福となす、か。決着をつけに行くぞ」
「うん」

601 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/21(土) 23:21:19 ID:aFbibGfF0
盛り上がってまいりました。

602 :YANA 62-1:2006/01/21(土) 23:58:10 ID:noQX8OW30
 ゴォォォォォ…
「わ…あつ…」
「く…火の粉か。…地下室だというのに、凝り性だな」
「ここに、魔王が…?」
「………」

 ―――待っていたぞ。よく来たな、虫けらども。

「「!!」」
「貴様らか。このわしに逆らおうという愚か者は」
「…おまえが」
「如何にも。この世界の全ての魔物の主、大魔王バラモス様だ」
「………」
「………」
「何かいいたそうじゃな。ここまで来た人間はおまえたちが初めてだ、特別に許可するぞ」
「…じゃあ一つだけ。なんで、さっきの魔物を下がらせて、俺達をここに呼び込んだ…?」
「む?異なことを言う。いっただろう、奴らは糟≠セと。わしの命令どおりに動くだけの、な。
 だが貴様らは虫けら=cまがりなりにも意思を持ち動くもの。それもこの城まで乗り込んでくる、特上の、な。
 意思持たぬ傀儡どもが束になって掛かろうと結果は見えておろう」
「っ…あたしたちが、虫けら…?…いわせておけば…!!」
「…上等だ。もういい、俺たちはおまえとお喋りに来たわけじゃねぇ。俺たちは、おまえをぶち殺しに来たんだからな」
「…くくっ、では、どうする?」
「…冥土の土産だ、虫けらの意地をその身に刻め…!」
 チャキッ、ブンッ
「ふん。よかろう。虫けらどもよ、魔を統べる者の力を思い知るがよい…!!」
 ズンッ、ズンッ
「これが最後の戦いだ…往くぞ、アリス!」
「ええ、ゴドー!!バイキルト!」
 ミシミシッ
「…よし、うおおおぉぉぉぉぉっ!!」
 ダンッ

603 :YANA 62-2:2006/01/21(土) 23:58:45 ID:noQX8OW30
「…ふん」
 ズンッ、ブンッ
「!」
 ガチンッ
「む…!?」
「(でかい図体が災いして、身のこなしは大したことねぇ…十分受けきれる!)はぁぁぁぁっ!!」
 ザンッ
「やった!」
「………」
「―――なにを、やったというのだ?」
「………え?」
「…ちっ」
 ブンッ、ゴッ
「ぐ…」
 ドッ、ダンッ
「ゴドーッ!!」
「…く…今のは不味かったな。もうちょっとでウナジにいいのをもらうところだったぞ」
「大丈夫?」
「ああ、まだまだ」
「くくく、その威勢がどこまでもつかな?」
「ぬかせ、そんなどん臭い動きで、俺に致命傷を負わせることなんぞできねぇぞ」
「結構。わしとしても、久方ぶりの運動がこんな眠気覚ましにもならない遊びで終わるのは頂けん」
「調子に乗って…!ゴドー、ピオリムとスクルトで強化をするわ!勝機はあるんでしょ!?」
「ああ、勿論。幸い、ここには雑魚は入ってこられない強力なバリアが張ってあったから増援も無いだろう。
 こういう削り合いの戦いなら俺の十八番だ。見てろ、どつきあいの真髄を………?」
「…?どうしたの?」
「…いや。奴の右腕。さっき俺が切りつけた場所」
「?………あれ?」
「くくっ…どうした?次々と掛かってこんか、虫けらども」
「…傷が…塞がってる…?」

604 :YANA 62-3:2006/01/21(土) 23:59:16 ID:noQX8OW30
「…アリス、強化を。もう一度仕掛ける」
「う、うん。今度は、あたしも援護するわ」
「頼む…」
「スクルト!ピオリム!」
 ミシミシミシッ
「待たせたな、往くぞ」
「自分から戦いを仕掛けに来て待たせるとは…全く、礼儀知らずだな、ゴドーとやら」
「悪かったな…はぁっ!!」
 ダンッッッ
「ぬ…!(速い!)」
 ザンザンザンッ
「ぐ…」
「今度はどうだ。少しばかり本気を出させてもらったぞ」
「成る程…見事だ…ボストロールやおろちが倒されるのも頷ける…だが!」
「おっと、よそ見してる場合じゃねぇぞ」
「ぬ…?」
「こっちよ、バラモス!」
 ビシュッッッ
「グオオオォォォォッ!」
「顔面直撃!うん、会心の出来ね、あたしってばやるぅ!」
 トンッ
「どうだ、魔王。ちょっとは驚いたか」
 シュゥゥゥゥッ…
「………ふむ。愉快。愉快よの」
 シュゥゥゥゥッ、ブンッッッ
「訂正しよう。貴様らは虫けらでなく、ドブネズミといったところか」
「この…いいわ、その減らず口もすぐに塞いでやるんだから!」
「…不味いな」
「そう、不味い………って、へ?何でよゴドー。あたしたちの攻撃、ちゃんとあいつに効いて…」
「ああ、確かに効いてるみたいだな。…だが」

605 :YANA 62-4:2006/01/21(土) 23:59:50 ID:noQX8OW30
「?」
「くくくっ、気付いたようだな、ゴドー。見よ、女」
 スッ
「………!?」
「くくっ…」
「そんな…あたしの剣は確かに直撃したはず…なのに…なのに、傷が…!?」
「アリス。…おそらく、あれが奴の能力だ…」
「その通り。我が肉体は傀儡の魔物どものそれとはそもそも構造自体が違う。
 この世界の魔物全てに魔力を供給するため、この体はそれ自体が強大な生命力の炉心…貴様ら程度の力では、この偉大な魔王の体に
 かすり傷を負わせるのが関の山であろう。だが、その程度の傷は…我が肉体から溢れ出る魔力によって」
「…自己再生…する、と」
「そう。このように、な」
 グイッ
「ゴドーが切りつけた、左腕…」
 ズブズブズブッ
「!!傷が一気に再生して…!?」
 ギチッ…
「完治。…さあ、次はどうやってわしを楽しませてくれる?」
「…そ、そんな…じゃあ、どうやって…」
「簡単じゃねぇか」
「「…な…?」」
「アリス、あいつにルカニをまだかけてねぇだろ」
「あ…」
「要はあいつに、あいつの再生力を上回る傷を負わせればいいんだろうが。だったら、話は早い…」
 チャキッ
「削り殺してやるさ。この俺がな」
「ほう。…自信があるというのか」
「あるとも。俺と殴り合いをして勝てると思うな」
「くくっ…殴り合いを、な…」
「三度目の正直だ…アリス」

606 :YANA 62-5:2006/01/22(日) 00:00:24 ID:XoD67Nyq0
「…わかったわ。ルカニ!!」
 キュウウゥゥゥっ
「!…ほほう、これは…成る程な」
「どこを…」
 ダンッッッ
「…ぬ…!?」
「見てやがる!!!」
 ザンッッッッ
「ぬぐ…」
「まだだ!!」
 ザンザンザンッ、ザクンッッッ
「ぐ…お…おのれ!!」
 ブンッ、ゴッ
「…ふん……!…な、に?」
「…痛ぇ……っ…そうそう…少しはそっちも必死に」
 ザクンッッッ
「が…!?」
「なってもらわねぇとなぁっっっ!!!!」
 ガクンッ
「バラモスが膝を…!?いける!!」
「…ぐ…(そうか…この男、接近戦に相当の自信を持っているようだが…こういうことか…!)」
「うおおおぉぉぉっっっ!!」
「―――ならば、これでよし」
 キュゥゥゥゥッ
「…?(…何?バラモスの手に力が集中してる…?…!!ダメ、この魔力量は!!)ゴドー、離れてっ!!」
「!?」

 ―――イオナズン。

607 :YANA:2006/01/22(日) 00:14:24 ID:XoD67Nyq0
比類なき生命力と魔力!底が見えぬ魔王の実力を前に、二人は膝を屈する!
燃え盛る炎に身を焼かれ、勇者と賢者が生死の狭間で見たものとは!?
次回、第63話「この想いを伝えるために」
            乞うご期待!!

うん。ごめん。おじさん、ちょっとやりすぎたね。
戦闘にスピード感が欠けるのは、ドラクエのターン制から
ヒット&アウェイをちょっとだけ意識して書いてみたからだったりします。
そういえば、まともな攻防の駆け引きってこれが初めてじゃまいか、俺(大概、一、ニ撃で片付けちゃう



608 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/22(日) 00:59:47 ID:IcrfGYXv0
ちょwwwwYANAさん自分でアオリつけちゃったよwwww

609 :だんご:2006/01/22(日) 01:34:20 ID:vTWbqAfx0
この城建てたのって、ピサロなの?あ、違うんだ。
うーん、なんていうのかな。率直に云うと、趣味悪いよね。
別に、人間の建てた城の方が趣味が良いとか云うつもりはないけどさ、もう一寸ねぇ。
もしも、此処を此から先も使う予定があるなら、改築した方がいーよ。

流石ピサロ……アレでも一応魔族を率いてたんだね、全く襲ってこない。
うーん、このままじゃあ緊張の糸が切れちゃうなぁ。そうだ、しりとりで……
ゴメン、嘘。このまま歩いてるだけで良いなぁ。そんな暇無いよね。
だからほら、その危なっかしい右手を下げて、ね?
あー!!そうだ、この扉の先に居るんでしょ。エ……………エアラット?

(パカン!!)

別に一寸間違えたぐらいで殴ることないのにー。もう、そんなにカリカリしないの。
……大丈夫、勇者なら勝てるよ。知ってた?わたしの勇者様は、約束破ったこと無いのよ。
ずっと守ってくれたじゃない。だ、だから、い…一緒に暮らすってい、云うの…も…………

あー!!!せっかくだから、この扉もう開けちゃう!!!
待ってなさい、三下ッ!!!

610 :だんご:2006/01/22(日) 01:35:46 ID:vTWbqAfx0
なによ、あいつ。
進化の秘宝が失敗したの?だって、顔がお腹にあるし、手もないし。
……あ、そっか。ピサロの時も戦ってたら生えてきたんだっけ。
そういえば、進化の秘宝使ってたピサロにそっくりねぇ。
よくよく考えれば、エスタークも似たような姿してたし。
進化の秘宝っていうわりには、バリエーションに欠けるなぁ。もしかして、手ぬkムグムグ
なにするのよっ!?それ以上云うのは危険?良くわかんないこと云わないでよねっ。

………エラソー。
姑息な手段で陥れたことを、そんなに大声で自慢そうに話しても情けないだけって判らないかなぁ。
しかも窮極を極めただとか、真の王者だとか………
あーもう五月蠅い。よく喋る黒幕だこと、気分悪い。
負け犬の遠吠えだとか、弱い犬ほどよく吠えるだとか云うけど、アイツは狗かなにか?

勇者ッ!!あんな雑魚、さっさと片付けちゃってっ!!
三下如きに負けるんじゃないわよッ!!!
ガンガンやって、その馬鹿をさっさとぶち殺すっ。いーい、判った!?
わかったらほら、戦闘準備して。
わたしとロザリーさんは柱に隠れてるから、安心して暴れてきなさいっ!!

611 :だんご:2006/01/22(日) 01:42:36 ID:vTWbqAfx0
YANAさんが燃える展開だー。
戦闘シーン欠けるのがピコウラヤマシス。そしてwktk
うちのシンシアは戦わないしなー。終わりも目に見えてきてるしなー。

取り敢えず此処で後悔を一つだけ。
前回の分を書いているときに気が付いたのだが、そうじゃんね、シンシアは姉属性だったんじゃんね。
わたしってほら、姉スキーじゃんね。(関係ない)
もっとちゃんと認識していれば、上手く使えたのに。くそう、勿体ない。

612 :冷え性:2006/01/22(日) 02:27:08 ID:k58CrJEt0
7:試練の塔

「まったく・・・罠が多すぎるぜ・・・この塔は」
ロイは数々の罠をくぐり抜けながら試練の塔を順調に登っていた

−3階外観−

「あ!」
そこには城で見た男が立っていた
「ん?ようっ あんたたしか城で会ったよな どうだい? 兵士長サンの言ってたものは見つかったかい?」
「・・・いや・・・まだわからないな もう少し登ってみないと・・・ってあんたはここで何をしてるんだ?」
「それがな・・・ ほら そこから下をのぞいてみなって すげえものが見えるぜ」
「ん?なに」
「おらっ!」
なんと!城で会った男がロイを下へ突き落とした
「うわあああああ落ち(がしっ)」
「おっとあぶねえ!」


613 :冷え性:2006/01/22(日) 02:28:23 ID:k58CrJEt0
「ん?」
そう思いきや 右手が誰かにつかまれていたため ロイは落ちずにすんだ
「おい てめぇ 随分と卑怯な真似してるじゃねえか」
そこには昼間に城で見かけた モヒカンの筋肉男が立っていた
「・・・へ あはは ライバルは少ないほうがいいと思って・・・あの・・・あ」
「お前が落ちろ!ふん!」
「うひゃあああぁぁぁぁ・・・」
なんと筋肉男は片手でその男の右手を持ち 軽々と下方へぶん投げた 物凄い腕力の持ち主のようだ
「あ アンタ わりぃ 助かったよ」
「はっはっは!気にするな 卑怯な奴が気に食わんだけだぜ」
「ところでアンタ 兵士長さんの言ってたああるものってのは見つかったかい?」
「いいや この塔に配置されていた宝箱なども調べたが どうもそれらしきもんは見当たらねえからな もう少し登ってみるつもりだ」
「そうか 俺もそのつもりだ アンタとはライバルになりそうだな」
「はっはっは!そうだな ところで名前はなんつーんだ?」
「俺はロイだ アンタは?」
「ロイか 俺はハッサンだ 誰が採用されるかわからんが お互いに頑張ろうや じゃあなっ!」
「ハッサン・・・か」


614 :冷え性:2006/01/22(日) 02:29:20 ID:k58CrJEt0
−4階−

それまでの一本道とは裏腹に 道が3つに分かれている それぞれの道の前にはそれぞれ青年・老人・女性が立っている
「・・・?(どこを行けばいいんだ・・・?)」
「またお客さんがやってきたようだな この先の3つの道のうち 1つだけが本当の道だ
さらにそれぞれの道の前に立っている人々のうち ひとりだけが本当のことをいっている
よーく考えることだな」

「やあいらっしゃい でもこの先にはなにもありませんよ 1番右の道が正しい道です」

「若者よ 年寄りのいうことはよおく聞きなされよ この先にいってはならん!ケガをするだけじゃぞ」

「あなたならきっと私のことを信じてくれますわね 1番左の人だけが正しいことをいっています どうかお気をつけて」


615 :冷え性:2006/01/22(日) 02:30:01 ID:k58CrJEt0
「・・・ん〜・・・まいったな さっぱりわかんねぇ・・・よし!とりあえず!
真ん中!」

「うわっ!いて!!罠かよ・・・!くそ・・・じゃあ右!」

「ほほう。ここまでたどりつくとは 今回の志願兵はなかなかやるじゃないか よろしい私の負けだ さあ これを受けとるがよい」
「これは・・・指輪?」
「うむ これを持って城へ戻るが良かろう」
「とすると・・・これが兵士長の言ってたあるものか!やったぜ!ありがとう それじゃあ!」

「よし!これで兵士になれるかもしれない!早速城に戻ろう」

「(ひとりだけが本当のことをいっている よーく考えることだな)」

「(・・・考える・・・・・・待てよ・・・一人だけ・・・本当のことを言っているんだったな
真ん中の道に立ってたじいちゃんはケガをすると言った それは正しかったんだ 中は棘の床の罠が敷き詰めてあった
とすると本当のことを言っているのはこのじいちゃんだ・・・と言うことは・・・)」

「左だ!」


616 :冷え性:2006/01/22(日) 02:30:35 ID:k58CrJEt0
−試練の塔 最上階 外観−

ロイは最上階へと辿り着いた 前方には小さな小部屋があり その扉の前には剣とは言えぬ 矛にも似た武器を持った兵士が悠然と立っている
「(きっと ここに・・・)」
「よくぞここまでたどり着いた この私が最後の試練をあたえてやろう だがしかし もはや戦う力が残っていないというなら戻るのもいいだろう 
さあどうする? 私の試練をうけてみるか?」
「当たり前だ・・・さあ いくぜ・・・」
「よろしい それでこそ王宮の兵士を志願する者!さあゆくぞっ!」
「おらっ!(かきん!)」
ロイは勢いよくブーメランを投げつけた しかしその身を強固な鎧に纏った兵士はびくともしない!
「はっ!」
「うわっ」
兵士は足払いを放った! ロイの体が宙に浮くと胴体目掛けその矛を真っ直ぐに突き刺してきた
「ぐう!!」
これが鍛錬を積み重ねた兵士の技量だった ただ無作為に襲ってくる今までのモンスターとは違う 
連続技の見事なコンビネーション それは今まで体験したことのない戦いだった

「・・・」
「ふふふ・・・どうしたのだ その程度でわが王宮の兵士になろうなどと抜かすのではないだろうな」
「へへへ・・・」
「・・・?」
「最近気づいたんだ(あの夢を見始めた時から)」
「何?」
「こんなもんが使えるってね ホイミ!」
なんと!ロイの傷がゆっくりとふさがっていく!
「呪文だと!?」
「さて こっからだぜ!」
「おもしろい・・・」


617 :冷え性:2006/01/22(日) 02:31:20 ID:k58CrJEt0
「(ち・・・しかしあの鎧・・・参ったな ブーメランじゃ決定的なダメージにならない この)(スッ)銅の剣じゃないとな(ブン)はっ!(ガン)」

「軽い!ふっ!」
「ちっ!(キィン)やっぱりあれを使うしかない!」
「(まだ何かあるのか!)」
ロイは兵士に両手をかざし 呪文を唱えた!
「ルカニ!」

「・・・・・・何も変わってないではないか」
「いくぜ!とう!(バキン)」
「なっ 鎧が・・・」
「おらぁ!」
ロイの放った一閃が鎧を打ち砕き 兵士は小部屋の壁に叩きつけられた
「ぐ・・・うむっ みごとだ! 私が多少手加減したとはいえこれほどまで戦えるとは!
 よし ついてくるがよい」
「(おいおい・・・手加減しててこの強さかよ まいったな・・・)」

「これがお前たち志願兵に課せられていたものだ さあ これを持って城に帰るが良かろう」

「ふぅ・・・疲れた・・・」

こうしてロイは無事 「あるもの」 を手にし 再びレイドックへと向かった


618 :冷え性:2006/01/22(日) 02:33:49 ID:k58CrJEt0
YANAさん だんごさん 執筆乙です

何かダラダラですいません
ペース遅いな〜 しかもツンデレないし・・・(汗

619 :名無しでGO!:2006/01/22(日) 10:37:02 ID:FinhR6sr0
漏れの予想として多分ツンデレは月鏡の塔からであろうと思われる

620 :だんご:2006/01/23(月) 02:07:19 ID:T3peovWQ0
(ドカッ!! ズシャア!!! スババババッ!!!!)

圧倒的じゃないか、わがgムグムグ
何するのよ、ロザリーさん!!そんな勇者みたいに口塞いだりして。
縁起が悪いから止めなさいって?
ぶー、せっかく勇者は向こうで戦ってるんだから、好き勝手出来ると思ったのになぁ。
ロザリーさんて、真面目っ娘なんだね。ちぇー。
でもねー、そんな真面目っ娘も大胆だったよね、昨日は。
あんなキスをお天道様のsムグムグ

ごめんなさい、悪かったです、もう云いません。
だからお願い。目に涙浮かべてわたしを窒息死させようとしないで。

心配じゃないのかって?
全然全くこれっぽっちも心配してないわよ。
だって、勇者があんな三下にやられるわけ無いもの。

そりゃ信じてるわよー。なんたって、伝説の勇者様だし。
それにね、長い旅の中で強い絆で結ばれた仲間がいるのよ。あと気に食わないけど、ピサロもいる。
負ける要素なんか何処にもないじゃない。

………勇者は此から幸せになるのよ。失ったものを取り戻すの。
其れにわたしも付いてる。だから、負けるはず無いのよ。そうでしょ、勇者?

(ズガガガガガッ!!!)

621 :だんご:2006/01/23(月) 02:09:55 ID:T3peovWQ0
最期の最期まで、夢見てただけじゃない。
全くアホらしい。ピサロもピサロよ、こんな三下に良いように操られて。
ちゃんと部下のこと把握していて貰いたかったわ。

うわぁ!!いきなり頭の中で声出さないでよっ、吃驚したじゃない。
此って、竜の神様の声よね。
彼処に座ったまま話しかけられるのは便利そうだけど、音量調節とか出来ないのかなぁ?
然も戻りなさいって………自力で行けって事かぁ。
背中の翼は飾りじゃないんでしょ?おっきい身体してるんだし、迎えに来てくれればいいのにねー。
きっとこのくらいの人数なら乗れるのになぁ。

あれ、ピサロどう……そっか。じゃあ、ロザリーさんも此処でお別れね。
あ、そうだ。ピサロに忘れ物があったんだっけ。ほら一寸こっち来て―――

(パシン!!)

ううー、痛ったぁ………あんたにはそんなに痛くないだろうけど、其れがわたしの全力。
そのビンタで済ませておいてあげる。運が良かったと思っておきなさいよ。
今度こそロザリーさんを離しちゃ駄目だからね。
ああ、そうそう。もし今度人間を滅ぼすって決めたら連絡頂戴、協力するk

(パカン!!)

痛いなぁ………もうそんなにポカポカ叩くことないでしょ、馬鹿勇者っ!!

622 :だんご:2006/01/23(月) 02:15:25 ID:T3peovWQ0
さて、此で三下戦も終わりです。
ゲーム中でも隠しボスなのに、非常に影が薄かったような記憶があるんだけど。
さして苦戦した覚えもないし。そんな個人的な記憶を表現してみました。
ま、苦戦はエスターク戦とデスピサロ戦でやっているので、無理にやる必要もなさそうだし。

で、とうとう此処まできたー。次回からエンディングです。
感慨深いなぁ、いやホントに。

623 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/23(月) 16:06:05 ID:GOB36BIA0
エンディングwktk


624 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/23(月) 23:39:46 ID:mzz4IPhuO
だんごさんお疲れ様でした
と言うのはまだ早いかなw
やけに色んなネタを持ってる愛すべきシンシアに幸せな結末をお願いしますww

625 :だんご:2006/01/24(火) 00:16:36 ID:pTt0TdqY0
ちぇー。世界を救ったんだから、なんかくれても良いのにねー。
図体と話し方は偉そうなのに、ケチだなぁ。
しかも、わたしだけなーんにも云われなかったし。
まー導かれし者じゃないけどさ、でもね、あのピサロだって此処にいないのに褒められてたのよっ。
……役立たずだったじゃないかとか云わなくていーからね。


ううん、人間は悪いのばっかりなの。
だから、気を許して地上に降りるとか、好奇心にかまけて声掛けるとかしちゃ駄目よ。
まぁ、ごく稀に良い人間もいるけど、かなり少ないんだから。
だからね、もし地上に行かなきゃならなくなったら、常に懐剣を忍ばせておくの。
上手いこといって近付いてくる人間がいたら、本性出される前にグサリとy

(パカン!!)

痛ッ!!なにすんのよっ!!もー、別に悪いことしてたわけじゃないのに。
前から思ってたけれど、云うことが過激だ?そんなことないわよー、うん。
………多分だけど。

でも勇者、本当に良かったの?
天空の城に残ったって良かったのに。
そしたら、わ、わたしだって…此処で…いっ…一緒に………
うぅーー…あ。そ、そんなことよりっ!!
本当に地上に戻って良いの?だって、きっとあの人、勇者の………
そう……其処まで決意が固いなら、わたしがどうこう云う事じゃないけど………
でも、せめてちゃんとこのお城を出る前に一度挨拶してくるのよ。
わかった?うん、良い子だね。

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