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RPG Chara Battle ROYALE U

1 :ゲーム好き名無しさん:2005/06/20(月) 23:58:34 ID:???
よくぞきましたね、おめでとう、ここはゲサロで行なわれている かみしゅさいの RPGキャラによるバトルロワイアルの スレです

前スレ
RPGキャラバトルロワイアル
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1114790799/

RPGキャラバトルロワイアル感想雑談スレ7
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1118253281/

戦没者埋葬スレ(ゲサロ)
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1110089860/


まとめサイト
http://d1s.skr.jp/rpgrowa/
まとめサイト(携帯用)
ttp://d1s.skr.jp/rpgrowa/menui.htm

テンプレ、マップまとめグロブ
ttp://blog.goo.ne.jp/rpgro/

キャラクター紹介Wiki
ttp://www2.atwiki.jp/rpgbr/

お絵かきBBS
http://bbs3.oebit.jp/rpgBR/

2 :ゲーム好き名無しさん:2005/06/20(月) 23:58:56 ID:???
基本設定とルール

・参加者全員で残り一人になるまで殺し合いを行う。
・参加者全員には以下の物が平等に支給される。
 布袋
 会場内の地図
 方位磁針
 食料、水
 着火器具
 その他にランダムで選ばれたアイテムが『支給品』として各自の袋に一つ、弓矢や銃と弾薬等の場合は1SETで入っている。
 1SETだからって源氏装備全部とか選り取り召還アイテムSETとか下記のバランスを崩すのにあてはまると思う場合は止めて下さい。
 著しくバランスを崩すアイテムを支給するのは禁止。
(例:禁止行為・能力にあてはまる効果を持つもの、島ごと吹き飛ばす爆弾等)
 各キャラの最初の作者が支給品の説明を書くのが望ましい。
・午前午後の1日2回、主催者が会場内に『放送』を行う。
 この間に死亡した参加者は放送中に名前が発表される。
・生存者が一名になった時点で、その人物は神の部屋へ連れて行かれる
・前の話を無視した作品、キャラの性格・心情的、状況的にありえない作品、
前後の繋がりがおかしいと思われる作品等が出た場合は冷静に申し立てて下さい。
 その後、作品を審議し、NGか要修正かOKか決めます。
・問題が出た作品、ルールに反した作品への修正は一回までです。
 キャラ欄の記入漏れ・ミス、誤字脱字、投稿ミスなどは制限ありません。


神の印について

ゲーム開始前からプレイヤーは首に神の印(首がない人は別のところに)が押されている
印が発動すると、その印がついているところが爆発、魂の死に至る
開催者側はいつでも自由に印を発動させることができる。
印は解除しようとして弄ると爆発する。
会場から一定以上はなれると爆発する。
24時間以内に死亡者が一人も出なかった場合、全員の印が同時に爆発、死に至る。
いかなる状況下においてもそれ以外での爆発は絶対に起こらない。

3 :ゲーム好き名無しさん:2005/06/20(月) 23:59:44 ID:???
魔法・能力に関して

復活・即死系(石化含む)、時空間移動の魔法や能力は不思議な魔力により使えない状況となっております。
ダオス、狭間などのボス系統の覚醒能力も使用できません。
島全体に効果を及ぼす物も使用できません(例:島全体の天候を変えたり、島全土に及ぶ威力の攻撃魔法等)
また即死系以外の状態異常系魔法やテンプテーション等状態異常系の技は、成功率0〜50%と下がります。
回復魔法は一律初級クラスのレベルに落ちています。状態異常回復魔法は今の処制限ありません。
物理、魔法攻撃無効化→ 1回〜2回で効果切れます。
透明人間化 → 本来の2分の1の時間しか無理です。


召還系の能力に関して

・アイテムなしでは召還できない。

・召還できるのは一体まで。同時出し不可能。

・最高位のおかしいくらい強いやつ(カーリー、アリラト、シヴァ等)と制限行為・能力にあたる召還(FFのフェニックスとか)は不可。


会場について

海に囲まれた孤島、仮に長距離泳げるとしても島から一定距離離れると神の印が発動する。
会場はムーングロウ (ウルティマオンライン)
ttp://d1s.skr.jp/rpgrowa/map.htm
(携帯版 ttp://d1s.skr.jp/rpgrowa/minimap.jpg)


作品投稿の際のお約束

運営スレの方で一度ID有りトリップ有りの状態で投下を宣言してください。
その後、本スレ(投稿スレ)で宣言時のトリップを用い、必ずsageで投稿してください。
トリップのないもの、宣言のない作品は無効となります。

4 :ゲーム好き名無しさん:2005/06/21(火) 00:00:24 ID:???
最重要ルール

1:死亡キャラの復活禁止
2:致命的な矛盾、新キャラの追加はNG。
3:投下する前にはリロードして投稿が被らないか確認しよう。 被ったら早い者勝ちです。
4:主催者側が積極的にゲームに手を下す話は避けよう。

例1
 ○○「俺は仲間を集めて主催者を倒す」
 俺は大声で宣言した。
 するとどこからか声が聞こえてきた……
 かみ「やれやれいってもわからないバカですね、はんぎゃくのいしありなのでぽちっとな」
 ○○「あわびゅ!!」
 その声と共に私の首輪は爆発した。
 ざんねんわたしの ぼうけんは ここで おわってしまった

例2
 かみ「たいくつだからかきまわそうかな」
 かみはゲーム内に数体のNPCを解き放ちました。

例3
 かみ「このひとじちがころされたくなければさんかしゃをXにんころしなさい」
 丸々「くっ卑怯な!」
 丸々はマーダー化しました

5:AAで話を進めるのは禁止となっています。

5 :ゲーム好き名無しさん:2005/06/21(火) 00:01:15 ID:???
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。
 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・作品単体ではなく、周りを見渡してバランスは良く考えてください。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
 二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・自信がなかったら相談しましょう。
・本スレにUPされてない作品は、続きを書かないようにしてください。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
 できれば自分で弁解なり無効宣言、修正をして欲しいです。

書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
 特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・極力ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。

6 :ゲーム好き名無しさん:2005/06/21(火) 00:01:41 ID:???
☆書き手の注意点★
・作者を判別するためにもトリップはつけること。
・無理して体を壊さない。
・リレー小説である事を念頭に置き、皆で一つの物語を創っていると常に自覚する。
・ご都合主義な展開に走らないように注意。
・残酷表現及び性的描写に関しては原則的に作者の裁量に委ねる。
 但し後者については行為中の詳細な描写は禁止とする。
・各作品の末尾には以下の情報を必ず表示する。
 行動目的
 所持品
 現在位置
 作品内で死亡者が出た場合は死亡キャラの確認表示も忘れずに。

☆読み手の注意点★
・煽り、必要以上の叩きは厳禁。
・寝る前に歯を磨く。トイレにはいっておくこと。
・麺類は蕎麦推奨、ただし、饂飩派の場合はその限りではない。
・各キャラ信者はスレの雰囲気を読み、言動には常々留意する事。キャラの運命と死は平等。
 不本意な展開になったからと言って関連スレで暴れるのは論外。
・朝ご飯はしっかり食べる。夜食はなるべく控える。栄養はしっかりとれ。
・書き手にも生活があるので、新作を急かすのも程々に。
 書き手が書きやすい雰囲気を作るのも読み手の役割。

※初めて来る人とかが、ルール違反を起こすかもしれませんが、そのときはみんなで優しく、色々議論を出しましょう

7 :ゲーム好き名無しさん:2005/06/21(火) 00:10:09 ID:???
総勢97キャラ
先頭に×は死亡キャラ

【バテンカイトス】
×No01.リュード No02.カラス

【タクティクスオウガ】
No03.カノープス No04.アルフォンス No05.デネブ

【テイルズ】
No06.バルバトス No07.しいな No08.ダオス No09.クラトス No10.サレ
No11.マグニス No12.リアラ No13.ジューダス No14.コレット ×No15.ロイド
No16.スタン No017.アーチェ

【サモンナイト】
No18.トリス No19.アメル No20.アティ No21.ベルフラウ No22.ハヤト ×No23.ルヴァイド

【ドカポン】
×No24.ブリキン No25.ワルサー

【ロマンシングサガ】
No26.ノエル No27.ジャミル No28.ミリアム No29.ロックブーケ
No30.ガラハド No31.スービエ No32.帝国重装歩兵 ×No33.シフ No34.グレイ ×No35.ホーク

【サガフロ】
No36.アルカイザー

【大貝獣物語】
No37.バブ No38.ポヨン

8 :ゲーム好き名無しさん:2005/06/21(火) 00:10:36 ID:???
【レジェンドオブドラグーン】
No39.ダート No40.シェーナ ×No41.ロゼ No42.ロイド

【女神転生】
No43.橘千晶 No44.ジャックフロスト ×No45.狭間偉出夫 No46.赤根沢玲子 No47.新田勇 No48.高尾祐子

【スターオーシャン】
No49.ディアス No50.フェイト No51.ネル No52.アシュトン・アンカース No53.ソフィア

【ペルソナ】
×No54.桐島英理子 No55.周防達哉 No56.南条圭 No57.城戸玲司   
No58.ピアスの少年(ヒーロー) No59.上杉秀彦 No60.リサ・シルバーマン No61.園村マキ

【バハムートラグーン】
No62.ビュウ ×No63.ヨヨ

【ソウルハッカーズ】
No64.葛葉キョウジ No65.フィネガン

【グランディア】
No66.ジャスティン No67.ティオ

【ヴァルキリープロファイル】
No68.レザード・ヴァレス No69.アリューゼ

【ワイルドアームズ】
No70.ジェイナス No71.ラクウェル No72.ヴァージニア

【魔界戦記ディスガイア】
No73.ビューティ男爵 ×No74.ラハール No75.エトナ

9 :ゲーム好き名無しさん:2005/06/21(火) 00:10:58 ID:???
【ファントムブレイブ】
No76.アッシュ No77.マローネ

【ゼノギアス】
No78.シタン・ウヅキ ×No79.モモ

【魔導物語】
No80.シェゾ

【クロノトリガー】
No81.ロボ No82.クロノ No83.カエル

【BLACK/MATRIX】
No84.ガイウス

【聖剣伝説】
No85.リース

【ウィザードリィ】
No86.フラック

【天外魔境】
No87.マントー

【ルーン】
No88.ソル

【ジェネレーションオブカオス】
No89.アンクロワイヤー

10 :ゲーム好き名無しさん:2005/06/21(火) 00:11:35 ID:???
【スーパーロボット大戦α】
×No90.ユーゼス

【里見の謎】
×No91.夢若

【風来のシレン】
No92.シレン

【ウルティマ】
No93.ロードブリティッシュ

【桃太郎伝説】
×No94.夜叉姫

【ティアリングサーガ】
No95.ホームズ

【デビルサマナー】
No96.レイ・レイホゥ

【魔装機神LOE】
No97.マサキ・アンドー

生存者82名 死者15名

11 :戦場七変化 ◆gel7gxy79o :2005/06/21(火) 01:11:52 ID:???
 二人の男組みが茂みから飛び出すのを見て、その場の全員が警戒した。
 クラトスやジューダス、ワルサーも同じ考えだ。
 すなわち『新手の敵か』と。
 だが、クロノもシレンも一直線にワルサーの元へと走る。
 ワルサーは剣を手放さず、ジューダスも味方だと判断したのか手を放すことはない。
 現れた二人のうち、クロノはワルサーに接近し――――横腹を思いっきり蹴りを放った。
 剣から手が放れてよろけるワルサーにシレンの追撃が投げられた。
 ――うっぷん晴らしの壷!
 壷は一直線にワルサーへと放り込まれ……、

12 :戦場七変化 ◆gel7gxy79o :2005/06/21(火) 01:12:56 ID:???
『ゲッチュー!』

 場が、凍りついた。
 横から突然現れたロボットに壷をかっさられ、その場を去っていく。
 ワルサーの第一の幸運だった。
 だがジューダスやクラトス、クロノ……不測の事態に慣れているはずのシレンでさえ唖然としている。
 それもほんの一瞬。
 次の瞬間、空気を読めていないポワソが近くにいたクラトスに襲い掛かる。
(果物ナイフではきついか……)
 クラトスはバックステップで攻撃を避けながら次の一手を考える。
 魔法を唱える隙があれば、と横を見てみるとジューダスが魔法を唱えているのが見えた。
「シャドウエッジッ!」
 闇の槍がポワソを怯ませ、不意を突かれたポワソは致命傷を負う。
 クラトスが止めを刺そうとした時、クラトスを巨大な影が覆った。
 上空を見る。
 そこには、ワルサーが急落下しながら重い一撃を放っていた。
「ちっ……」
 クラトスは左に飛び、ワルサーの一撃を避ける。
 だが、右肩をぶつけ、クラトスは苦痛で顔を歪ませた。
 落下したワルサーはすぐさま振り向き、4人の方へと視線を飛ばす。
 召還したポワソに背を預け、――――背後から、攻撃された。
「何、するん、だこのチクショー!」
 背後を見る。
 ワルサーを体当たりし攻撃したのは自身が召還したポワソだ。
 元々誓約が上手くいかなかったポワソはワルサーに誓ってはいない。
 ただ近くにいる者を無差別に襲っただけで、ワルサーに味方していたわけではない。
 召還した者に襲われない為に誓約などの儀式が必要になる召還術。
 だが、誓約などを知らないワルサーが実行したために不完全なまま召還されてしまったのだ。
 今がチャンスだ。
 シレンとクロノが飛び出し、二人同時に蹴りを放つ。
 クロノが上段へ、シレンが下段へと息を合わせたタイミングで放たれる蹴りでワルサーは後ろへと吹き飛ばされる。
 木に衝突し、ワルサーは背中をぶつけた。
 強くぶつけた為に、しばらく身動きがとれそうにない。
(このワルサー様が……!)
 悔しさが心を満たすも、身体はほとんど身動きができない。
 それが、幸運だった。

13 :戦場七変化 ◆gel7gxy79o :2005/06/21(火) 01:13:47 ID:???
「――――――テンプテーション!」

 それはかなり低い確立だった。
 サイコロを振って「6」を出すくらいの、低確率。
 だが。
「………」
 ジューダスの気配が、変わる。
 彼は「6」を出してしまった……。
 テンプテーションを放った彼女の名はロックブーケ。
 ワルサーが倒れたのを死んだと思い、戦いが終わったのを見計らって乱入した七英雄の一人だった。




 ――――その頃。
 ゲッチューロボを起動した城戸玲司と南条圭は帰りを待っていた。
「よし、帰ってき……壷?」
「壷だな。っとやばっ落としちまった!」
 ゲッチューロボの精度の悪いパスのせいで、壷が落ちた。



           ド――ンッ



 F−04一帯に爆発が鳴り響いた。

14 :戦場七変化 ◆gel7gxy79o :2005/06/21(火) 01:14:16 ID:???
【No29.ロックブーケ@ロマサガ
 所持品:たいでんカッパ@電気を防ぐ
     ソーディアン・ディムロス@テイルズシリーズ
 目的:ノエルに会う。他の参加者は殺す 】
【シレン@風来のシレン
 基本行動方針:ゲームからの脱出
 第一行動方針:正しき者への援護。
【クロノ@クロノトリガー
 所持品:???(シレンは知らない)
 基本行動方針:ゲームからの脱出
 第一行動方針:正しき者への援護。
 第二行動方針:仲間と出会う】
【ワルサー@ドカポン
 状態:気絶
 所持品:サモナイト石(ポワソ)
 基本行動方針:神様を殺す
 第一行動方針:目の前にいる男達を何とかする
 第二行動方針:印の解除。邪魔する者、利用できない者は殺す】
【クラトス・アウリオン@テイルズオブシンフォニア
 所持品:果物ナイフ
 基本行動方針:ジューダスに協力
 第一行動方針:ワルサー・ロックブーケを倒す
 第二行動方針:ロイド、コレット、しいな、のいずれかと合流】
【ジューダス@テイルズオブディステニー2
 状態:魅了
 所持品:フランヴェルジュ(片手剣)
 基本行動方針:バルバトス・ゲーティアの抹殺
 第一行動方針:?????
 第二行動方針:仲間集め】
【現在地:E04西部の森】

【城戸玲司@ペルソナ】
状態:怪我と火傷
第一行動方針:ピアスの少年との再会。
基本行動方針:エルミン高校の知り合いと合流
【南条圭@ペルソナシリーズ】
状態:怪我、火傷
所持品:ヴォーパルソード (テイルズオブシンフォニア)
第一行動方針:ピアスの少年との再会。
基本行動方針:エルミン高校の知り合いと合流
【現在地:F04】

15 :疑惑、そして… ◆ZKXHbt7/As :2005/06/21(火) 02:32:34 ID:MWqIYSOn
とある路地裏。寝息も立てぬ道化は静かに目覚めた。
「…不覚にも、眠ってしまいましたか。しかし彼女らも、慈悲を与える相手を違えた様ですね。フフフ…。」
脇腹の風穴がすっかり塞がって、ただの瘡蓋となっている。余程丁寧に治療したらしい。
「さて、街へ向かいましょうか。仕事は山程ありますから。」
まだ血が足りないにも関わらず、飄々と歩き出すフラック。『優勝』への執念が並みでないことを窺わせる。

幾分もせぬ内、奇妙な光景に足を止めるフラック。
「おやおや。」
見ると、先程まで自らの手中にあった剣が地に突き立てられていた。そして即座に理由を察したフラックは嘲る。
「何と。お亡くなりになられましたか。折角命拾いをしたというのに、お労しや。」
剣を引き抜き、懐へ仕舞う。
「これは返して戴きますよ。もはや貴女には不要の長物でしょうから。では、御機嫌よう…。」
フラックは墓に背を向け、街へと歩き出した。
その時だった。

「きゃああぁあぁぁ」
後方遠く、女性の悲鳴が上がった。
「おっと、お呼びが懸りましたか。仕方ありませんね、足労感謝下さいよ、フフフ…。」
道化は獲物を見据え、ゆっくりと動き出した。

16 :疑惑、そして… ◆ZKXHbt7/As :2005/06/21(火) 02:32:49 ID:MWqIYSOn
「紙、かみ、カミ…神様ぁ〜…」
マローネは焦っていた。
アリューゼが危険に晒されているやも知れない。一刻も早くそこから出たい一心で必死に紙を探した。
洗面台はおろかバスルームまでも備わっており、この状況下無理に紙を求める必要は無かった。
しかし、焦った彼女にはそれがどうしても必要に思われたのだった。

「ああっ!」
万策尽きてタンクを調べたところ、何故かそこにそれはたたずんでいた。沢山。
「もうっ、こんな分かりづらい所に置かないでよぉ!」

マローネは手洗場からとび出し、アリューゼの元へ向かった。
「大丈夫? アリューゼさ……」
そして彼女の思考は瞬時に止まってしまった。

確かにアリューゼは危険なコトになっていた。

彼は白目を剥き、鼻血を垂らしながら泡を吹いていた。しかも小刻みに震えている。
そしてその先にあったのは、見知らぬ少女のあられもない姿。
マローネは目に涙を浮かべながら、何かを拾い上げ、頭上に掲げた。

17 :疑惑、そして… ◆ZKXHbt7/As :2005/06/21(火) 02:33:03 ID:MWqIYSOn
「アリューゼさんの……馬鹿ああぁぁぁ!!」
持ち上げた岩を勢い良くアリューゼの腹に叩きつける。まるで(声のよく似た)悪魔の霊が乗り移ったかの様な剣幕だ。

恐るべし、シャルトルーズ。

「ぶフぉあっ……じ…死ぬ………」
鈍い激痛に夢から醒めたアリューゼは、右へ左へのたうち回った。三途の川はこれで二度目だ。

「ぐす…」
幼い故、未だかつて見た事のない変態という種を目の当たりにしたショックの剰り泣きじゃくるマローネ。
「だから違うっつってんだろ、泣くのはやめろ!」
必死に弁解するアリューゼだったが、健闘虚しくマローネは聞く耳を持とうとしない。
「ったく…呑気に眠りコケやがって…なにが『すやすや』だ。いい気なモンだぜ。」
取り敢えずアリューゼがベッドへ運んでやった(この時にもマローネに殺されかけた)リアラは、大した外傷も無く静かな寝息を立てていた。
気丈に振る舞ってはいたものの、海辺での葛藤は相当な精神的苦痛となり、疲労感を募らせた様だ。
「ねぇ…何でこんな事を…ジュルっ……」
ようやくマローネが先程の紙で鼻をかみながら口を利いた。
「だーから、俺は何も…」

―――殺気!

「危ねぇ!」

18 :疑惑、そして… ◆ZKXHbt7/As :2005/06/21(火) 02:33:17 ID:MWqIYSOn
二発の銃声と窓の割れる音、更に椅子の倒れる音が同時に響く。

「ななな、何!?」
四角のテーブルを挟み向かい合う形で座っていたマローネをテーブル諸共突き飛ばし、間一髪銃撃を回避させたアリューゼ。
一方のマローネは未だ状況が掴めずキョトン顔だ。
銃弾は寸前彼女の頭部があった位置を正確に捉え、奥の壁へと吸い込まれた。

「おっと、避けられてしまいましたか。彼も只者では無かった様ですね。
仕方ない、少し早いですが本腰で懸かるとしましょうか…。」
小屋の正面、たった今破れた窓越しに始終を見ていた道化。
見る限り利用するに似わないと考えていた男の予想を上回る鋭い勘と反射能力に賞賛を贈りつつ、小銃のマガジンを取り替えた。

「おい誰だ、出て来やがれ。どうせやるんなら、フェアにいこうぜ。」
すかさずマローネの下へ駆け寄り背後へ隠すと、アリューゼは牽制の声を上げた。
これ以上と無く姿勢を低く構え、マローネを抱えて何時でも回避行動が取れるよう警戒する。
ようやく危険を察したマローネは震えながら左右の窓をキョロキョロと見較べた。

19 :疑惑、そして… ◆ZKXHbt7/As :2005/06/21(火) 02:33:32 ID:MWqIYSOn
またも窓越しの銃撃。
出入口を左に置く形で構えたアリューゼにとっては背後からの奇襲だった。
それを何とか避け、テーブルを倒したその陰へ転がり込む。

――くそ、何て速さだ…このままじゃ防戦一方だぜ…
同時に複数撃って来ねぇトコ相手は一人、サシなら勝機もあるんだが……仕方ねぇ、一か八かだ!

「マローネ、ここでこれ抱えてろ。すぐに蹴りを着けてやる。」
床に転がる自らの所持品・岩を手渡しながら言い、少女の持っていた鉾を手に割れた窓へと駆け出す。
「ええっ、そんなぁ!」
マローネの不平を気にも留めず、アリューゼは外へ飛び出し、敵を追い始めた。

20 :疑惑、そして… ◆ZKXHbt7/As :2005/06/21(火) 02:34:08 ID:MWqIYSOn
「きゃあっ!」
小屋の裏側の窓からマローネを更に銃弾が襲う。

「彼は外へ出てしまいましたか。か弱い少女を残して……まぁ、それもまた一興。」
人間業では到底有り得ない高速で小屋の外から多角的に弾丸を撃ち込むフラックは、標的が分散した様子を見て呟く。
「ざけてんじゃねぇ、オラァ!!」
雄叫びに似た怒号を上げながら自分の背後を追ってくる男を確認するフラック。
それを突き放す速度で身軽に次の角を曲がる。

「待ちやがれこの……」
傭兵たる者、戦場で一切の油断は許されない。傭兵の鉄則だ。
…自らの身を守る為の。
彼にはこの状況に於いて決定的な弱点があった。

「くそっ、俺とした事が!」

他人を護る為に全体を見渡す能力の欠如……。


「確かこちらは別室の…」
「カイル…もう、ダメだったらぁ★……」
曲がった先にある標的が居た部屋とは別の部屋の窓を通過せんとした時、少女の場違いな黄色い声が聞こえた。
男の姿は見えない。フラックは余裕を見て、その窓を覗いた。
「…勝負あった様ですね、フフフフフ……。」
そこには安らかな寝顔の少女の姿があった………

21 :疑惑、そして… ◆ZKXHbt7/As :2005/06/21(火) 02:34:24 ID:MWqIYSOn
「初めまして。随分と遅かったではないですか。
余りに遅いものだから、心配しましたよ。」

襲撃の中、アリューゼは初めて敵の姿を捉えた。
小柄な身体、戯けた緑の道化衣装……だが、その瞳には確かな殺意があった。
道化は危なげも無く窓枠に立ちはだかり、未知の武器を少女へと向けていた。

「テメェの相手は俺がしてやる。その手を退けやがれ!」
可能な限り焦りを見せぬよう計らい、アリューゼは吼える。
「ふむ。大変残念なのですが、それは出来ぬ注文ですねぇ。
何故なら、貴方が無抵抗のまま死に逝く、という筋書きが、既に用意されております故……。」
挑戦的な発言をつらつらと述べつつ、道化の指は撃鉄を起こし、乾いた音を立てた。
「くっ、下衆が……。」
鉾を放り、両の手を掲げるアリューゼ。

――何故だ? 敵味方も知れない娘一人に、俺は何故ここまで……。

理由は解せない。だが護らなければならない。身体はそう命じていた。

「物分かりの良い方で助かりました。御協力、感謝しますよ。では背を向けて頂けますか。」
道化は布袋から剣を取り出すと少女の真上に構え、小銃をアリューゼに向けた。
「マローネ、すまねぇ………」

22 :疑惑、そして… ◆ZKXHbt7/As :2005/06/21(火) 02:34:42 ID:MWqIYSOn
「えいっ!」
愛らしい掛け声と共に、複数の火球が小屋の中から道化を襲った。

飛来した物体…それは燃え盛る便所紙だった。
マローネは支給品の着火器具を用いて、ありったけの紙に火を点けていたのだ。

「く…何ですか小賢しい………!!?」
武器を取り落とすフラック。
道化が飛来物に気を取られた一瞬の隙を、アリューゼは逃さなかった。
彼の放った鉾が道化の脇腹を捉え、そこへ再び風穴を空けていた。


ドス

「ひっ!」
至近距離に剣が落ちた音にようやく目を覚ましたリアラ。眼前にそびえた刃に驚き、床に転げ落ちた。
…頭から。
「あはっ、カイル…また逢えたね★」
こうして彼女は再度幸せの国へ旅立った……。

「ぐうっ…何たる様……一度ならず二度までも……無念…で…す…」
負傷によりいよいよ血が不足したフラックは、力無く窓の下へと落下する。
止めを刺すべくすかさず駆け寄ったアリューゼは、道化の腹から鉾を抜き取り、高く掲げた。
「……割と愉しかったぜ。」
ニヒルな台詞を吐き捨て、鉾を突き降ろす。
肉を突き刺す鈍い音を最期に、フラックはただ静かな塊と化した……。

23 :疑惑、そして… ◆ZKXHbt7/As :2005/06/21(火) 02:35:24 ID:MWqIYSOn
「きゃあっ、アリューゼさん!」
悲鳴を上げるマローネ。
「なっ、どうした!?」
全ては終わった筈だった。しかし彼が休むにはまだ早かった様だ。
…味方のお陰で。

「どうしよう、燃えちゃう、燃えちゃうよぉ〜!!」
戦いの決着を観るのに夢中になっていたばかりに、投げ切らなかった紙から燃え移った火は、マローネの背丈を遙かに越える程に燃え盛っていた。

「放っとけ、早く逃げろ!」
言いつつ、中へ飛び込むアリューゼ。
「うげ、まだ寝てやがる…。」
「あ、待ってよカ〜イル〜★」
とことんまで脳天気な少女に呆れながらも彼女を片手で持ち上げると、マローネを外へ出し、窓枠に足を掛けた。
「おっと…こいつは貰っとくぜ、ピエロさんよ…。」
ベッドに突き刺さった剣を他方の手で抜き取り、外へ飛び出した。


「あーあ、燃えちゃった…ごめんなさい。」
「ったく、周りに『ここに居るぜぇ』とか言ってる様なモンだぜ。少しは気ぃ付けろよ。」
アリューゼに叱咤され、ションボリするマローネ。目にはうっすら涙を浮かべている。
「(くそぉ、やりづれぇぜ…)まぁ、お前のお陰で助かったんだ、チャラにしてやる。
……ありがとよ。」
「許してくれるの? ありがとう、アリューゼさん!」
「お、おい。抱きつくなって……#(あ、悪女だ…ムフフ)」

焼け墜ちる小屋の側、こうして三人の最初の危機は去っていった………
「ああん、カイルのい・け・ず♪」

24 :疑惑、そして… ◆ZKXHbt7/As :2005/06/21(火) 02:35:46 ID:MWqIYSOn
【リアラ@テイルズオブデスティニー2
※眠っている
現在地:B4北東建物付近
所持品:なし
第一行動方針:仲間を集める
第二行動方針:ジューダスが居たような…
基本行動方針:ゲームからの脱出】

【アリューゼ@ヴァルキリープロファイル
現在地:B4北東建物付近
所持品:ドラゴンバスター・ウコムの鉾
第一行動方針:マローネに憑いていく
基本行動方針:ゲームの破壊】

【マローネ@ファントムブレイブ
現在地:B4北東建物付近
所持品:センスゼロの髪飾り(SO3)
第一行動方針:アッシュを捜す】

【フラック@ウィザードリィ:死亡
B04建物下】

※小型拳銃、マホミラーはフラックの死体付近焼け跡に放置、いわは建物中程にて『焼け石』に変化して放置
予備マガジンを装填済み、弾数は15/17

25 : ◆u/54aujj2s :2005/06/21(火) 03:06:54 ID:nac/T2pA
轟音の後の静寂・・・
壷が爆発?一体なんだったんだ?

少し前のことを整理して考えよう・・・

「ところで城戸、お前の支給品はなんだ?
「あぁ・・・よくわからねえがなんかロボットみたいなやつで誰かのアイテムを奪う物らしい」
「ほぅ、使いようによっては何か役に立つものを持ってきそうだな」

そうだ・・・あの時俺は城戸の支給品であるゲッチューロボを使うように言って・・・

「それなら今使ってみればいい。武器は剣などの接近武器だけとは限らん。もし銃器なら残弾が多いにこしたことはない」
「そうだな・・・じゃぁここで使ってみるか」

玲司は自分の布袋からゲッチューロボを取り出し、スイッチらしきところを押す

「ゲッチュー!」

そう叫ぶとゲッチューロボは勢いよく飛び出して行った

「すごいな、布袋に入るだけの大きさなのにあの加速力。かなりの技術力が使われているな」
「・・・」
「さて、どんな物を持ってくるか。できれば役に立つものであるといいんだがな」


数分後


「よし、帰ってき……壷?」
「壷だな。っとやばっ落としちまった!」

26 : ◆u/54aujj2s :2005/06/21(火) 03:07:42 ID:???
・・・であの爆発だったわけか・・・

「すげえ爆発だったな・・・南条大丈夫か?」
「あ、あぁ大丈夫だ大事にはいたらない。軽い火傷と破片で切っただけだ」
「俺もそんなところだ。お互いペルソナを発動してて正解だったな」

爆発の瞬間、ペルソナが咄嗟に守り、被害を最小限に食い止めたようだ

「ふん、死神が人を守るとはな。なかなか味わえねえ経験だな」
「ヤマオカ、メディアラハンを一応頼む」
ヤマオカはコクリとうなずくと2人にメディアラハンを唱える
「効果は激減しているが、ないよりはましだろう」

怪我の方はまぁなんとか大丈夫だとして、この爆音はまずいな・・・
ここに人がいる と教えたようなものだ
ここは早く離れたほうがいい
と、するとどこに向かう?
北にちょっとした街がある。人が多く集まるだろうから仲間の情報が聞けるかもしれん
その分・・・ゲームに乗った奴と遭遇する危険もある・・・
ここは虎穴に入らずんば虎児を得ず。行ってみるとするか

「城戸、ここは早く移動しよう。人が集まる可能性が高い」
「そうだな・・・」

少し歩いた先でぽつりと玲司が言った

「しかし・・・あれだな」
「ん?」
「ああいう大爆発の後って髪がアフロになるもんじゃねえのか?」
「・・・あれはテレビの話しだ・・・」

【城戸玲司@ペルソナ】
状態:怪我と火傷(軽傷)
第一行動方針:ピアスの少年との再会。
基本行動方針:エルミン高校の知り合いと合流
【南条圭@ペルソナシリーズ】
状態:怪我と火傷(軽傷)
所持品:ヴォーパルソード (テイルズオブシンフォニア)
第一行動方針:ピアスの少年との再会。
基本行動方針:エルミン高校の知り合いと合流
【現在地:F04】
街に向かい北に移動中

※第一放送前

27 : ◆ZKXHbt7/As :2005/06/21(火) 03:09:41 ID:MWqIYSOn
補足事項

※B4北東の建物は全焼し、派手に煙を上げています

※フラックの遺体傍に所持品だった『不明』を追加(今後使うには無論そのアイテムは耐燃性とする必要あり)

※『焼け石』には特殊効果なし(リアルと同様)あまり時間を空けると『いわ』に戻ります

※放送直前

以上です。
面倒掛けてすみませんが宜しくお願いします。

28 : ◆u/54aujj2s :2005/06/21(火) 16:36:32 ID:???
>26
修正
>「ヤマオカ、メディアラハンを一応頼む」
>ヤマオカはコクリとうなずくと2人にメディアラハンを唱える

「ヤマオカ、ディアラハンを一応頼む」
ヤマオカはコクリとうなずくと2人にディアラハンを唱える

29 : ◆ZKXHbt7/As :2005/06/21(火) 21:50:44 ID:MWqIYSOn
さらに補足;;

ライキューム南東側の部屋全焼。被害拡大はなし。
小型拳銃の弾薬は使用不可。

以上でお願いします。

30 : ◆u/54aujj2s :2005/06/21(火) 23:18:20 ID:nac/T2pA
>25> 26を破棄します

31 :彼氏彼女の覚悟 ◆p1hPuPSiUg :2005/06/21(火) 23:33:54 ID:???
森を揺るがす轟音が起き、辺りの鳥達が一斉に飛び去った。
壺があったところの地面は消失し、クレーターと化している。
近くにあった大木の幹が半ばから折れていることからも爆発の衝撃が窺える。
ゲッチューロボはその役目を終え機能を停止する前に
壺の威力によって融解、消滅した。
動くものはその風景の中に存在しなかった。



――東へ、東へ。ただ東へ――
どれくらい走ったろう? どれくらい歩いたろう?
目が霞む。視界が狭い。地面が見られない。
一歩一歩、足を踏みしめて歩く。もう転んだら起きられない気がする。
否、それはきっと予感ではない。木の枝で杖を作って、それによりかかる。
右腕の感覚はずっと前からない。火傷のせいだ――荷物も全部、落としてしまった。
もう、自分以外の重さを持っている余裕など無い。そもそも体がこんなにも重いのに。
あいつに振りかけられた海水が乾いて傷口にしみこむ。その焼けるような痛さだけが、
かろうじて千晶の意識を現世に保たせていた。倒れ、休んだ時が死ぬ時だ。

32 :彼氏彼女の覚悟 ◆p1hPuPSiUg :2005/06/21(火) 23:35:00 ID:???



――東へ、東へ。ただ東へ――
「城戸、大丈夫か? もう少しで休める所までつく。それまでの辛抱だ」
「すまねぇ……俺のせいで、こんな事になっちまってよ……」
「気にするな。貴様一人の重さなどどうと言うことは無い。俺は日本を背負って立つ男だからな」
180センチを越える巨漢である城戸レイジ。筋肉の鎧に身を纏い、学生時代は割れている腹筋を
見せ付けていたことから「裸番長」とよばれていた男――城戸は、しかし今瀕死の重傷にあった。
壺が割れる直前、その危機を察した城戸はペルソナを呼び地変魔法で大地を削り、
そこに南条を落としたのだ。爆風が届かぬよう、穴を自分の体で塞いで。
衝撃のショックで軽く失神していた南条が気付いたときには、城戸の体はボロボロだった。
特に脚がひどく、壺の破片が潜り込み各所から出血している。ペルソナで傷は塞いでも、
破片を取り除けるわけではなかった。歩く事がままならず、南条に背負われている。
とうに気絶していてもおかしくないその傷でも、城戸は強靭的なその精神力で意識を保っていた。
南条に負担をかけまいとして。南条もそのやせ我慢がわかるだけにできるだけ急ごうとするのだが
城戸の体はあまりにも大きく、一人で運ぶには限界がある。
自分の力の無さを、運命の意地の悪さを痛感している所だった。



……運命は、そんなに残酷じゃない。私はこんな所で死んだりしない……
私が生まれてきた意味は? なんのために今まで生きてきたの? 
それに答えられないような愚か者じゃない。私は道をみつけたのに。
私にしかできない事を見つけたのに……
うわ言のように呟きながら千晶は歩を進める。
前へ前へ。止まっている暇などない。躊躇う暇はない。
その分だけ命の時間は削られているのだから……
遠くで、爆発音がした。その衝撃が風となって千晶の体を襲う。
爆心地からは遠い。健康な人間なら気にならない程度の風力でも、
今の千晶に耐え切ることはできなかった。前のめりに、倒れて行く。
土壁が迫り、顔を襲う衝撃と共に千晶は転倒した。受身を取る事もできず。
己の呼吸音を聞き続ける。喘息患者のような音。臨終の時は近い。
――私は……こんな所で、終わるのかしら……
……あなたと一緒に、楽園を創りたかったのに、ね…………
最後に幼馴染みだった少年の顔が浮かぶと、そのまま意識を失った。

33 :彼氏彼女の覚悟 ◆p1hPuPSiUg :2005/06/21(火) 23:36:00 ID:???
「……だから俺は言ってやったのだ、『男南条、一歩も退きはせん!』とな」
「……はは、お前らしいぜ南条……」
先ほどから、南条は黙りがちになる城戸に声を掛け続けている。
ペルソナによる回復の効果は薄い。今の城戸を奮い立たせているものは
心だ。心が失われたとき、城戸の体も――その先は考えないように、
南条は休める場所を探す。
いや、頭のどこかではもう助からない事はわかっている。冷静な自分がそう告げている。
完全治癒を及ぼすディアラハンにしたところが先ほどの効果しかあがらなかったのだ。
この先にどんな幸運があると言うのだろうか、それよりも自分一人で……

昔の南条ならそう考えていたかもしれない。三年前なら、目的の為なら
他者を切り捨てる事をも良しとしたかもしれない。だが今は違う。
あの音痴の男に触れ、ニット帽のサルの熱き魂に触れ、壊れそうな少女の優しい心に触れ……
南条は変わったのだ。友人を犠牲にしてまで活きる生になどなんの意味があろうか。
理性では割り切れない熱いソウルは、男南条圭に深く刻み込まれていた。
大体。城戸には家庭があるのだ。彼らの同期の中で一番早く祝言をあげた。
それを聞いたときには吃驚したものだ。残念な事に学業の為英国にいた為
祝電を打つだけに留めたが、城戸の奥方はたいそうな美人だと聞く。その奥方の為にも
この男を死なせるわけにはいかぬ。南条は城戸の体をもう一度支えなおし……

「……おい。……おい、城戸!!」
「…………あぁ、すまねぇ…………なんだか、お前の声が聞こえなくってよ……」
「呆けるにはまだ早いぞ。珠阯レ市に戻って、セールスを続けなければならんのだろう?」
「そのことなんだがよ……ぐっ……お前に、頼みが……ある」
「頼みなら休んだ後で聞いてやる。だから今は喋るな」

構わずに城戸は喋り続ける。いつになく饒舌に喋り続ける。

34 :彼氏彼女の覚悟 ◆p1hPuPSiUg :2005/06/21(火) 23:37:18 ID:???
「これを……持ってて、くれねぇか……?」
城戸が渡したのは写真だった。普段笑顔を見せぬ彼が、はにかんで立っている。
その傍らには慎ましやかに見える日本的美人の女性。こちらも嬉しそうに微笑っている。
持ち物は全て没収されるこのゲームでどういう手妻を使ったのか。
いや、それよりも前に聞く事がある。
「なんだこれは。どういうつもりだ城戸。俺に渡した所でプロマイドと交換とはいかんぞ?」
目の前の現実を否定したくてつい冗談を口にする。三年前には考えられもしなかったことだ。

「これ……俺の、大事なものでよ……この間までは、オフクロが一番大切だったんだが。
 今は……あいつの、ちっぽけな体を、護ってやりてぇんだ……生まれてくる、命の、ためにも」
空気と共に血を吐いて城戸が咽る。吐血をすると言うことは内臓が破れているのか。
先は長く――――
「ふざけるな! だったらなおさら、生きねばならんだろうが!
 こんな所で一人死ぬなど俺は許さんぞ! 不死身は貴様の専売特許ではなかったのか、城戸!?」
「もし、生まれてくるガキが男の子だったら……鷹司、って……いい、名前だろ……」
城戸の瞳に色はない。もう声が届かないのか。ヤマオカを呼び出し回復呪文を唱えさせる。
それが、意味が無い事がわかっていても。ヤマオカは力なげに首を振った。

「なん……じょう。後は、たの…………」

ペルソナの共鳴が、消えた。

35 :彼氏彼女の覚悟 ◆p1hPuPSiUg :2005/06/21(火) 23:38:03 ID:???




叩く音がした。その音がきっかけで、ゆるゆると覚醒する。
「――なんだ。地獄もあまり代わり映えがしないじゃない――」
「生憎とここは地獄ではないぞ。それに近い場所であることは確かだがな」
声の方向に目を向ける。ライダースーツを纏った眼鏡の男性だった。
尊大そうな表情を向け、彼は言葉を続ける。
「もう少し寝ておくんだな。その傷が塞がるまでしばらくかかる」
ハッと気づき、自身を見渡す。全身の火傷が塞がりかけている。
傷がかさぶたとなり、新たな皮膚が生まれはじめている。重かった体が妙に軽い。
その訳は、すぐにわかった。表情を見て取ったのか眼鏡の男が言葉を続ける。
「……右腕は、切り捨てさせてもらった。細胞が壊死していた。
 そのままでは腐り落ちるだけだったからな」
「そう……私の体を治したのはあなたなの。でもなぜ?」
「自分の腕をなくしたことの反応はそれだけか? 随分変わった奴だな」
男が驚きの表情を作った。
「生きているだけましだわ……生きていれば、なんとでもなる。死ぬよりはいい……
 それよりも、質問に答えて。どうして私を?」
「…………見ろ」
男は体をどけた。バランスのとり難い体を起こしてそちらを見る。穴が開いている。
そしてその中には、目を閉じ腕を組まされた男がいた。いや――人だったものがあった。

「俺の仲間だ……そして、友人だ。ついさっき、俺を庇って息を引き取った。
 ……もう誰も、俺の前で死なせたりはしない。それが……俺の覚悟だ」
ぐっと手を握り締める。その手には何かが挟まれていた。思い出の品だろうか。
「目の前で死にそうになっている女一人助けられずに、どうして日本一の男など目指せる?
 だから助けた。放って置いてほしかったのなら謝罪するが」
「……いえ、感謝するわ。助けてくれてありがとう」

その言葉に答えず、男は遺体に土をかけ始める。これだけの作業を一人でやるつもりだろうか。
そもそも、辺りにスコップがあった様子が見えない。
「……私も手伝う」
「下がっていろ。傷は塞いだが体力は戻らないはずだ。それにこれから、失くした腕が痛み出す」
「……それでも、手伝う。その代わり……埋めて欲しいの。私の腕も、一緒に」
それが私の覚悟だから。


呟いた少女に、南条圭は手を止めて隻腕の少女を見据えた。
「そう言えば名乗っていなかったか……俺は南条圭。一番の日本男児になる男だ」
「私は橘千晶。この世の支配者になる女よ」

こうして、友を亡くした男と、腕を喪くした女は出会った。

36 :彼氏彼女の覚悟 ◆p1hPuPSiUg :2005/06/21(火) 23:41:20 ID:???
(放送直前)

南条圭(ペルソナシリーズ)
現在地:F05 街道から少し外れた木陰
状態:軽傷、かなりの精神力の疲労(ペルソナの使いすぎ)
所持品:ヴォーパルソード (テイルズオブシンフォニア)
    城戸と奥さんの写真
第一行動方針:少女から事情を聞き、体を休める
第二行動方針:エルミン学園の知り合いと合流
基本行動方針:誰も死なせない。絶対に

橘千晶(真・女神転生3)
現在地:F05 街道から少し外れた木陰
状態:全身火傷(かさぶたができかけ)右腕喪失
所持品:木の枝 スタンガン
第一行動方針:体力回復まで待つ
第二行動方針:南条圭と取りあえず協力する
基本行動方針: 生き残る。絶対に

備考・南条と城戸の布袋はうっぷんばらしの壺で破壊されました。
   千晶の布袋はすぐ近くの街道に落ちています。

【城戸玲司  死亡】

37 :善悪、それは── ◆1bdo6Ek.sk :2005/06/22(水) 00:37:52 ID:???
「あぁ・・・う・・・そ・・・・・・?」
アティの背中から腹部を貫いた槍。
勢いよく刺さったそれにより、アティの体から血液が抜けていく。
「・・・カ…ハァ…ヒュ-…ハァ…ハァ……ヒュー…」
運が悪く肺がつぶれたのか、その場で血を吐き息絶え絶えになるアティ。その血がしいなの顔に幾つか付く。
「あ・・・あ・・・!?」
目の前で今まで喋っていた、自分を守ってくれようとした人が崩れ落ちていく。
「あ・・・アティ・・・さん・・・?」
今まで忍として学んだ事、それが頭の中からすっぽり抜け、その様子を見守る事しか出来なくなっているしいな
ドサッ。と言う音と共にアティの周りに赤い血の溜まりが出来ていく。
「フフッ・・・」
動揺し、放心し動けなくなっているしいなに一歩、また一歩と近寄るピアスの少年、次はしいな、彼女の命を奪おうとする。



ただ、その様子を黙って見ているほど彼は『善人』ではなかった

「お・・・」

あの『悪人』を殺すという『善行』をした人間を許せるほど、彼は『善人』では無かった。

「お、お前はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


38 :善悪、それは── ◆1bdo6Ek.sk :2005/06/22(水) 00:38:40 ID:???

優しさと言う名の邪悪なる心を持つ男、ガイウスが吼えた
彼は今起きた事を一番早く理解した。
あいつ等のような邪悪極まりない女。そんな女をそんなか簡単に殺すような『善人』反吐が出る!!!
そう思ったが矢先、目の前の敵を忘れ、ピアスの少年へと駆け出そうとした。

目の前にいた『善人』を忘れて。

今まで殺し合いをしていた『善人』アシュトンを忘れて。

「グァ!?・・・ガァ!!?」
ピアスの少年の下へ駆け出そうとしたその矢先、後ろから何かがガイウスの背中を貫いた。
「僕の事・・・無視しないで欲しいな・・・!?」
そう、アシュトンが呟く。
「て・・・テメ・・・ぇ・・・」
「ゴメンね?でも大丈夫だよ?後で神にお願いするから・・・もちろんあの人も生き返らせるから、みんな僕が救い出してあげるから・・・」
ガイウスの背中を貫いた何か──無銘の刀をゆっくり引き抜くアシュトン。
そこから溢れ、止まらない血液。
「テ・・・てめ・・・え・・・極・・・悪人のよ・・・うな事言ってるが・・・本当・・・は・・・スゲェ善人だな・・・」
崩れ落ち、倒れるガイウス。
「反吐が・・・でる・・・」
最後にこういい残し、彼の命は事切れた。
「そう・・・分かってくれると僕も気が楽になるよ・・・」
ガイウスの死体を凝視しつつ呟く。
「・・・そうだ、僕は良い事をしてるんだ・・・間違っては・・・いないんだ・・・だから・・・」
ガイウスが善悪が逆の住民とはしらず、そのままの意味で捕らえるアシュトン。
彼の血がまだポタポタと滴り落ちる刀をしいなとピアスの少年に向ける。
「君たちも、救ってあげるよ!!」


39 :善悪、それは── ◆1bdo6Ek.sk :2005/06/22(水) 00:39:14 ID:???

「・・・参ったな・・・」

アシュトンの『善行』を終始観戦していたピアスの少年。
彼は先ほど飛ばした槍を取りに、いつのまにか肉の塊となったアティの元へと来ていた。
刺さっている槍を少し浮かす。力を失ったアティの重みでその槍はズルリとアティの元を離れていく。
血が滴るその槍を構え、ピアスの少年は横で恐怖で震えているしいなを横目で見る。

横に居るこの女は別に今殺さなくてもいいだろう。もう恐怖で何をする事も出来ない様子だ。
だが、目の前のドラゴンを背負った化け物はマズい。
普通の奴ならばセイメンコンゴウでも十分戦えるのだろうが、後ろのドラゴンの力、そして剣の腕、現在の俺では勝てない事も無いかもしれないが体力を消耗するのは明らかだ。
アメン・ラーが本調子で出せるのならば大丈夫だろうが、何故か今出す事は出来ない。無理やり出そうとしたら出せるのだろうが今この状況で出すのは得策じゃない。
ならば、交渉したほうが賢いな。失敗したら戦うだけだ。
そう、分析した。そして双龍の男──アシュトンに話し掛ける。
「待ってくれよ、双龍を背負った君」
「命乞いかい?大丈夫、僕が救ってあげるから・・」
話を聞く様子も無く剣を構え、一歩一歩近寄ってくる。
「ははは、ちょっと違うなあ。さっきの話聞いてたよ?皆を生き返らせるって願いなんだろ?・・・俺も君と同じ考えなんだ」
その言葉に少し反応する。
「同じ・・・考え・・・?」
「そう、同じ考え。最後の一人になってみんなを生き返らせる、そうすれば全てがチャラになるんだろ?」
「うん・・・そうだよ?」
「だったら、まだ始まったばかりでお互い殺しあうのは得策じゃないんじゃないか?まだ始まったばかりなんだしさ」
そう言って恐怖に怯えたままのしいなの方を見る。
「私利私欲の為に願いを叶えようとしている奴を予め殺してからじゃないと、それは出来ないだろ?」
「・・・なるほど・・・今は君と僕は戦う時じゃないって言いたいんだね?」
アシュトンはその話の言いたい事を理解し、ピアスの少年に向けていた目線をしいなの方に向ける。
「・・・え・・・?あ・・・あ・・・アタシ…?」
その会話の内容を二人に遅れて理解したしいな。
「分かってくれたかい?」
元々しいなの支給品であった槍を向けるピアスの少年。
「あ・・・あ・・・!?」
じりじりと近寄ってくる殺意を持った男二人。
「あ・・・い・・・嫌だ・・・!・・・嫌・・・や・・・やめ・・・て・・・?」
追い詰められるしいな。

「い、嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁ・・・・・・・っ!」

40 : 善悪、それは── ◇1bdo6Ek.sk :2005/06/22(水) 00:39:40 ID:???
【しいな 死亡】

41 :善悪、それは── ◆1bdo6Ek.sk :2005/06/22(水) 00:40:14 ID:???

森の中、しいなの慟哭が木霊した────






数分後──


42 :善悪、それは── ◆1bdo6Ek.sk :2005/06/22(水) 00:40:50 ID:???
──数分後 アシュトン

『そう、僕は間違っちゃ居なかったんだ。』
ピアスの少年と別れ、目的地も無く歩きつづけるアシュトン。
『あのピアスの男も僕と同じ意見だった・・・きっと、それが一番正しいんだ・・・』
暗い森をただ一人歩く。
『それに・・・僕に殺されたあの男の人は言ってくれた。僕は善人だって、大丈夫だ、他の皆も分かってくれる筈さ。』
間違った世界の間違った感覚、それだけを信じつづけ、アシュトンは歩き出す。人を救うために。人を救うという自分勝手なエゴの為に。

【アシュトン・アンカース@SO2
 所持品:無銘の刀
 第一行動方針:参加者を殺して支給品を奪う。
 基本行動方針:優勝してドラゴンを祓ってみんなを蘇らせる】
【現在地:F01南の森を移動中】

※第一放送前

43 :善悪、それは── ◆1bdo6Ek.sk :2005/06/22(水) 00:41:26 ID:???


数分後 ピアスの少年
『良かった・・・悪魔交渉なんてあの事件以来だから少し不安だった』
双竜の男と別れ、親友たちを求め歩きつづけるピアスの少年。
『それにしても・・・殺して救うなんて何て変な考えを持った悪魔なんだろう?俺には悪魔の考えてる事は理解できないや・・・』
暗い森を仲間を求めて歩く。
双竜の男が「斧は逆に邪魔になる」と言って譲ってくれた斧を見つめながら仲間を求め彷徨う
『アイツらがちゃんとした武器持ってるとは限らないからね・・・運が良かったよ・・・後は・・・早くあいつ等に会いたいよ・・・寂しいなぁ・・・大丈夫かなあ・・・?』
【ピアスの少年@ペルソナ】
 所持品:果物ナイフ 鞭 金剛石の槍 ガーラルアクス(ガイウスからルート)
 第二行動方針:目に映ったやつは始末しておく。
 第一行動方針:知り会いと思えるべき人たちに会う。
 基本行動方針:生き残る】
【現在地:F01南の森を移動中】

※第一放送前

44 :善悪、それは── ◆1bdo6Ek.sk :2005/06/22(水) 00:42:10 ID:???


──数分後 しいな


『アタシ…生きてるんだよね…?』
今先ほどの事を思い出し安堵の溜息を付くしいな。
実際彼女は狂人二人に囲まれて死を覚悟した。
そして目を瞑り、葬られるその瞬間。ピアスの少年の頭に小石が飛んだ。
ピアスの少年、アシュトン、そしてしいなもその石が投げられた方向を見る。
そこには、腹に大穴が空き、瀕死になっている筈のアティが顔をあげていた。
「ヒュー…にげ…ヒュー…なさい・・!!」
潰れた肺から空気が抜けてるだろうに、そうしいなに声をかけながらうつぶせのまま再び小石を投げるアティ。
その石により狂人二人は気を取られ、一瞬隙が出来る。
そのスキに木の上に隠れ、二人の狂人がその場から去ったのを見計らって木から下りた。


『あの二人は…居ないようだね…』
自分を助けてくれようとし、命を落した二人の元へと戻ってくる。
殺しをしたものは一度殺害現場から離れるとよっぽどの事が無い限り戻ってこないという忍びの教えと、自分なんかの為に命を落してくれた二人を弔って上げたいと言う気持ちがしいなを二人の遺体の元へ戻らせた。

男性の方はともかく、最後に私を逃がそうとした彼女──アティの死体は酷いものだった。
動かなくなった体に何度も何度も剣や槍を突きつけられたのだろう、出会った時は真っ白かったマントが、赤く染まっている。

45 :善悪、それは── ◆1bdo6Ek.sk :2005/06/22(水) 00:42:44 ID:???


「アティさん…見ず知らずのアタシなんかのために…ゴメンよ、ゴメンよぉ…」

二人の遺体に涙ながら手を合わせる。土を掘り起こすという派手な行為は出来ないが、せめて目立たないように木の横に眠らせてあげようと思い二人の遺体を動かす。
ガイウスの死体を大木の横に安置し、アティの遺体を動かそうとした時、アティの遺体の下に血に塗れた支給品袋が落ちているのを発見した。
『遺体の下に支給品?隠れて見つけられなかったのかい・・・?』
支給品袋を開けてみる、そこには一本の美しい剣が入っていた。
「これは・・・剣…?」
しいな自体は剣の扱いは得意ではないが。本当に信頼できる仲間の一人が剣士である。もし彼に会う事が出来るのならばとても心強い一品である。
「アティさん…」
元の持ち主の方を見る。持ち主は何も言わない。
「…ごめんよぉ…アティさん…本当にごめんよぉ…貴方の支給品、使わせてもらいます…きっと・・・ロイドに渡したらこの馬鹿なゲームを…!!」
そう、目に涙を溜め何も言わないアティに感謝と謝罪の気持ちを伝える。

ただ、しいなは知らない。そして、もうすぐ知る事になる。その剣を渡そうとしている男が、ロイドが・・・
『大丈夫、きっと会える!!』
救いのない希望、それだけを信じつづけ、しいなは歩き出そうとした。仲間に会うために。仲間にこの剣を渡すために。
ただ、その歩みは・・・・

【しいな@テイルズオブシンフォニア】
 所持品: コリンの鈴 グランドリオン(クロノトリガー)
 第一行動方針:ロイドやコレットに会う。
 基本行動方針:ロイドに剣(グランドリオン)を渡す】
【現在地:F01南の森】

【ガイウス 死亡】
【アティ 死亡】

※第一放送前

46 :未来世界の走り屋 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/22(水) 01:59:21 ID:???
「おい! ジューダス!?」
 怪しい気配に移り変わったジューダスにクラトスが声をかける。
 まるで意思が奪われたかのようにジューダスの目は虚ろっている。

(……効きが悪い? 他の三人は耐性でも持っているのかしら?
 それとも私のテンプテーションの効果が弱まっている?)
 目の前にいる四人は、全員男性。
 だから、必殺のテンプテーションを使った。
 なのに、何故か効果が出たのは、長剣を持った男一人だけ。
(どちらにせよ、連続して使う暇はないわね……。
 この男に一人を襲わせて、残りの二人を私が……)
 黒い魔剣士に傷つけられた左腕はまだ上手く動かせないが、残りの三人はさしたる武器も持っていなさそうだ。
 何より、笠を被った男のアイテムが消えたのは確認した。
 もう一人の赤髪の青年は、何も持っていない。
 おそらく、攻撃に使える支給品ではなかったのだろう。
 誘惑された男の名を呼んでいる奴の持っているのは果物ナイフのみ。
 こいつは魔法を使っていたが、魅了したやつに襲わせればいい。
 あんな獲物では接近戦で打ち合うのは無理だとふむ。
 残りの二人は体術で戦っていた。ならば七英雄で魔法も使える自分の敵ではない。
 とロックブーケは判断した。

「さぁ、その目の前の男を殺しなさい」
 冷めた声でロックブーケは、ジューダスへと命令を下す。
「ッ!? やはり魅了されたか!」

47 :未来世界の走り屋 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/22(水) 02:01:14 ID:???
 ロックブーケの声により、クラトスの嫌な予想は確信に変わった。
 運が悪いことにフランベルジュはジューダスの手にある。
 しかも自分の手元にあるのは果物ナイフだ。
「くそ!」
 いきりたったジューダスが剣を繰り出してくる。
 避けるものの、果物ナイフなんかでは打ち合えない。
 魅了状態では技や魔法を使えないとはいえ、ジューダスの剣技がなくなるわけではない。
 呪文を唱える暇もなく、接近戦で絶対的な不利に強いられた。 

「さて、あなた達の相手は私」
 シレンとクロノを補足するなり、右手に雷を宿らせ始める。

―――どうする?

 シレンがクロノの方を向く。
 彼の長年の勘が、目の前の女性は危険だと訴えている。
 ジューダスというらしいあの男は、どうやら魅了されたようだ。
 彼の相方は必死に、魅了されたジューダスの攻撃を躱している。
 あの二人が、此方に加勢してくれるのは難しいだろう。

―――退けるか?

 くいっと首を斜め後ろへ振り、クロノが撤退の意思を伝える。

―――彼等は?

 ジューダスとクラトスの方へ、同じく首をシレンは傾けた。

―――考えがある、任せてくれ。

 コクリという返事と強いクロノの意思。
 シレンはそれに従う事にした。

48 :未来世界の走り屋 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/22(水) 02:02:07 ID:???
「食らいなさい!」
 ロックブーケの手から雷が放たれる。
 彼女の得意とする招雷の術だ。

 それを合図に、シレンとクロノは雷を避けるために左右に飛び跳ねると、後方へと走り出した。

「ちょっ、待ちなさい!」

 ロックブーケはシレンとクロノを追おうと走っていくが、彼等の足は中々早い。
 あまり距離を空けてはテンプテーションの効果が消えてしまう可能性もある。
 もしかしたら、彼等はこれを狙っていたのだろうか?
 策ならはまるわけにはいかない。ただ逃げるのならばそれでいい。
 今は残った一人を確実に倒そう。
 そう思うと翻してクラトスの方へ向かった。

 必死に避け続けるクラトス。
 しかし、少しずつ身体にかすり傷が増え出していく。
(どうする? このままじゃジリ貧だな。
 しかし術の主が離れた今がチャンスか?)
「お仲間は逃げたようね」
 クラトスの考えを他所に、ロックブーケは戻ってきた。
「くそっ!?」
「さぁ、お好きな方を避けなさい。
 私の雷に撃たれるか、彼の剣に貫かれるか。
 好きな方を選びなさい」
 ロックブーケの手に再び雷が集まり始める。 
(ここまでか!?)
 今、まさにクラトスが諦めようとしたその瞬間

49 :未来世界の走り屋 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/22(水) 02:02:30 ID:???

 ブォンブォンブォンブォン

「なにかしら?」
 突然、森に響き出した爆音にロックブーケの注意がそれる。
 やはり先ほどのは策だったのだろうか?
 彼らが策が通じないと見て、戻ってきた?
 そうも考えたが、それにしてもこの音はおかしい。
 しかし爆音は、少しずつ近づいてきて大きくなる。

 ブォンブォンブォンブォンブォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!

 ロックブーケの目が爆音のする方へと注がれた。

「!?」

 
 倒れ伏せたワルサーは様子を伺っていた。
 見れば先ほどまで自分と戦っていた一人が仲間割れを起こし、突如現われたあの女が残る二人を相手してくれている。
 少しすると二人組が戦場を離脱し、女もそれを追いかけるように走っていった。
 女の方は直ぐさま戻ってきたが、注意はあの男にいっている。
 ならば、今がこの戦場を離脱するチャンスだ。
 身体に鞭を打ち、必死に立ち上がろうとしたその時だった。

「ぐはぁ!?」

 走ってきた物体……いや、ジェットバイクにワルサーの身体が吹っ飛ばされる。
 打ち所が良かったのか、森のおかげで助走が十分でなかったのか、猛烈な痛みはあったものの軽く飛ばされただけで済んだ。
 ただし、再び意識は失ったが。

50 :未来世界の走り屋 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/22(水) 02:04:24 ID:???
 ワルサーにぶつかろうが、構う事なくロックブーケの元へと一目散にクロノがジェットバイクを走らせる。
 後方にはシレンを乗せている。
 慌てて避けようとするロックブーケだが、敵の速度は最後の直線に入りあがりつづける。
「あぁ!?」
 身体を捻って間一髪避けるが、上手く動かなかった左腕がバイクにぶつかり、千切れこそしなかったもののより痛みとダメージを負う。

 クロノがそのままロックブーケにぶつかるべく突進した時、シレンもまた飛び上がっていた。
 
 そしてシレンは飛び上がった勢いで……
 ゴッ!!
 クラトスの後頭部へと気絶させるための蹴りを入れた。

 魅了したジューダスは気絶してしまった。起きた時には、元に戻っているだろう。
 一転して不利になったロックブーケは、一目散に逃走を開始した。
 あの乗り物ではこの森を追跡するには難しいはず。
 クロノが再び此方へアクセルを踏み出す前に、残る二人が此方へ目標を移さないうちに、直ぐさま逃げ出した。

 バイクでは木を盾にして逃げられては、速度を出せば切り返しが上手くできない。
 無理にやれば木にぶつかる、かといって速度を出さなければ追いつけない。
 此方が不利だ。ならばとまだ直線である今、逃げ出すロックブーケへとクロノは呪文を唱える。
 やられた物をやり返すかのように、彼の放つ十八番もまた雷だ。

―――サンダガ!!!!

 クロノの手から雷が一直線にロックブーケへと向かう。

51 :未来世界の走り屋 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/22(水) 02:04:58 ID:???
 だが……
 雷はロックブーケの身体にあたるも彼女の走りは全く衰えない。
 その様子にクロノは驚く。一度のチャンスを逃してしまったからだ。
 そして彼女は木を盾にして森の奥へと消えていってしまった。

「これを着ていなかったら危なかったわね……」
 ロックブーケやシレンの雷を防げた理由、それはたいでんカッパを着ていたからだ。
 しかし、彼女には腑が落ちない事がある。
(この島にはテンプテーションが効かないやつが多いのかしら?
 それとも威力が弱まってるのかしら?
 どちらにせよ、これからは過信しない方が良さそうね。特に兄さんに会うまでは……)
 痛む左腕を抑えながら、ロックブーケは森の暗闇を走っていった。


【No29.ロックブーケ@ロマサガ(左腕使用不能)
 所持品:たいでんカッパ@電気を防ぐ
     ソーディアン・ディムロス@テイルズシリーズ
 現在地:E03森
 目的:ノエルに会う。他の参加者は殺す 】

52 :未来世界の走り屋 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/22(水) 02:06:02 ID:???
【シレン@風来のシレン
 基本行動方針:ゲームからの脱出
 第一行動方針:正しき者への援護。
【クロノ@クロノトリガー
 所持品:ジェットバイク(残りおよそ23時間50分稼動)
 基本行動方針:ゲームからの脱出
 第一行動方針:正しき者への援護。
 第二行動方針:仲間と出会う】
【ワルサー@ドカポン
 状態:気絶
 所持品:サモナイト石(ポワソ)
 基本行動方針:神様を殺す
 第一行動方針:目の前にいるヤツラから逃げる
 第二行動方針:印の解除。邪魔する者、利用できない者は殺す】
【クラトス・アウリオン@テイルズオブシンフォニア
 所持品:果物ナイフ
 基本行動方針:ジューダスに協力
 第一行動方針:ワルサー・ロックブーケを倒す
 第二行動方針:ロイド、コレット、しいな、のいずれかと合流】
【ジューダス@テイルズオブディステニー2
 状態:気絶
 所持品:フランヴェルジュ(片手剣)
 基本行動方針:バルバトス・ゲーティアの抹殺
 第二行動方針:仲間集め】
【現在地:E04西部の森】
放送前

ポワソはワルサーが再び意識を失った際に消滅。

53 :未来世界の走り屋 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/22(水) 02:09:25 ID:???
>>50
>クラトスの後頭部へと気絶させるための蹴りを入れた。

ジューダスの後頭部へと気絶させるための蹴りを入れた。

に修正します。

54 :未来世界の走り屋 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/22(水) 02:46:06 ID:???
>>51
>特に兄さんに会うまでは
特にお兄様に会うまでは

に修正を……(恥

55 :ゲーム好き名無しさん:2005/06/23(木) 21:41:50 ID:???
ホシュ

56 :魔王の涙 ◆4HHIsq9ihA :2005/06/24(金) 05:33:13 ID:HOLShB1A
さあて…あのハーフエルフの方と別れてから結構な時間が立ちました。
あの壮大な魔力の持ち主を探すため。北へ東へテンヤワンヤ!!!
つい先ほど東北の方角でもの凄い魔力の解放の力を感じたので突撃してみようと思います!!もちろん装備はこの冷たく美味しそうなマグロ!!

おっと、私の名前ですか?これは失礼!すっかり忘れていました。
私の名前は魔界の美しき貴公子!!人はこう呼ぶ!!美しき魔界のプリンス、ビューティ男爵バイアスと!!
と言っても本当の姿は秘密なんですがね〜♪



──まあ、今この場所では私の正体なんて何の意味も持たないのでしょうが…



っと、話がそれてしまいましたね。まあ簡単に言うと超スッゲー力をこの先に感じて。
『これはもしかしたら探していたあの方?う〜んビンゴ♪私はとっても運がいい!!』
と、いう訳で向かっている真っ最中なのですね〜♪よく悪人とかが放つ"邪悪な力"ではありませんでしたし♪

そんな事を考えている矢先。私が前に歩を進めているところに、とある男が血相を変えて私の方へ走ってきたんですよ。
ええ、ビックリしましたよ。正に『殺されるっ!!』って顔をしているんですよ。

私が向かっている方向から走ってきた事もあったので声をかけてみたんですよ、優しく『どうされました?』って。
そしたら何とこの美しい魔界のプリンスの顔をみた瞬間
「ま、また人外か!?し、しかし相手は一人…この人外め!!正義の刃!!受けてみよぉぉッ!!!!」
とか何とか言って私に切りかかろうとしたんですよ!!
もうビックリですよ!私が同じ種族じゃないという理由で話も聞かずに切り付けようとするんですよ?

57 :魔王の涙 ◆4HHIsq9ihA :2005/06/24(金) 05:34:06 ID:???



──こういう人間ばかりではないとは分かっています、むしろ少数派だと信じてます…だから私は天界、魔界、人間界の隔たりの壁を無くそうとしました…
しかし…こういう『自分の種族以外クズ』だと信じて疑わない方が居る事も事実です、それが正義と疑わない人も多数います…しかし私は…それでも…



っと、また話がそれてしまいましたね?まあ問答無用っぽいので私は臨戦体勢を整えるため、ちょっとだけ魔力を開放してみました。
自慢じゃないですが力が大分抑えられているとはいえ普通の人間がみたらビビるでしょう。それだけで十分脅しになると思いますよ?
これで逃げてくれれば万々歳ですが、そうも行かないで…
「ま、また奇妙な力か!?き、貴様も覚えていろキサマー!!」
…戦う事無く去っていきました…向こうでよほど恐ろしい事があったんでしょうね。かなり肩透かしを食らってしまいました…
まあ平和的に解決するのはOKOKなので無問題です♪
しかし…彼は何に遭ったのでしょうか…私の足は早足になります。



──もし彼以外として私が見たことが無い種族の場合、ちゃんと交渉できるのでしょうか?
いや、もし仮に彼だとしても、私の意見に賛同してくれるでしょうか?
そしてどちらとしても…もし戦う事になったら、今の私で勝てるのでしょうか…?




っと、またまた話がそれましたね♪とってもシリアスに考え事をしながら歩いていると、3人の人影が見えました。
目を凝らしてよく見てみます。え〜っと…会場で会ったあのお目当ての人は居ませんが・・・
え〜っと…ファントムが一人、機械が一人、後は…見た事がない種族ですね…何でしょうか?
遠目では少し分かり辛いですが…三人でフレンドリーに話しています。

58 :魔王の涙 ◆4HHIsq9ihA :2005/06/24(金) 05:34:59 ID:???
とにかくまずは話し合わないと何にもなりませんよね?
そう思って私は彼らの元へ近寄ってみようと思ったんですよ。
で、早足で駆け寄ろうと思ったのですが…
「あっ!?」
迂闊でした、まさかこんな所に段差があるとは!!このビューティー男爵バイアス、その段差という罠にに引っかかり宙を舞う事になってしまいました!!
まあ早い話が段差でズッコケたのですが。

その反動で装備していたマグロが空を飛んでいったんですよ。ええ、正に空を舞うマグロでした!!
そして空飛ぶマグロ何処までも飛んでいき、気づいた時には…彼ら3人の足元に刺さっていたんですよ・・・

ええ、コイツはヤバイって思いましたね、おまんじゅうを喉に詰まらせた時の事を思い出しましたよ、うん。

「ヒイイイイイイイ!!!ノエルサン!アッシュサン!ム、向コウカラ最高級ノ冷凍マグロガ!!!?!?」
ロボットの方がいち早く私の場所をキャッチします。うわぁ〜…とっても正確…
「ああ、分かっている!!!邪悪なるものに打ち勝つ力を!!水竜の力!!エカルラァァァト!!!」
幽霊の方が水竜の力を開放します。さっき感じた力はこれでしたのか、とっても強そうです。
「私も行きます!!立ち塞がる者を消し去る炎!!灼熱の赤竜!!ヒィィィィィィィトハンドォ!!」
種族不明の方もそれに続きます。今度は炎の力ですか…ははは…ハハ…

ヤっっバ〜イ♪

あのかみという男に力を制限されていない状態でもこの三人と戦うのは骨が折れるだろうと推測されるのに…
制限されているこの状況だと一人でも結構骨が折れるでしょうに…
どうなるんでしょうか私…ハハハ…ハハ…

ああっと!私とした事が諦めてしまうところでした!いけませんいけません!!
駄目元で話し合ってみますか?
…かといってさっきの人間みたいに問答無用だったら…しかも手を出したのは不本意ながら私ですし。
かといって勝てませんよ!?こんなの!?
ここは逃げる?逃げた方が正解かもしれませんね?いや、むしろ大正解!!
よし!ファイナルアンサー!隙を作って逃げましょう!!



59 :魔王の涙 ◆4HHIsq9ihA :2005/06/24(金) 05:35:45 ID:???
そう思って逃げようと思ったその矢先、声をかけられたんですよ。
誰に?目の前の3人組ですよ!!
「…無駄かとは思うが一応聞いておきます…僕等は無駄に戦いたくありません!!出来るなら話し合いたい!!!!」
って言ったんですよ!もうね!私嬉しくて二つ返事で頷きましたよ!!
「是非!是非!!」ってね!
向こうは
「あ…そ、それに越した事は無いですから…ねえ?ノエル」
「そ、そうですね…私もちょっと拍子抜けしましたが…」
「ヨカッタジャナイデスカ!!ハイ!!」
と、肩透かしを食らってましたがまあ結果は重畳ですね♪




──本当によかったです。こういう状況では先ほどのような男達が殆どだったらどうしようと不安になってた所です。
まず話し合いで解決しようとする精神の持ち主がこの状況で居ると言う事はどんなに心強い事でしょう。
異種族の方々でも、こんな状況でも話し合いで済ませようとする方がいる、それだけで私がやろうとした事は間違ってはいなかったんだなあ、と再び思えます。





「はぁ…この印を、ですか…」
「はぁい!そのとお〜り!!と、言っても方法なんてサッパリですがね?しかし何をするにも仲間が必要じゃないですか!!」
「なるほど、それで私たちにも声をかけようとしたらマグロが飛んだ…という訳ですね?」
「ミサナ〜ン、飲み物もってキマシタ〜!!ト、言っテモ白湯ですが…」

60 :魔王の涙 ◆4HHIsq9ihA :2005/06/24(金) 05:40:34 ID:???
あれから数分後、主にマグロが飛んだ話の事情を話したところ、すんなり信じてくれました。
今度は私が拍子抜けの番ですよ!!主にマグロの話とか!!けどね、この3人は信じてくれたんですよ!!
「まずは人を信じなければ何も始まりませんよ…それに我々は3人ですしね?」
って言って!くぅ〜!!!嬉しいですよぉ!!!ノエルさんかっこいい!!
で、わざわざこうやって白湯まで出しておもてなしですよ!!久々に人のやさしさに触れましたね!私は!!
っと、まあ本題に戻しますが、彼等──アッシュさん、ノエルさん、ロボさんの三人はどうやら仲間探しを優先、その後脱出したいとの事!!
脱出するならば印の解除は絶対条件!
会場で目を付けていた金髪の男と負けずとも劣らない力を持ったノエルさん!!
そして瞬発的に圧倒的な強さを維持する能力を持つ幽霊アッシュさん!!
最後に神の印関連にはちょっと関われないかもしれないけど数百年の使用にも耐えられると自負していたロボさん!!
この三人とならばこの印を解く鍵を得ることも可能かもしれません!!
そう思って仲間探しのついでに一緒に解除方法探しして行かないかって誘ってみたんですよ!!
そしたら今度は
「いいでしょう、私もこの印はどうにかしなくてはいけないとは思っていた所です。」
「僕も賛成です。マローネにもこの印は付いているだろうし…マローネを探すついでですしね!!」
「ワタシモ賛成デスヨー!!」
って言ってくれたんですよ!!二つ返事で!!もう嬉しくて!!もう泣けて来ましたよ!!
で、3人に握手を求めてたんですよ。
ギュッと!ギュッと握りましたよ!!これで何とかなるかもって心底思いましたね!!

61 :魔王の涙 ◆4HHIsq9ihA :2005/06/24(金) 05:45:37 ID:???



──その時は、今思うとまだ私は幸せだったのかもしれません。
このゲームの本質、殺し合いと言う事を忘れてたんですよ。と、言うよりも印を取り次第あの神をお仕置きするつもりでしたからね。
そしたら殺し合いなんて無く、皆が無事帰れると…そんな甘い考えを持っていました…
そして、あの子がいる事を忘れてたんです…いや、忘れてたというよりもきっとそうなるとは思ってなかったんでしょうね…




で、早速出発しましょう!って話になった時、ふっ…と凄く嫌な物を感じたんです。虫の知らせというか・・
魔王の第六感と言うものでしょうか…?あくまでカンなんですけどね?よく当たるんですよ、これが…
「?ドウシマシタカ?ビューティ男爵サン?」
私が突然立ち止まった事にロボさんが心配そうな顔で私に呼びかけます。
あくまでカン、嫌な予感なだけなんですが…
「…いえ、多分…ですが…ただの…予感…なのですが…」
涙が出る…私は顔を抑えますがそう簡単に止まりません。
「ど、どうしたんですか?バイアスさん?」
「何か…あったのですか?」
ノエルさんもアッシュさんも心配そうに立ち止まります。
駄目ですねぇ、こんな所で…彼らにも人探しと言う目的があると言うのに、それなのに私の計画に乗ってくれているのに…
「アハハ…すみません…あくまで…カン…なのですが…」
ヤバイですね…あくまで感なのに…涙がとまりません…私はその場に生えてる木に持たれかかって…顔を抑えました。
「私の…大切な…子が…死にました…」

62 :魔王の涙 ◆4HHIsq9ihA :2005/06/24(金) 05:46:58 ID:???



──ここは命の奪い合いの会場でした。だからその可能性は十二分にあります。
だから私は彼を殺した人を恨む事はしないつもりです。そうしないと自分が死んでいまうのですから。
誰もが自分の命は惜しいのですから…一番悪いのは…神なのですから…
今はただ、ただこのカンが、虫の知らせが外れる事を…それだけを祈り、その場で涙しました…
しかし、そのカンが正しい事を数十分後、私は知る事になってしまいました…



【ビューティ男爵(中ボス)@魔界戦記ディスガイア 所持品: 高級マグロ(スターオーシャン2)
 第一行動方針:今はただ、自分の第六感に涙する。
 最終行動方針:神の印をどうにかする。】


【ノエル@ロマサガ2 所持品:ガラスの剣
 第一行動方針:知り合いと合流するゲームを止める】

【ロボ@クロノトリガー 所持品:?????  
第一行動方針:クロノ達と合流する】

【アッシュ@ファントム・ブレイブ  所持品: アイスブランド(SAGA1より)
 目的:マローネに会う 自分が消滅するまでマローネを守る】
【現在位置:C4港中心】




【ガラハド@ロマサガ1 所持品:ブラッドソード
 基本行動方針:生き残る
 第一行動方針:復讐を果たす(最優先でグレイ達を殺す】
【現在位置:C3西に移動 】

63 :魔王の涙 ◆4HHIsq9ihA :2005/06/24(金) 05:51:36 ID:???
補足 ※放送前

64 :ゲーム好き名無しさん:2005/06/24(金) 05:59:16 ID:???
修正>>61
下から4行目
×駄目ですねぇ、こんな所で…彼らにも人探しと言う目的があると言うのに、それなのに私の計画に乗ってくれているのに
○駄目ですねぇ、こんな所で…彼らにも人探しと言う目的があると言うのに、それなのに私の計画に乗ってくれているのにこんな所で立ち止まって…

65 :ゲーム好き名無しさん:2005/06/24(金) 06:46:41 ID:sgfUG4wL
a

66 :思い人 ◆tr.t4dJfuU :2005/06/25(土) 06:04:29 ID:???

ビュウとコレットはあれから自分の思い人を探すためにD-2区の周りを歩いていた。
そこは人っ子一人も居なく、静かな新緑に囲まれ。殺し合いが行なわれているとは思えない、のどかな森だった。
それを見つけるまでは…

「…っ!?こ、これは…」
まず先頭を歩いていたビュウがそれを見つける。
「?誰かいたんですか…?」
コレットは何だろう?と思い後ろからそれをのぞく。
いつも優しく微笑んでくれるビュウと居ると言う事と、バルバトスに襲われてから一人も人と出会っていないという環境は
ここが殺し合いの場という現実をつい忘れてしまうには十分だった。そして彼女は現実に戻る
「コレット!!見るな!」
ビュウも同じであった。こう、ノホホンとしているコレットと共にいる事でここが殺し合いの場という事をつい忘れそうになっていた。
そして、彼も現実に戻る。
「うっ…!?」
それを見たコレットが口を抑える。
「…遅かった…か」

それ──狭間偉出夫の死体はビュウとコレットの二人を殺し合いという現実に引き戻すには十分な物であった。


────
「コレット、大丈夫?」
イデオの死体を調べながら、先ほど食べたものを戻してしまったコレットを気遣うビュウ。
「は、はい!大丈夫です!!」
「…無理しなくてイイからそこで休んでて?」
コレットに笑顔を向け、休むように告げるビュウ。
そしてイデオの死体、支給品等を調べる。
元々戦争の中を生きていたビュウ、死体を見るのはこれが初めてじゃない。イデオの遺体から使えそうな物を探す。
『…死体の冷たさからして、かなり前に殺されたようだな。殺した奴はもう近くには居ないだろう…支給品は…食べ物は残されている…』
血の付いたイデオの支給品袋を手にとるビュウ。
『彼には悪いが、持って行かせてもらおう…』
そう思い、イデオの死体に一礼し、支給品袋の中身を自分の支給品袋に入れる。
「…待たせたね、行こうかコレット。」

67 :思い人 ◆tr.t4dJfuU :2005/06/25(土) 06:05:07 ID:???

木の陰で下をうつむいているコレットに声をかける。それに反応してコレットが返事をする。
「あ…はい。あ、あの…彼は…?」
そう言って先ほどまで調べていた彼を見るコレット。
「埋葬して上げたいけど…そのままにして置こう。埋葬している間に敵に襲われるかもしれないからね。」
そう言って肩を竦めるビュウ。
「さて、そろそろ暗くなって来たし。どっか家に行こうか!こんな場所で野営は避けたいしね!」
暗い顔をしているコレットを励ますように、明るく振舞うビュウ。
「あ、は、はい…」
イデオの死体を背に、再び歩き出すビュウとコレットだった。

────

日が沈み、周りに暗がりが広がり始めた頃、二人はD-02東にある建物に入っていた。
「ビュウさん…もしかしたら…ロイドも…あんな風に…」
今まで下を向いて黙っていたコレットが久しぶりに口を空ける。今まで考えていた事が不安で仕方なくなったのだろう。
「あまり、そう悪く考えないほうがいい…悪い事考えていい事なんてないからね。」
「そう…ですね…そうですね!!ロイド、強いから…大丈夫ですよね!!」
「そうそう!その意気!!」
そう言って再びコレットに笑顔を向ける。


ただ、その笑顔と言葉はコレットだけに向けたものではなく、自分自身にも向けたものだった。
ビュウもコレットと同じ不安を抱いていた。


『そうさ、ヨヨはガーナの召喚師…そう簡単には死にはしないさ…』
そう思いつつ建物の天井を見る。
本当はすぐにでもヨヨを探しに行きたい、目の前の彼女も同じ気持ちだろう。
だが、それは出来ない。夜、むやみに歩き回るのは危険だからだ。自分ひとりならともかく、コレットまで危険に晒すわけには行かない。
『けど…もし…ヨヨが…ああなっていたら、俺は…』
先ほどの死体を思い出す。
そして次に目の前の少女を見る。
『そうなったら…俺はコレットも守る余裕があるんだろうか…』


68 :思い人 ◆tr.t4dJfuU :2005/06/25(土) 06:05:25 ID:???


『俺は…』



【コレット@テイルズオブシンフォニア
 現在地: D02 東の建物で休憩中
 所持品: エメラルドリング(スターオーシャン)
 第一行動方針:ロイドを探す】

【ビュウ@バハムートラグーン
 現在地: D02 東の建物で休憩中
 所持品: ロングソード(サガ1)(バルバトスの戦いで刃が欠けてしまってます) そこら辺に落ちていた木の枝×2
 第一行動方針:ヨヨを探す】


(放送前)



69 :君を守りたい! ◆p1hPuPSiUg :2005/06/26(日) 04:16:02 ID:???
 こんな世界でも夕陽は沈む。その当たり前の事実に新田勇は
呆けるようにしてその光景を見つめていた。
 あれからどれくらい経ったのか。携帯電話は取られてしまったし、
腕時計は「俺は時間に縛られるのが嫌いなんだ!」とカッコつけてしていなかった。
 だから、勇には時間の変化を測る術がなかった。人間は、それまでの普通から
状況が一変すれば時間なんてどうでもよくなるかもしれない――そんな事を考えていた。

「あーあ、なんでこんなことになっちゃったんだろ」
 ひとりごちる。先ほどまで言葉を返してくれたミリアムは今夢の中だ。
 あのチョコが何かの傷薬のようになってくれたことは、間違いないみたいだった。
 千晶に切られた筈の胸の傷が治りつつある。
 ミリアムの腕の怪我はどうしようもなかったが、
顔色も良く生命の危機は回避されたようだった。
 かといってこのままにして良いはずも無い。
 見晴らしのいい場所だったら、いずれ誰かに見つかる。
 その誰かがいい奴なら良いけど、ゲームに乗った奴なら目も当てられない……
 そして自分にそれを見分ける自信はなかった。
 そのために勇はミリアムを抱えて近くの森の中に隠れる事にしたのだ。
 その森の中から、沈む夕陽を眺めている。たった一人休むことなく。
 頭の中では色々な事を考えていた。

70 :君を守りたい! ◆p1hPuPSiUg :2005/06/26(日) 04:16:42 ID:???
 まず、祐子先生のこと。勇の敬愛する祐子先生も集められたあの場所にいた。
 自分が駆け寄ろうと思った刹那、褐色の肌の男と妙な格好の女が主催者に駆け寄り、爆死したのだ。
 あっけに取られるより先に――勇は、怖くて動けなかった。
 今自分が先生の側に走っていって、それで誤解されたらどうしよう。同じ運命を辿るのだろうか。
 先生の目の前で。それは嫌だ――思考が巡り巡る中、ゲームがあっけなく始まってしまった。
 後悔先に立たずとはこのことだ。恐れず、先生の元に近寄っていれば。
 なんであの時「自分が護ってやる」の一言くらい言えなかったのか。
 ただでさえ先生にはファンも多くてあいつのことばかり目にかけているというのに――
そこまで考えて、自分が憧れている高尾祐子がもうこの世のものではない可能性に思い至った。
 ありえないことだ、と一旦はその思考を打ち消すが、後から後から勇の脳裏にそれが沸いてくる。
 漠然としたものから、現実的な形を帯びて。

 剣で胸を袈裟切りにされる。
 炎で焙られ黒焦げになる。

 そのどちらも、勇自身の目の前で起こった事だった。
 もしも先生がそうなったら。
 自分はどうしてしまうんだろう――残酷な想像は、そこで打ち切られた。

 眠っていたミリアムが呻いた。ビクッと震えて動向を見守る。
 それはただの寝言だったようで、一度寝返りをうってまたすぐに寝息を立てる。
 息を止めながらそこまで見守っていた勇は、大きく溜め息をついた。
「はぁ……なんだよ、驚かせんなよな」
 ……いつのまにか、出会って高々数時間しか立っていないこの魔女に魅かれている
自分に気づかされていた。それがなぜなのか勇にはわからない。本当にわからない。

71 :君を守りたい! ◆p1hPuPSiUg :2005/06/26(日) 04:18:25 ID:???
「なんでだろうなぁ……怖ェし、軽そうだし、頭悪そうだし。
 そりゃちっとは優しいかもしんねぇけどでも祐子先生の方が……」

 何の気はなしにミリアムの体に目を向けた。
 赤いワンピース、金のポニーテールを結ぶ真っ赤なリボン。
 少し汚れていた。さっきの戦いのせいだろうか。勿体無いな、と思う。

 視線を下へと移し右腕を見る。出血は止まっていたが、見るも無残な状態だった。
 もう、日常生活を送るのは無理ではないか。年頃の若い女性には大きなハンデになるはずだった。
 勇を庇う為にやったことだ。出会ってすぐの自分をなぜか庇った。
 逆だったら、自分はミリアムを庇っていただろうか? 先生にするようにできただろうか?
 ――いや、そもそも自分は祐子先生のためなら命を張れるのか?
 情けない、中途半端な勇とは違う。生まれた世界が違うかも知れないが、彼女は――

 そこまで考えて。ミリアムの事が放っておけない自分に気づかされた。

「ったく……仕方ねぇよなぁ。守るって言っちまったもんなぁ」

 呟く。しかしその声の響きには、嬉しさも混じっていた。
 中途半端な自分が、何をしたらいいかわからない自分が、とりあえず誰かの為に何かが出来る。
 その事が嬉しかった。そして、その相手がミリアムで良かった。

 ちょっとの間見張りを疎かにしていたことに気づき、視線を夕日に向けようとする。
 だが勇は気づいてしまった。とても厄介な事に。


72 :君を守りたい! ◆p1hPuPSiUg :2005/06/26(日) 04:20:29 ID:???


 赤いスカートが捲れあがってすらっとした長い素足が覗いている。
 脛やふくらはぎの細さ、きゅっとしまったくるぶし。
 普段見せられることのない太もも。腕や顔よりも白い肌をしている。
 とても肌理が細かくて、触ったらきっと手に吸い付くに違いなかった。
 この足を露出して悩殺すれば、馬車だって止まってしまうに違いなかった。
 勇は同時に眠っていて動かないミリアムを運んだとき、
背中にくっついた柔らかな感触の事を思い出していた。

 二つの膨らみ。ぷにゅんと。
     胸が。ぷにゅんと。
          背中に。ふともも。
       下着が。赤い。ふともも。
          白い肌。赤い夕陽、ぷにゅんと――



 勇を現実に引き戻したのは茂みをかき分ける音と、枯れ枝を踏みしめた音だった。
 これ以上ないほどに狼狽して振り返ると、そこにはスコップを手にした少年がいた。

73 :君を守りたい! ◆p1hPuPSiUg :2005/06/26(日) 04:21:22 ID:???
 その黒髪の少年――ハヤトは、迷っていた。
 寝ている女とその前で護るように日本刀を構えているキャスケットを被った少年をどうするか。
 一人だったら回避すれば良かった。一人じゃないから近寄っていった。
 二人だったら甘い言葉で巧みに騙し、アイテムを手に入れれば良かった。
 けれども今の状況は想定していたのとは少し違った。一人は寝ている。
 もう一人はおそらく剣に関しては素人だ。自分なら倒せるかも知れない。
 だが、眼前の少年が隠し技を持っているかもしれなかったし、
自分が少年を殺した後であの女が起きるかもしれない。
 可能性は低いが、つまらない怪我をしてしまうかも知れなかった。
 今、ここで仕掛けるか。それとも機を待つか。
「お……お前、一体何者なんだ!?」
 日本刀を持った少年の声が震えている。体までもが小刻みに揺れていた。

 ――ああ。殺してしまおう。こいつなら殺せる。
 何の問題もなく殴り殺せる。だから殺そう。


「ふわぁ……あれ? あたい、どれくらい寝てたの?
 ……ん? イサム、その人誰だい?」
 イサムと呼ばれた少年の背後で、蓮っ葉な女の声がした。
 ハヤトは一瞬で殺意を抑えると語りかけた。
「俺はハヤトって言うんだ。戦うつもりはないよ。ほら、武器らしい武器もないだろう?」
 ハヤトは、スコップを地面に刺すと、両手を空に掲げてみせた。

74 :君を守りたい! ◆p1hPuPSiUg :2005/06/26(日) 04:22:11 ID:???
【ハヤト@サモンナイト
 所持品:デスポーション×2 ディテクター(残電力@少し使用) スコップ
 基本行動方針:優勝し、ゲームを「なかったこと」にする
 第一行動方針:支給品取得&隙のある人物を殺す
 第二行動方針:ミリアムと新田勇の支給品を奪い、殺す
 現在位置:E05海岸沿いの森】

【ミリアム(体力小回復、右腕再起不能
 所持品:エストックの柄 エストックの剣身
 基本行動方針:死にたくない者同士で仲間を集め、その先のことを考える

【新田勇(胸部負傷 、狼狽
 所持品:夢想正宗
 第一行動方針:ミリアムを守る
 第二行動方針:できれば先生を見つけたいなぁ
 基本行動方針:とりあえず死にたくないのでミリアムについていく
 備考:ミリアム以外の人間に対し、微妙に人間不信です。
 現在地:E05海岸沿いの森】

75 :第一放送 ◆A1WWzHGnIE :2005/06/26(日) 23:00:24 ID:???
すばらしい
しすべき うんめいをせおった ちっぽけなそんざいが ひっしにいきぬいていく
たしゃをころし おのれのせいぞんけんを あらそうすがた
ただ それだけでは おもしろくない
ゲームから だっしゅつしよう と あがきつづけるすがた
なかまをあつめ おそいくるてきからのがれ てきをころし だっしゅつするために いきぬくすがた
これもあるからこそ とてもかんどうさせられる
やはり このゲームを おこなって せいかいだった

さて そろそろじかんだ
わたしは ねんじた
そして しまぜんたいに かれらをたたえることばをつたえる

「みなさん おつかれさまです!
 これから このじかん まいよ8:00 と まいあさ8:00 に わたしから ねぎらいのおことばをささげましょう
 それでは まずは だつらくしゃを はっぴょう します
 いきますよ リュード!」

しまから どうようのこえやきもちが ながれでてきた

「つづけますよ? ロイド・アーヴィング!」

さきほどより おおきなどうようが はしったのが わかります

76 :第一放送 ◆A1WWzHGnIE :2005/06/26(日) 23:01:05 ID:???
「アティ ルヴァイド ブリキン シフ ホーク ロゼ 狭間偉出夫 桐島英理子 城戸玲司 ヨヨ
 ラハール モモ ガイウス フラック ユーゼス 夢若 夜叉姫!!
 いじょう19めいです!」

しまじゅうが ゆれうごくのが わかります
きっと これからも すばらしい ゲームを みせてくれる と きたいできます

「かちのこっている みなさん おめでとうございます
 これからも ゆうしょうめざして がんばってください
 つぎのほうそうは あさの8:00です!」

【第一放送終了PM8:10】

77 :先行く未来、戻れぬ過去 前 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/27(月) 00:03:33 ID:???
「……見せてもらうぜ?」
 男は、銀色の刀身を目の前の男へと向ける。
「あぁ、構わない……」
 剣を向けられた彼が答えた。
 その瞳はただ一点を……、対する男を見つめつづけている。
「……行くぜ」
 男が剣を振りかぶる。
「秀彦君、止めて!」
「「シェゾさん!」」
 それぞれの後ろにいる者達が、自分達の前にいる仲間を止めようと声を上げた。
 しかし、制止する声も聴かず、秀彦と呼ばれた男はシェゾと呼ばれた男に剣を振り下ろした。


 事の始まりは、遡ること少し前。
 夜が来る。
 マキの体調を気にし、その場を動かなかった秀彦だったが、夜の間もここでじっとしているわけにはいかない。
 街の方にはアルカイザー達が向かったものの、彼らも言っていたように危険な場所でもある。
 そこへまだ病み上がりのマキを連れて行くのは偲ばれた。
 それで秀彦はマキを連れて、この小屋へとやってきたのである。

 一歩遅れてやってきたシェゾ、バブ、リース、ベルフラウの四人。
 彼等の目指すのは、ここより更に北東にある魔法屋。
 だが、彼らもまた夜の間を動き回るのは、危険かつ襲われた場合不利であると考え、小屋へと辿り着いた。

 戸を開けると部屋の外には四人組が、部屋の中には一組の男女が。
 シェゾ達の方は、戸を開けた時の危険を考えた覚悟と準備が成されていたが、やっとこさ小屋へ辿り着き一段落ついた秀彦とマキの方には緊張が走った。

78 :先行く未来、戻れぬ過去 前 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/27(月) 00:04:20 ID:???
 その状況で、秀彦は中々警戒を解こうとしなかった。
 彼の中にはマキを守らねばと言う使命感がある。
 アルカイザー達のように助けてもらった事により、確信が得れたわけでもない。
「そう簡単に全員信用できねぇな」
 秀彦はそう言った。
 その口に乗っかったのがシェゾだ。
 彼はこう返した。
「なら、俺達がゲームに乗ってないっていう覚悟を見せればいいんだな?」
 言うと彼の持つミスリルソードを秀彦の足元に投げ置く。
 意図を理解した秀彦が剣を拾い上げた。
 
 そして話は最初に繋がる。


 ブンッ!!

 剣が空気を斬る音。
「ッ!!」
 誰もが息を飲んだ。
 止めようと思った。だけどここで止めては自分達の思いは伝わらない。
 この役を引き受けてくれた彼らの意思を無駄にするかもしれない。
 だから三人とも見守りつづけていた。
 それぞれの前に立つ男を信じて。

 静寂が訪れる。
 
「わりぃな、疑ってよ」
「気にするな……疑い深いのは生き残るために必要だ」
「へっ、皮肉かよ」
 そう言いつつも秀彦の顔は笑っていた。

 剣先がシェゾの顔にあたる寸前という所で止まっていた。
 それぞれの後ろにいた三人の顔に安堵の表情が浮かぶ。

79 :先行く未来、戻れぬ過去 前 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/27(月) 00:04:50 ID:???
「ごめんなさい」
 申しわけなさそうにマキが四人に向けて頭を下げる。
「気にしないで。彼のあなたを守ろうって想いは、私たちにもわかるから……」
 だから、頭を下げるのは止めて欲しい。とリースは彼女に答えた。
「そんな所でじっとしてないで、中に入れよ。
 あぶねぇだろ?」
 ニヤニヤと笑いながら秀彦は彼らを小屋へ招きいれた。
「もう秀彦君!」
 その様子に怒った声を上げながらもマキの顔は微笑んでいた。 

 アルカイザー、カエル、アーチェ、それだけではない。
 今新しく出会ったこの四人も、またゲームに抗う『仲間』だ。
 きっとどこかで、自分達と同じように抵抗する見知らぬ人たちもいるはずだ。
 彼らと輪を広げ、協力すれば、必ず先は見えるはず。
 マキの心は喜びと希望で満たされていた。
 
 
 6人が小屋に揃った時だった。

――みなさん おつかれさまです――
 
「「「「「「この声は!!!」」」」」」 
 6人から驚愕の声が出る。そして彼等の顔が歪む。
 忘れる事等ない、あの忌々しい神の声。

――これから このじかん まいよ8:00 と まいあさ8:00 に わたしから ねぎらいのおことばをささげましょう
 それでは まずは だつらくしゃを はっぴょう します
 いきますよ リュード!――

80 :先行く未来、戻れぬ過去 前 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/27(月) 00:05:34 ID:???
「脱落者って……」
 マキの声は震えていた。
 その言葉の意味は解っていた。だが、解っていても声を出さずにはいられなかった。
 しかし、誰もそれに答える事はなかった。
 声を出さず、ただ険しい顔で黙りつづけている彼等の顔は理解している事を伝えていた。


――ロイド・アーヴィング アティ ルヴァイド ブリキン シフ ホーク ロゼ 狭間偉出夫 桐島英理子 城戸玲司 ヨヨ
 ラハール モモ ガイウス フラック ユーゼス 夢若 夜叉姫!!
 いじょう19めいです!――

「そんな!」
 アティの名前が上げられた瞬間、ベルフラウが声を上げた。
 マルティーニ家に生まれ誇り高かった彼女、最初は反発していた。
 だけども少しずつ少しずつ、色々な経験をへてアティを、先生を信頼していった。
 いつしかアティは、ベルフラウの中で恩師とも言うべき大切な存在になっていた。
 きっと会えると信じていたその先生が……。
 悲しみと絶望の叫びが抑えきれず、口から出ようとした時だった。
 
 ぎゅっとベルフラウの身体が何かに包まれる。
「あっ……」
 ベルフラウが見上げるとリースが彼女を抱きしめていた。
 リースは何も言わなかった。ただひたすら、ベルフラウを優しく抱きしめ続けていた。

 温かい。何もかも受け止めてくれるような温かさだった。
 そうだ。自分は今みんなのおかげで生きているんだ。
 リュードが、ホークが、各々が命を賭して守ってくれた。
 先生もきっとそうだったに違いない。

81 :先行く未来、戻れぬ過去 前 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/27(月) 00:06:20 ID:???
 心優しい彼女の事だ。自分を守るために、誰かを守るために奮走してたに違いない。
 ぶっきらぼうなシェゾ、小さくてもその強さは大きいバブ。
 ホークが死んだ時、励ましてくれた。今も優しく抱きしめてくれるリース。
 みんな、みんな、今まで私を守るために動いてきてくれた。
 もう立ち止まっていられない。守られるだけなんて嫌だ。
 戦闘では役に立たないかもしれない。
 だけど先生から習った事を、私の知識を、このゲームから脱出するために役立てる事はできるはずだ。

「もう大丈夫ですわ」
 ベルフラウはリースを見上げると、彼女の腕からそっと離れた。
 彼女の目は強い意志の炎を燈していた。
 それを見たリースが優しく微笑む。
「こ、子ども扱いしないで下さる!」
 本心を隠すようにベルフラウはお決まりの台詞を喋った。
「大丈夫。きっとホークさんもアティさんも微笑んでるはずだから……」

 目の前が滲んだ。
 気づけば、涙を流していた。
 ただ、ただ声も出さず涙を流していた。
 気づけば、もう一度リースに包まれていた。
 ああ、何て自分は恵まれているんだろうか。
 中には無残にも死んでいった人たちもいる。
 なのに、自分はこんなにもいい人たちに出会うことができた。
 今一時、もう少し、この温もりを感じていたかった。

「そんな……」
 対した場所にいるマキ。
 こちらもまた放送で知った名前を二つ聞いた。
「マキちゃん……」

82 :先行く未来、戻れぬ過去 前 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/27(月) 00:06:54 ID:???
 心配した秀彦が声をかける。
 それほど、今の彼女は弱く見えていた。
「俺達は生きてるんだ。悲しむ気持ちは解るぜ?
 けどよ、立ち止まってるわけにはいかねぇんだ。
 アーチェちゃんと戦った時、俺様言ったよな?
――死んだ野郎のためにも俺達はこのゲームを終わらせなきゃいけねぇんだ――
 俺達は生き残らなけりゃなんねぇ……。まだアイツが生きてるんなら、まだ生き残ってる仲間がいるんだから。
 諦めちゃダメだぜ。……悲しむのは全部終わった時だ」
「……うん」
 まだ悲しみが拭えたわけでないのは、顔を見れば解る。
 それでも力弱くともマキは返事をした。
 彼が自分を心配してくれている気持ち、そして彼の力強い意志。
 彼の言う通り、無駄にするわけにはいかない。
「大丈夫。私、頑張るよ、秀彦君」


「……お前の知り合いはいたのか?」
 放送が終わると、ずっと険しい顔で黙りつづけていたシェゾがバブに尋ねた。
「僕の大切な仲間……、ポヨンはいませんでした。
 けど……」
「人が死ぬのは悲しいか?」
「はい……」
 それでも人が死ぬのは耐えられない。
 救いたい。それが正義感溢れるバブの本心だ。
「そうか……」
 

 放送が終わり、落ち着きが取り戻された。
 誰ともなく、それぞれが口開き始める。
「シェゾ達は、これからどうするつもりなんだ?」
 今後の動向を切り出したのは秀彦。

83 :先行く未来、戻れぬ過去 前 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/27(月) 00:07:45 ID:???
「俺達は、朝になったら北東の魔法屋を目指す。
 そこで色々と試してみたい事や調べたい事はあるな。
 召還にしろ、この忌々しい印の解析にしろ……やることはかなりある」
「そうか。俺様たちは朝になったら、仲間探しを再開するぜ」
 秀彦とマキは仲間探し、四人は脱出方法や印の解析。
 それぞれ役割を持って別に動くことを話し合うと、次は互いの持つ情報を交換し始める。

「肩に龍を乗せている男と黒い衣みたいのなの来たねーちゃんか……、わかった気をつけるぜ」
「気をつけて下さい。特にあの男! よりにもよって私を襲おうとしたんですよ!?」
「そりゃ嬢ちゃんが魅力的だったってやつか? デヒャヒャヒャ」
「秀彦君……」
 秀彦を見るマキの目が少しだけ冷たかった。
「今のは洒落になってないぞ」
 どこか苦い顔をしながら、シェゾが突っ込みを入れていた。

「やたら熱血漢のアルカイザーさん達……彼等は志を同じくする人たちなんですね?」
「ああ、とってもいい奴らだぜ! ちょっとバカな所もあるけどな……」
 触るなというのに、王者の剣を拾おうとしてたアルカイザーの姿を秀彦は思い出す。
 制止役がいないとアルカイザーは突っ走りそうなのが怖い。
「なぁ、カエルは名前なのか?」
 伝え聞いた名前にシェゾは疑念を返した。
「おう、顔もカエルなら、名前もカエルだぜ。
 でも熱くていいやつだ。信頼は置けるぜ?」
 マキちゃんの肌を舐めた事はぜってぇに忘れないけどな。
 誰にも聞こえないよう、最後にポツリと呟いた。

84 :先行く未来、戻れぬ過去 前 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/27(月) 00:08:15 ID:???

「でも、助かりました。二人で夜を過ごすのは心配で……」
「おいおい、マキちゃん。そりゃ俺様を信頼してないっての?」
「そーいう意味じゃないよ、秀彦君!」
 冗談を解ってながらもマキは、笑っている秀彦をたしなめる。
「デヒャヒャヒャ、解ってるって。俺様一人でもマキちゃんを守りきる自信はあるぜ。
 でもこんなに心強いヤツラがいてくれりゃ、夜は安心だな」
「……見張りは均等にやってもらうからな」

 見張り。
 小屋で夜を過ごす以上、灯りは外に漏れぬよう最低限のものにするとはいえ、この状況下では必須のものだ。
「順番を決めましょう」
 バブが切り出し、彼等は話し合う。
 順番とローテーションはこう決まった。
 三人が見張りをし、三人が寝る。
 約2時間ごとに一人ずつ交代して眠りにつく。

 ベルフラウ−マキ−シェゾ−秀彦−バブ−リース

 前から三人が最初は見張りにつく。
 まずは秀彦が起き、ベルフラウが寝る。
 その次はバブが起きて、マキが。
 そしてリースが起きて、シェゾが。
 ベルフラウが朝起きたら、放送までの残りの時間秀彦が寝る。
 
「しかしいいんですか? このローテーションでは最初の6時間のシェゾさんと連続して睡眠が取れない秀彦さんは……」
 彼らが志望した事とはいえ二人を心配たバブは、やはり変えましょうか? と聞いた。

85 :先行く未来、戻れぬ過去 前 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/27(月) 00:10:06 ID:???
「気にすんなって。女達を守るのは男の役目だろ? なにマキちゃんを守れるなら俺様、火の中、水の中……」
「ダンジョンに潜った時、徹夜なんて良くあった事だからな。
 それにその分、闇夜は俺が一番なれている……。ベルフラウとそのお嬢さんは、時間まで家の中で待機してればいい
 外は俺が見張ってよう」
 シェゾはドアを開けて外へ出る。

――イクリプス――

 あらゆる干渉を経ち、姿と気配を消す呪文。
 その代わり仕掛ける事なども一切不可能になるが、見張りをする分にはもってこいの呪文だ。
 効果が発動するとドアを背にして、彼は立ち構えた。



【上杉秀彦@ペルソナ2】
 所持品: ドレメラ工具セット(SO3)
 基本行動方針:仲間を集めてゲームを何とかする
 第一行動方針:アイツ(ヒーロー)や知り合いに会う】
【園村マキ@ペルソナ2】
 所持品:バトルハンマー(Sagaシリーズ)
 基本行動方針:仲間を集めてゲームをどうにかする
 第一行動方針:怪我を治す。精神的に参っている人たちを救ってあげる。
 第二行動方針:家の中で見張り】
【シェゾ@魔導物語
 所持品:ミスリルソード
 基本行動方針:かみをぶったおす
 第一行動方針:見張り】

86 :先行く未来、戻れぬ過去 前 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/27(月) 00:10:26 ID:???
【バブ@大貝獣物語
 所持品:なし
 基本行動方針:打倒主催】
【リース@聖剣3
 所持品:機動装甲 ピクシーナイフ(刃が少し欠けている)
 基本行動方針:ゲームからの脱出】
【ベルフラウ(サモンナイト3)
 所持品:ブラックイーグル(残り3/6発、予備2ケース)
 基本行動方針:ゲームからの脱出
 第一行動方針:アティを探す。
 第二行動方針:家の中で見張り】
【現在地:C06(左側の家)】
【PM9:00前くらいで】

87 :ほしをみるひと ◇ESYO4N7eeY ◆SRS//Njsn6 :2005/06/27(月) 00:11:45 ID:???
「人気が少ないな…」
あの戦いの後、農家で休息を取って出発した。
人を探していた…無論殺すため。

然し人は一人も居ない、歩けば歩くほどなんだか人から離れている気がする。
「少し…休むか」
近くの木に寄り添うように腰をおろす。
ふと、自分の持っていた刀に目を通す。
所々に罅が入っている……持って後四回というぐらいか。

「あいつらは…どうしてるんだろうな…」
行動を共にした、仲間の事を考える。
ジャミル、ホーク、ミリアム、シフ…彼らはきっとゲームを潰そうとしているのだろう。
そうだとしたら…自分は敵になる、あいつ等は自分を殺しに来るだろうか。
自分はあいつ等を殺せるだろうか…。
笑いながら上を向く、その笑いは自分への嘲りかも知れない。

「…空を見る余裕なんて無かったが…星が、綺麗だな…」
殺し合いが繰り広げられているというのも構わず、光り輝く星達。
自分はどんな輝きを持っているのだろうか…。
光の輝きだろうか闇の輝きだろうか。
自分から見れば光でも、相手から見れば闇かもしれない…。

「また…どうでもいい事を考えていたな」
そう言いつつも、星を見ていた。
何かが、何かが自分を呼んでいる様な気がして。

【グレイ(ロマサガ1)
 所持品:七支刀(残り4)、GCロッド
 現在位置:G02動物園付近
 第一行動方針:星を見る
 基本行動方針:生き残る(?)】

88 :先行く未来、戻れぬ過去 前 ◆SRS//Njsn6 :2005/06/27(月) 00:14:59 ID:???
>>86
修正。
【バブ@大貝獣物語
 所持品:なし
 基本行動方針:打倒主催】
【リース@聖剣3
 所持品:機動装甲 ピクシーナイフ(刃が少し欠けている)
 基本行動方針:ゲームからの脱出】
【ベルフラウ(サモンナイト3)
 所持品:ブラックイーグル(残り3/6発、予備2ケース)
 基本行動方針:ゲームからの脱出
 第一行動方針:家の中で見張り】
【現在地:C06(左側の家)】
【PM9:00前くらいで】

89 : ◆Z.120GXs7E :2005/06/27(月) 00:18:43 ID:???
マグニスは夢を見ていた・・・・・・
彼自身、忘れることのできない場面であるはずの夢を・・・・





――――――――ここはどこだ・・・?――――――――――
自分は手に自分の斧をもっており、
周りには機械類が沢山ある、そして、自分の部下が周囲に何人か倒れている、
それから・・・・・・・5人の者達がたっていた。
―――――まさか、人間牧場・・・か!?ということはあれは神子達―――――
神子の仲間の一人の二刀流の少年―――ロイドがこちらに向かって走ってくる、
そして、マグニスに向かって、体当たりをし、
「ぶっとべぇ、獅子戦吼!!!」剣から獅子型の闘気がでる、
それを防御するため斧を構えようすると、何故だか腕が上がらない
そして、マグニスは自分が今ぼろぼろの体なのにようやく気付いた
闘気がマグニスにぶつかるそして、体が宙を浮く。
―――――やはり、ここで死ぬのか・・・・・―――――――
宙を浮くマグニスに追い打ちをかけるように、
もう一人の剣士が剣を振った・・・・・


90 : ◆Z.120GXs7E :2005/06/27(月) 00:19:19 ID:???
―――――いや、俺様はこんなところではしなねぇぇ――――――――
マグニスは何故だか、からだの痛みが感じなくなった
そして、体勢をとりなおし斧で剣を受けとめた、
ギィンと音をたててぶつかり合う剣と斧、
こちらが押し勝ったのか剣が折れ、斧が男の腹を斬る
腹から血を出し吹き飛ぶ剣士の男
それに驚くその仲間達
その隙にマグニスは地面に着地し、すぐ魔術の詠唱をはじめ、術をはなった。
「これはさっきのお返しだ、死ねぇ豚共!!フレイムランス!!!!」
空から、巨大な炎槍が降りロイドを貫く、さらにあっけに取られる仲間達
―――――ぐはははは、どうだ豚共これがマグニスさまのちか・・・・





夢は唐突に終わった、
そのかわり、周りの景色とあのやかましい神とかいう奴の声が入ってきた
(なんだ、夢か・・・・いまいってやがるのは死んだ奴らの名前か、
糞が、俺様の最高の夢の邪魔しやがって、
どうせ優良種たるハーフエルフはいねえよ、なんてったって優良種だからな)
そう思っていく中で、聞き覚えのある名前をきいた、


91 : ◆Z.120GXs7E :2005/06/27(月) 00:19:42 ID:???
「つづけますよ? ロイド・アーヴィング!」
――――ロイド・アーヴィング!?っていったら、
さっき俺様が夢の中で殺した小僧の名前じゃねえのか!?
まさか、本当に死んじまったのか?
ちょっとした、正夢って奴か?だが、誰かに殺されたのには違いねぇ
俺様の仇の一人を俺様より先に殺しちまうってのはいけねぇな、
このマグニスさまの恐ろしさをわかってねぇんだなぁここにいる、豚共は・・・・
よし、決めたぜ・・・俺様はここにいる豚共全員に
この東の牧場のマグニスさまの力をわからせてやる・・・・
特にあの神子共にはなぁ、そうときまれば、早速殺しに行くか――――
とマグニスが立ち上がろうとするとあたまが少し痛んだ
――――とまだ頭が痛むな、グミでもくっとくか・・・ ん・・・たりねぇ、
グミがとられてやがる、あの金髪小僧か・・・・、
まぁいい、奴はそのうち殺せばいい、まだ時間はたっぷりある―――――
そして、マグニスはグミを二個食べると気配を消して獲物を探し始めた
このゲームの参加者として、優良種として、
そして・・・復讐者として・・・・・



【マグニス テイルズオブシンフォニア
現在位置:C3西
 所持品:アップルグミ×2
第一行動方針:ハーフエルフの少女(アーチェ)と会う
第二行動方針:神子共を殺す
最終行動方針:豚共に名を知らしめ豚共を皆殺し。】


92 :策に溺れるものの末路 ◆9T2a90QDRk :2005/06/27(月) 00:21:07 ID:???
「困ったわね、一度位置を確認しないと」
方位磁針を取り出して行き先を調べる。
あのバイクに追いつかれないよう、じぐざくと走り続けてきたせいだ。
夜の闇も加わって、現在位置を把握しきれていなかった。
死者を発表する放送があったが、兄の名もなければ、スービエの名もなかった。
自分にとってそれ以外の死者はどうでもいい。
「北はあちらね、街の方に辿りつければ良いのだけれども」

「ブルワアァァァァアアアアッ!!!!!!!」
「なに!?」

背にしていた木が切り倒される。
後ろに現われたのは斧を持った凶悪な戦士だった。
「喰らいなさい!!」
反転して直ぐさま、黒いスピリットを叩き込んだ。
「ブルワアアァァァァァッッ!!!!」
凶戦士は斧を振るうと彼女の魔法をそれで打ち払う。
「冗談でしょ!?」
その隙に態勢を立て直し、距離を取らなくては。

「やれやれ、獲物を見つけたと思うと直ぐ突っ込むんですから」
木の陰からサレが戦闘の様子を見つづけていた。
「おや?左腕が動かないみたいですね。でも結構、頑張りますね。
本調子だったらいい勝負ができたかもしれません」
不敵な笑みを浮かべ戦闘を見守る。

93 :策に溺れるものの末路 ◆9T2a90QDRk :2005/06/27(月) 00:21:49 ID:???
「まぁ、ここまでですか。
頑張った方ですよ」
サレの言う通り、ロックブーケの背が木にあたる。
彼女自身の疲労が激しいのは見てわかった。
「……ん?まだやる気ですか」
ロックブーケが最後の抵抗をと構える。
「まぁ無駄でしょうけどね」
それが彼女とサレの命運を分けることになった。


「テンプテーション!!」
後がない。
疑念が払えないといってももうこれしかなかった。
お願い効いて!
渾身の想いでテンプテーションを放つ。
「何をしたかは知らないが無駄だぁァァァァァッァ!!!!!」
だがこいつには効かなかった。
もうダメなの?
死を覚悟し目をつむる。
ゴン!
鈍い音が聞こえた。
「キサマァ、この女とグルだったのかぁぁぁぁぁぁ!?」
目を開けると頭から血を流した凶戦士がいた。
その後ろには突如現われた男が何かを持っている。
それであの男の頭を打ち付けたのだろう。
そうロックブーケを観察していたサレはテンプテーションにかかってしまったのだ。

94 :策に溺れるものの末路 ◆9T2a90QDRk :2005/06/27(月) 00:23:04 ID:???
チャンスだわ!
通りがかった人が私を見ていたがためにかかったのね。
「この斧を持った男を殺しなさい」
魅了された男に命令すると私は逃げ出した。
距離が離れれば解けるかもしれないが、この場を抜け出すにはありがたい。

ロックブーケが走り去り、少しするとサレの魅了が解ける。
「え? 何でこんなことを?」
記憶はあったが、途端に正気に戻ったサレは戸惑う。
目の前には斧を振り降ろすバルバトス。
「ブルワァァァァァアアアァァァァァッ!!!!!!!」
ドサリと落ちる音が二つ聞こえた。
「な…んで……?」
身体を見る。
足から下が少し離れた場所にあった。
血が身体と足を繋ぐように地面をしめる。
「ははははは…こ、ここまでなのかよ…」
サレの意識はそこで途絶えた。


【No29.ロックブーケ@ロマサガ(左腕使用不能)
 所持品:たいでんカッパ@電気を防ぐ
     ソーディアン・ディムロス@テイルズシリーズ
 現在地:E04北の森
 目的:ノエルに会う。他の参加者は殺す 】

【バルバトス・ゲーティア@テイルズオブデスティニー2
所持品:エピックヒーロー(ミンサガ)
第一行動方針:スタン・エルロンとの再戦
基本行動方針:かみ含む全ての者の皆殺し
現在地:E04北の森】
【サレ@テイルズオブリバース 死亡】

95 :獣の爪 ◆gel7gxy79o :2005/06/27(月) 00:48:15 ID:???
(―――― 目覚めなさい! 赤眼竜のドラグーン! ――――)

 そのたった一言で自分を救った彼女。
 それまで知らなかった父親の形見の秘密など、色々な事を知らされた。
 ドラグーンスピリットと、ドラグーンという竜を統べる騎士。
 そしてそのドラグーンの戦い方を教えてくれたのも彼女だ。
 それだけではなく、彼女には二回も命を助けられた。

(―――― 私がでたら強すぎて面白くないでしょ? ――――)

 ロアンの勇者大会。
 自信に溢れた台詞と共に、出場を辞退した。
 彼女にも何か事情があって辞退したのか、それとも本心か。
 だが、その台詞を言うだけの実力を彼女は持っていた。
 そして豊富な知識を併せ持つ謎の美女。
 結局、何者だったのだろうか……。
 それも今となっては知る由もない。
 何故なら、
「……死んだのか、ロゼ……」
 彼女、ロゼの死亡を告げる放送がダートの脳に飛び込んできた。

96 :獣の爪 ◆gel7gxy79o :2005/06/27(月) 00:49:04 ID:???
 ダートは表情を隠しながら、何事もなかったかのように二人へと向き直る。
 流石に少々暗い雰囲気はあったが、それでも誤魔化せる範囲だ。
「知り合いの名はあったか?」
「……一人だけ、ね」
 トリスはそれ以上語らなかった。
 きっと、色々あるのだろうとダートは深くは突っ込まなかった。
 ダートとしても、あまり詮索されると困る。
 名簿から死者の名を線引きしながら、ダートは横目でベアを見る。
 涙は止まっていたものの、まだ自分の世界に閉じこもっていた。
「……トリス、起こしてやってくれないか?」
 トリスは黒猫を抱え、ベアへと近づける。
 黒猫はうなーと唸りながら、周りをきょろきょろと見渡した。
 上を見上げ、トリスと目線が合う。
 キョトン、とした様子で猫はじっとトリスを見つめた。
「ああ、陛下……」
 自分の世界に入ったベアの手が、偶然猫へと伸びる。

「うにゃーっ」
「痛……ッ!」

 猫の爪がベアを襲った。
「…………」
 ダートは目線をそらす。
 二人の右手には、赤い線が数本走っていた。
 ベアの爪痕は真新しく、ダートの爪痕は血が止まりかけている。
 トリスの抱える獣の爪が影に潜んだ。

97 :獣の爪 ◆gel7gxy79o :2005/06/27(月) 00:49:39 ID:???
「で、目が覚めた所で……知り合い、いたか?」
 ダートは放送に関する事で、ベアに聞いた。
 ベアは気まずそうに目線を逸らす。
 全く、聞いていなかった。

【ベア@ロマサガ2(帝国重装歩兵)
 所持品:スパイダーソード
 基本行動方針:ゲームからの脱出 】
【ダート@レジェンドオブドラグーン
 所持品:チェーンソー(SAGA)
 基本行動方針:早期にゲームを終わらせる。
 第一行動方針:仲間を集める】
【トリス@サモンナイト2
 所持品:黒ネコ(現実)
 基本行動方針:仲間を集める】
【現在位置:F05中央 街道】
【時間:8時より少し後】

98 :獣の爪 ◆gel7gxy79o :2005/06/27(月) 00:52:11 ID:???
> 名簿から死者の名を線引きしながら、ダートは横目でベアを見る。
死者への冥福を祈りながら、ダートは横目でベアを見る。

に修正しておいてくださいorz

99 :罪悪感 ◆1bdo6Ek.sk :2005/06/27(月) 06:27:57 ID:???

「…さぁってと!!!ちょっと遅いけど夕飯にしようか?」
宿屋の近くの建物、その中にビュウとコレットは居た。
あの会話の後気まずくなり、会話が止まってしまった二人。
場が持たないと感じたのか、ビュウはコレットに話題をふってみる。
「あ、そ、そうですね!!夕ご飯食べましょう!!明日に備えないとダメですからね!!」
一目で空元気とわかる。だがそれには気づかないフリをするのが優しさだと思い、ビュウはそれ以上触れずに支給品に手をかける。

そのとき、突然の声が二人の動きが止めた。
"みなさん おつかれさまです! "
「え…?」
突然脳内に響き渡る、あの会場にいた主催者の声。二人は顔を見合わせる。その表情から聞こえるのは自分ひとりだけでは無い事をお互い確認した。
"これから このじかん まいよ8:00 と まいあさ8:00 に わたしから ねぎらいのおことばをささげましょう"
どのような仕組みかは分からないが、この放送内容から会場内に居る全てのものにこの声を送っている、二人ともそれは何となく理解した。
"それでは まずは だつらくしゃを はっぴょう します ”
ビュウの顔が強張る。その横でコレットが神に祈るように両手を重ねる。
放送しているのはその神そのものだというのに…
"いきますよ…"
二人とも息を呑む。
"リュード!"
その上げられた名前、その名前は二人とも知らない名前。
お互いの思い人ではない名前に少し安心すると共にそう安心する自分に嫌悪感を覚えた。
"つづけますよ?"
そして、つづけて散っていったものの名前が告げられる。

100 :罪悪感 ◆1bdo6Ek.sk :2005/06/27(月) 06:29:04 ID:???

”ロイド・アーヴィング!!”

「…え…?」

重ねていた両手がゆっくり下へ落ちる。

「嘘…」

全てに対し脱力したかのように膝をつく。

「ロイド…が…?嘘…ロイ・・・ド…」

虚ろな瞳から大粒の涙をながし、思い人の名を呟き続ける。
絶望。今の彼女の中にあるのは、ただそれだけだった。



「・・・」

その様子を黙ってみるしかないビュウ。
"アティ ルヴァイド ブリキン シフ…"
そんな様子を無視するといわないばかりに続く神の声。
”ロゼ 狭間偉出夫 桐島英理子 城戸玲司・・・”

そして、次はビュウが絶望する番であった。

101 :罪悪感 ◆1bdo6Ek.sk :2005/06/27(月) 06:30:15 ID:???

"ヨヨ"

「!?…嘘…だろ…?」

ビュウの見える景色が揺らぐ。
襲ってくる脱力感。体の中の芯が抜けたかのように壁に倒れかかる。

「ヨヨ…」

一筋の涙が流れる。自分の無力感、そして喪失感に力なく壁を叩く。彼にはそれしか出来る事は無かった──




──数十分後。二人は何をする訳でも無く、ただ無言でその場所にいた。
コレットは膝を抱え俯いている。泣きすぎたのか、目の周りは涙でふやけていた。
「コレット…」
脱力感からか。壁にもたれ、ずっと天井を見ていたビュウが口を開く。
「…俺でよかったら…色々言いなよ?」
今までと同じ調子の声でコレットに語りかける。
「…」
その声で顔を上げるコレット。
「ほら、俺はもう大丈夫だからさ!」
そう言って笑顔を向ける顔。
その顔はコレット程ではないが涙の後が薄っすらと残っている。
自分も辛いだろうに自分を気遣っているのが痛いほど良く分かる。
「ビュウさん、優しいですね・・・?」
その、悲しい気遣いに答えるべく、コレットも彼に枯れた顔で笑顔を作る。

二人とも,辛く悲しい笑顔だった。



102 :罪悪感 ◆1bdo6Ek.sk :2005/06/27(月) 06:32:15 ID:???
──

「ほら、コーヒー入れたよ?砂糖入ってないけどいいかな?」
室内にあったマグカップにコーヒーを煎れて、コレットに差し出す。
「ありがとうございます」
同じく室内にあった毛布に包まり、ビュウから貰ったマグカップを受け取るコレット。
「アツッ!?…」
煎れたてて熱いままそれを口に含もうとした彼女は軽く舌をヤケドした。
「ハハハ、落ち着きなって?」
その様子をみてビュウが少しだけ笑う。
「エヘヘ…」
それに対し、苦笑いで答えるコレット。

少しだけ、ほんの少しだけ昼と同じ穏やかな空気が流れた──



「──私…ロイドの事、凄く好きだったの…いつも守ってくれてね?どんな時にでも傍に居てくれて…」
まだ少しだけコーヒーが残っているマグカップを持ちながら、ポツリ、ポツリと語りだすコレット。
その様子を黙って聞いているビュウ。
「大好きだった…それが当たり前の事で…その事が当たり前すぎて…今まで…言えな…かった…の…」
泣き疲れ、もう枯れた筈の涙がマグカップに落ちる。その涙がコーヒーに波紋を幾つも作っていく。
「ヒック…ヒック…ロイドォ…」
嗚咽を止める事も出来ず、マグカップにただ涙を流すコレット。
涙の受け皿となったマグカップを何も言わずにコレットの手から受け取る。
そして無言のままコレットの後ろにあるマグカップがあった台所に向かう。
「…俺も良く似た感じだよ…」
今度は自分の事を語りだす。
「ヒック・・・えっ?」
「俺は…いつも肝心な所で・・・ヨヨを守れなかった…」

103 :作者@携帯から:2005/06/27(月) 06:43:05 ID:???
連投規制のため、明日置き次第続きを投下します。

104 :罪悪感 ◆1bdo6Ek.sk :2005/06/27(月) 07:00:40 ID:???
カーナが攻められた時もそうだった。肝心なところで彼女を守る事が出来なかった。
再び出会う事が出来た時、すでに自分には彼女を守る権利を剥奪されていた。
3度目、今度は彼女と出会う事無く。それが終わってしまった…

「守る事でしか好きと伝えられなかったのに…それすらも出来なかった…」

マグカップを元在った場所にしまい終え、その足で後ろからコレットへ、そっと腕を伸ばす。


「えっ…!?」


突然の事でコレットは奇妙な声を出す。


「ロイドって奴は…幸せ物だったんだな…」


悲しさを含めた声でそう告げる。

彼のその腕は細いコレットの肩をギュッと抱きしめ、優しくコレットを包んだ──



105 :罪悪感 ◆1bdo6Ek.sk :2005/06/27(月) 07:03:14 ID:???

「…落ち着いた?」
数秒後、コレットの耳元でそっと呟く。
「…」
コレットは何も答えない。抱きしめられたまま下を俯いているままだった。
「……。ごめん、本当は俺が落ち着いてなかったんだな…ハハッ…」
そう言って抱きしめていた力を緩め、腕を放そうとする。
「ビュウ、さん…」
離れようとするその両腕を、右手でそっと触れる。そしてその右手で離れかけたビュウの両腕をそっと握り返す。



──俺は最低だ…

精神的に弱っているコレットにこんな事をしたらこうなる事は少し考えたら分かるのに。
俺はコレットを抱きしめてしまった。彼女の事を考えもせずに。
これじゃあコレットを救うフリをして、彼女の優しい心を利用しているだけじゃないか。
俺の弱い心を、コレットで埋めようとしているだけじゃないか!
俺はコレットをヨヨの変わりにしようとしているだけじゃないか!!
そして、そこまで分かっていて止めようとしない……

俺は、最低だ──

106 :罪悪感 ◆1bdo6Ek.sk :2005/06/27(月) 07:04:49 ID:???

「コレット…」
そう呟き、再び肩を抱きしめるビュウ。
先ほどよりも強く、優しく。
そして、コレットは顔を上げ,後ろに居るビュウにもたれ掛かり、彼の顔をジッと見つめる。



──私は最低だ…

精神的に弱っているはずのビュウさんこんな話をしたら、こうなる事は少し考えたら分かるのに。
私はビュウさんに話してしまった。彼の事を考えもせずに。
これじゃあビュウさんの優しい気持ちを利用して。自分を癒そうとしているだけ。
私の弱い心を、ビュウさんで埋めようとしているだけじゃない!
私はビュウさんをロイドの変わりにしようとしているだけじゃない!!
そして、そこまで分かっていて止めようとしない……

私は、最低だ──




107 :罪悪感 ◆1bdo6Ek.sk :2005/06/27(月) 07:05:46 ID:???

ゆっくりと、唇を合わせる。

「ぅ…んっ…」

コレットは、それが初めてのキスだった。
ほのかに、コーヒーの味がした──



──心の隙間を埋めるため、二人は何度も唇を合わせる。
罪悪感と、それを超えるお互いの悲しさ、寂しさを消すために何度も。
涙を流しながら、何度も、何度も。


そして──



【コレット@テイルズオブシンフォニア
 現在地: D02 東の建物で休憩中
 所持品: エメラルドリング(スターオーシャン)
 第一行動方針:無し】

【ビュウ@バハムートラグーン
 現在地: D02 東の建物で休憩中
 所持品: ロングソード(サガ1)(バルバトスの戦いで刃が欠けてしまってます) そこら辺に落ちていた木の枝×2
 第一行動方針:無し】

(※注 〜深夜)

108 :謝罪 ◆gel7gxy79o :2005/06/27(月) 23:33:55 ID:???
 そして──――二人はその行為を止める。
 その後どちらから、という訳でもなく二人は距離を取った。
 間違ってるというのは両者共に分かっている。
 分かっているが、止まらない。
「…………」
 気まずい空気が流れた。
 二人とも顔を合わさない。
 唐突に、流れる空気が変わった。
 その空気を破ったのはコレットだった。
「ごめんなさい……」
 そう呟いてコレットは立ち上がる。
 ビュウはコレットが立ち上がるのを確認しながら、呟きの意味を考えた。
 何故、謝るのか。
 考えるまでもなく、キスのことだろうなと思い当たった。
「違う! あれは俺が悪かったんだ……!」
 コレットの優しい心が弱っているのを知りながら、
 コレットの優しい心を利用して、
 コレットの優しい心を無視して、
 コレットの優しい心を踏みにじり、
 コレットの優しい心を自分の都合の言いように解釈した。
 全て悪いのは、俺だ。
「違います! 悪いのは、私の方だから……」
 そう言って、コレットは外へ飛び出した。
 月明かりが、家へ差し込む。
 ビュウはすぐに追うことができなかった。

109 :謝罪 ◆gel7gxy79o :2005/06/27(月) 23:34:57 ID:???
 コレットは森の中を走る。
 視界は月明かりが森を照らしていた。
 月明かりに照らされた幻想的な森に、ひたすらコレットは走り続けた。
 光景に酔う余裕がない。
 星にさえ気づいていない。
(このままではだめ――――……)
 コレットは走りながら、心に悲鳴を上げる。
 ビュウさんとロイドは重ね合わせるには十分だった。
 同じ二刀流の剣士。
 同じ優しさを持ち備えていて、ついつい甘えてしまう。
 初めてのキス。
 つい、甘い誘惑に負けてロイドを忘れそうになる。
 ビュウさんにロイドを見て、ロイドの代わりをビュウさんに求めてしまう。
 ロイドの代わりに、ビュウさんを選ぶことはできるかもしれない。
 選んでしまう、かもしれない。
 だから、ビュウさんを選ぶことはできなかった。
 だから、ビュウさんと一緒にいることができなかった。
 ビュウさんから逃げ出してしまった。
「ロイド……ごめんね、ごめんね……」
 一時期でも、別の誰かをロイドの代わりとして見たことに対する謝罪。
 ロイドの代わりは居てはいけない。
 ロイドはロイドであって、誰かがロイドには成れないのだ。
「今から、そっちへ行くから……」
 でも、ロイドと会う資格は私にないかな……。
 そう呟いていると、背後から声が掛かった。

110 :謝罪 ◆gel7gxy79o :2005/06/27(月) 23:36:13 ID:???
「そこの女。一つ問いたいがある」
 コレットは肩を震わせ、おびえながらも背後に振り向いた。
 月光に照らされた銀髪の男が、こちらを睨むように立っている。
 妙な貫禄を持ち、第一印象は初期のクラトスを思わせた。
 この人もプロの傭兵だろうか、とコレットは勘繰りながら応答する。
「はい……、なんですか?」
「怯える必要はない。ちょっと尋ね……その声は……!?」
 応答すると男は少し、考え始める。
 風が吹く。少々肌寒い風が、森をざわめかせた。
 しばらく待ってみると、男がようやく反応を見せた。
「ロイド、という名に聞き覚えはあるか?」
 男は敢えてそう聞いた。
 コレットは涙の枯れた泣き顔の表情を、期待を込めた表情へと変える。
「ロイドを知ってるんですか!? どこで見……」
 そこまで言いかけて、コレットは口を閉ざす。
 ロイドは既に死んでいる。
「やはり……放送を聞いた時から想定済みだったが……人違いだったようだ」
「え……?」
 コレットは困惑の表情を見せる。
 男はそれを確認すると、それに対処するように口を開いた。
「自己紹介はまだだったな。――――ロイド。君の知り合いと同じ名を持つ者だ」
「わ、私はコレットと言います。……ロイド、さん」
 ロイドはその後、丸い玉をコレットにかざすが反応はない。
 玉を鞄に戻しながら、こちらを見つめた。
「そうか……時間を取らせてすまなかった。……最後に忠告しておこう」
「…………」
 コレットはロイドの言葉を待つ。
「自棄にはならぬことだ。ロイドとやらを思うならな」
「あ……」
 ――今から、そっちへ行くから……
 さきほど呟いた、自分の不用意な発言のことだ。
 コレットは自分の不用意な発言を反省して、ロイドに礼を言う。
「ありがとう、ございました。……ではさようなら、ロイドさん」
 コレットは再び、足を進ませた。
 森の奥へ、奥へと。

111 :謝罪 ◆gel7gxy79o :2005/06/27(月) 23:37:22 ID:???
 ロイドはコレットを見送ると、森の一角へと視線を向けた。
 木の陰からは、人影がまっすぐ伸びている。
「誰かいるのは分かっている。……出て来い、死をいとわぬならば」
 ロイドは人影に向かって、殺気を放つ。
 木から出てきたのは二刀流の剣士、ビュウだった。
 しばらくたった後、やっぱり追いかけようと家を飛び出したのだ。
「……俺は、あの子を追うべきだと思うか?」
 かなり、弱気の発言だった。
 それほど、ヨヨとコレットのことで参っていたのだろう。
 ロイドは何も告げぬまま、立ち去ろうとする。
 隠れているから敵かとも思ったが、とんだふぬけだった。
 気が抜けて、そのまま立ち去ろうとするロイドにビュウは再び問いかける。
「状況が分からぬ私に言えることなどない。自分で考えることだ」
 突き放した言葉。
 ビュウに納得する気持ちと、納得できない気持ちが湧き上がる。
 矛盾しているが、そうとしか言えない感情だ。
 相当弱気になってることを自覚しながら、ビュウは考える。
 これ以上、ここにいても無駄だ。
 そう思い、コレットの逃げた方向へビュウは足を向ける。
「彼女は一人でいることを望んでいる。そうっとしておくのも優しさだ」
 ロイドが不意に言葉を紡ぐ。
 ビュウが足を止める。
 コレットはそうっとしておくべきだろうか、とビュウの頭に思考が走る。
「だが、――――それでも傍にいてやるのも優しさだ。好きにするがいい」
 ビュウはしばらく考えた後、コレットを追うことを決意した。
 そんなビュウに、今度はロイドから問いかけた。
「……宿を知っているなら教えてほしい」
 ビュウは元来た方角を指差し、返答する。
「この先に、俺たちがいた宿がある。……ありがとうな」
 そう言って、ビュウはコレットの方角へ走り去る。
(コレットに謝らないと……!)
 ロイドはふと鞄を見ると、光が宿っていた気がした。
 ドラグーンスピリットを取り出す。
 スピリットは月光を反射するのみだった。
「まさか、な……」

112 :謝罪 ◆gel7gxy79o :2005/06/27(月) 23:37:55 ID:???
【コレット@テイルズオブシンフォニア
 現在地: D02 東の森
 所持品: エメラルドリング(スターオーシャン)
 第一行動方針:ビュウさんから距離を取る。ロイドに謝罪】

【ビュウ@バハムートラグーン
 現在地: D02 東の森
 所持品: ロングソード(サガ1)(バルバトスの戦いで刃が欠けてしまってます) そこら辺に落ちていた木の枝×2
 第一行動方針:コレットを探して謝罪】

【ロイド@ レジェンドオブドラグーン
 現在地:D02 東の森
 所持品:ドラグーンスピリット(神竜王)
 基本行動方針:かみを倒す
 第一行動方針:眠たい】

*ビュウが選ばれたかどうかは不明。
 ロイドは気のせいであると判断した。

113 :淫乱な穴 ◆zEGpD4VZDY :2005/06/28(火) 00:46:23 ID:???
じゅぷ。じゅぷ。
コレットは愛しの元彼と同名のロイドの肉剣で突かれていた。
「あああああビュウさんのよりもでかああああい」
「二刀流が好みの君のために素敵なアナルテクニシャンも用意したよ」
「どうもーピアスの少年です。まんこよりもアナルが好きです」
「わーい美少年のちんこだー」
それからコレットの周りに男が集まった。
みんなHのしすぎでエイズになった。氏んだ。
その頃ビュウは腹いせに女全員をレイプして頃した。
ビュウが勝った!!!!!!!

【ビュウ 優勝】

114 :113の続き:2005/06/28(火) 00:49:35 ID:???
ビュウは性病にかかり苦しみながら死亡
あの世ではヨヨが股を広げて待っていた

                     BADEND

115 : ◆gel7gxy79o :2005/06/28(火) 00:50:18 ID:???
>108-112はNG

116 :ゲーム好き名無しさん:2005/06/28(火) 00:53:58 ID:???
>>113
投下宣言がないので無効

117 : ◆1bdo6Ek.sk :2005/06/29(水) 01:07:53 ID:???
>>107
そして──

を消して



より近くへ、より近くへと互いを求め合っていく二人


「あ・・・・・・」


そして──

に変更あせてもらいます


118 :Renewal ◆C3JvwEis6I :2005/06/30(木) 01:52:46 ID:???

空は青からオレンジ、黒へと移り変わっていった。
どんな気分でも一日は過ぎ去って行ってしまう。
でも。

星と月光に照らされて、流れてゆく雲とおぼろな照り返しの海を見ていた。
「ふぁ…だーれもいないし、退屈ねー」
海辺にちょこんと腰掛けてエトナは大あくび一つ。
わけのわからないままに始まった今日も結局いつも通りの時の流れで過ぎてゆく。
下僕にしたマントーは夕飯のための素潜り漁を命じて海に放り込んだ。
殺伐としたルールの下なのに自分の周りは何だか平和で退屈で。
でも。


性格の悪そーなかみサマの声が暗い空を眺める頭に響く。
『アティ ルヴァイド ブリキン シフ――』
あー、うん、結構逝っちゃってるんだねー。
『――城戸玲司 ヨヨ ラハール モモ―― 』

…思考が一瞬で真っ白にクリアされて、それから同じ名前が無数に貼り付いてゆく。
『ラハール』?
『ラハール』、『ラハール』、『ラハール』。『ラハール』って?

「うそ………殿下?」
否定の言葉はリフレインしていく名前に片っ端から上書きされ塗りつぶされる。
ハンマーで頭どつかれた後の方がまだ考えられそう。

言葉が出ない。目の前には波頭が1、2、3…じゃなくて、あーあそこの星は妙に輝いてる…
でもなくて、考えないと、考えなきゃ、殿下がどーしたっけ、名前が聞こえて、それから、それから。
えーーーーと。………うん。
…………なんでよ。なんでっ、どーして?
あの傲慢で自信家で凶悪でごーいんぐまいうぇいな殿下が?
広大なる魔界の覇者、魔王of魔王sの殿下が?

定まらぬ視線でうつむき加減に海を見つめながらようやく紡いだ言葉は、間抜けな否定で。
「そんなコト…あるわけないじゃない…」


119 :Renewal ◆C3JvwEis6I :2005/06/30(木) 01:53:33 ID:???

「つーかオレ様を何だと思ってやがんだあの小娘は!」

愚痴りながら海から上がるマントー。
しかしその腕にはいくらかの貝が抱えられている。やっぱり手ぶらで戻るのは怖いらしい。
とにかく先ほど海に投げ込まれた場所へと向かう。

「よぉくぅも夜の海にたたっこんでくれたな!!
 素手で魚なんかとれっか…………?…どしたい」

ほんのいくらかの時間見なかっただけなのに少女の雰囲気はだいぶ違って見えた。
憎々しいまでの元気は消えて、何だかよわっちく見えて、…泣いてん、のか?
と、顔のところに手をやってからエトナが弾けるように立ち上がる。
腰に手を当てて、シルエットだけは胸を張って。

「ちょっと突然なんだけど、今から私は魔王よ。これからはサマをつけて呼びなさい!
 …そーね、理由を聞かせてあげるわ。あたしが仕えてあげてた殿下がね…」

ほんの少しだけ間が開く。

「ぽっくり逝っちゃったみたい…だから……
 だから、魔界でbQなあたしが次の魔王ってわけ。わかった?」

振り返った表情は暗くて読み取れない。
マントーは何も答えない。

「なによ、不満なの?だったらあんたもうどっか行っちゃっていいわ、クビね」

何も答えない。

「…どっか行ってって命令してるの!早く!この槍も退職金代わりにあげるわ!だから!」

何も答えない。
無言のまま、マントーはグラムザンバーを手に姿を消した。



夜の海。後に残るは、泣き虫一人。


120 :Renewal ◆C3JvwEis6I :2005/06/30(木) 01:54:28 ID:???






「…いつからそこにいたの」

「ああ?ついさっきからだぜ…。あの、なぁ。あんま落ち込むなよ」
「…誰が落ち込んでるって?」
「どー見たっておまえ落ち込んでるだろうが!てめぇがそんなんじゃなぁ、
 てめぇにこき使われてるオレ様が雑魚みてぇじゃねぇかぁ!」
「………」
「いつか絶対にぶちのめしてやろうって考えてんのにそんなんじゃ張り合いがねぇぜ!
 まったくよぉ…しっかりしてくれよ…」
「あんた、バカね」
「んだとぉ!ひとが気にしていることをよくも抜けぬけと…!」
「ぶちのめすならさっきがチャンスじゃない。何でやらないのよ」
「ガキ相手に落ち込んでるとこを襲ったって自慢にもなりゃしねぇだろぉが!
 正面から力ずくで行くのがオレ様のやり方だぜ」
「ただ考えるだけの脳が無いからでしょ」
「きーーっ、うるさーいっ!黙れ、黙れぇ!」
「図星ね」

おバカと悪魔の掛け合い。
いつの間にか、雲間から月光が射すようにエトナには笑みが戻っていた。
そっか、うじうじ泣いてても殿下に笑われるだけか。
あたしは、こうやって前向いて適当に悪いこと考えてる方があたしらしいもんね。

「んーで、あんたがどうやってあたしをぶちのめすって?」
「え……そりゃあなーんか強力な武器を手に入れて…その、なんだ、
 うしろから……ばきっと」
「あはは……じゃ、その時はあんたが魔王になりなさい」
「へ?」
「ふふ…何でもないわ。
 そ・れ・じゃ、あたしの魔王としての初仕事、行くわよ!
 まずは殿下の仇をとるけど探すなんてまだるっこしいことはやってらんないから、
 人を殺すような有罪(ギルティ)な奴は皆殺しね。
 その後は…そうね、かみサマもぶち殺してこの世界を征服でもするかな」
「おお!スケールでかいな!」

121 :Renewal ◆C3JvwEis6I :2005/06/30(木) 01:55:11 ID:???

その後は遅い夕食。マントーが採ってきた貝は怪しいんで
あいつの食糧の一部と交換ってことで、全部食べさせてあげた。
なーんか愚痴ってた気がするけど今日は見逃しといてあげる。


類は友を呼ぶってこういうことかな。違うかな。
ま、要するに落ち込んでるときに一緒にいてくれる奴がいたほうがいいって話。
一緒にバカやってくれる奴が。…こいつはほんとの馬鹿だけど。
でも。

こんな下僕とのコンビも悪くないって気もちょっとだけする。
また殿下のことを考えるとちょっと気持ちが翳っちゃうけど、
うん、あたし、立派な魔王を目指しますから!
いつの日か殿下やクリチェフスコイ様を超えるような存在を目指して!
だから…見守っていてくださいっ!


【エトナ@魔界戦記ディスガイア 所持品:なし
 第一行動方針:人を探す
 基本行動方針:有罪(ギルティ)な奴を皆殺し
 最終行動方針:かみを倒してこの世界を征服】
【マントー@天外魔境 所持品:魔槍グラムザンバー@ワイルドアームズ3
 第一行動方針:エトナについていく
 基本行動方針:生き残る】
【現在地:G05南端の岬・移動開始】
【時間:PM9:00くらい】


122 :Renewal(修正) ◆C3JvwEis6I :2005/06/30(木) 02:13:49 ID:???
3レス目の後半部を以下に修正します。


「んーで、あんたがどうやってあたしをぶちのめすって?」
「え……そりゃあなーんか強力な武器を手に入れて…その、なんだ、
 うしろから……ばきっと」
「さっき言ってたことと矛盾してんじゃないの」
「い、いや…そりゃ、な……(てめぇが強すぎるんだよ!この洗濯板!)」
「あはは…まあいいわ。じゃ、その時はあんたが魔王になりなさい」
「へ?」
「ふふ…何でもないわ。
 そ・れ・じゃ、あたしの魔王としての初仕事、行くわよ!
 まずは殿下の仇をとるけど探すなんてまだるっこしいことはやってらんないから、
 人を殺すような有罪(ギルティ)な奴は皆殺しね。
 その後は…そうね、かみサマもぶち殺してこの世界を征服でもするかな」
「おお!スケールでかいな!」

123 :先行く未来、戻れぬ過去 後 ◆SRS//Njsn6 :2005/07/01(金) 04:06:26 ID:???
「相変わらず、無愛想な男ね」
 声をかける暇もなく外へ出て行くシェゾの姿を見たベルフラウが言う。
 だが彼女の表情は悪い顔ではなかった。
「もう少し後でも良かったんですけどね……」
 早く見張りをすれば、ベルフラウとマキがはやく寝れる事になる。
 彼なりにそれを気遣ったのだろう。
「それじゃ、俺様は先に寝かせてもらうぜ?」
 次に変わらねばならぬ秀彦は、さっさと毛布に身をくるむとゴロンと横になる。
 少しでも睡眠を取り、備えておきたいのが彼の本心だった。
 先は長い。
 休める時にきっちりと休んでおかなくてはいけない。
 それぞれが想い抱き、休む者は休み、番を任されたものは武器を手に取り備えていた。


「よっ! 調子はどうだい?」
 戸を開けると共に秀彦は見えぬシェゾに語りかけた。
「……見張り中くらい静かにできないのか?」
 声と共にイクリプスが解かれ、何もなかった空間からシェゾがゆっくりと姿を表す。
「そんなにきつく言うなよ……。
 いないんだろ? この辺りに誰もよ」
「ぁあ……」
 ふぅと溜息を付きながら、シェゾはやれやれと言ったように秀彦に付き合う。
 事実、闇の魔導師であり、しばしば闇に包まれたダンジョンで過ごしているシェゾにとって、闇の中など何のハンデにもならない。
 徹夜も余程連続しない限りは良くあった事だ。
 そう、むしろ闇こそ彼の真骨頂と言えよう。
「正直、助かったぜ。お前達と出会えてよ。
 でなければ、俺様、マキちゃんのために何徹でもする覚悟だったさ」

124 :先行く未来、戻れぬ過去 後 ◆SRS//Njsn6 :2005/07/01(金) 04:07:03 ID:???
「……」
 シェゾは敢えてその返答をしなかった。
 しかし秀彦は構わず続ける。
「それでも、俺様はこんな闇の中に慣れてるわけじゃねぇ……。
 不安だったぜ。今の俺様にとっちゃマキちゃんを守ることが第一だからな」
「……お前らのためにやったわけじゃない」
 何に関心するわけでもなく、シェゾは淡々と返した。
「ありがとうよ……。おかげでマキちゃんを無事眠らせてやれる、生き延びさせてやれる」
「その方が俺にとって都合いいからだ……」
 冷たい仮面を心に被り、シェゾは機械的に返答を出した。
 それでも秀彦はシェゾに語り続ける。
「なぁ……」
 一転して秀彦の口調から、様子から、今まであった洒落っ気が抜けていた。
「……なんだ?」
 彼の態度に呼応するかのように、シェゾは聞き返した。

「魔力を……吸い取れるんだろ?」

 返ってきたのは、ほんの一言だった。
 それは先ほどの情報交換、各々が自分の持つスキルを述べた時の事が起因していた。
 しかし、秀彦の顔は、声は、変わらず真剣だった。
 答えを待つかのようにシェゾに尋ねる。
 そして彼が中々返さないのを計ると、更に続けた。
「もし、俺様が死んだら―――」

 一瞬の静けさと共に夜風が吹いた。

125 :先行く未来、戻れぬ過去 後 ◆SRS//Njsn6 :2005/07/01(金) 04:08:30 ID:???
「―――俺様のペルソナを、全てをやる。
 だから……マキちゃんを守ってくれねぇか?」

「ふざけるな」
 今まで無機質に、無愛想に、ただ返答していたシェゾがはっきりと拒絶の反応を顕わにした。
「お前が死んで一番悲しむのは誰だ?
 お前が本当にあの娘のためを想うなら、何よりも生き残る事だろ? 違うか?」
 その様子に驚きと後悔が入り乱れつつも、秀彦は黙って聴いている。
「自己犠牲? あぁ、確かにそれで守れる時もある。だがそれで喜ぶと思うか、あの娘が?
 お前はそれで満足かもしれない。だが残された娘はどうする? 長い付き合いのお前の方がよく解っているだろ?」
「ああ……」
「だから、何があっても共に生き残る事を優先しろ……。
 どんな窮地でも死を認めるな。最後まで足掻け……」
 最後、秀彦の方から目をそらし、どこかを見つめるかのように彼は俯いた。
 ……彼の中で最後の台詞は、かつての自分と今の自分にも響いていた。

 ――――――

 口から発せられた言葉は、本来の目的たる秀彦の歪んだ弱音に深く刺さっていた。
「俺様が悪かった。今のは忘れてくれ」
 しゅんと沈んだように、秀彦は己の発言を撤回すると
「ああ、お前の言う通り、俺様が守りきってみせる! 絶対に!」
 いつもの明るくテンションの高い彼に戻った。
「言い忘れてた事がある」
「おう、なんだ?」
 へらへらと笑いながら聞き返す。
「生憎様、死人からは吸えない。だからお前の死体は役に立たないな」
 変わらぬ無愛想な一言。だけども、彼の顔はどこか、ふっ、と笑みを漏らしているような感じだった。
「なんだそりゃ? 闇の魔導師にも不可能があるってか? デヒャヒャヒャ」
「俺は“かみ”じゃないからな……」
 言い終えるとキリっとした表情で、彼の瞳は真っ直ぐに今この場にいない対象を据えていた。
「ああ……」
 秀彦もまた彼と同じ『方』を見つめる。
 どこともない、けれども確かに存在しているアイツの所を。

126 :先行く未来、戻れぬ過去 後 ◆SRS//Njsn6 :2005/07/01(金) 04:09:33 ID:???
「家の中にいろ……、お前は姿を消せないだろ」
 目先を戻し、シェゾは秀彦の方を向いて言う。
「重ね重ねわりぃな……。でも、俺様必ずこの借りは……」
「生き残っていたらな……期待はしない」
 秀彦が言い終えるま前に、ふん、と言い捨て再び彼は姿を消した。

 朝になれば、それぞれが各々の役割のために再び別行動を取る。
 その後、次に会える保証は何処にだってない。
「ああ……。お前こそな」
 戸を開けて秀彦は小屋へ戻る。
 “再び生きて会おう”
 それは無言の内に交される約束だった。
 

 星が綺麗だ。
 闇が辺りを包み、静寂だけが場を支配している。
 その中で空に散りばめられた星が輝いている。

 何故、自分は当たり前と思うようになったのだろう。
 あの時は、確かに告げられた運命に抗うべく足掻いていたのに。
 何故、認めてしまったのだろう。

 何も疑う事なく
 ただ
 ただ
 目的のために走り続けようとしていた。

127 :先行く未来、戻れぬ過去 後 ◆SRS//Njsn6 :2005/07/01(金) 04:10:52 ID:???
 “君は悪なの?”
 とアイツに聞かれれば判断に悩む。
 魔力は奪う。
 だが別に奪っても相手は死なない。殺す必要は皆無だ。
 けど彼女にとって見れば悪だろう。
 彼女が長年積んできた物を、内に潜む物を、奪おうとしているのだから。
 それでも彼女が自分を悪としてみることはなかった。
 世話の焼ける厄介者とは見つつも、今ここにいるヤツラのように隔てなく接してくれていた。
 振り返れば、人助けや世界の平和を守ったり、貰った魔力を律儀に返した事もある。
 己の中には、侵してはいけないルールが有り、それは一般の人と変わりない。
 むしろ、良い人と言われてしまうような気もする。
 闇の魔導師―――ルーン・ロードの後継者なら悪であるはずなのに。
 ああ、そうだ。足掻いてるじゃないか。
 自分は自分だ。定められた運命に従う必要なんてない。
 自分はやりたいように生きれば良い。
 かみのようなヤツが嫌いで、こういうコトが大嫌いで、共にいる仲間を助けたい。
 それでいいじゃないか。
 

「そろそろ時間ですよ」
 戸が開き、ゆっくりとリースが表れる。
「もう少しで日が出る。そうすれば少しは見張りも楽になるだろう」
 ぶっきらぼうにシェゾは返す。
 それが一番いい策だと思っているからだ。

 沈黙が続いた。 

 それを破るかのようにシェゾがふいに口開く。
「もし俺が死んだのなら、俺の全てを受け継げ」

128 :先行く未来、戻れぬ過去 後 ◆SRS//Njsn6 :2005/07/01(金) 04:11:37 ID:???
 彼にとっては何気ない一言だった。
「それは……」
 そこでリースは口を噤む。
 ただその顔は真剣なものだ。
「闇の魔導師は……俺の魔力は受け継がれてきて、そして受け継がれていくものだ。
 俺が死ねば、新たな後継者に行く。俺がそうであったように……」
 そうすれば残されたものが生き延びる確率はあがるから、と。
「もし俺が死んでも、俺の知識が、魔力が、残れば役に立つだろう。
 だがバブじゃ無理だ。ベルフラウはまだ小さすぎる」
 それは彼なりの心配と気遣い。
 ホークや、ベルフラウの探し人の、残されたものは彼ら死んでいったものの意志を引き継いでいく。
 そんな気持ちからきたものだった。
 
「断ります」
 彼女にしては珍しく怒りの混じった瞳でシェゾを見る。
「犠牲になるのなら、知り合いもいない自分が合っている。そう思ってますね?」
 声にもどことなく怒気が含まれていた。
「…………」
 シェゾは言い返せなかった。なぜなら、それは間違ってはいなかったのだから。

―――自分を失って悲しむヤツなんていない。

 事実、そう思っていたのだ。
「同じ、たった一人だけで召還された身として言わせて下さい。
 バブさんやベルフラウ、上杉さんや園村さん、私たちが悲しまないと思いますか?」
 はぁ、とシェゾは溜息をつくと彼女に屈した。
「悪かった。忘れてくれ」 

129 :先行く未来、戻れぬ過去 後 ◆SRS//Njsn6 :2005/07/01(金) 04:12:57 ID:???
 秀彦に説教したくせに、自分もさして変わりなかったようだ。
 そんなことを自分よりも遥かに若い少女に気づかさせられるとは。

「生きて下さい。そのために私達は協力してるんですから」
 シェゾが見るとリースはニコっと微笑んでいた。
 
「日が昇り始めましたね。
 さ、もう文句はないはずですよ、寝てください」
 喋っている間に時間も経ったらしい。
 薄っすらと空に光が混ざり始める。
 無理矢理にでも寝かせますよ?
 という感じで彼女はシェゾを小屋に戻るよう手を振る。
 小屋の付近には彼ら以外人がいない。
 誰も彼等のやり取りを見ていなかった。
 だがもし知る者が見れば、彼はまた女に口で負けていると思っただろう。
「解った解った、世話焼きなやつだな……」
 どうもこの手の押しの強い女にはつくづく縁があるらしい。
 女難の気でもあるのだろうか?
 と彼は思った。



【上杉秀彦@ペルソナ2】
 所持品: バトルハンマー(Sagaシリーズ)
 基本行動方針:仲間を集めてゲームを何とかする
 第一行動方針:アイツ(ヒーロー)や知り合いに会う
 第二行動方針:見張り】

130 :先行く未来、戻れぬ過去 後 ◆SRS//Njsn6 :2005/07/01(金) 04:13:17 ID:???
【園村マキ@ペルソナ2】
 所持品:ドレメラ工具セット(SO3)
 基本行動方針:仲間を集めてゲームをどうにかする
 第一行動方針:怪我を治す。精神的に参っている人たちを救ってあげる。
 第二行動方針:睡眠を取る】
【シェゾ@魔導物語
 所持品:ミスリルソード
 基本行動方針:かみをぶったおす
 第一行動方針:睡眠を取る】
【バブ@大貝獣物語
 所持品:ブラックイーグル(残り3/6発、予備2ケース)
 基本行動方針:打倒主催
 第一行動方針:見張り】
【リース@聖剣3
 所持品:機動装甲 ミスリルソード
 基本行動方針:ゲームからの脱出
 第一行動方針:見張り】
【ベルフラウ(サモンナイト3)
 所持品:なし
 基本行動方針:ゲームからの脱出
 第一行動方針:睡眠を取る】
【現在地:C06(左側の家)】
【AM4:00前〜】
武具は見張りをしているものに渡していく方式。
朝になり、全員起きた時にはそれぞれの持ち主に返却。

131 :赤黒い空への不安 ◆C3JvwEis6I :2005/07/03(日) 06:21:34 ID:???

ゲーム開始時より情報を求めて図書館内を漁っていたソル。
だがこの図書館で見つかるのは魔法関連の書籍ばかり。
残念ながら自分には直接は縁の無い領分である。

精霊を使役する、あるいは力を借りる形で放つ魔法についての本。
人の心の奥に潜む力を像として具象化するある種の力を解説する本。
相反する複数の系統からなる魔法の大系をまとめた本。

詳しい人間が見れば一級の資料だろうが、自分にはいまいち役立たずだ。
魔法といえばと自身に支給されたもの、魔道板の解読を試みてはみたが、
こういうものはまず知識、それ以上にセンスがものを言う。自分にどちらも無い。
苦闘しながらもとりあえず、何らかの儀式の方法が刻まれているということはわかった。
ほんのさわり程度の解読、今日一日で成果といえるのはそれぐらいである。


次第に夕闇が訪れ、あたりは夜の帳へ。日が落ちれば読書も不可能だ。
とにかく今夜はここでこのまま過ごすことにした。

ひときわ目立つ建物であるとは言え島全体から見れば北に外れすぎている。
さらにこの建物はそれなりの広さを持ち、よしんば侵入者があったとしても
自分が先に気づくことができ、主導権を握れるだろう。
夜の間ここに潜むことを決めた時にはそうした安全の目論見があった。
だがそれは見事に打ち砕かれる。



132 :赤黒い空への不安 ◆C3JvwEis6I :2005/07/03(日) 06:22:54 ID:???

南向きの明かり取りの小さな窓の向こう、空が僅かに赤く焼けて見える。
何か、大きなもの、恐らく建物が…燃えている!

内側で侵入者に備えていても丸ごと燃やされてしまえばそれまでだ。
確かに小さな火をおこす道具は全員に与えられているようだが
放火などまさかそこまでやる奴が参加しているとは…読みが浅かったか。
周りに目立ちすぎるとはいえ、中にいるものにとっては対策など取りようも無い。
危険度ではどの建物も大差ないということになる。
特にここのような図書館に火は大敵。あっという間に大炎上するだろう。


抑揚の無い奇妙な感触の放送が流れる。
今更ながらにしてこの島に安全な場所など存在しないことが心にしみる。
湧き上がる不安の中、ソルは建物の奥に息を潜めた。

【ソル(RUNEU)所持品:魔道板(解読可能)@アンリミテッドサガ
 第一行動方針:警戒しながらの休息(朝まで)
 基本行動方針:ゲームからの脱出または勝利 】
【現在位置:A04、ライキューム図書館内 】


133 :それぞれの選択 ◆V4MJjH1yek :2005/07/04(月) 23:04:41 ID:???
「街とはいえ、夜は静かね……」
 闇が訪れ、静寂に包まれた街。
 辺り一面が不気味なほどに静かだった。
 流石に、夜に大規模な行動を取るものは少ないのだろう。
 だが、数は少ないとはいえ、ひっそりと闇に紛れて動く者もいるはずだ。
「何時までも外にいるのは危険ね……手近な家に入りましょう」
 遠距離攻撃が可能な者が家の中に潜伏していたら、夜とはいえいい的である。
 手頃な家を見つけるとロックブーケはその中に入っていった。


 ギィ……バタン。

 扉が閉会する音が耳に聞こえた。
「――――!?」
 何者かが家内に進入してくる音を聞き、眠りこけていた意識が目覚める。
「大分眠っていたみたいだな……」
 ラハール、忌み嫌う悪魔との激闘の後、大分寝ていたようだ。
「っと誰か来たみたいだな……」
 カツリ、カツリ。と小さな音が聞こえる。
 相手も慎重に歩いているのが、足音から解る。
 角の奥に潜み、相手の出方を伺う。
 音から、着実に此方へ向かってきているのが感じ取れる。
「まずったな……死体だけはどうしようもない……」

134 :それぞれの選択 ◆V4MJjH1yek :2005/07/04(月) 23:05:07 ID:???
「これは……」
 無残にも首を断ち切られ、横たわる死体。
 死んでから大分経ったのだろうか。地面には乾いた血の池。
 ここで壮絶な戦いがあった事が伝わってくる。
 ギリっとロックブーケの右手に力が入った。
「まさかいないとは思うけど……」
 殺人現場に何時までもいる犯人はいないと思うが……罠という可能性もある。
 より慎重に周囲へ意識を配り、ロックブーケは先を進み始めた。

 いる。暗闇で良く見えないが確かにこの先にいる。
 それも人ならざる禍々しい者の気配。
 十分に取れた睡眠のおかげで、身体の調子はいい。
「先手必勝だな……」


「……落ち着きましたか」
 ノエルがビューティに声かける。
「すみません、少し取り乱してしまったようです」
 残酷無比なるかみからの放送。
 再び湧き上がり、抑えきれぬ涙を流し終えたビューティ。
 それを心配するかのように取り囲む人ならざる三人がいた。
「解ってはいたのです……」
 ただそれを三人は黙って聞いていた。
「いざ、解っていても現実を知ると悲しいものなのですね……」
「あなたは―――どうするんですか?」
 それは自分にも言えることだったかもしれない。
 ノエルはビューティへと尋ねる。
「恨むつもりはありません。生き延びるためには止むを得ない状況です。
 それにあの子から仕掛けたのかもしれません。血の気は多かったですからね……」

135 :それぞれの選択 ◆V4MJjH1yek :2005/07/04(月) 23:05:25 ID:???
「ボクは……マローネのためならこの手が汚れるのも構わない。
 もし彼女が死んでいたら……」
 二人の発言を聞いてノエルの心は揺れ動く。
(もしロックブーケが死んでいたら……私は……どうすればいいのだろう)
 生前、彼女が死んだ時、彼は取り乱し、狂い、仇を襲った。
 一度死んだ身、幾分覚悟ができ落ち着いたとはいえ、その心はまだ不安が拭えない。
「ワタシハ……カツテ生ミノ親ト恋人トモイエル存在ヲ殺シタコトガアリマス」
 三人目……であるロボが口開いた。
「ロボ、それは……」
 何かの答えを求めるかのように、そして衝撃の発言をノエルは聞かずにはいられなかった。
「見テノ通リ、ワタシハ機械デス。
 工場デ同ジ機械ノ手ニヨリ、ワタシハ作ラレマシタ。
 タダ運ヨク故障トカサナリ、ワタシハ、クロノサンタチニデアエテ、心トイウモノヲ知リマシタ。
 デスガ、ワタシノ生ミノ親デアル、マザーハ狂イ暴走シ、生キ残ッタヒトヲ、ワタシノカケガエノナイ仲間ヲ殺ソウトシマシタ」
「…………」
 三人とも黙ってロボの話を聞き入っていた。
「ダカラワタシハ、コノ手デ、決着ヲツケタノデス。
 心ヲ教エテクレタ、カケガエノナイ仲間タチヲ守ルタメニ。
 マザーニ操ラレ、ワタシヲ襲ッテキタ彼女モ、助ケル事ガデキナカッタ……。
 ソレデモワタシハ、後悔シテマセン。大切ナ仲間ヲ守レタノデスカラ……。
 ソシテ立チ止マリマセン。ソレハワタシガ手ニカケタ彼女タチ、“ナカマ”ヲムダニスルコトダカラ」
 それからロボは淡々と語りつづけた。
 ラヴォスと戦い窮地に陥った時、仲間を守るため命を捨てた青年クロノのことを。
 そして皆でクロノを蘇らせた事を。その道程と思いを。
 そしてラヴォスを倒した後、クロノ達と冒険した『ロボ』という存在は消えた事を。
 三人は返す言葉がなかった。
 生身でない、機械であるというのに、何よりも誰よりもこのロボは心を理解している。強い心を持っている。
「強いですね……ロボさんは」
 ロボの話が終わるとビューティが呟いた。

136 :それぞれの選択 ◆V4MJjH1yek :2005/07/04(月) 23:05:52 ID:???
「イ、イエ! ワタシナンテ決シテ……」
「いえ、ロボ、あなたは強いですよ。そして誰よりも人らしい」
 ノエルが続けてロボへと感嘆の声を出す。
「ソ、ソンナ……」
 もし彼が人だったら顔が赤く染まっていただろう。
 どことなくプシューという擬音が聞えそうなほど、彼はあたふたとしていた。

「そういえば、ロボの支給品はなんだったのですか?」
 場が落ち着いたとき、ノエルが話を切り出した。
 今まで一緒にいて、彼の支給品だけが不明だったのを思い出す。
 今後のためにも把握しておきたい。
 それは三人とも一致した考えだった。
「コ、コレナノデスガ……」
 がさごそと袋を漁り、ロボは支給品を取り出す。
「壺……ですか」
「ハ、ハイ、シカモ……」
 続いてロボは説明書を取り出し、三人の前に広げた。

『変化の壺』
 支給品を入れることによって別のアイテムに変えることが出来ます。
 役立つアイテムになる事もあれば、ゴミになる事もあります。
 但し、説明書は付属しません。
 尚、使用回数は4回のみです。

「また厄介な支給品ですね……」
 自分のガラスの剣、そしてビューティの巨大冷凍マグロ。
 これらも大分際どいアイテムだったが、それ以上にこの壺は際どい。
 実際、支給品なしでは何の役にも立たないのだから。
 当たりだったのはアッシュのアイスブランドくらいだろう。

137 :それぞれの選択 ◆V4MJjH1yek :2005/07/04(月) 23:06:17 ID:???
「冷凍マグロ入れてみましょうか?」
 そんな事を言い出したのは、持ち主のビューティだ。
「いまはまだ何とか堅いですが、段々と解凍が始まっています。朝になれば一日も持たないでしょう。
 食べると言う手もありますが、ここまででかい生ものは保存のしようがありません。
 ならば、別のアイテムに変えてみるというのも手でしょう」
「入るんですかね、これ」
 アッシュが壺の大きさと冷凍マグロの大きさを見て疑問を上げる。
「支給品も袋に入ってたんですから入ると……入りましたね」
 不思議なことにビューティが壺に突っ込もうとすると、するりと冷凍マグロは入っていく。
「さて何になりましたかね」
 壺の中を漁り、取り出す。
 すると出てきたのは杖。
 先頭に緑色の宝石が埋め込まれている。
「タダノ杖デハアリマセンネ、ナニカシラノ力ヲ感ジマス」
「魔法の杖でしょうか、せめて効力が解れば……」
 その時だった。

 ズドーン!!!!

「コ、コノ音ハ!?」
 ロボが声を上げる。
 直ぐ近くの家から雷のような物音が聞えてきたからだ。
「戦闘!? しかも近い!!」
 続けて上がったのはノエルの声。
「ド、ドウシマスカ、ミナサン!?」
「行きましょう。もしかしたら誰かの知り合いかもしれません」
 もしマローネがその場にいたら。そう思ったアッシュが切り出す。
 ノエルとロボの二人、昼間は様子を見たが、今はこれだけ心強い仲間がいる。
「行きましょう……もう誰かが私のように泣くのは嫌ですから」
 ビューティの考えに押された二人も賛同し、四人は音の聞えてきた家へと走りこむ。

138 :それぞれの選択 ◆V4MJjH1yek :2005/07/04(月) 23:06:37 ID:???
「ったった……いきなり何するのよ、あいつ!」
 雷の張本人ロックブーケは愚痴った。
 いきなり、闇の中から男がすさまじい勢いで強襲してきたからだ。
 何とか避けて、魔法の雨を浴びせたものの、相手がどうなったかはまだ確認していない。
「今ので死んでくれてればいいんだけど……」
 警戒しながらロックブーケは辺りを見渡す。

「また厄介なヤツだ……。あいつも魔法の手練れのようだな。
 さて、どうやってはめるか……」
 そう考えていた時だった。
 複数の者の声と走り音が聞えてくる。
「助かった」
 素直にアルフォンスはそう考えた。
 複数で組んでる以上、少なくともおいそれと殺害をするような意思を持つものではないだろう。
 上手くいけば、仲間を得れるかもしれない。
 ならば善は急げ。
 目の前の危険人物を逃がすわけには行かない。
 姿を出し、時間を稼がねば。と考えて飛び出す。
 彼の最大の誤りは、ロックブーケに集中しすぎ、やってくるものの気配もまた悪魔であることに気づけなかった事。
 そして、彼女の兄がいたという事。


「ああ、ラハール……」
 首と胴の離れた死体にすりより、ビューティは涙を流す。
「ビューティさん……」
 三人ともそれ以上の声が出せなかった。
 もう大分前に死んだのだろう、死体の血が乾いているので解る。
「……先を行って下さい」

139 :それぞれの選択 ◆V4MJjH1yek :2005/07/04(月) 23:06:52 ID:???
 無機質な声で、ビューティはそれだけを答えた。
「解りました……」
 今はそっとしておくべきだ。
 三人とも同じ考えで先を急ぐ。

 彼らが過ぎ去った後、ビューティはラハールの死体から袋を拾い上げる。
 中を開け、支給品の説明書を読む。
「これが……あなたの支給品なのですね」
 血に塗れ、赤く染まったいけいけタスキ。
 それを首のない胴から拾い上げる。
「必ず、私がかみを倒します。共に見ていて下さい」
 赤いタスキを身に付けると、ビューティは先へいった三人を追い始めた。


「ロックブーケ!!」
「お兄様!!」
 辿り着いた三人の目の前には、今にも一触即発の二人。
 しかも片方はノエルの探し人、彼の妹であるロックブーケだった。
「お前まさか……」
 最悪の場合を想定していたノエル。
 実は当たっているのだが、今回の場合に関しては違っていた。
「ち、違いますわ! 彼から襲ってきたんです!」
 当然の如く、ロックブーケはそう返す。
 それに彼ら以上に驚いたのは、アルフォンスだ。
 複数の人がやってきたおかげで此方のアドバンテージは広がる。
 そう読んだからこそ、決着をつけるために前へ出てきたというのに。
 これでは、むしろ自分が窮地である。
 何とか説得して、和解する事はできないだろうか?
 その様子からも、彼等は決してゲームに乗っていない。
 そう考えた時、不幸にも彼に更なる追い討ちがかかった。

140 :それぞれの選択 ◆V4MJjH1yek :2005/07/04(月) 23:07:19 ID:???
「廊下に死体がありました……殺したのはどちらですか?」
 無機質に、機械的に淡々とした声。
 ゆっくりとビューティが五人の前に姿を表した。
 その身体には赤いタスキがかけられている。
「私は先ほど来たばかりですわ……」
 当然のように本当の事をロックブーケは言う。
 そして彼女は先ほどまで戦っていた人物に視線を向ける。
 ビューティの視線がアルフォンスに突き刺さる。
 蛇に睨まれた蛙とはこのことを言うのだろうか。
 アルフォンスは、言ってしまった。
「ああ、俺だ」
 後戻りできない一言を。


「一つだけお聞きしたいのです。どうして彼を殺したのかだけを」
 生きたい。そう思う心を止める権利は私にはありません。
 ですが、それでも私の心が聞きたがるのも止めることもできませんでした。
 きっとあの子から襲った。せめてもの救い、そう信じたかったのです。
「悪魔だから襲った……」
 目の前が真っ暗になりました。
 あの子は、そんな理由で殺されたのですか……?
「如何にもな邪悪な存在、野放しにしては必ず他の者に害が及ぶと思ったからだ」
 たったそれだけの理由で?
 生き延びるためでもなく、あの子がお痛を過ぎたわけでもなく、ただ彼の身勝手な判断で殺されたというのですか?
 あの子が悪魔だったというだけの理由で……。
「ははは……ははははははっはははは」
 乾いた笑いが喉から止まりません。
 命の奪い合い、相手にも理由がある。
 だから決して恨まないと思っていました……ですが……。

141 :それぞれの選択 ◆V4MJjH1yek :2005/07/04(月) 23:07:36 ID:???
「貴様……!!」
 温厚なはずのノエルさんの声に怒りが混じっているのが解ります。
 彼の妹もまたそれだけの理由で襲われていたのでしょうから。
 アッシュさんも同様のようです。
 彼の瞳にもまた憎しみが混じっています。
 言っていました。私と出会う前、私も出会った差別主義の者と戦い撃退をしたと。
 彼等はそれが許せないと言っていました。
 同じ人外として、今の私の気持ちを理解してくれているのです。
 それだけではありません。きっと自分の事として考えてくれてるのでしょう。
「ノエルさん、ロボさん、アッシュさん、ロックブーケさん」
 彼等の思いを無駄にするかもしれない。
 それでも私はこの思いを止めることはできませんでした。
「……」
 四人とも黙っていました。
 逆の立場なら私もそうなっていたでしょう。
「1:1です」
 ええ、これは私と彼だけの問題で済ませたい。
 彼らに引き継がせたくない。ここで断ち切りたい。
「それは……」
「例え、私が死ぬことになろうとも手出しをしないで下さい」
「失礼な事を言っているのは解ります。
 ですが、二つお願いします。彼が戦いから逃げることがないようにだけして下さい。
 そして……もしもの時は彼を恨まないで下さい」
「解りました……」
 悲痛だというのは解っています。こんな私に付き合ってくれる四人には感謝しきれない。
「さぁ、行きますよ」
 彼も覚悟はできているようです。
 逃げようとせず、ただ此方を真っ直ぐに見据えています。
「これは私なりのケジメです!!」

142 :それぞれの選択 ◆V4MJjH1yek :2005/07/04(月) 23:08:02 ID:???
 撒いた種だ。この戦いで死んでも文句は言えない。
 勝ったとしても、彼らと手を組むのは無理だ。いや組めない。
 俺は……俺で別の道を歩もう。もしお互い生きているのならいつかきっとかみの前で会う。
 そう心に決心し、俺は二人だけの戦場へと降り立った。

 
【アルフォンス・タルタロス@タクティクスオウガ外伝
 所持品:トラップカプセル・フリップパネル
 基本行動方針:同志を集め神打倒・脱出
 第一行動方針:ビューティ男爵とタイマン】

【ビューティ男爵(中ボス)@魔界戦記ディスガイア
 所持品:痛み分けの杖@残り五振り
 最終行動方針:神の印をどうにかする。
 第一行動方針:アルフォンスとタイマン】
【ノエル@ロマサガ2
 所持品:ガラスの剣
 基本行動方針:ゲームを止める
 第一行動方針:アルフォンスが逃げないようビューティ男爵を見守る。】
【ロボ@クロノトリガー
 所持品:変化の壺@残り三回
 基本行動方針:クロノ達と合流する
 第一行動方針:アルフォンスが逃げないようビューティ男爵を見守る。】
【アッシュ@ファントム・ブレイブ
 所持品: アイスブランド(SAGA1より)
 基本行動方針:マローネに会う 自分が消滅するまでマローネを守る
 第一行動方針:アルフォンスが逃げないようビューティ男爵を見守る。】

143 :それぞれの選択 ◆V4MJjH1yek :2005/07/04(月) 23:08:25 ID:???
【No29.ロックブーケ@ロマサガ(左腕使用不能)
 所持品:たいでんカッパ@電気を防ぐ ソーディアン・ディムロス@テイルズシリーズ
 基本行動方針:七英雄三人生き残る。
 第一行動方針:ノエルに従う】
【現在位置:C4建物の廊下】
【時間:AM10時過ぎ】

*アルフォンスは眠っていたため放送を聞いていない。
*何の杖であるかは持ち主含め知らない。
*痛み分けの杖:振るった相手に、今後自分が受けたダメージを同じように与える。
        振るった後10のダメージを受ける→振るった相手も10のダメージを受ける。
        但し、最後に振るったものへとダメージは行く(一人のみ、複数にかけることできない)
        シレンだと効果は永続ですが、まずいと思うので効果は数分間程で。

144 :それぞれの選択 ◆V4MJjH1yek :2005/07/05(火) 01:00:39 ID:???
『変化の壺』
 支給品を入れることによって別のアイテムに変えることが出来ます。
 役立つアイテムになる事もあれば、ゴミになる事もあります。
 但し、説明書は付属しません。
 取り出すには、吸い出しの巻物を使うか、白紙の巻物に『すいだし』と書き込んで使うか、壺を割らなくてはいけません。
 尚、使用回数は4回のみです。

「また厄介な支給品ですね……」
 自分のガラスの剣、そしてビューティの巨大冷凍マグロ。
 当たりだったのはアッシュのアイスブランドくらいだろう。
 これらも大分際どいアイテムだったが、それ以上にこの壺は際どい。
 実際、支給品なしでは何の役にも立たないのだから。
 しかも、その取り出すための巻物がない限り割らないといけない。
 誰かに支給されてるのだろうか。
「冷凍マグロ入れてみましょうか?」
 そんな事を言い出したのは、持ち主のビューティだ。
「いまはまだ何とか堅いですが、段々と解凍が始まっています。朝になれば一日も持たないでしょう。
 食べると言う手もありますが、ここまででかい生ものは保存のしようがありません。
 ならば、試しに別のアイテムに変えてみるというのも手でしょう」
「入るんですかね、これ」
 アッシュが壺の大きさと冷凍マグロの大きさを見て疑問を上げる。
「支給品も袋に入ってたんですから入ると……入りましたね」
 不思議なことにビューティが壺に突っ込もうとすると、するりと冷凍マグロは入っていく。
「さて何になりましたかね」
 どういう構造をしてるのかは不明だが、壺の中を覗いてみると確かにマグロではない何かがある。
 浮かんできたのは杖。
 先頭に緑色の宝石が埋め込まれている。

以上に修正します。

145 :それぞれの選択 ◆V4MJjH1yek :2005/07/05(火) 01:01:42 ID:???
【ビューティ男爵(中ボス)@魔界戦記ディスガイア
 所持品:紅いいけいけタスキ
 最終行動方針:神の印をどうにかする。
 第一行動方針:アルフォンスとタイマン】
【ノエル@ロマサガ2
 所持品:ガラスの剣
 基本行動方針:ゲームを止める
 第一行動方針:アルフォンスが逃げないようビューティ男爵を見守る。】
【ロボ@クロノトリガー
 所持品:変化の壺(痛み分けの杖@五振り)@残り三回
 基本行動方針:クロノ達と合流する
 第一行動方針:アルフォンスが逃げないようビューティ男爵を見守る。】
【アッシュ@ファントム・ブレイブ
 所持品: アイスブランド(SAGA1より)
 基本行動方針:マローネに会う 自分が消滅するまでマローネを守る
 第一行動方針:アルフォンスが逃げないようビューティ男爵を見守る。】
【No29.ロックブーケ@ロマサガ(左腕使用不能)
 所持品:たいでんカッパ@電気を防ぐ ソーディアン・ディムロス@テイルズシリーズ
 基本行動方針:七英雄三人生き残る。
 第一行動方針:ノエルに従う】
【現在位置:C4建物の廊下】
【時間:PM10時過ぎ】

状態欄と時間を以上に修正します。AMになってました……

146 :赤黒い空への不安(修正版) ◆C3JvwEis6I :2005/07/06(水) 04:58:10 ID:???

ゲーム開始時より情報を求めて図書館内を漁っていたソル。
だがこの図書館で見つかるのは何というのか、突拍子もないというべきか、
タイトルに溢れる魔法、魔力、術といった言葉。
どうやらここはそういう妖しい技術を研究する、もしくはしていた場所らしい。
残念ながら自分には何の知識も無い領分である。

精霊を使役する術についての本。自分が知る召喚とは根本的に異なるようだ。
人の心の奥に潜む力を像として具象化するある種の力を解説する本。
「自分の中のもう一人の自分」?…どこの異教の概念であろう。
相反する複数の系統からなる術の大系をまとめた本。
よくもここまで空想が纏められるものだ。

ぱたり、と本を閉じる。
妖しいとしか表現する言葉のない、自分には到底理解し得ない世界が広がっている。
「鍵」のような極めて特別な道具すら用いずに、
まるで武器のように炎や雷を扱える人間がいるなどどうして信じられるだろうか?

はっきり言ってうんざりだったが、それでも何とか五行についての本を見つけ出した。
もしかすると自身に支給されたもの、魔道板の解読ができるかもしれない。
黙して本に目を落とす。

五行とは自然界のものを5つのカテゴリーに分け、相互の関連を説く概念らしい。
未知の概念、わかり辛い文などに苦闘しながらもとりあえず、
この板には何らかの儀式の方法が刻まれているということはわかった。
ほんのさわり程度の解読、半日ほどの苦労で成果といえるのはそれぐらいである。


次第に夕闇が訪れ、あたりは夜の帳へ。日が落ちれば読書も不可能だ。
周りもすべてこの研究機関の敷地のようだが、続きは明日以降。
とにかく今夜はここでこのまま過ごすことにした。


147 :赤黒い空への不安(修正版) ◆C3JvwEis6I :2005/07/06(水) 04:59:35 ID:???
ひときわ目立つ建物であるとは言え島全体から見れば北に外れすぎている。
さらにこの建物はそれなりの広さを持ち、よしんば侵入者があったとしても
自分が先に気づくことができ、主導権を握れるだろう。
夜の間ここに潜むことを決めた時にはそうした安全の目論見があった。
だがそれは見事に打ち砕かれる。

南向きの明かり取りの小さな窓の向こう、空が僅かに赤く焼けて見える。
何か、大きなもの、恐らく建物が…燃えている!

誰かが火を放ったのだ。
確かに小さな火をおこす道具は全員に与えられているようだが
放火などまさかそこまでやる奴が参加しているとは…いや、自分の認識が甘いのだ。
昼間本で見た、炎を使うという妖術師のことが一瞬思い浮かぶが、振り払う。

とにかく内側で侵入者に備えていても丸ごと燃やされてしまえばそれまで。
火攻めは周りに目立ちすぎるとはいえ、中にいるものにとっては対策など取りようも無い。
危険度ではどの建物も大差ないということになる。
特にここのような図書館に火は大敵。あっという間に大炎上するだろう。
改めて自分が今殺し合いのさなかに身を置いていることを実感する。


奇妙な抑揚の放送が流れる。
自分が動かない間も多くの死者が出ている。この島に安全な場所などないのだ。
だが、土地勘もない闇の島、自分にどこへ行くあてがあるだろう?
湧き上がる不安の中、ソルは建物の奥に息を潜めた。

【ソル(RUNEU)所持品:魔道板(解読可能)@アンリミテッドサガ 、五行についての本
 第一行動方針:警戒しながらの休息(朝まで)
 基本行動方針:ゲームからの脱出または勝利 】
【現在位置:A04、ライキューム図書館内 】


148 :キュウソク ◆7OOlCV6h8U :2005/07/07(木) 18:34:52 ID:???
“――――いじょう19めいです!”

「19人か……思ったより死んでるんだね」
死者の中に自分が殺した二人の名前もあった。
どこにも放送施設がないのに聞えてくるこの声は本物と見ていい。
「ゲームに乗ってる人、けっこういるんだな」
彼、アシュトンにとって一番恐ろしいのは私欲で動く殺人者だ。
もしそんな奴が優勝してしまったら全てが台無しになってしまう。
かといって彼らがいてくれないと自分一人で残りを殺しきるなんて無理なのも解っていた。
「100人くらいはいたかな。なら残りは80人くらいか。
 私欲に走った奴を片付けるのはもっと少なくなってからでいいね」

そういえば志を同じくする少年は北を目指すと言っていた。
ライキュームと書いてある建物に行くらしい。
夜だから危険な街は避けたいとか知り合いも避けてるかも、と言っていたのを思い出した。
なら自分はこの南の大きい半島を探そう。
人のいそうな場所から争いを避けて南へ来てる参加者も多いと思った。
「動物園はまだ彼らがいるかもしれない……」
もしかしたらあの五人組がまだ残ってるかもしれない。
あれから手持ちの所持品は増えていない。
まだ戦いを挑みにいく時じゃない。
「朝になったら様子を見に行ってみようかな」
と同時に農家の小屋へと辿りつく。
「人がいるといいんだけどな……」
剣を握り締め、慎重に様子を伺い扉を開ける。

149 :キュウソク ◆7OOlCV6h8U :2005/07/07(木) 18:35:19 ID:???
カチャリ。

中を見渡すが何の気配も感じない。
小屋に入って中を見回るが何もない。
「誰もいない……」
がっくりと落胆したのと少しだけ安堵の気持ちが浮かぶ。
さっきからずっと動きっぱなしだった。
「2時間でも1時間でも30分でも10分でも、取れる内に休息は取った方がいいよね」
もし襲ってくるような人が来てもギョロとウルルンがいれば少しは安心できる。
ほんの少しだけ、これからのためにもアシュトンは短い眠りにつく事にした。



「今晩はここで過ごそう」
けったいなかみの声。
あれから誰とも出会わずにいた二人も、人が死んでいる死ぬという状況を再認識した。
「誰かいるといいのだが……」
やっと見つけた小さな岬の手前にある農家。
一晩の休息をするべく小屋を目指す。
潜んでいるものがいるかもしれない。
慎重に見渡すがどうやら本当に何もいない。
辺り一面、ただ静かだった。
「ここでじっとしているのも危険だよ。
 中に入ってこれからの事を考えよう」
ネルがいい、二人は扉に手をかけた。

150 :キュウソク ◆7OOlCV6h8U :2005/07/07(木) 18:35:35 ID:???
【アシュトン・アンカース@SO2
 所持品:無銘の刀
 第一行動方針:参加者を殺して支給品を奪う。
 第二行動方針:仮眠中
 基本行動方針:優勝してドラゴンを祓ってみんなを蘇らせる】

【ネル・ゼルファー@SO3
 所持品:パーティクルイレイザー(SO3マリアの武器(銃))
 基本行動方針:ゲームを潰す
 第一行動方針:フェイトを探す】
【ラクウェル・アップルゲイド@WA4
 所持品:不明
 基本行動方針:ゲームを潰す
 第一行動方針:フェイトを探す】
【現在地:G1農家】
【現在時間:PM10時くらい】

151 :キュウソク ◆7OOlCV6h8U :2005/07/07(木) 19:20:35 ID:???
>人が死んでいる死ぬという状況を再認識した。

>人が死んでいる、そしてこれからも人が死ぬという状況を再認識した。
に修正します。

>「誰かいるといいのだが……」
の次に
>自分達と同じように宿を求めてる人がいればいい。
を付け加えてお願いします。

152 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/09(土) 23:46:59 ID:???
m9( ;:゚;u;゚;)プギャー

153 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/12(火) 23:46:26 ID:???
ホシュ

154 :受け継がれる遺志(1/8) ◆gel7gxy79o :2005/07/14(木) 01:39:09 ID:???
 既に暗闇が支配している森の中、フェイトは一人佇んでいた。
 普段ならば不意打ちを受けそうな危険な場所、決して不用意に近づいたりはしない。
 だが、今は別だった。
 今はなるべく誰とも会わず、身を潜めたいという一心でフェイトは足を踏み入れたのだ。
 理由は簡単だ。武器を失い、心元ない現状ではどうにも戦い難い。

 ――――どうしてこうなったんだ?

 あの戦闘後、幾度と無く反復している言葉。
 圧倒的に優位な状況に立っていたはずだ。
 棍棒の男の実力はたいしたことのなかった。
 戦闘慣れはしているようだが、それはこっちも同じ条件だ。
 負ける道理は、ない。
 ならば、何故武器を失い敗走したのだろうか。

 ――――どうしてこうなったんだ?

 再度反復する。
 援軍が来たからだろうか。
 いや、それは言い訳にすぎない。
 もっと、別の要素があったはずだ。
 もっと、別の何かが。

155 :受け継がれる遺志(2/8) ◆gel7gxy79o :2005/07/14(木) 01:40:27 ID:???
「まさかな……」
 考え難い想定が頭をよぎり、フェイトは呟く。
 右手を握り、力一杯握られた右手で木を殴った。
 痛む右手を押さえながら、自分の考えを口にした。

「僕は、人を殺せないのか?」

 物理的な意味ではなく、精神的な意味での言葉だ。
 僕、フェイトは無意識の内に人を殺すことを躊躇っている。
 そういうことなのだろうか。
「まさかな……」
 自分の考えを一蹴する。
 このシミュレーションゲームで、何故躊躇う必要があるのか。
 馬鹿な考えはよせ、と自分に言い聞かすようにフェイトは言う。
「命の大切さが分かるゲームだね」
 茶化すように発音するが、フェイト自身はそれを受け入れない。
 自分の言葉なのに、どこかこのゲームを現実だと認識してしまいそうな節がある。
 そういえば、最初に会った人も同じ勘違いをしてたことを思い出す。
 出来すぎたシミュレーションゲームだ。
 だが、フェイトにとっては切実な問題でもある。
(皆は全力で戦うのに、僕は全力を出せないのはやばいな)
 一度誰かと倒す必要がありそうだ、とフェイトは考えた。
 これはゲームだ、と認識する為にも。
 そして、誰かを倒して――――

「僕は、人を殺せる人間になるんだ」

 精神的にも強くなるんだと、誓った。

156 :受け継がれる遺志(3/8) ◆gel7gxy79o :2005/07/14(木) 01:41:37 ID:???
 ソフィアは放送を聴いて、不謹慎ながら安堵する。
 知り合いは全員無事のようだ。
 知り合いの無事が知った安心感と、人が死んでいるショック。
 前者の割合を多く占めていたが、それでも少なからずショックを受けていた。
 人が死んでいくこの状況で、今度は自分ないし知り合いが死ぬ可能性は十分にあるのだ。
 それを思い知らされた今、ソフィアの心は一つだけを考えるようになっていた。
 フェイトと会いたい。
 不安が過ぎる。嫌な予感がしながらも、森の奥へ奥へと足を進めていく。
 少しだけ、開けた場所に出た。
 ドン、という打撃音が耳に入り、ソフィアは足を止める。
 誰かがいる。
 ソフィアは足を止め、そっと木の陰から覗き込んだ。
 それと同時に声を上げる。
「――――フェイト!」
 歓喜の声が辺りに響く。
 そしてフェイトがソフィアを見て、笑顔を見せた。
 足が弾む。歩き出したソフィアの足は段々早くなって、フェイトに抱きついた。
「ソフィア、無事でよかったよ」
 フェイトは抱きついているソフィアに抱き返しながら、鞄をそっと覗き込む。
 フライパンが見えた。
(……武器にはならないな)
 それでもないよりはマシかと考え、フライパンをソフィアの鞄から抜いた。
 まだソフィアは気づかない。
 フェイトはそのままソフィアから手を離し、フライパンを自分の背中に回した。
 安心した様子でソフィアもフェイトからそっと距離を置く。
 フェイトは怪しまれないように会話を続けながら、時を待った。

157 :受け継がれる遺志(4/8) ◆gel7gxy79o :2005/07/14(木) 01:42:54 ID:???
「ソフィアは誰かと会わなかったのか?」
 フェイトはソフィアの来た方向を見つめながら、問う。
 それにつられ、ソフィアもまた来た方向に振り向いた。
 少しもフェイトを疑ってはいない。
「知り合いは誰も……」
 そこで、言葉は途切れる。
 ソフィアの後頭部をフライパンで殴り、続けてショットガン・ボルトを放つ。
 五つの火炎弾がソフィアを襲うが、ソフィアに防ぐ手段はない。
 不意打ちで殴られた後頭部で意識が朦朧とし、火炎弾が全て命中する。
 身を焼かれながら、ソフィアは後ろを見る。
 フェイトが口を開いた。
「悪いな、ソフィア。ゲームオーバーだ」
 ソフィアは何も答えない。
 フェイトはため息を吐く。
 これで一人、それも知り合いを倒した。
 もう僕は決して躊躇しない。
 フェイトは自分にそう言い聞かせた。
「まぁ、見てろよソフィア。絶対に優勝して見せるから、応援しててくれ」
 フェイトの紡ぐ言葉はどこか、自分に言い聞かせるようだった。
 だが、もうフェイトはそんなことをする必要はない。
 そしてもう後戻りはできない――――。
 ソフィアはフェイトの言葉から、フェイトが勘違いしていることを理解した。
 もし、フェイトがこれが現実だと知ればどうなるだろう。
 そう考え、ソフィアはあえて最後の力を振り絞ってこう言った。

158 :受け継がれる遺志(5/8) ◆gel7gxy79o :2005/07/14(木) 01:44:00 ID:???
 その言葉は他のどの参加者の為でもない。
 その言葉は自分の為に吐くセリフではない。
 ただ一人、フェイトの為だけに呟く言葉。

「がんば、って、ゆ、しょ、し、てね、ふぇい、と」

 フェイトを守りたいが為に紡いだ言葉だ。
 ソフィアの意識が闇へと落ちる。
 その直前に、フェイトの涙が見えた、気がした。
 ――――はぁ。
 フェイトはため息を吐く。
 当然、涙はでない。
 これはゲームであって、現実ではない。
 だが、それでも。
「知り合いを倒すって良い気はしないな」
 あえて殺すという言葉は使わない。
 ガサッ。
 フェイトの耳に雑音が飛び込んだ。
 咄嗟にフェイトは木に飛び掛り、木を足場にして更に上へ飛ぶ。
 枝につかまると腕の力を利用して枝の上に上がり、腰を下ろした。
 二人の少女が近寄ってくる。
「……!」
「あれは!?」
 少女たち、アメルとシェーナはソフィアを見つけ駆け寄ってきた。

159 :受け継がれる遺志(6/8) ◆gel7gxy79o :2005/07/14(木) 01:45:35 ID:???
「大丈夫ですか!?」
 アメルはソフィアに駆け寄ってしゃがみこみ、ソフィアの腕をとる。
 火炎の魔法を受けたらしく、その身体の温度は通常よりも熱い。
 肌は焼かれているが、不思議と抵抗した様子は見つからなかった。
「……アメルさん?」
 急に動きが止まるアメルに、不信そうに声を掛ける。
 アメルは首をそっと横に振り、シェーナもどう反応したらいいか分からず黙りこんだ。
「……犯人が近くにいる可能性が高いから逃げないと……」
 シェーナはなんとかこの雰囲気を取り除こうと、思い切って声を掛けた。
 それにシェーナは今は犯人と会いたくない理由があった。
 ドラグーンスピリットのことだ。
 放送前、ロゼを救出する時感じた違和感。
 ドラグーンスピリットの出力が弱まっている、ということだ。
 不安になる。
 ドラグーンスピリットから感じる力がどんどん弱まっていくのを、シェーナは感じていた。
 もしかしたら、近い内に……。
 シェーナは不安を振り払うように頭を振った。
 そうこうしている間にアメルが立ち上がり、シェーナに声を掛けた。
「……そうですね、いきましょうか」
 南へと足を向ける。
 地図によるともうすぐ街が見えるはずなので、そこで一泊しようと二人は話し合っていた。
 アメルが先導し、シェーナがその後を追う。
 それと同時に風切り音が耳に入り、アメルは気になって振り向いた。
 そして叫ぶ。

160 :受け継がれる遺志(7/8) ◆gel7gxy79o :2005/07/14(木) 01:46:34 ID:???
「シェーナさん、危ない!」
 アメルの悲鳴が森に響く。
 フライパンがシェーナに向かい、まっすぐ飛んできていた。
 シェーナはアメルの悲鳴を聞き、咄嗟にドラグーンスピリットを発動させた。
 アメルの言葉から何かが自分の身に降りかかってきているのは理解した。
 問題は避けられるかどうかだが、それを確認している場合ではない。
 だから、避けるのではなく耐えるようにシェーナは判断していた。
 シェーナを光が包む。そして光が収まった時、シェーナは見たことのない鎧で身を固めていた。
 何故か腹部とふとももを露出した、羽の生えた鎧。
 投げつけられたフライパンはその鎧に弾かれ、足元に転がっている。
「くそ! ならば……!」
 どこからか言葉が聞こえ、続いて火炎弾が木の上から放たれた。
 シェーナはドラグーンの装甲で耐えるが、アメルに耐える手段はない。
 アメルを庇うように立ち憚り、そして今度はシェーナが叫ぶ。
「アメルさん、逃げて! ここは私が……」
「で、でも……」
 アメルは立ち去らない。
 ここで逃げると、あの時と――村を襲撃されたあの時――と同じだ。
 だが、ここにいても足を引っ張るだけというのも事実である。
「……待ってますから」

161 :受け継がれる遺志(8/8) ◆gel7gxy79o :2005/07/14(木) 01:47:51 ID:???
 アメルはそれだけ言い残し、現場を後にしようと足を街へと向けて走り出した。
 それと同時に、アメルの背後から再度光が放射される。
 フェイトは、見た。
 どんな仕組みか知らないが鎧が消えるのを。
 ドラグーンの状態が解け、シェーナが元の姿に戻る。
 疲労からか、シェーナは膝をついて倒れこんでいた。
(チャンスだ!)
 フェイトは木の枝から飛び出し、イセリアルブラストを放つ。
 空中のフェイトから地上のシェーナへ波動が放たれる。
 波動が、シェーナを飲み込んだ。
 シェーナが心配になって、アメルが振り向く。
 シェーナは地面に平伏して動かない。
 そんな中、ドラグーンスピリットが輝きを増してシェーナの頭上からアメルの頭上へと移動した。
 ドラグーンスピリットはアメルの手の中で何事もなかったかのように収まり、光を収束させる。
「これは一体……」
 そんなことを考えている場合ではない。
 シェーナさんの死を無駄にしない為にも逃げないと――――。
 アメルは再び走り出す。
 その表情には涙を浮かべて……。

「ここは一旦引こう」
 フェイトはアメルを追う元気はなかった。
 あれだけスキルを連発したせいだろう。
 フェイトはとりあえず休める場所を求めて、再び移動を開始した。

162 :受け継がれる遺志(番外) ◆gel7gxy79o :2005/07/14(木) 01:48:22 ID:???
【シェーナ 死亡】
【ソフィア 死亡】

【フェイト・ラインゴッド
 現在地:D3
 所持品:フライパン バーンナウト(炎魔法/残り3個)
 第一行動方針:休憩できる場所を探す
 第二行動方針:スタンに報復
 第三行動方針:強い相手と戦う
 基本行動方針:ゲームに勝つ】

【アメル@サモンナイト2
 所持品:ドラグーンスピリット(白銀竜)
 第一行動方針:ひたすら逃げる
 現在地:D3】

*ドラグーンスピリット(白銀竜) はアメルを選んだ様子だが、アメルは使い方を知らない。
 詳細もまったくアメルは分からない。

163 :受け継がれる遺志(番外) ◆gel7gxy79o :2005/07/14(木) 02:35:12 ID:???
補則。
・ドラグーンスピリットが選ばなくなる理由は原作でも追求されていない。
・選ぶ理由も「ドラグーン同士は惹かれ合う」の一言で済まされている。
・誰も選ばない場合はただ地面に落ちる。

・あと持ち主が使えなくなってすぐ誰かを選ぶ訳ではない。
(今回だとシェーナが使えなくなる → しばらく時間をおいてアメルへ移るの流れです)

164 :赤黒い空への不安(最終版) ◆C3JvwEis6I :2005/07/14(木) 03:48:54 ID:???

ゲーム開始時より情報を求めて図書館内を漁っていたソル。
だがこの図書館で見つかるのは何というのか、突拍子もないというべきか、
タイトルに溢れる魔法、術、魔力といった言葉。
どうやらここはそういう妖しい技術を研究する、もしくはしていた場所らしい。
リズの力を目にしていたとはいえ残念ながら自分には何の知識も無い領分である。

とにもかくにもそこらの棚から本を手にとって開く。
自分にとってはまるで物語、絵空事、空想世界の事柄が、それらに記されていた。

不死の願いに取り憑かれた一人の妖術師に端を発する伝説。
世界の基本を為すという三つの原理、八つの徳。
複数のサークルで系統付けられた「魔法」という…妖しげな術。
人に力を与えたり、逆に失わせたり。炎や雷を操ったりもするらしい。
シャードとファセット、世界の有り様を示すという理解しがたい話。

興味深くはあるが、伝説や妖術の話には今は用は無い。
だがこの世界の有り様については、たとえそれがにわかに信じがたいとはいえ
置かれている異常な状況を説く鍵となるかもしれない。
半日がかりの努力で得られた有力そうな手がかりは以下のものである。

シャード…かつて世界を映し込んだ宝珠が砕け散り、その破片一つ一つが世界を為したという。
つまり、自分が生きていた世界も、この世界もそれらのひとつだともいえるのか。
ファセット…破片には当然複数の面がある。その性質を反映し、一つのシャードは繋がりを持つ
複数の世界で構成されているという。この世界にもほかのファセットがあるというのか。
そして、ムーンゲート…離れた地を一瞬で結ぶという光の柱。


次第に夕闇が訪れ、あたりは夜の帳へ。日が落ちれば読書も不可能だ。
周りもすべてこの研究機関の敷地のようだが、続きは明日以降。
とにかく今夜はここでこのまま過ごすことにした。


165 :赤黒い空への不安(最終版) ◆C3JvwEis6I :2005/07/14(木) 03:49:43 ID:???

ひときわ目立つ建物であるとは言え島全体から見れば北に外れすぎている。
さらにこの建物はそれなりの広さを持ち、よしんば侵入者があったとしても
自分が先に気づくことができ、主導権を握れるだろう。
夜の間ここに潜むことを決めた時にはそうした安全の目論見があった。
だがそれは見事に打ち砕かれる。

南向きの明かり取りの小さな窓の向こう、空が僅かに赤く焼けて見える。
何か、大きなもの、恐らく建物が…燃えている!

誰かが火を放ったのだ。
確かに小さな火をおこす道具は全員に与えられているようだが
放火などまさかそこまでやる奴が参加しているとは…いや、自分の認識が甘いのだ。
昼間本で見た、炎を使うという妖術師のことが一瞬思い浮かぶが、振り払う。

とにかく内側で侵入者に備えていても丸ごと燃やされてしまえばそれまでだ。
火攻めは周りに目立ちすぎるとはいえ、中にいるものにとっては対策など取りようも無い。
危険度ではどの建物も大差ないということになる。
特にここのような図書館に火は大敵。あっという間に大炎上するだろう。
改めて自分が今殺し合いのさなかに身を置いていることを実感する。


奇妙な抑揚の放送が流れる。
自分が動かない間も多くの死者が出ている。この島に安全な場所などないのだ。
だが、土地勘もない闇の島、自分にどこへ行くあてがあるだろう?
湧き上がる不安の中、ソルは建物の奥に息を潜めた。

【ソル(RUNEU)所持品:魔道板(解読可能)@アンリミテッドサガ
 第一行動方針:警戒しながらの休息(朝まで)
 基本行動方針:ゲームからの脱出または勝利 】
【現在位置:A04、ライキューム図書館内 】

166 :来客(二人目) ◆C3JvwEis6I :2005/07/14(木) 03:58:35 ID:???

彼の行動全てを裏打ちする絶対の自信。
自分が誰かに敗れ去る姿など想像もしない。
それは魔力の媒体たる杖を持たず本来の力を発揮できない現在においても変わりはしない。
武器はある。
銃、火薬の力で鋼鉄の弾を飛ばす道具。
魔法の力を中心に扱う自分にはできない発想の道具だが、原理は把握した。
あの男で一回、試射が一回。攻撃の軌道は直線、射程10m弱、独特の反動、感触。
慣れはしないが冷静に扱えば問題はない。

無惨にも完全に焼け落ちた魔法屋であった建物を後に、彼はゆっくりと動き出す。
そのまま誰とも遭遇しないままに日は落ち、神の声を聞いた。
だが彼は足も止めず、耳も傾けず、気に留めようとさえもしない。
彼にとっては自分と、他唯一つの存在を除けば他の全ては等価なのだ。

右手には、黒く塗りつぶされた海が広がっている。
やがて見つけたのは魔物のものであろう、異質な気配。


夜の海、暗い海面を漂うスービエ。
告げられた名前に知っている名を見出さず、ほっと安心する。
ロックブーケと別れた時にはこんなに時間がかかるとは考えていなかった。
もう十分なくらいに魚は取ったし、待つ以外にやることが見つからない。

戻って来ていることを期待して何度もそうしているように岸の方を見る。
何のモンスターの力か、スービエ、夜目は利くのだ。
見つけたのは、見覚えのない、だが大きな力はある何者か。


167 :来客(二人目) ◆C3JvwEis6I :2005/07/14(木) 03:59:50 ID:???

「よう、夜釣りか? 俺はスービエだ。お前の名前は?」

七英雄たる力に加え海という自分のテリトリーにいる絶対の自信から
スービエはその人物に気楽に話しかける。

突然に話しかけられた。
レザードはその事実から相手が闇の中でも自分の姿を捉えていることを確信する。
それから、自分と相手の戦力を推測を交えて比較してゆく。

まず自分。
武器となるのは幾種類かの魔法と手にしたザウエルP229。
大魔法が使えないのは残念だが人相手に立ち回るには十分な戦力はある。
だが、相手は。
わざわざ海中にいるのだから水中戦を本領とする魔物なのであろう。
相手のフィールドで戦うことは無い。
感じられる気配も並みの魔物ではなく、杖の無い私とこの小さな銃では力不足。
いきなり襲いかからずに話しかけてくるあたりは自信か傲慢か、あるいはお人よしか。
冷徹に計算する。
少しの間を置いて、穏やかに口を開いた。

「私はレザード、レザード・ヴァレス…ただの人間ですよ」


168 :来客(二人目) ◆C3JvwEis6I :2005/07/14(木) 04:01:04 ID:???

それから十数分。会話を通じてスービエから情報を引き出す。
最初はいくらか警戒されているようだったが、
自己紹介がてらに触れた、禁忌といわれる研究に手を出し学院を追放されたくだりの話が
妙に相手の同情を誘ったようで、今はもう打ち解けて喋っている。

情報交換といいながらも自分の事をうまく隠しつつ情報を得る。
この魔物は今仲間を待っているということ。
その仲間・七英雄という存在について。彼の仲間、ノエルとロックブーケ。
彼らを打ち破った皇帝という人間…これは無用な情報だったが。
自分のことは、
ただの錬金術師、突然こんなことに巻き込まれて困惑している、
これまでは誰にも会っていない、と説明しておいた。

「とにかく、私は脱出の糸口を探したいと考えています。貴方は?」
「俺はさっき言ったとおりここで仲間を待っている。約束だからな」
「しかし、不測の事態もありえるでしょう。どうです、一緒に行動しませんか?」
「む…いや、ダメだ。とにかく、俺は待たないと。仲間を信じている」
「…そうですか。では私はもう行きます。お互い、生き残れると良いですね」
「ああ、じゃあな……っと待て、持っていけ」
「魚ですか」
「餞別だ!」
「これはこれは、頂いておきましょう。それでは」


169 :来客(二人目) ◆C3JvwEis6I :2005/07/14(木) 04:01:41 ID:???

ゆっくりと、その場を離れる。
表ではにこやかに会話しながら、レザードはこの海に篭る魔物を如何に始末するかを考えていた。
どうせどこかの時点で消えてもらわねばならないのだ。
その為に重要なことは二つ。海から引きずり出すことと、戦力を高めること。
連れ出すことができれば楽だったがそこまで上手くはいかないか。
次なる策を練り上げるべく頭を回転させる。

彼の武器。
幾種類かの魔法と手にしたザウエルP229、それにもう一つ。
冷静で狡猾たる頭脳。

【レザード・ヴァレス@ヴァルキリープロファイル】
 現在地:G03
 所持品: ザウエルP229(残弾10)、癒し猫、魚1匹
 第一行動方針:戦力強化
 基本行動方針:優勝し、神に願いをかなえてもらう】

【No31.スービエ(ロマンシングサガ)
 所持品:魚14匹
 現在地:G03
 目的:待機中】

【現在時間:PM10時くらい】


170 : ◆tYOKpCObdg :2005/07/15(金) 01:24:01 ID:???
「ええっと、間違えちゃったかな?」
「いいえ、間違いなく魔法屋ですマスター」
 地図を片手に首を傾げるデネブに無表情にティオが応じる。
 二人の前にあるのは魔法屋だった燃えカス、ただそれだけ。
「どーして全焼してるのよ、誰か消化してくれたっていいじゃない!」
 取り敢えず先程聞こえてきた放送と、目の前の炭化した死体に動揺した様子は
一切無い。
「ネクロマンシーがあればこの人から何か聞けたかもしれないけど」
呟きながらデネブはその焼死体の頭だった部分を軽く踏みつける、故ユーゼットの頭部
はごくあっさりと踏み砕かれた。
「ゲームの内容上死者を復活させるような呪文は存在しないと思われます、マスター」
「あたしに神聖呪文が使える訳無いじゃない、ここまでコンガリ焼かれてるとどっち
も無理だろうけどね。他の魔法屋さんはっと」
愚痴りながらも地図を取り出して位置を確認、ティオはその間周囲を警戒。
「次はここの農家に行くわよ」
「何故ですか?」
「普通のカボチャも欲しいからよ」
「儀式には必要ありませんが?」
「もちろん」
いってデネブは胸をはり
「あたし好みの顔にする為よ!」
きっぱりと言い切った。
「あの、性能に変化がないのなら」
言いかけるティオの肩をしっかりと掴み
「いい、ティオ、確かに性能はそんなに変わらないわ、で、も、あたしは不細工
な顔のカボちゃんなんて嫌!それもデニムにあげちゃう分なら兎も角、そんな不細工
顔のカボちゃんと24時間一緒なんて拷問、いや犯罪よ!」
力一杯力説をかます。
「そ、そういうものなのですか?」
「普通の女の子ってそういうものよ」
マイペースな二人のサバイバルは続く。

171 : ◆tYOKpCObdg :2005/07/15(金) 01:25:14 ID:???
【デネブ(タクティクスオウガ)
 所持品:ガラスのカボチャ、夜叉姫の血
 第一行動方針:G03の農家に向かう
 最終行動方針:パンプキンヘッドの作成 】
【ティオ(グランディアU)
 所持品:湧水の宝珠@サガフロンティア2
 基本行動方針:マスター(デネブ)に協力 】
【現在位置:G03魔法屋跡】

172 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/15(金) 01:28:42 ID:???
「あいつら死にやがったか!」
 ホーク、そしてシフ。
 それはグレイと同じく彼が殺したかった者の名前。
「クックック……いい気味だ」
 未だ一人も殺していないが、もう19人も脱落しているとは。
 しかも殺したいほど憎かった二人が死んでいる。
「できれば俺の手で殺したいところだったが……」 
 それにしても震えが止まらない。
 先ほどまで逃げていた悔しさも高揚に変えてくれる。
「グレイの名前はなしか……だがそうでなくてはツマラン!!
 グレイ、お前だけは俺が行くまで生き延びていてくれよ!」

―――絶対にアイツだけは、この手で殺す!―――

 復讐に燃える悪鬼の瞳に黒い光が再び宿り始めていた。

「おい、貴様」
「なんだ?」
 人がせっかく高揚しているというのに。
 突然、前方から男がやってき、話し掛けてきた。
 なんだ、このいかれた風貌の男は。
 せっかくの気分を害された感じがするが……。
 まぁいい。記念すべき獲物第一号になってもらおうか?
「でかい魚を持った悪魔を知らないか?」
「でかい魚を持った男だと?」
「背中に黒い翼を生やした男だ」
 ……あいつか。
 先ほど、この俺を威圧してくれたやつか。
 しかし、こいつもどことなく人とは違った気配がするが……。

173 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/15(金) 01:29:48 ID:???
 まずは復讐だ。
 この俺様をぼこってくれたあの野郎どもを見つけ出して、マグニス様の強さを見せ付けてくれる。
 先程は魚に気を取られて油断したが、次はそうはいかん!
 やつを探すべく、俺様はまず街をくまなく探す事にした。

 早速、人影を発見する。
 近寄って、声をかけてみることにした。
 反抗の意思あるならばボコボコにしてやればいいだけのことよ。
「おい、貴様」
「なんだ?」
 劣等種の分際でこのマグニス様にいい返事をする。
 だが、まずはあの羽野郎だ。
 そいつの事を聞いてからにするとしよう。
「でかい魚を持った悪魔を知らないか?」
「でかい魚を持った男だと?」
 そいつの目が急にガラリと変わった。
 こいつ、何かを知っている。
「ああ、背中に黒い翼を生やした男だ」


「貴様、そいつの仲間か何かか?」
 忌々しいあの野郎の事に間違いなかった。この俺を脅かさせたふざけた奴。
 こいつはそれの仲間か何かか?
「ほう、貴様、知っているのならば答えてもらおう。
 やつは何処だ?」
「何の義理があって貴様に教えなければいけない」
 ブラッドソードを手に構える。
 面倒くさい。こいつも殺してしまえばいい。
 どうせ、生き残れるのは一人だけなのだから。

174 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/15(金) 01:31:17 ID:???
「貴様、そいつの仲間か何かか?」
 知っているのならば話は早い。
 力ずくでも聞き出すまでよ。
「ほう、貴様、知っているのならば答えてもらおう。
 やつは何処だ?」
「何の義理があって貴様に教えなければいけない」
 生意気な口を利くと、無謀にもこのマグニス様に立て付こうと剣を構えた。
 だが、はっきりと目の前の男の感情を読み取る事ができる。
 これは憎悪だ。
 こいつもやつの犠牲者か何かか?

 ムカツク。

 しかし、もし共通の敵を持つのなら、上手く利用する事はできないだろうか?
 残り80人近くも残っているのを、このマグニス様一人で勝ち抜くのは骨が折れる。
 扱いやすい手駒が欲しかった。
 多少生意気でムカツク。が、生き延びるためには賢さも必要だ。
「―――俺は共通の敵を求めるものだ」


「なんだと?」
 共通の敵? 俺にとってのグレイのように、あのキザったらしい悪魔を狙っているということか。
 どうする? 生前、人を信じていい結果が出たことなどない。
 この世で信じれるのは自分のみだ、と解ったからこそ、生き残るのだ。勝つのだ。
「貴様……俺がゲームに乗っていたらどうする?」
 “いたら”等ではない。
 実際に俺はゲームに乗っているのだ。
 こいつはどうでる?
「一人で勝ち抜くのも辛いだろ?」
 見抜いているか……?
 さて、どうしたものか。
 確かに俺一人では、あの人外どものようにチームを組んでる奴を倒すのは至難だ。
 こいつの言いたい事は概ね解る。

175 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/15(金) 01:32:31 ID:???
 『勝ち抜くための協力』

 手を組むべきか? だがこれが罠の可能性だったらどうする?
 組んだ瞬間、俺の持つ武器を奪うわけではあるまいな?

「はっきりと言おう。俺は勝ち抜くのが目的だ。
 それでも俺と組みたいというのか?」
 これでもこいつは手を結ぶというのか?
「いいだろう。俺の目的も勝ち抜くことだ。
 ならば勝ち抜くために手を組むのも悪くあるまい?」

 下手に心を隠している奴より、はっきりとした奴の方が安心できる。これは教訓だ。
 その点、こいつは何も隠さず、率直に答えてきやがった。
「はっ、優勝者は一人だけだぞ?」
「一人で勝ち抜くほど貴様は強いのか? それともコソコソと逃げ回るつもりか?」
 そこまで言われて黙ってる俺ではない。
「いいだろう。俺も倒したいヤツラがいる。そのためにも組んでやる。
 だが何時裏切るかは解らないぞ?」
「上等だ。その時は返り討ちにしてやる。
 この豚が! とな」


 見え透いた奴だ。こうも簡単に挑発に乗ってくれるとは。
 だが、これであの忌々しいヤツラを倒すのが楽になる。
 最悪、こいつは盾にでもすればいい。
 向こうも同じ事を考えているだろうがな……だが最後に勝ち抜くのはこのマグニスさまだ。

176 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/15(金) 01:33:16 ID:???
「「クックックック」」

 勝ち残るために協力する。協力して、やがては殺しあう。
 単純だからこそ、信頼できる。
 単純だからこそ、裏切れる。
 思惑をのせた二人の笑い声が重なり合っていた。
 

「これはどうです!!」
 ビューティの手から魔力の塊が発射される。
 対峙した、視線の先にいる男へと速度を持って一直線に向かう。
「つぇい!!」
 即座、生成した練気剣でアルフォンスはビューティ弾を打ち払う。
 目の前にエネルギーの衝突による爆発が起きる。
 家内にドォンとした音が幾重にも鳴り響く。
「はぁっ!!」
 すかさず、そのままの勢いで彼はビューティへと切り込む。
 練気剣を握り締めて、ビューティの首を取るべく剣を薙ぎ払う。
「させません!!」
 距離を詰めてくるアルフォンスに対し、バックステップをしながらビューティは衝撃波を放つ。
「くぅ!?」
 ボゥンとした音が鳴り響いた。
 咄嗟に練気剣を前にして防御へ回るが、衝撃波の勢いには耐え切れず、アルフォンスは後方へと吹き飛ばされる。

 再び、互いの間に距離ができた
 どちらともから「はぁはぁ。ぜぇいぜぇい」とした呼吸の乱れが感じ取れる。

177 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/15(金) 01:34:25 ID:???
 狭い家内の廊下では、ビューティの真価を発揮する事はできない。
 真ビューティー弾などの強力な術、広範囲に影響をもたらすのは使えない。
 必然的に使える魔法の種類も制限されていく。
 対してアルフォンスは要所要所で練気剣を使いこなし、彼の魔弾を弾き、幾度となく接近の機会を伺っていた。
 しかし、アルフォンスにとって有利というわけではない。
 狭い場所では、ビューティから連続して放たれる魔法を避けきるだけの動作を取る場所が少ない。
 躱せるものはできる限り躱すが、いくつかは練気剣で打ち払い、そして相手の懐へと潜り込まねばいけなかった。
 流石のアルフォンスも度重なる使用で息が上がりつつある。
 
 膠着した二人の戦いを見つめる10の視線。
 それらに見守られながら、二人は尚戦いを続ける。


―――トラップカプセル・フリップパネル。

 これを使えば、ラハールの時のように驚異的なダッシュ力で突撃する事ができる。
 だが、この戦いに於いてアルフォンスは、未だこのアイテムを使っていなかった。
(見破られたら、次から警戒されてしまう。チャンスは一度だ……)
 相手に突撃方法があるとばれてしまったら、次からより警戒され当てにくくなる。
(勝負は一回。絶対に必中できる時でなくては)
 実は、今までの戦いもアルフォンスの計算の内であった。
 共に大分疲労困憊してき、膠着している。
 そう、この膠着している状態こそが彼の欲しがった環境。
 相手に自分の手がこれ以上ないと思わせるためだ。
 
「ふぅ……!!」
 ビューティが息を整え、再び弾を出すモーションへと移る。
「はぁぁぁぁっ!!!!」
 気合一閃、疲労を振り切るかのごとく叫び、再び連続してビューティ弾を叩き込む。
「うぉおぉぉおおおおっ!!!!」
 前へと飛び出し、躱しながら何度目かになる練気剣・フォースエンスを生成してアルフォンスは打ち払い突撃する。

178 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/15(金) 01:35:55 ID:???
(勝負に来ている!?)
 今までより一層強い気迫。
 そして前へ進む力の入れ具合も段違いだった。
(来る!!)
 このままいけば、弾を全て打ち払いこちらへやってくるだろう。
 そうはさせない。
 とビューティは、今までよりもいち早く衝撃波を発する。

(この瞬間を待っていた!!)
 衝撃波が来る。このままではまた後方へ押し出されてしまう。
 だが、逆に今こそビューティが無防備になる時。
「貰った!!」
 一瞬で仕掛けたパネルを踏み、自らの突撃速度を加速させる。
 それだけでは終わらない。
 練気剣を、更に突撃の威力を更に強化すべくヒートウェポンをかける。
 その威力は一時的ながらもビューティ波を上回り突き抜ける。
 そして直ぐさま、アルフォンスの剣がビューティの目前まで迫った。

「ッ!?」
 この狭い通路、目の前を押し出す衝撃波に逃げ場などない。
 また後ろへ押し戻して終わりだ。
 そう考えてたのが甘かった。相手には奥の手があったのだ。
 目の前に剣が飛び出てくるのが解る。このままいけば首を刎ねられるだろう。
 元々自分から挑んだ戦いだ。
 理不尽な物に対する怒りとはいえ、自己満足のためだけに挑んだもの。
 志半ばで死ぬとはいえ、倒される事に後悔はなかった。
(ラハール、今あなたの元へ……)
 死を覚悟した。
 周りの物が全てゆっくりと流れるような気がした。

179 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/15(金) 01:36:26 ID:???
 
 ふわり。

 何か紅いものがビューティの目の前に浮きあがる。
(これは……ラハールの……)
 衝撃波、それとも迫り来るアルフォンスの巻き起こした風か。
 何が原因かは定かではなかった。
 ただ、かけていたタスキが風に煽られたかのように、ビューティの目の前にふわりと浮いた。
(ああ……ラハール……)
 
――ここで諦めるのかよ?―――

 ラハールがそう言っているような気がした。
 同じ方法で倒されたラハールの執念とでも言うのか。
 死を覚悟したはずのビューティの目に再び炎が宿る。

「私は―――まだ死ぬわけにはいきません!!」

 翼をはためかせ、神速ともいえる反応で身体を空に浮かせ翻す。
「なに!?」
 剣を横に薙ぎ払っているアルフォンスが驚いく。
 もう仕留めたも同然だと思っていた対象が、神技の如く動いた。
 しかし、彼もただそこで終わらない。
 直ぐさま、剣の起動を変え、横に飛び上がるビューティの腹へと伸ばす。
「ぐぅっ!?」
 剣先がビューティの脇腹を断つ。

180 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/15(金) 01:37:10 ID:???

 ピシャリ。

 紅い飛沫が空中に舞う。
「離れなさい!!」
 痛みを堪え、アルフォンスを突き放すべくビューティは衝撃波を放つ。

 ドゥオン!!

 再度、衝撃波が舞う。
 それは直接、至近距離でアルフォンスの身体へと浴びせられた。

「がっ!?」
 近距離からの衝撃波を喰らい、避ける間もなく守る間もなく、アルフォンスは壁まで叩き付けられる。
 ずるりとアルフォンスの肘が崩れおちていく。

「ビューティさん!!」
 今まで見守っていたノエル達が彼の元へ駆け寄ろうとする。
 立ってこそいるが、ビューティの受けた腹の傷は、軽いものではない。
 傷口を手で抑え、苦痛に歪むビューティの顔が遠目にもわかる。
「まだ勝負はついていません!!」
 だがビューティはそれを制する。
 もう片方の手を彼等の来るのを遮るかのように横に突き出す。
「デ、デスガ、コノママデハ!?」
 ロボの言う事は尤もだ。早く手当てをしなくては手遅れになる。
「言った筈です!! 死ぬ事になろうとも手出しをしないで下さい。と!!」
 止められない。
 彼の燃え盛る信念を止める事は誰にもできなかった。
 止めたい。今すぐにでもこの戦いを止めさせたい。
 ノエルもロボもアッシュも想いは同じだった。
 だけども、止めていいのか、それも解らなかった。
 彼に恨まれる事になっても、無理矢理にでも止めるべきなのか。
 その答えをロックブーケも含め、四人とも探し出す事ができなかった。

181 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/15(金) 01:37:49 ID:???
「さぁ、私はまだ立っていますよ? あなたもまだ戦えるでしょう?」
 何故、コイツはまだ立つ?
 先程の衝撃波で身体中の節々が痛む。
 だが、こちらはまだやれない事はない。
 切りつけた時の感触から、相手の傷が深いのは解っていた。
 なのに、何でコイツはまだ立つ?
 悪魔のコイツにとってそこまで大事な者だったのか?
 悪魔がそこまでして戦うものなのか?
 
 コイツは
     ……
       何でここまで戦うんだ? 
 
 信念? 正義? 一体何なんだ?
 目の前のコイツは、俺と何も変わらないと言うのか?
「くっ……」
 痛む身体を押さえつけて立ち上がる。
「決着を―――つけましょう!!」
 アイツが真っ直ぐに向かってくる。
 練気剣を生成しなくては……そう思うのに身体が上手く動かない。
 いや、心が迷っているから何をしていいかわからないのだ。

 見てしまったからだ。
 気づいてしまったからだ。

 戦いの最中、コイツの目はずっと真っ直ぐだった。
 一点の濁りもなく、ただひたすら純粋に思いをぶつけてきていた。
 それに比べて……

182 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/15(金) 01:38:30 ID:???

 俺は
   ……
     何をしていたんだ?
 
 俺の正義は……?
 
 目前にアイツが迫る。
 拳が俺の顔へと突き出される。
 終わりか……。
 このまま魔法が打たれ、俺の顔は潰れるんだろう。
 心に生まれたばかりの疑問。
 この答えは得れなかった。
 仕方ない。これも俺の歩いてきた道だ。
 この運命を黙って受け入れよう。
 全て俺が引き招いた事なのだから……。
 ゆっくりと目を瞑り、俺はその時を待った。

 ボゴォ!!

 身体が中に浮く。
 顔面に強烈な一撃が入り、身体が後ろへと飛ばされたのだ。
 ……飛ばされた?
 目を開けて、アイツをみる。
 突き出された拳。
 ああ、俺は殴られたのか……。

 ドサッと身体が地につく。
 ただでさえ衝撃波で痛めた肉体が余計に痛みをあげる。
 だけども何故か気分は晴れていた。
 先程まで抱いていた疑問が晴れるかのように。

183 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/15(金) 01:39:10 ID:???
「私の勝ちですね?」
 倒れ伏せるアルフォンスへとビューティが尋ねた。
「ああ、お前の勝ちだ……」
 身体を大の字にして仰向けになり、天を見ながらアルフォンスが答えた。
「ありがとう……」
 その言葉は、自然とアルフォンスの口から出た。
「……」
 アルフォンスの言葉に返す事なく、ビューティはただ黙って戻っていった。
 彼の我侭に答え、見守っていてくれた仲間の元へと。
 
「ダ、ダイジョウブデスカ!?」
 ゆっくりと彼等の元へ歩いてくるビューティへと四人は駆け寄る。
「しっかりして下さい!!」
 今にも倒れそうにふらつくビューティの肩をノエルが支えた。
「ナニハトモアレ、傷口ヲ塞ガナクテハ!!」
 ロボの身体から淡い光線がビューティの傷口へと照らされる。

 “ヒールビーム”

 治癒の魔法と同じ効果を持った彼の内臓機能の一つだ。
 ノエルとアッシュが服を千切り、布で傷口を塞ぎ、流れ出る血を止める。
 元来、初級魔法くらいの威力しかないロボの治療光線だが、そのおかげか傷口だけは塞ぐ事ができた。
「すみません……みなさん」
 最悪の事態は避けたビューティが四人に感謝と謝罪の言葉をあげる。
 自分の我侭に付き合わせ、ここまで尽くしてくれるノエル達の気持ちがありがたかった。
「いえ、お互い様ですよ」
 止めれなかった。

184 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/15(金) 01:40:08 ID:???
 だけれども、止めなくて良かった。と三人は考えた。
 なぜなら、今のビューティの顔は出会った時のようだったから。
「まず、この場から移動しましょう。
 ビューティさん、肩を貸します。歩けますか?」
「ありがとうございます……」
 少なくともこの場からは離れなくては。
 そう考えたノエル達は歩き出す。
 最悪、街からも離れねば。

「……」
 去り際にビューティはアルフォンスの方を向いた。
「ありがとうございました……」
 その台詞を出したビューティは、どういう気持ちだったのだろう。
 誰に解る事なく、ビューティはポツリとそう漏らした。
(ラハール……私は生きています。
 必ず、必ず……あのかみを打ち倒してみせましょう。
 この仲間と共に……)
 ただ一つ解る事。
 それは彼の中に前を目指す確固たる意志が生まれたことだった。

185 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/15(金) 01:40:40 ID:???
【ビューティ男爵(中ボス)@魔界戦記ディスガイア(命に別状はないが重傷)
 所持品:紅いいけいけタスキ
 最終行動方針:必ずかみを倒し、この世界から脱出する
 第一行動方針:神の印をどうにかする。】
【ノエル@ロマサガ2
 所持品:ガラスの剣
 基本行動方針:スービエを探し、ゲームを止める。
 第一行動方針:落ち着ける場所まで移動する】
【ロボ@クロノトリガー
 所持品:変化の壺(痛み分けの杖@五振り)@残り三回
 基本行動方針:クロノ達と合流する】
【アッシュ@ファントム・ブレイブ
 所持品: アイスブランド(SAGA1より)
 基本行動方針:マローネに会う 自分が消滅するまでマローネを守る】
【ロックブーケ@ロマサガ(左腕使用不能)
 所持品:たいでんカッパ@電気を防ぐ ソーディアン・ディムロス@テイルズシリーズ
 基本行動方針:七英雄三人生き残る。
 第一行動方針:ノエルに従う】
【現在位置:C4】
【時間:PM11時頃】

186 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/15(金) 01:43:48 ID:???
 真っ暗。
 戦闘も終わり、静けさと所々に瓦礫が散乱している家内。
 そこにアルフォンスはいた。
 大の字の仰向けになり、目は天井をずっと見ている。
 彼の心は今晴れていた。
 答えは解らない。
 だけれども、何か新しいものを得れたのが解る。
 何かはまだ解らない。
 だけど、それは彼の心を晴れさせるだけのとても大きな物だ。
 
「っつ……これは少しの間動けそうにないな」
 身体のあちこちがミシミシと痛む。
 でも、その痛みが今の彼にとって、答えを手に入れた証のように気持ちの良いものだった。

 カラリ。
 
 物音? いや石が転がったような音だ。

「ちっ、どっちも死ななかったか」
「!?」
 突如、アルフォンスの耳に響いた男の声。

 窓から入ってきたのか? 何時からだ!? 戦闘中か!? 

 ビューティとアルフォンスの激しい戦闘。
 その前にロックブーケの激しい魔法音。
 それらに気づき、
 その隙を縫って、
 彼等は侵入してきたのだろう。
 そして戦闘が終わるまで、ずっと様子見していた。

187 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/15(金) 01:44:22 ID:???
「だが、重傷だ。考えようによっては、この方が襲いやすい」

「誰だ!!」
 声の主は、明らかにビューティ達を狙っている。

 させはしない!!

 何者かは解らないが、防がなくてはいけない。
 痛む身体に鞭を打ち、困憊しきった精神を奮い立たせ、練気剣を生成しようとする。

「煩い」
 
 グサリ。

「が、はっ……」
 禍々しい剣がアルフォンスの身体に突き刺さる。
 立ち上がる間もなく、生成しようとしていた練気剣も途絶えてしまう。
「おい。こいつの支給品だが、中々面白そうだぞ」
 男の一人がアルフォンスの支給袋を拾い上げ、中にあった説明書を読み上げる。
「これか。上手く使えば……クックック、勝てる、間違いなく勝てるぞ!!」
 アルフォンスの身体に剣を突き刺した男が歓喜に打ち震える。
 ぐったりとし、アルフォンスは動かない。
 男達はその様子を確認すると、剣を引き戻すし、アルフォンスの身体から、設置された場所から、パネルを拾い集める。
「見ていろ!! 俺を馬鹿にした報いを受けさせてやる!!」
「当然だ。このマグニスさまの恐ろしさを教えてやる!! 行くぞ!!」
「ああ、当然だ!!」
 男達二人は歩き出す。
 復讐と言う名の憎悪に包まれて。
 ノエル達五人を追いかけて……。

188 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/15(金) 01:45:01 ID:???
【マグニス テイルズオブシンフォニア
 所持品:アップルグミ×2
 最終行動方針:豚共に名を知らしめ豚共を皆殺して、神子供を殺す
 第一行動方針:ビューティ男爵に復讐
 第二行動方針:ハーフエルフの少女(アーチェ)と会う 】
【ガラハド@ロマサガ1
 所持品:ブラッドソード、トラップカプセル・フリップパネル
 基本行動方針:生き残る
 第一行動方針:復讐を果たす(最優先でグレイ達を殺す
 第二行動方針:ノエル達に復讐】
【現在位置:C4】

189 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/15(金) 01:45:39 ID:???
 ズルズル……。
 血に塗れた一人の男が、壁を伝い歩く。
 突き刺された剣の痕。幸いにも臓器を傷つけることはなかったようだ。
 疲労と痛みとショックで気絶したのが彼のツキだった。
 だが意識を取り戻したばかりだというのに直ぐさま邪悪な二人を追いかける。
 慈悲の雨を使い、傷口を布で縛り、傷口を何とか塞ぐ。
 
 止めなくては。

 助けなくては。

 やっと得れた答え。

 それを教えてくれた彼を救いたい。

 過ちで止まっていたくはない。

 前へと進みたい。

 今度こそ
 

 ……セイギノミカタになるために。

【アルフォンス・タルタロス@タクティクスオウガ外伝(命に別状はないが負傷大)
 所持品:なし
 基本行動方針:同志を集め神打倒・脱出
 第一行動方針:邪悪な二人組み(ガラハド・マグニス)を何とかする、ビューティ達を助ける】
【PM11時過ぎ】

190 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/15(金) 01:46:11 ID:???
名前が長すぎ、だそうでタイトルが入りきりませんでした。
『終わりと始まりが集う場所・開』でお願いします。

191 :快男児、奇行に走ること ◆p1hPuPSiUg :2005/07/16(土) 00:35:14 ID:???
墓石も、墓碑銘も無く。ただ一輪の造花。
それだけが城戸玲司の墓であることを表す全てだった。
その横にも小さな土饅頭が盛られている。こちらには小石が山と積まれていた。
口数少なにこれらの作業を行った二人は、その結果に満足すると、
どちらともなく手を合わせ――片方は途中で合わせる手が
無い事に気付くと十字を切る事に変え――冥福を祈った。それぞれ、想う相手は違う。
南条圭はかつての友に。
――貴様の死は無駄にしない……この俺が必ずこのゲームを止めてみせる!――
橘千晶は自分の腕に。
――私の甘さがこの結果を招いた……私は生きる! どんなことをしてでも――

「――さて、橘。俺たちが早急に行わねばならんことはなんだと思う?」
「体力の回復。そして情報の交換」
「妥当な所だな。では聞かせて貰おうか。その傷は一体――」

声は唐突に響いた。
――――みなさん おつかれさまです!――――

二人で顔を見合わせる。頭の中に響く声は島中の全ての人間に届いているようだった。
神を自称するそいつは放送を続ける。脱落者と言う名の死人をすべての参加者に届けるために。
ここに名を呼ばれたものは全て、もう会うことのできない者たちだ。
親友であろうとも、仇敵であろうとも、恋人であろうとも。
もう会う事は叶わない。全ての参加者達が、その放送を謹聴していた。


――つぎのほうそうは あさの8:00です!――
唐突な声は、無神経に此方の感情を逆なでにするだけするとやはり唐突に途絶えた。


192 :快男児、奇行に走ること ◆p1hPuPSiUg :2005/07/16(土) 00:36:12 ID:???
先程から沈黙が続いている。暗闇の中、南条の顔を窺い知る事が出来ない。
メガネに隠された下の瞳が何を語っているのか知る事は出来なかった。
ただ、黙して語らず、ぎゅっと噛み締めたままの唇、そして力強く
握り締められている拳が全てを語っていた。

その様子を見て千晶は立ち上がった。
「待て。いきなりどこへ――」
「…そんなことまで、言わなきゃいけないの? すぐ近くまでよ…危なくなったら悲鳴を出すから」
憮然としながら、森の奥へと千晶は消えていった。


幸せそうにしている城戸の写真を月明かりで見ながら、
南条圭は1人物思いにふけっていた。

(――気を、使われているのか。この俺が。
無様だな。先程誓ったばかりではないか。この俺が必ず止めてみせる、と……
……桐嶋。お前まで逝ってしまうなんて……)

桐嶋英理子はエルミン時代からの友人だった。快活で楚々としたお嬢様。
そんな仮面の下にはオカルト好きな一面をも持っていた。いつでも仲間を気遣う
優しさに満ち溢れていた女性だった。その彼女も、今はもういない。

無意識の内に胸ポケットを探っている自分に気付く。
そこにはもう鼈甲ぶちの眼鏡はない。
親しい人を亡くすのはこれで三度目だ。少ない数ではない。
慣れたくもないことだが慣れなければならない。この先、
自分以外の誰かがまた放送で呼ばれることも、また自分が志半ばで果てることも
ありえるのだから……

肩の上から心配そうに見つめる老人がいる。白手袋を南条の肩にかけようか
どうしようか迷っている。その仕草をみて南条は苦笑する。

「大丈夫だよ山岡。僕は平気だ……お前がいる。そして……友達がいるから」

――ゆっくりと、南条は友人の死を悼んだ。


193 :快男児、奇行に走ること ◆p1hPuPSiUg :2005/07/16(土) 00:37:13 ID:???
木にもたれながら考える。放送の事を。これからの事を。
あの放送には知り合いは誰一人呼ばれなかった……呼ばれなかった事が、問題なのだ。
新田勇。受胎前からの自分の友人。躊躇無く、問答無用で斬り付けた今でも友人と
呼べるだろうか? 少なくとも千晶の方からは友人と呼ぶつもりは無い。
ミリアム。勇がそう呼んでいた、金髪の炎使い。自分の体を焼いた魔女。
どちらの名前も呼ばれていない。つまり、まだ生きている。
(生きているという事は……私がどんな人間か知っている。場所も近いし危ないわね……)
再び彼らの元に出向き、とどめを刺すべきだろうか? 安全を考えるならそれが
ベストといえる。だが完調ではなく、武器もない今の状態では逆に返り討ちに
あうだけだろう。自分の怪我の理由を、彼らの存在を南条圭に知られるのはまずい。
既に、頭の中ではどうすれば良いか決まっていた。


……したたん、したたん
「ただいま」
「随分と遅かったのだな。大便でもしていたのか?」
「あんたってデリカシーに欠けているのね、南条くん」
「……くんだと?」
したたん、したたん
「唐突に今私の中で決定したの。番号が振ってあるライダースーツとヘルメット、
 それと今の台詞。その他諸々。大して年も違わないようだし別にいいでしょ?
 なんじょうくん」
「……好きなように呼べば良い。その名で呼ばれるのは2年ぶりか……」
「もしかして通称とか? そういうの、あだ名って言わないと思うわ」
したたん、したたん、したたんたん。
「下らん事はよそう。それよりもだ。先程の続きといこう……一体」
「その前に」
「なんだ?」
したたん、したたん
「私からも質問させてよ。さっきから首が痛いわ……あんた何やってんの?」

194 :快男児、奇行に走ること ◆p1hPuPSiUg :2005/07/16(土) 00:37:57 ID:???
千晶が問うのもむべなるかな。南条は会話をしている間中、腰を落とし手を広げ、
脚を開き体を左右に往復させていた。その運動を人はこう呼ぶ。
「反復横とびだが? まさか知らんわけではあるまいな、橘?」
「知ってるわよ。そうじゃなくて、なんで反復横とびしてるかを聞いてるのよ」
したたた、したたた、したたん
「少し疲労してな。てっとりばやい回復手段がこれだ」
「普通逆だと思うんだけど? あなた本当に同じ世界の人間?」
「失礼な。俺はれっきとした日本人だぞ。……そうか、その問題もあったか……しかし」
したたん、したたた……ぴた
「何よ?」
「やはり疲れた。どうもこの世界では勝手が違うようだな」
「当たり前じゃない……ばか」
呆れたように言う千晶に南条は肩をすくめる。
「そう言うな。いくつかわかった事もある……今度こそ情報をまとめようか」


まず、二人は簡単に自己紹介をはじめた。
南条圭。南条コンツェルンの御曹司。三年前のセベク・スキャンダルでペルソナ戦士として
覚醒し、スマル市で起きた新世塾の事件を解決へと導いた。
橘千晶。都内の高校に通うお嬢様。東京受胎という怪奇現象を経験し、
悪魔のはびこるボルテクス界で生き残っている。


195 :快男児、奇行に走ること ◆p1hPuPSiUg :2005/07/16(土) 00:39:13 ID:???
ここまで話した時、二人の間で認識の違いが生まれた。
「南条コンツェルン? セベク? どっちも聞いたことない名前ね。
 パーティーには出席してるし、知らないはずはないんだけど」
「かなりの大企業なのだがな。日常生活を送っていれば聞かぬ筈は無い名前だ。
 一応聞いておくが、スマル市が浮かび上がった事件の事は聞いていないか?」
「そんな事、ある訳……いえ、東京が丸くなるんですもの、そういう事もあるかも……
 あなたは? サイバース社、ガイア教団、氷川。ニュースを騒がせた名前よ」
「知らんな。となるとやはりか……時事、政治、文化などに違いはない。
 悪魔も存在の仕方は違えど存在する。しかし起こった事件は違う。
 お互いの事は知らない。……このことから一つの推論が成り立つな。
俺たちは、別の世界から喚ばれた」
「私たちだけじゃない。おそらくは他の人達も……あなた、どんな人にあった?」
「人語を解する猿に出会ったな。地球上に生息するとは思えん。悪魔かも知れんが……
 それと、城戸も見慣れぬ服の人に会ったと聞く。それから……血だまりの中にいた女性だな」
そういえばこの辺りのことだったか、と南条は言った。
千晶の顔が強張る。その人物こそ紛れもない自分が殺害した女性なのだから。
思い直せばひどい事をしたものだと思うが、あれは必要な事だったと割り切る事にした。
第一今ではもう顔も覚えていないのだから。


196 :快男児、奇行に走ること ◆p1hPuPSiUg :2005/07/16(土) 00:40:31 ID:???
「次は貴様の番だ、橘。一体誰にその傷を……?」
「……よくわからない。北の海岸線を歩いていたら女の人に魔法を使われたの。
私は逃げるだけで精一杯だったわ」
嘘はついていない。本当の事を話していないだけだ。
「妙だな。有無を言わさずにその女が襲ってきたのだな?
 手傷を負いながらどうして逃げ切れたのだ? お前はペルソナのような
 能力も、特別な技術も持っていないと思うのだが」
「何それ。わたしに死んで欲しいみたいじゃないの」
「そういうことではないが……ただ、不自然だと思ってな」
「……クラスメイトがね、助けてくれたの。新田勇くん。……逃げろって。
 ……名前は、呼ばれてないけど……」
顔を伏せる。表情を隠す為にはこれが一番都合が良かった。
暗闇も手伝い、千晶の顔はわからなかっただろう。
沈黙を長く続けさせる事はしない。
会話の主導権を握る為に、千晶は口を開いた。

「ねえ。これから……どうするの?」
「俺は仲間を探す。上杉と園村、それにあいつ……三人なら俺の考えに賛同してくれる
だろう。他にも、同志が見つかるかもしれん。これ以上の犠牲者は出したくない。
……橘、お前はどうするんだ?」
「それを聞くの? 今の私はあなたがいなければ程なく死ぬわ。私自身が犠牲者に
 ならないためには、あなたについていくしかないでしょう?」
「そうだな。もし否と言っても連れまわすつもりだった。……さて、いつ動く?」
「できれば今すぐ。さっきの死者の数は尋常じゃなかったわ。
十人単位で、ゲームに乗った人がいる」
(それは私もだけど)胸中で呟く。
「後手にまわればそれだけ人が死ぬ、か……しかし体力の回復が覚束ないだろう。
 俺はいいが、お前は……」
「体力より命の心配をしましょう。どのみち水も食べ物もなければ
 体力は回復しないんだし、それに……夜は殺人者も身を隠すと思うの。
 昼間のうちにたくさん暴れまわったんだから」


197 :快男児、奇行に走ること ◆p1hPuPSiUg :2005/07/16(土) 00:41:22 ID:???
二人には布袋がなかった。南条のものは爆風の衝撃で失逸していたし、千晶のものは
街道に放り出されたままになっている。見つかっている可能性が高い。
差し当たり地図と光源がない事が問題だったが、月の光が島中を照らしているし、
大まかな地図の中身は二人とも記憶していた。水は全てなくなっていたらしいので、
危険を冒すよりも放置したのだ。

二人で出立の準備をした。準備と言っても支給品一つの簡単な体のためほとんど
必要ない。千晶の体を支えるのに都合の良い太さの枝を斬り落としたくらいだった。
石や小石をいくつかそれぞれのポケットに忍ばせると、辺りを窺って街道に出た。

「どちらへ向かう? 西では大爆発が起こった。もう人が集まっているかもしれん。
 ここから近く探索のしやすい東や南へ向かうべきではないか?」
「……だとしても、地理的に袋小路に近い東や南に人がたくさんいるとは思えないわ。
 私たちも危険に晒されてしまう。それよりは今のうちに西に逃げるべきじゃない?」
千晶としては、勇やミリアムから一刻も早く離れたかった。
自分があの二人に負わせた傷はかなりのもののはずだ。立ち直るまで多くの時間を
必要とするはず。だがしかし回復の呪文、手段があるかも知れない現状――自分が
ディアラハンで死地から蘇ったように――ではそう安心できない。
だからこそすぐの出発を提案したのだった。正当化できるだけの理論武装をした上で。

「ふむ……お前のいう事ももっともだな。では西に――」
言いかける南条を、千晶が残った左手で制した。すぐに南条も気付く。
東の街道からだ。誰かが、近づいてくる。
急いで近くの木々に身を隠した。
足音は二つか三つ。それが段々と近づいてくる。
話しかける? やりすごす?
方針の定まらぬまま、二人は目を合わせた。


198 :快男児、奇行に走ること ◆p1hPuPSiUg :2005/07/16(土) 00:42:08 ID:???
南条圭(ペルソナシリーズ)
現在地:F05 中央街道側の木陰
状態:軽傷、それなりの精神力の疲労
所持品:ヴォーパルソード (テイルズオブシンフォニア)
    城戸と奥さんの写真 石
第一行動方針:エルミン学園の知り合いと合流
基本行動方針:これ以上犠牲者を増やさない為にゲームを止める

橘千晶(真・女神転生3)
現在地:F05 中央街道側の木陰
状態:全身火傷(かさぶたができかけ)右腕喪失
所持品:木の枝 スタンガン 石
第一行動方針:南条圭と取りあえず協力する
第二行動方針:新田勇とミリアムの近くから離れる
基本行動方針: 生き残る

チーム共同思考:近づいてくる足音は敵か味方か?


199 :快男児、奇行に走ること ◆p1hPuPSiUg :2005/07/16(土) 00:42:50 ID:???
【ベア@ロマサガ2(帝国重装歩兵)
 所持品:スパイダーソード
 基本行動方針:ゲームからの脱出 】
【ダート@レジェンドオブドラグーン
 所持品:チェーンソー(SAGA)
 基本行動方針:早期にゲームを終わらせる。
 第一行動方針:仲間を集める】
【トリス@サモンナイト2
 所持品:黒ネコ(現実)
 基本行動方針:仲間を集める】
【現在位置:F05中央 街道】

【時間:8時過ぎ】

備考:南条たちはダートたちの接近に気付いています。
   彼らが隠れている南条たちに気付くかどうかは
次の書き手さんにお任せします。


200 :受け継がれる遺志(番外) ◆gel7gxy79o :2005/07/17(日) 00:50:19 ID:???
>>154-163はNGでお願いします。

201 :◆4/.U8qnMDQ :2005/07/17(日) 02:14:04 ID:???
打ち切りが決定しました

202 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/17(日) 03:21:16 ID:???
>>201
決定なんかしてないだろと

203 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/17(日) 04:01:16 ID:???
感想スレが移動しました。
RPGキャラバトルロワイアル感想スレ9
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/famicom/1121539745/l50

204 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/17(日) 06:38:11 ID:???
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1121548328/
荒らしのいいなりになるのも癪だし、
また交流と新スレ見ても解るように荒らしと二人くらいの意見を短い時間で強行した決定だったので立てなおした。


205 :「ヒュウガ・リクドウ」 ◆C3JvwEis6I :2005/07/18(月) 07:29:49 ID:???

シタン・ウヅキは考える。
今必要なのは情報だと。

私以外はどのようにスタンスを決定したのか。
大別すれば私と同じく反抗か、彼の意思に乗っての戦闘か。
内訳はもう少し細かく分けられる。

1−積極的な反抗
行動を起こしているであろうグループ。
今は反抗、または脱出の手がかりの捜索か私と同じく他人との団結を行っていると推測される。
2−消極的な反抗
戦う気は無いが行動はしていないグループ。
また自分の無力を知っている、または思い知らされた人物も含むか。
頼れる人物がいれば1に合流すると考えてよい。
3−利己的反抗
基本は独りで行動し、脱出または反抗を目指すグループ。基本的に自信家。
擬似的に1として動くこともありえるが信頼しにくいタイプといえる。
4−積極的な戦闘
思考的には独りで全員を殺すつもりのグループ。これも基本的に自信家だろう。
チャンスがある限り出会う相手すべてに攻撃を仕掛けると考えていい。
また確率は小さいが、4どうし、あるいは5と組むこともありえない話ではない。
5−消極的な戦闘
スタンスを装い他人の陰に隠れて行動する者のグループ。これが最も危険。
より賢く、いかに自分の手を汚さずに立ち回れるかを考えていると推測される。
このグループは2を装い1に紛れ込み、内側で暗躍するだろう。
基本的に自分の力をわきまえているからこその行動。
6−その他
分類しにくいグループ。絶望して人との関わりを絶つ者、
またあまり考えたくは無いが狂人などか。


さて、私は信頼に足る人物を見出し危険な人物を見極めなければならない。
知っている人物は一人もいないのだから。


206 :「ヒュウガ・リクドウ」 ◆C3JvwEis6I :2005/07/18(月) 07:30:41 ID:???

中央部を目指し望遠鏡を離れてから数人の参加者を観察する機会に恵まれた。
もっとも最初に出会ったのは無残にも切り刻まれた死体だったのだが。
凶器は刀剣の類、過剰な攻撃が逆に手馴れていないことを示している。
そういう殺戮者がいるのだ。
安心させておいて後ろから切りつけるようなタイプだと考えられる。

次が意志の強そうな男。自己主張か、背中に一番と書かれた服を羽織っている。
武装は剣。慎重を期しつつしばらく後を追う。
と、新たに現れる人物。いやでも額の傷が目立つ人相のよくない男。
出会った直後、わずかな間だけ緊張感があったが、すぐに弛緩する。
そういう風には見えないが一番の男がよほどお人よしか、
あるいは確率は低そうだが知人であるという線もある。
見てくれは結構怪しいがとりあえず雰囲気は悪くない。彼らなら大丈夫であろう。
あまりひとところに時間をかけ過ぎるのを避け、静かに西へと移動する。

日も地平線の下に移り、残る明るさもわずかという頃に水辺へとたどり着く。
落ち着く暇もなく、少しの時間差を置いて異変の兆候が二つ、シタンへと届いた。
ひとつは北西方向、安定した照射ではなく幕電といった感の森の奥からの光。
もうひとつは南東、いや南南東、かなり減衰してはいるが爆発の音。
戦闘だろうか?向かうべきか、避けるべきか。向かうならどちらに?
足を止め、いつものポーズで思考する。
だが、近づいてくる気配がそれを中断した。

207 :「ヒュウガ・リクドウ」 ◆C3JvwEis6I :2005/07/18(月) 07:31:52 ID:???

ちょうど森が切れて入り江へと開けた場所、
森には注意を向けていたが海側に対しては警戒不足だった。
こちらが気づいたときにはすでに海岸沿いを来る向こうには見つかっていたらしい。
無用心を反省しつつも、次にとるべき行動へと思考を移す。
こちらを確認しつつも近づいてくるということは交渉する気があるのだろうか。
あるいは遠距離からでは攻撃の選択肢を持たないのか。
交渉する気があるのなら疑念をもたれる動きは避けるべきであるし、
殺意を隠しているのならば退避、あるいは応戦という対応になる。

決断する。一つの賭けを含みながら、10mほどに近づいた二人に対して先に声をかけた。
「こちらに戦う気はありませんが、そこで止まりなさい。
 まずは、互いに自己紹介といきませんか?
 先に私から…私は『シグルド・ハーコート』」

「待ってくれ、こっちも戦う気はないぜ! あ、えーと、俺がジャミル、こっちがジャスティンだ」
慌てたような返事。
ジャミルと名乗る青い帽子のはしっこそうな男と
ジャスティンと呼ばれた赤く長めの髪が特徴のまだ少年という感じの男。
殺気というか、好戦的な感じは特に受けないが、油断はできない。
「あの、俺たちはシグルドさん、がなんだか落ち着いた感じに見えたから、ねぇ、ジャミル」
「そうそう、頼れるかなーって…おい待て、シグルド? あんた本当にシグルド、か?」
疑いの目が向けられ、シタンは表情に出さないまでも内心でかすかに動揺する。
異世界で『シグルド・ハーコート』が有名だなど聞いたこともない。
仮に同名の存在がいるとして、それをもって私の名で無いと言い切ることなどはできない。
偽名を見破られる理由など考えられなかったが、現に目の前の男はそれに気づいているようだ。

緊張感が流れる。
「……どうして、そう思うのですか?」
「やっぱり、それ偽名なんだろ? あんた、シタン・ウヅキってんじゃねぇのか?」
ずばり言い当てられた。私の名を知っている?何故?
今度の動揺は見透かされたか、ジャミルが言葉を続ける。
「なぜだって顔してるぜ、図星だろ?」

「…失礼ながら、確かに先ほどの名前は偽名です。しかし何故…?」
「言えないな。悪ぃがあんた、偽名使うなんて信用できね…」
明らかにシタンが纏う空気が変化していることに気づいて言葉が途切れる。
威圧感が二人に襲い掛かる。次に動揺するのはこちらの番だ。
「ジャ、ジャミル!?」
「…爆弾引き当てちまったかも、な」


208 :「ヒュウガ・リクドウ」 ◆C3JvwEis6I :2005/07/18(月) 07:33:03 ID:???

脅迫めいた手口は交渉としては落第点。だが、威圧はできた、次。
「教えていただければ危害は加えません。…ふむ、これじゃ脅迫ですね。
 では、私の支給品、弟切草という薬草なのですが、これと交換ではどうです?」
袋から緑の草をいくつか取り出し、振ってみせる。
圧力をかけておいて逃げ道を提示する、あまり品の良くない交渉術だ。
なんとも言えない間。耐え切れなくなったのか、ジャミルが先に口を開く。
「…騙したりはしないよな?」
「信頼していただいて結構ですよ」
ジャミルには、その表情からは何も読み取ることはできなかった。

結局のところ、これに屈する形でジャミルは解体真書の存在を明かし、
最終的には弟切草5つとの交換でそれを読ませる形に落ち着いた。


物を交換し、私が本に目を通している間、二人は何か話し合っている。
これまでの展開から当然信用は無いと思っていい。
ともかく、手にした情報、解体真書は予想以上だった。
私の姿を見つけた時点で調べたのだろう。偽名が通じないのもうなづける。
全体の名簿ばかりかある程度の解説まで添えられている本。支給品として十分な「武器」だ。
暗がりの中、なるべく周囲から見つからないように気をつけつつ小さな火を頼りに目を通していく。
時間をとって島にいる人物の名前と特徴を覚えられるだけ覚える。


神の声が聞こえたのは3分の2ほど本を読み進めた頃だった。


209 :「ヒュウガ・リクドウ」 ◆C3JvwEis6I :2005/07/18(月) 07:38:22 ID:???

「そんな、信じられねぇよ、シフの姐さん、ホーク、城戸さんまで!?」
「ジャミル、落ち着いて!」
「…ああ、わかってるよ!くそっ!」
知っている名が呼ばれたのだろう、ジャミルが動揺している。
ジャスティンも少なからず動揺しているようだが、自分よりうろたえている者が抑えになっている。
挙がった名はしっかり本にも記載されており、確かにこれが名簿であることを最悪の形で立証していた。
そんな二人を置いて、まずはなんとかすべて読み終える。


「ありがとうございました。非常に有益な情報でした。とりあえず、本をお返ししますよ」
「あ、ああ…うん」
空気を察して、ジャスティンに小声で話しかける。返事が不安げだ。
「では、私は」
「…シタンさん、一緒に行動できませんか?」
煽られた不安に、敵ではなさそうだという判断が加わっての言葉だろう。
さっぱり交渉の結果ではないのが残念だが、一応の信用はもらえたのか。
ならば当面の目的は達成したとも言える。

「いえ、私はさらに信頼できる人物を探すつもりです。
 そういうことは単独のほうが動きやすいので、申し訳ありませんが…」
ジャスティンの表情が曇る。仕方の無いことなのだが。
「ああ、私もあなた達のことは信用していますから、安心してください。
 行動こそ別ですが、仲間ですよ。大丈夫です。ところで………」
そう言うと、シタンは何事かをジャスティンへと耳打ちした。


「東、望遠鏡があるあたりは目を引く建物も無いですし、人の往来は少ないはず。
 つまり安全ということになります。味方になりうる人物との遭遇率も下がりますが。
 少なくともこの位置よりは危険が小さいですよ。
 それではジャスティン、名前の件、ジャミルにもよろしくお願いしますよ」
「わかったよ、シ…いや、ヒュウガさん。名前の秘密は誰にも言わないからさ」
「はい。ありがとうございます。では、無事を祈りますよ」

すっかり暗くなった中、そうしてシタンは二人と別れ、さらに北へと足を向ける。


210 :「ヒュウガ・リクドウ」 ◆C3JvwEis6I :2005/07/18(月) 07:38:54 ID:???

シタンがいう名前の件とは?
名簿に載っていた名前は確かにシタン・ウヅキ。
なので、シタンは偽名として『ヒュウガ・リクドウ』を名乗ることにした。
そして信頼に値する人物にのみシタンの名を教える。
つまりシタンの名を知る人物は信頼できる、ということになる。
実際は本来の名と偽名が逆転しているわけだが仕方のないことだろう。
不安要素といえばジャミルとジャスティンだが…常識外れに口が軽くなければ大丈夫なはず。


【シタン・ウヅキ(ゼノギアス)所持品:弟切草*10
 第一行動方針:武器・同士を探す
 基本行動方針:ゲームから脱出】
【現在位置:E04 南東の沿岸部】

【ジャミル@ロマサガ
 所持品:解体神書(参加者リスト+参加者解説)、弟切草*5
 現在地:E04 南東の沿岸部
 基本行動方針:仲間を探し、ゲームから抜け出す】
【ジャスティン@グランディア
 所持品:デッキブラシ、城戸から貰った野花
 現在地:E04 南東の沿岸部
 行動方針:ジャミルと一緒に生還】

【現在時間:PM9時】

211 :修正 ◆C3JvwEis6I :2005/07/18(月) 08:01:02 ID:???
>>210の「名簿」を「解体神書」に、
またすべての「解体真書」を「解体神書」に修正します。

気づかなかった…

212 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/18(月) 08:36:48 ID:???
没ネタ公開。
WジャをG03の農家に行かせて、腹減ったからカボチャや野菜食べ出す。
そこへ灯りのついた農家を見て様子伺うレザード。
話の最後でデネブ達が農家の目前まで迫っている。
というお話構想がありました。

213 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:26:15 ID:???
「おっさんはこれで大丈夫と……」
 気絶したロードブリティッシュを放置するわけにもいかず。
 かといってそこで立ち止まるわけにもいかず。
 少し重かったが、背負ってここまで運んできた。

「暗い……な」
 もう日が落ちて、薄暗い闇が街を包む。
 家の中の灯りは、昔ながらのランプ灯。
 改めて、ここが中世ヨーロッパをと髣髴させる異世界であるのを認識させられる。
 光溢れる現代の生活になれた身にとっては、薄暗く感じれた。
 それがもたらしたモノか、はたまた『あの声』によるものか。
 達哉の声に冷たい暗さが浸透していた。
「エリー……」
 『あの声』に言われて、改めて突きつけられる事実。
 そして坂戸玲司という知った名前もあった。
 それが心を不安にさせる。
 決意はした。このおっさんも悪い人ではない。
 それでも心に不安が生じて仕方ない。

 早く仲間に会いたい。
 あいつらはまだ生きているのか?
 俺達は生き残れるのか?

「生きて帰れるんだろうか……」
 気分晴らしにでもと達哉が窓を眺めようとした時だった。

214 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:27:25 ID:???
 ズドガッ!!
       ドーン!!
            バン!!
 ドーン!!
     バン!!
        ズドォン!!


「この音は……?」
 窓越しに聞えてくる炸裂音、爆発音、様々な騒音。
「な、なんじゃ?」
 鳴り響く音でブリティッシュの目が覚める。
 
 いる。

 隣の家に何者かが。
 この音からも戦闘をしているのは間違いない。
(どうする様子を見に行くべきか……?)




「さて、どうする?」
 暗闇の中、二人の男が家から出てきた。
「考えはある」
 そう言って片方の男がこれからの行動を説明していく。
「―――以上だ。できるか?」
「このマグニスさまを何だと思っている? そのくらい朝飯前よ。
 それより、貴様こそ腰抜けて逃げるなよ?」
「ふん、そちらこそな」
 ニヤリと笑うと二人はそれぞれの役目のために動き出した。

215 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:28:57 ID:???
「もう少し歩けますか?」
「大丈夫です。血はもう止まりましたから……」
 ビューティ男爵に肩を貸し歩くノエルとその仲間達。
 先程の激しい戦闘で周囲に音が、鳴り響いてしまっている。
 昼間の自分達のように、そして最初の戦闘に駆けつけた自分達のように。
 誰かが駆けつけてくる可能性は多いにありえた。
 あそこで篭城するよりも、今の内に少しでも離れて落ち着ける場所へ行きたい。
「取り合えず、宿屋まで移動でいいんですか?」
 先陣を切り、ノエルの前を歩くアッシュが皆に尋ねた。
「ええ、まずはそこまで向かうのがいいと思います。
 ですが……」
 一同は、当面の目的として宿屋を目指していた。 
 施設的には一番落ち着ける場所であろう、そして近い場所だったからだ。
 だが、それだけに他の人がいる可能性も高い。
 状況によって臨機応変に行かねば。
 返答したノエルは、その主旨を伝える。
 最悪、宿屋はスルーしてその下にある長屋調の家郡に行けばいい。
「―――ですので、どちらかに到着したら、そこでこれからの事を考えましょう」
 目的だった一人のロックブーケには会えた。
 ノエルにとって残るはスービエ。
 そのスービエもロックブーケの話を聞くに、とある場所で二人を待っていてくれているらしい。
 しかし、今は吉報でも時間が経過すれば解らない。
 それにノエルは会えたといっても、アッシュとロボは未だ会えていない。
 彼ら二人の事も考えて行動せねばならない。
 協力して生き残るためには、最適な方法を選ばねば。
 様々な思考がノエルを襲う。

 ピタッ。

 ふいに前を行く足音が途絶えた。

216 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:29:45 ID:???
「ド、ドウシマシタ? アッシュサン……!?」
 前を歩いていたアッシュの動きが止まったのだ。
 一番後ろを歩いていたロボが不思議に思い、前のアッシュに話し掛ける。
 そして同時にアッシュが立ち止まった理由に気づいた。
「クックック……昼間はよくもやってくれたな?」
 薄暗い路地の前から、その男はゆっくりと現われた。
「あなたは……」
 彼の姿を見たビューティが答えた。
「いいザマじゃないか。このマグニスさまをコケにした報いだな」
 卑しい笑いを出しながら、この男、マグニスは5人の前に立ち憚る。
「ビューティさん、彼に覚えが?」
 肩を貸しながらもその目は前の男を捉えている。
 十中八句、返ってくる答えが解っていた。
「ええ、ゲームに乗ったものですよ……。
 そして昼間、私が“御仕置き”をした方です」
「やはりそうですか……」
 マグニスの方をノエルは見据える。
「反省してやってきた、というわけではなさそうですね」
 答えが最初からわかっていたように、前に立ち防ぐマグニスから感じられるのは、はっきりとした敵意。

「ロックブーケ、ロボ、ビューティさんを連れて下がっていなさい」
 後ろにいたロボとロックブーケにビューティを任せると、ノエルは前に出る。
 今だ重傷のビューティ、そして片腕が使えないロックブーケはロボに任せて後ろに下げる。
 それが正しい判断だとノエルは考えた。
 相手はたった一人。物を理解できない無謀な者というのは何時の世もいた。
 自分とアッシュさえいれば十分に勝てる。とふむ。

217 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:30:17 ID:???
「やる気……ですか?」
 アッシュが構えを取り、マグニスに意志を尋ねる。
「このマグニスさまの手にかかることを光栄に思えよ」 
 マグニスが独特の構えを取る。戦う意志は満々のようだ。
「止むを得ませんね……」
 ガラスの剣はいざという時に使うべく、腰に差しておく。
 素手で戦うべくノエルは拳を握るとアッシュも力を込め始める。
「水竜の力よ!! エルカ―――」

「アブナイ!!」



 キィー……ン。



 高い金属の悲鳴音が鳴り響く。



 そしてすかさず続いて引き起こされる音。



 鈍く、音に例えれない程の悲痛な音。



 千切れるような、激しく壊されるような……。

218 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:31:08 ID:???
「ロボさん!!」
 ロボに突き飛ばされ、ロックブーケに受け止められたビューティが叫ぶ。

「何が―――っ!?」
 その叫びと悲痛な音にノエルとアッシュが振り向く。
 彼等の目に移ったのは、昼間遭遇した男――

――ガラハドの持つ剣がロボの身体を貫いてる光景だった。

「まずは一匹!!」
 突き刺さる剣を内蔵を抉るかの如く斜めに引き抜く。
 ブチブチ。と何かが切れていく音と鉄の歯軋りのような音が響き渡る。
「ガガ……」
 剣が引き抜かれ、壊れた機械のようにロボの身体が倒れていく。


「余所見してるんじゃねえ!!」
 その隙を縫って、マグニスが前に飛び掛かる。
「うっ!?」
 後方に気を取られていたアッシュを殴りつけると首を掴み持ち上げる。
「貴様!!」
 ノエルがマグニスへと視線を戻す。

 ロボの身体から剣を引き抜いたガラハドは、直ぐさま狙いをロックブーケとビューティにつける。
 片や重傷、片や左腕が使えない。
 この至近距離なら、もらったも同然。
 もう一度パネルを発動させれば、勝ちは同然。

219 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:32:06 ID:???
 対するロックブーケ。
 目前まで来ている相手。詠唱を唱え、迎撃する余裕はない。
 ならば、いちかばちかのテンプテーションか?
 今までの経験から、はっきりとした理由は解らないが、テンプテーションが効き辛いという結果が出ている。
 四人にかけて一人、二人の内一人、合計すれば六人にかけて二人。
 総計して、その確率はわずか1/3という本来の威力からすればありえない程劣ったもの。
 下手をすれば両方とも術にかかってくれない可能性も十分ある。
 それを覚悟でいちかばちか使ってみるか?
 彼女はそうも考えたが、失敗すれば、動いた事で悲劇が起きる事が目に見えている。
 片方だけでも駄目だ。残った一人が動く。
 彼女にとって兄のノエル以外は、比較的どうでも良かったが、ノエルの手前そうも動くわけにはいかない。
 やるならば、両方を必ず一回で魅了しなくてはいけない。



―――油断した。

 勝てる戦いだと踏んでいた。
 伏兵という思わぬ新手。
 ゲームに乗った者が手を組んでいるという可能性を考慮しきっていなかった。
 いや、あの下劣な男と手を組める者がいるとは思えなかった。
 それこそがノエル達の危機を呼び寄せたものだった。

(しかし、何故突然?)
 マグニスに気を取られている間にガラハドが不意をついたのは解る。
 しかし、不意をつくには隠れて、その時をじっと待たねばいけない。
 更に堅いロボの装甲を貫く程となると、前もって剣に勢いを乗せなくて無理だ。
 気取られぬようゆっくりと近づき、そしてロボの装甲を突き抜くほどの威力を持たなくてはいけない。

220 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:32:51 ID:???
 だが、もう考えている場合ではなかった。
 ロボが倒れ、アッシュが捕まり、今正にガラハドの刃がロックブーケへと向けられている。
 自分の身体は一つ。
 どちらかを助ければ、どちらかが死ぬ。
 心ではロックブーケを助けたい。
 しかし……


「二匹目ぇ!!」
 ロックブーケとビューティへと狙いを定め、ガラハドはパネルを踏みこむ。
「テンプ―――ッ!?」
 残る道。
 二回目の奇跡に期待したロックブーケだが、パネルに加速されたガラハドは彼女の予想を越えた速さで迫る。

「えっ?」

―――貫かれる。

 ロックブーケが死を感じ取った時、物凄い力で身体が横に押し出された。
 自分を掴み、前へ出る力の主。
 彼女を守るべく身代わりになろうと、ビューティが力を振り絞って前へ出ていく。
「もう、大切な人が死ぬ悲劇を誰にも起こさせたくないんです!!」


「終わりだ……豚が」
 アッシュの首を掴むマグニスの力が膨れ上がる。
「煉獄崩―――」
 そして必殺の一撃を……

221 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:33:22 ID:???
「止めろぉおおおおぉぉぉぉッ!!!!」

 二つの危機、そして悲痛なまでのノエルの叫び。
 やっと出会えた仲間達、その全てを失うというのか。

―――間に合わない。

 ビューティを助けようとしても、アッシュを助けようとしても。
 今からでは、止めきれない。
 失うのか。また自分は大切な者を失うのか。
 ノエルの心に深く絶望の叫びが溢れる。
 


「もらったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
(後を頼みましたよ……ノエルさん。
 必ずあなたの大切な人を守り抜いてくださいね)
 振り下ろされる剣を前に、ビューティは立つ。
(すみません、ラハール。
 かみを倒したかったのですが……それでも……)


 ズシュッ!!


 肉が切られる音がする。


 紅い飛沫が地面に舞う。
 

 ガラハドの剣が男を肩から切り裂く。

222 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:34:01 ID:???
「……なぜ?」
 目を開き、その光景を見たビューティが動揺の声を上げる。
 ビューティの前に立ち塞がる影。
 ガラハドの剣を一手に受け、紅く塗れながら立ち構える男。
「なぜ、あなたがそこにいるのです……アルフォンス」

「ふん、死にきれず止めを刺されに来たのか。
 だが、邪魔だ。消えろッ!!」
 弁慶のように聳え立つアルフォンスへとガラハドが再度切りかかる。
 
 だが……

「ウオォオオオォッ!!!」
 どれだけの重傷を受けているか解らないというのに。
 ビューティとの戦いからの疲労も癒えてないというのに。
 アルフォンスは動いた。
 その手に練気剣を作り上げ、ガラハドと切り結ぶ。
「この死に損ないがぁぁぁぁぁぁッ!!!」
 


「あれはっ!?」
 騒音の原因を突き止めるべく、街道に出た達哉とロードブリティッシュ。
 彼等の目に、首を掴まれ、窮地に陥った青年と、悲痛な声で叫び上げる彼の仲間が映る。
「うお、助けれんか!?」
 ブリティッシュが達哉へと問う。

 銃……エリーを殺してしまったモノ。
 これで命が救えたら……。

「これで狙ってみます!!」
 覚悟を決め、達哉は首を掴む男へと銃を放った。
 これが自らの償いになればいいとも思い。

223 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:35:25 ID:???


 パァーッン!!

 突如、横から現われた人影から放たれた銃弾。
「ぐお!」
 銃弾はマグニスの腕をかすめ、アッシュの首に込められた力が弱まる。
「ぐっ!!」
 間髪入れず、首を掴む腕を外し、アッシュはマグニスの腹に一撃を入れる。
「がふっ!? 貴様あぁぁぁ!!」


「ちぃ!? 新手か!?」
 アルフォンスと切り結びながら、相方の様子に気づいたガラハドが叫んだ。
 此方も意外なやつに邪魔をされ、思うように仕留めきれない。
 しかも、マグニスが傷つけられた方には新手の敵がいる。
 このまま意地を張って、ここで戦いつづけるのは得策ではない。
「おい、撤退するぞ!!」
 
 マグニスはすかさず走り去っていく。
 しかし、挟まれたようにいるガラハドは別だ。
「仲間を見捨てる気ですか!?」
 一目散に走るマグニスに向かって叫びながら、ノエルはガラハドを倒すべく走りよる。
「おっと、俺も失礼させてもらうぞ!!」
 途端にガラハドの身体が凄まじい勢いで後方へと下がる。
 パネルを使い、挟まれた間から抜け出したのだ。
「それじゃぁな!! 今回は邪魔が入ったが、次に会う時は覚えていろ!!」
 距離を取り、逃走の成功に確信したガラハドはノエル達を煽り、去っていく。
「待ちなさい!!」
 彼ら二人を追おうとするノエルだが……
「ロボさん!!」
 悲痛なまでのビューティの声により、ロボの存在を思い出す。
 あの二人を追いかけ、今にでも締め上げたい衝動に駆られる。
 だが、傷つけられた仲間を放っておくわけにはいかない。
 悔しみを堪え、ノエルとアッシュは地面に倒れるロボの元へと向かった。 

224 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:36:31 ID:???
「アルフォンス……」
 重傷で立っているのもやっとというのにアルフォンスはガラハドと切り結んでいた。
 しかし、ガラハドが去ると同時に、彼を奮い立たせていた力が消え、膝を付いて地面に倒れ伏せる。
「なぜ……私を守ったのです?」
 アルフォンスの身体を抱かかえ、先程まで戦っていた者へとビューティは尋ねる。
「俺は……守れたのか?」
「ええ、あなたのおかげで私もロックブーケさんも無事です。
 ですが何故?」
「そうか。俺は進めたんだな。前へ……」
 言い終えたアルフォンスの瞳が閉じる。
「アルフォンス!? アルフォンス!?」
 満足そうに、自分のした事が絶対に正しかったと信じきれた者の笑顔だった。
「酷い人です、あなたは……」

 ラハールを殺し、ロックブーケを襲ったアルフォンス。
 そして自分と決闘した。
 決闘の後、彼は言っていた「ありがとう」と。
 きっと彼の中で何かが変わったのだろう。
 きっと自分との戦いで何かを得れたのだろう。
 だからこそ、こうして助けに来てくれたのだ。
 彼らに傷つけられた腹の傷痕もまだ残った瀕死の身体で……。


「ロボ!! ロボ!! しっかりしなさい!!」
 壊れたガラクタのように横たわるロボの身体。
 今まで感じれた暖かさとは打って変わり、まるで鉄の塊のような冷たさを感じさせる。
 それ程までに今のロボは脆く見えた。
「オオ……ノエルサン、アッシュサン。
 ロックブーケサ……ン…ト…ビュー……ティサンハ、ブ、ジ……デスカ?」

225 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:37:38 ID:???
 途切れ途切れの機械音でロボは、堅い自分の身体を抱き起こし受け止めてくれているノエルとアッシュに語った。
「ええ、あなたのおかげです」
「ソレ……ハ、ヨカッタ」
「しっかりして下さい。まだあなたは仲間と出会えていない。
 探すべき人達がいるのでしょう?」
「サキ……ホドノイチゲ…キデ、動力源トケーブルガ…ヤラレマシタ。
 モウ、ワタ……シノ意識ガアルノ……モ残リワズカデショウ」
「何を言っているんです」
「ノエルサン、アッシュサン、コレ…カラ、決シテ、道ヲ見失ワナイデクダサイ。
 大切ナ者ガ…死ヌ哀シミハ……ワタシガ一番ワカッテ…イマス。
 ダカラ…コソ、ソノ道ヲ…間違エナイデクダサイ。
 誰モ、ソンナコトハ……ノゾマナイデスカラ……」
 それはロボの遺言。
 ノエルとアッシュへ向けられた彼の最後の言葉。
 誰よりも失う事を知ってるロボ。
 だからこそ、残していくノエルやアッシュの事が気にかかったのだろう。
「……」
「ノエルサン、アッシュサン、早ク…行ッテクダサイ。
 ココニトドマ……ッテイルワケニハイキマセン。
 ウゴカナ…クナッタワタシノコト……ハイイデスカラ……。
 アナタ…タチノ大切ナ……人タチヲ守ッテアゲ…テクダサイ―――」
 ロボの体から感じ取れていた暖かさが消えた。
 ほんの僅か残っていた温もりすらも消え、冷たい鉄の塊になる。
「ロボ、ロボ!? 返事をしてください!! ロボ!?」
 誰よりも人らしく、誰よりも優しかった彼の死に三人は悲しみ、見つめる二人は哀れんだ。
「ロボ……」

226 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:39:32 ID:???

 ロックブーケとビューティを守るために自らを犠牲にしてくれた彼のためにも。

 何に変えても自分達は守らなくてはいけない。

 彼が守ったものを。

 彼が守りたかったものを。

「ロボ……必ずあなたの仲間、クロノさんとカエルさんを見つけます。
 そして、必ず守り抜いて見せます。あなたがロックブーケにしてくれたように……」
 そっとロボの身体を地面に下ろすとノエルは誓う。
 もうロックブーケやスービエだけではない。
 ロボの残した……彼らの仲間のためにも。と。

 
「先程はありがとうございました」
 達哉とブリティッシュの前にノエルがゆっくりと歩いてくる。
「私達はここから離れようと思います。
 もしあなた達も良ければ来ませんか?
 仲間は……多い方がいいですから」

227 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:40:42 ID:???
 その仲間と言った時の声が、痛く悲しく、そしてとても重く聞こえてきた。

 “決シテ、道ヲ見失ワナイデクダサイ”

 悲痛なまでに自分の心に届く言葉。
 彼等の光景を見て、達哉の中の決意は堅い決心へと変化する。

「ええ、是非」

 死んでいった者のためにも、自分は頑張らなくてはいけない。

 彼らに恥をかかせないよう、彼らの声に答えなくてはいけない。

 進もう。前へ。

 必ず、このゲームを壊し、脱出しよう。

 そして、みんなに言うんだ。

 みんなに自慢するんだ。

 『俺はやったぜ』と。

 ロボの死は、一人の少年の心も動かしていた。

228 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:41:18 ID:???
【ビューティ男爵(中ボス)@魔界戦記ディスガイア(命に別状はないが重傷)
 所持品:紅いいけいけタスキ
 最終行動方針:必ずかみを倒し、この世界から脱出する
 第一行動方針:神の印をどうにかする。
 第二行動方針:クロノとカエルを探し出す】
【ノエル@ロマサガ2
 所持品:ガラスの剣、変化の壺(痛み分けの杖@五振り)@残り三回
 基本行動方針:スービエを探し、ゲームを止める。
 第一行動方針:落ち着ける場所まで移動する
 第二行動方針:クロノとカエルを探し出す】
【アッシュ@ファントム・ブレイブ
 所持品: アイスブランド(SAGA1より)
 基本行動方針:マローネに会う 自分が消滅するまでマローネを守る】
【ロックブーケ@ロマサガ(左腕使用不能)
 所持品:たいでんカッパ@電気を防ぐ ソーディアン・ディムロス@テイルズシリーズ
 基本行動方針:七英雄三人生き残る。
 第一行動方針:ノエルに従う】
【ロードブリティッシュ@ウルティマ】
 所持品:アイスソード
 基本行動方針:かみを倒すために仲間を集める
【周防達也@ペルソナ2】
 所持品:リゾルバーM380 ドラゴンの盾
 基本行動方針:ゲームからの脱出
 第二行動方針:元の世界の仲間達との合流】
【現在位置:C4(宿屋かその下にある家郡へ向かう)】
【時間:PM12時前】

【アルフォンス・タルタロス死亡】

229 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:42:00 ID:???
「おい、大丈夫か?」

 西へ

 西へ

 と逃走する二人の男達。
 銃弾を受けたマグニスの傷をガラハドが尋ねた。
「ふん、かすり傷だ」
 無愛想に返答をするマグニスにガラハドも、ふん、と息を返す。
 
 今回の襲撃は失敗に終わった。
 だが、悪くない。
 新手が来るまでは、いい感じで詰める事ができた。
 勝ち抜くためにと組んだコンビだが、中々どうしていい感じだ。
 この調子なら、生き残る事も可能なのではないか?
 二人ともそんな同じ事を考える。

「行くぞ、次の獲物を探しに」
「ああ、当然だ!!」

【マグニス テイルズオブシンフォニア
 所持品:アップルグミ×2
 最終行動方針:豚共に名を知らしめ豚共を皆殺して、神子供を殺す
 第一行動方針:ハーフエルフの少女(アーチェ)と会う 】
【ガラハド@ロマサガ1
 所持品:ブラッドソード、トラップカプセル・フリップパネル
 基本行動方針:生き残る
 第一行動方針:復讐を果たす(最優先でグレイ達を殺す】
【現在位置:C3(西へ逃走)】

230 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:43:07 ID:???
―――ロボ!! ロボ!!

 声が聞える。
 自分は死んだはずでは?
 いや、死んだという言い方もおかしい。
 機能が完全に停止し、壊れたはずだ。

「ココハ……アノヨ?」

 機械である自分も死ねばあの世に行くのだろうか?

「何を言っているんだ!! しっかりしろ!!」

 どうやらそうではないらしい。
 何処かで聞いた懐かしい声。
 確かめるべく思い切ってセンサー……目を開く。

「オオ……」

 嬉しかった。
 なぜなら、懐かしい人物がそこにいたから。

「やっぱり、俺達の知っているロボで合ってるんだな」
「カ、カエルサン……」
「くそ! ルッカがいてくれれば……」

231 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:43:44 ID:???
 カエルはロボを抱かかえ、懸命にロボの機体をゆする。

「ア、アリガトウゴザイマス……ワタシニハコレデジュウブンデス」

「おい、ロボ!! 久しぶりに出会えたのにもうこれでは終りとは言わせないぞ!!」

「スミマセン、カエルサン……クロノサン ヲ タノミマス」

 切れたケーブルが揺さぶられる事によって、偶然にも少しだけ繋がったのだろうか?

 それとも動力が最後の火を灯したのだろうか?

 それは誰にも解らない。

 それでもロボは嬉しかった。

 もう二度と会えないはずだった仲間と出会えたから。

 悔いはない。

 彼らと共に旅した“ロボ”という存在は元より消えうせたモノ。

 それが、何の因果かこうして再び出会うことができた。

 そして新しく出会えた大切な仲間を守れた。

 これ以上、何を望もう。

 もしロボが生身だったら、彼の顔は安らかだったに違いない。

 カエルの手に抱かれ、再びロボは沈黙する。
 一時の夢を見終えるべく。

「ロボォォォォォッ!!!!」

232 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:44:21 ID:???
【アルカイザー(サガフロ)
 所持品:ボーイーナイフ(サガフロ)
 第一行動方針:カエルの仲間を探す
 最終行動方針:ゲームを潰し、かみを倒す】
【カエル(クロトリ)
 所持品:ベヒーモス(残弾7)ウッドブレード(ロイドからルート)
 第一行動方針:クロノを探す
 最終行動方針:ゲームを潰し、かみを倒す】
【アーチェ@テイルズオブファンタジア
 所持品:無し
 第一行動方針:コレットと言う人に会う】
【現在位置:C4】
【現在時間:PM1:00以降】

【ロボ@クロノトリガー 死亡】

233 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:45:53 ID:???
題名:終わりと始まりが集う場所・開
で宜しくお願いします。

234 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/19(火) 23:47:56 ID:???
間違えた。
終わりと始まりが集う場所・始
でお願いします_| ̄|○

235 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/20(水) 02:22:00 ID:???
>>217
>「水竜の力よ!! エルカ―――」

>「水竜の力よ!! エカル―――」

>>232
>【現在時間:PM1:00以降】

>【現在時間:二日目AM1:00以降】

の修正します。

236 :終わりと始まりが集う場所 ◆V4MJjH1yek :2005/07/20(水) 02:30:32 ID:???
>>231
>カエルはロボを抱かかえ、懸命にロボの機体をゆする
の後ろに

> 街の側で激しい戦闘音を聞きつけ、中に入って駆け巡り、やっと見つけた。

> 放送で仲間の無事を確認したというのに

> それなのに、それなのに……

> 何故、こうも運命は皮肉なんだろう。

の文をつけたしお願いします。

修正しまくりだめぽ……

237 :39 ◆.jgHX..90s :2005/07/21(木) 18:21:14 ID:???
三浦乱入!
ビュウはしんでしまった!
スービエはしんでしまった!
コレットと三浦は結ばれ、他のキャラを皆殺しにした!

【三浦・コレットカップル以外死亡】

三浦「俺に会いたきゃアテネに来い!」

238 :39 ◆VUGk9I3hBQ :2005/07/21(木) 18:31:13 ID:???
>>237
私はそんな書き方しません・・・

239 :39 ◆ERIhbvTWds :2005/07/21(木) 18:34:38 ID:???
すいません。破棄します・・・文句はクラウンでお願いします

240 :39 ◆TJ9qoWuqvA :2005/07/21(木) 18:36:22 ID:???
コレットの乳首

241 :39 ◆TJ9qoWuqvA :2005/07/21(木) 18:37:59 ID:???
やっぱ文句は野球板で頼むわ

242 :39 ◆DcpJCPrhsw :2005/07/21(木) 18:42:01 ID:???
僕は一場さん!

243 :クラウンの39 ◆3RvRl8DnjM :2005/07/21(木) 18:46:09 ID:???
クラウンの交流雑談すれまんせ〜

244 : ◆.jgHX..90s :2005/07/21(木) 18:51:28 ID:???
アテネいいよアテネ

245 :39 ◆MZ3Q5JBFDg :2005/07/21(木) 19:00:27 ID:???
おわり

246 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/25(月) 12:59:57 ID:???
hosyu

247 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/28(木) 05:04:36 ID:???
ヤバイヨヤバイヨ

248 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/28(木) 16:22:44 ID:???
ほっしゅ

249 : ◆okwpsEOdcU :2005/07/30(土) 21:06:39 ID:???
かみが、この殺し合いに退屈凌ぎの意味すらないことに気が付いたのは、第一放送が終わってから暫くしてのことだった。
かみが唯一楽しめたのは頭の悪そうな男女の交尾のみで、その他はちっとも面白くなく、「それがどうした」としか言いようがない。
「やれやれ。おもしろくなるかとおもいきや、なんですか? このちゃばんは」
茶番によって犠牲となっただ人間たちの腐りかけのしょっぱい死体をくちゃくちゃ噛み締めながら、かみは溜め息をついた。
こんな流れが後何日も続いたらこっちが退屈さのあまり死んでしまう、そう思いながらかみは茶番を映す水晶玉を持ち上げた。
「つまらないからおわらせてしまいましょう……おろかなにんげんたちのしをもってね!」
かみが水晶玉を地面に投げつけたその瞬間……

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

ドォォォォォォォォォンッ……


茶番の舞台ごと、水晶玉もろとも砕け散った。それは、茶番の参加者全員の死を意味していた。
「さあ、あたらしいゆうぎをさがしましょう。ほかにもっとたのしいことはあるはずです!」
かみの笑い声が、哀れな死者どもの魂を踏みにじるかのように暗闇に響いた……。

【ペナルティにより全員死亡 ゲーム終了・優勝者なし】

250 : ◆okwpsEOdcU :2005/07/30(土) 21:09:24 ID:puUgsxla
age

251 :戦いはおわらない:2005/07/30(土) 21:11:59 ID:???
そこに泥酔したショタコンキラーの菊間アナが登場!


252 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/30(土) 21:22:29 ID:???
だが断る

253 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/30(土) 21:23:14 ID:???
菊間アナはゆうこりんの変装した姿だった!
ゆうこりん「みんなはまだ氏んじゃダメなんだぷーゆうこりんが助けてあげる(∂▽<)/」
こりん星の秘術により死者は全員復活した!
ゆうこりん「氏ぬのはわがままさんなかみりんだぶーおしおキッスの刑なのなのなの(#∂▽<)/」
全員「おー!」
かみ「なにをするきさまらー」
かみはばらばらになった!!!!!

254 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/30(土) 21:28:45 ID:???
みんなはこりん星で奴隷にされた

255 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/30(土) 21:29:36 ID:???
てじなーにゃは阿久津まやに頃された

256 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/30(土) 21:31:04 ID:???
悪津「リセットするわよ!」
ゆうこりん「は? 死ねよ」

257 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/30(土) 21:33:36 ID:???
本気でリセットした〜い

258 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/30(土) 21:42:12 ID:???
高尾祐子りん

259 :うんこ:2005/07/30(土) 22:28:12 ID:???
うんこ

260 :由紀:2005/07/30(土) 22:29:33 ID:pyd8OJGH
ゴエモン冒険時代活劇で明日香遺跡の日の光で玄武の道を開くってどうするんですか?
教えて下さい(>_<。)

261 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/30(土) 23:38:26 ID:???
>>260
とりあえずビュウコレ最高!と一万回唱えろ。そうすれば謎がとける

262 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/31(日) 00:01:26 ID:???
投 票 開 始

263 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/31(日) 00:46:16 ID:???
エッグマンまだ?

264 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/31(日) 04:52:20 ID:???


265 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/31(日) 15:44:52 ID:???
ちんこスレにさよおならブーッおならくさいよおならくさいよおなら!

266 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/31(日) 20:23:18 ID:???
コレットのM字開脚まーじさいこーまじさいこー

267 :葛葉キョウジは諦めない(1/6) ◆IGqcGkL9sY :2005/07/31(日) 21:59:42 ID:???
葛葉キョウジ(No64)を知る者に彼の特徴を問わば、
ほとんどの場合どちらかの答えが返ってくる。
有能。
もしくは、非情。
どちらの答えも根は同じ。
徹底してリアリズムから生まれる彼一流の怜悧な判断力を、
依頼者の立場で見たか、被害者の立場で味わったか。

その葛葉キョウジが持つ、
どんな状況にも左右されず、
どんな感情に揺さぶられない頭脳を以ってして、
導き出された結論はこうだった。


―――かみの打倒は不可能だ。




268 :葛葉キョウジは諦めない(2/6) ◆IGqcGkL9sY :2005/07/31(日) 22:01:51 ID:???
「そろそろ交代してくれねえか?」
ジェイナス(No70)がかけてきた言葉が、
配給食の空箱を膝に乗せたまま思考の淵に沈んでいたキョウジを
現実に引き戻した。
「ああ、済まねぇ。代わるぜ」
キョウジは軽く頭を下げると空箱を海へと放り投げ、立ち上がる。

彼らが今いるのは南下を続けた先の見晴らしのよい入り江。
接近者の存在を確認しやすい地形であることを確認した2人は、
ここで休憩と食事を取ることに定めた。
一人が哨戒し、一人が食事を取る。
非情の世界を生き抜いてきた者同士、生存への努力に怠りは無かった。
キョウジが立ち上がり、ジェイナスが座り込む。

暫くのち。
こいつはマズいぜ、だの、お、こりゃいけるぜ、だの
食事中も黙らぬジェイナスを横目で盗み見て、
彼の警戒心が緩んできているのを確認したキョウジは、
ずっと試しておきたかったことを素早く実行に移す。
それは、乗り移り。
自らの魂を相手の体に潜り込ませて主導権を奪い取る秘術。

このキョウジの奥の手は、相手の精神に潜り込む隙が無ければ
成功しないものだ。
なかなか気の緩まないジェイナスが食事を前に見せたこの油断。
キョウジが見逃すはずが無かった。

269 :葛葉キョウジは諦めない(3/6) ◆IGqcGkL9sY :2005/07/31(日) 22:02:59 ID:???
キョウジはまず始めに、魂が抜けたのち体が倒れ込まないよう、
重心を低く足を広めに構えて緊張を解す。
次いで幽体離脱。
キョウジの霊魂はすばやくジェイナスの体に重なるべく
飛び掛り―――
その勢いのまま弾き返された。

『気付かれたか!?』
キョウジはジェイナスにこの企みがバレたが故に
魂の抵抗によって弾き飛ばされたのだと冷や汗を流した。
が、見やったジェイナスは暢気なもので、
あいかわらずの軽口を叩きながら食事を摂り続けている。
幽体の存在にはまるで気付いた様子が無い。
キョウジはほっと胸を撫で下ろす。
が、それも束の間。
彼はジェイナスの烙印が赤く禍々しい光を放っているのを見た。
それは神の刻印がジェイナスの霊脈を塞ぎ、
キョウジの幽体進入をブロックしていたことの証だった。

そして気付く。気付いた瞬間に心臓が踊る。
刻印が刻まれているのはジェイナスばかりではない。
『―――俺の体は!?』
キョウジは最悪の可能性に思い至り、彼らしくない動揺を見せた。
自分の体に戻れなければ、ここでゲームオーバとなってしまう。
なんという愚かな失策!!
なんという間抜けた結末!!
彼はこみ上げる恐慌を深呼吸でなんとか押さえつけ、
慎重に、万に一つの手違いも無いよう、自分の体に幽体を重ねる。

270 :葛葉キョウジは諦めない(4/6) ◆IGqcGkL9sY :2005/07/31(日) 22:04:59 ID:???
果たして。
キョウジの体は、キョウジの幽体をすんなり受け止めた。

「はあ、はあ、はあ……」
「どうした!?」
体に戻ったとたんくずおれたキョウジに驚いて
ジェイナスが体勢を整える。
「いや、足元が少しふらついただけだ。 問題ないぜ」
「おいおい頼むぜキョウジさんよ」
肩を竦めて食事に戻るジェイナス。
哨戒に戻ったキョウジの心に絶望感が芽吹く。

乗り移りが可能ならば多彩な戦術を取ることができた。
他人の体を使って殺戮に勤しむもよし。
他人の体を使ってルールの穴に挑んでみるもよし。
例えこの体が朽ち果てたとしても、この魂さえ残っていれば、
他人の体でいくらでも敗者復活戦を挑むことが出来る。
それもこれも全ての可能性が、神の烙印ひとつで封じられた。
烙印ひとつで。

『―――烙印?』
キョウジは頭の隅に引っかかった単語を注意深く咀嚼する。
自分は今、確かに何かをひらめきかけた。
この灯火を消してはならない。
思考よ尖れ。錐の先の如く。

烙印。乗り移り。幽体。魂
肉体。魂の入れ物。宿り木。傀儡。魂が宿るものは肉体のみに非ず。
形が似るものに魂は宿る。人の形。人形。つまり。

―――ドリー・カドモンに烙印は無い。


271 :葛葉キョウジは諦めない(5/6) ◆IGqcGkL9sY :2005/07/31(日) 22:06:36 ID:???
キョウジは新たな可能性に思いを馳せる。
ドリー・カドモン。
土に姿を移し、魔に魂を受ける神秘のヒトガタ。
この土人形に魂を吹き込める術者がいるならば。
そこに俺の魂を移し変えることが出来るのならば。
烙印が刻まれていないこの素体にこそ、
最良の答えに通じる道があるのではないか?

まだ、チャンスはある。
頭は冷えている。
手は打てる。
探らねばならない。
この人形が持つ可能性を。

絶望の芽を思考の重量で押しつぶしたキョウジの背後で、
この数分間に起きた事を何も知らぬままのジェイナスが
食事と休憩の終了を告げた。


【葛葉キョウジ@デビルサマナー
 所持品:ドリー・カドモン@デビルサマナー
 基本行動方針:脱出or勝ち残り、かみとの戦いは避ける
 第一行動方針:調査と観察
 第二行動方針:ドリーカドモンに魂を移せる術者を探す 】
【ジェイナス@ワイルドアームズ3
 所持品:サモナイト石(鬼)@サモンナイト、AK47(弾丸1発使用)
 基本行動方針:優勝してかみも殺す
 第一行動方針:目的を悟られずキョウジを利用する 】

 現在地:E-04 見通しの良い入り江



272 :葛葉キョウジは諦めない(6/6) ◆IGqcGkL9sY :2005/07/31(日) 22:07:33 ID:???
「カボちゃんというものに、魂はあるのでしょうか?」
ティオ(No67)は魔法屋跡の扉を几帳面に閉めながら、
ふと思い立った疑問をマスターのデネブ(No05)に問いかけた。

「んー。難しい質問よねぇ。
 命は生まれるけど、魂は宿らないってトコかしら?
 素体が普通のカボチャだしねー。
 その辺が限界よ」
「では、素体が普通のカボチャでなければ?」
「魂を生み出すっていうコトは、
 あたしの知性と美貌をもってしても無理だわ。
 でも、それ用に特化した素体があれば、
 魂を素体に移し変えることくらいなら可能かもね」

ティオには術式に美貌がどう関係するのかまるでわからなかったが、
マスターが言い切るのならばきっとそうなのだろう、と納得した。


【デネブ@タクティクスオウガ
 所持品:ガラスのカボチャ@タクティクスオウガ、夜叉姫の血
 基本行動方針:パンプキンヘッドの作成 】
 第一行動方針:G03の農家に向かう
【ティオ@グランディアU
 所持品:湧水の宝珠@サガフロンティア2
 基本行動方針:マスター(デネブ)に協力 】

 現在地:H-03 魔法屋前



273 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/31(日) 22:15:53 ID:???
>>葛葉キョウジは諦めない◆IGqcGkL9sY
感想スレへカモンヌ。
後、もう一度ルールを良く読んできてくだせ。

274 :作品無効のお知らせ ◆IGqcGkL9sY :2005/07/31(日) 22:19:47 ID:???
ルールに則った行動から外れていたことを理由に
>267-272 葛葉キョウジは諦めないの投下を無効と致します。

関係の皆様、読んでくださった方々にはご迷惑をおかけ致しまして
申し訳ございませんでした。

275 :ゲーム好き名無しさん:2005/07/31(日) 22:25:28 ID:???
>>274
だから感想スレこいって。

問題点は大まかに2つ。

1:前作とスタンスが噛み合ってない。
キャラが実際にそう言う行動を取るかどうかの観点ではなくて、下りも原因もなしで突然結論出してるのが問題。
色々とできうる限りの調査した上でその結論だとかなら誰も文句はなかったと思う。

2:投下ルールを守ってない。
作品投稿の際のお約束を見てきて欲しい。
ある意味、ちゃんとルールを全部読んで覚えているかのテスト項目でもあるのだから。

憑依に関しては失敗してるし、今後、死んでるのに憑依とかは止めて欲しいってのは先に釘刺ししただけであんたの作品内では問題なし。
続きは感想スレで。

276 :葛葉キョウジは諦めない(1/6) ◆IGqcGkL9sY :2005/08/01(月) 00:57:49 ID:???
葛葉キョウジ(No64)を知る者に彼の特徴を問わば、
ほとんどの場合どちらかの答えが返ってくる。
有能、もしくは、非情。
どちらの答えも根は同じ。
徹底したリアリズムから生まれる彼一流の怜悧な判断力を、
依頼者の立場で見たか、被害者の立場で味わったか。

その葛葉キョウジが持つ、
どんな状況にも左右されず、
どんな感情に揺さぶられない頭脳を以ってして、
導き出された結論はこうだった。


―――かみの打倒は不可能だ。



277 :葛葉キョウジは諦めない(2/6) ◆IGqcGkL9sY :2005/08/01(月) 00:58:53 ID:???
キョウジの調べるべきは脱出への道標。
出来うれば脱出口そのものが見つかるのが望ましい。
この旨を同行者ジェイナス(No70)に伝えた折
キョウジの目には彼の表情が一瞬曇ったように映ったが、
その後の彼はあれこれ軽口を叩きながらも、腹の内はともかく
表立っては反対することなくキョウジの探索に協力している。

だが、それから数時間―――
C-04地点及びE-04地点の北側約半分の捜索は無駄足に終わっていた。
徒労感がある。
疲労感もある。
ジェイナスの顔に苛立ちが感じられる。

煮詰まりつつある思考をクリアにすべく休憩を入れるべきだ。
そう考えたキョウジが周囲の様子を確認すると、南方に砂浜が見えた。
そこはとても見通しの良い入り江だった。
「ここなら接近者をすぐ発見できそうだな。
 食事と休憩を取ることにしよう。
 疲れただろうジェイナス。俺が哨戒に立つから先に食事を取るといいぜ」
「へへ…… 悪いなキョウジさん」
ジェイナスがあからさまにほっとした表情を見せる。

暫くのち。
こいつはマズいぜ、だの、お、こりゃいけるぜ、だの
食事中も黙らぬジェイナスを横目で盗み見て、
彼の警戒心が緩んできているのを確認したキョウジは、
ずっと試しておきたかったことを素早く実行に移す。
それは、乗り移り。
自らの魂を相手の体に潜り込ませて主導権を奪い取る秘術。

このキョウジの奥の手は、相手の精神に潜り込む隙が無ければ
成功しないものだ。
なかなか気の緩まないジェイナスが食事を前に見せたこの油断。
キョウジが見逃すはずが無かった。


278 :葛葉キョウジは諦めない(3/6) ◆IGqcGkL9sY :2005/08/01(月) 01:00:32 ID:???
キョウジはまず始めに、魂が抜けたのち体が倒れ込まないよう、
重心を低く足を広めに構えて緊張を解す。
次いで幽体離脱。
キョウジの霊魂はすばやくジェイナスの体に重なるべく
飛び掛り―――
その勢いのまま弾き返された。

『気付かれたか!?』
キョウジはジェイナスにこの企みがバレたが故に
魂の抵抗によって弾き飛ばされたのだと冷や汗を流した。
が、見やったジェイナスは暢気なもので、
あいかわらずの軽口を叩きながら食事を摂り続けている。
幽体の存在にはまるで気付いた様子が無い。
キョウジはほっと胸を撫で下ろす。
が、それも束の間。
彼はジェイナスの烙印が赤く禍々しい光を放っているのを見た。
それは神の刻印がジェイナスの霊脈を塞ぎ、
キョウジの幽体進入をブロックしていたことの証だった。

そして気付く。気付いた瞬間に心臓がどくんと跳ねる。
刻印が刻まれているのはジェイナスばかりではない。
『―――俺の体は!?』
キョウジは最悪の可能性に思い至り、彼らしくない動揺を見せた。
自分の体に戻れなければ、ここでゲームオーバとなってしまう。
なんという愚かな失策!!
なんという間抜けた結末!!
彼はこみ上げる恐慌を深呼吸でなんとか押さえつけ、
慎重に、万に一つの手違いも無いよう、自分の体に幽体を重ねる。


279 :葛葉キョウジは諦めない(4/6) ◆IGqcGkL9sY :2005/08/01(月) 01:02:28 ID:???
果たして。
キョウジの体は、キョウジの幽体をすんなり受け止めた。

「はあ、はあ、はあ……」
「どうした!?」
体に戻った途端くずおれたキョウジに驚いて
ジェイナスが体勢を整える。
「いや、足元が少しふらついただけだ。 問題ないぜ」
「おいおい頼むぜキョウジさんよ」
肩を竦めて食事を再開するジェイナス。
哨戒に戻ったキョウジの心に絶望感が芽吹く。

乗り移りが可能ならば多彩な戦術を取ることができた。
他人の体を使ってルールの穴に挑んでみるもよし。
他人の体を使って危険そうな相手に情報交換を切り出すのもよし。
例え憑依先の体が朽ち果てたとしても、元の体さえ残っていれば、
他人の体を使っていくらでも敗者復活戦に臨むことが出来る。
が、それもこれも全ての可能性が、神の烙印ひとつで封じられた。
烙印ひとつで。

『―――烙印?』
キョウジは頭の隅に引っかかった単語を注意深く咀嚼する。
自分は今、確かに何かをひらめきかけた。
この灯火を消してはならない。
思考よ尖れ。錐の先端の如く。

烙印。乗り移り。幽体。魂。
肉体。魂の入れ物。宿り木。傀儡。魂が宿るものは肉体のみに非ず。
形が似るものに魂は宿る。人の形。人形。つまり。

―――ドリー・カドモンに烙印は無い。



280 :葛葉キョウジは諦めない(5/6) ◆IGqcGkL9sY :2005/08/01(月) 01:03:39 ID:???
キョウジは新たな可能性に思いを馳せる。
ドリー・カドモン。
土に姿を移し、魔に魂を受ける神秘のヒトガタ。
この土人形に魂を吹き込める術者がいるならば。
そこに自分の魂を移し変えることが出来るのならば。
烙印が刻まれていないこの素体にこそ、
最良の答えに通じる道があるのではないか?

まだ、チャンスはある。
頭は冷えている。
手は打てる。
探らねばならない。
この人形が持つ可能性を。

絶望の芽を思考の重量で押しつぶしたキョウジの背後で、
この十数分間に起きた事を何も知らぬままのジェイナスが
食事と休憩の交代を告げた。


【葛葉キョウジ@デビルサマナー
 所持品:ドリー・カドモン@デビルサマナー
 基本行動方針:ゲームから脱出
 第一行動方針:調査と観察
 第二行動方針:ドリーカドモンに魂を移せる術者を探す 】
【ジェイナス@ワイルドアームズ3
 所持品:サモナイト石(鬼)@サモンナイト、AK47(弾丸1発使用)
 基本行動方針:優勝してかみも殺す
 第一行動方針:目的を悟られずキョウジを利用する 】



281 :葛葉キョウジは諦めない(6/6) ◆IGqcGkL9sY :2005/08/01(月) 01:06:00 ID:???
「カボちゃんというものに、魂はあるのでしょうか?」
ティオ(No67)は魔法屋跡の扉を几帳面に閉めながら、
ふと思い立った疑問をマスターのデネブ(No05)に問いかけた。

「んー。難しい質問よねぇ。
 命は生まれるけど、魂は宿らないってトコかしら?
 素体が普通のカボチャだしねー。
 その辺が限界よ」
「では、素体が普通のカボチャでなければ?」
「魂を生み出すっていうコトは、
 あたしの知性と美貌をもってしても無理だわ。
 でも、それ用に特化した素体があれば、
 魂を素体に移し変えることくらいなら可能かもね」

ティオには術式に美貌がどう関係するのかまるでわからなかったが、
マスターが言い切るのならばきっとそうなのだろう、と納得した。


【デネブ@タクティクスオウガ
 所持品:ガラスのカボチャ@タクティクスオウガ、夜叉姫の血
 基本行動方針:パンプキンヘッドの作成 】
 第一行動方針:G03の農家に向かう
【ティオ@グランディアU
 所持品:湧水の宝珠@サガフロンティア2
 基本行動方針:マスター(デネブ)に協力 】

 デネブ&ティオ組
 現在地:H03 魔法屋前

 キョウジ&ジェイナス組
 現在地:E04 見通しの良い入り江




282 :凸、凹 ◆V4MJjH1yek :2005/08/01(月) 02:20:11 ID:???
「さて、次はどうしましょうか」

 海岸線から離れ、ゆっくりと平地をレザードが歩いていく。
 スービエと分かれ、次なる指針……新たな人を探すために。

「この状況で人がいそうな所は……」

 頭に地図を思い浮かべる。暗記された地図と現在位置をコンパスで確認していく。
 闇の中で地図を開こうとすると少ない灯りが必要になる。
 この暗闇の中、僅かでも目立つ行為は避けたかった。
 やるなら先制攻勢。
 此方から仕掛けることの方がメリットが大きい。
 何事にも余裕を持たせる。それが彼のスタンスだ。

「人がいそう……来そうな場所というと……」

 大まかに分けると街と北西のライキューム。この二つが人が目指しやすい建物だろう。
 しかし、今現在レザードがいるのは、それらより大分離れた逆方向の位置。
 この暗い闇の中をそこまで移動する程、彼は愚かではなかった。
 闇の中を蠢く、好戦的なスタンスの乗った者がいたら……。
 あくまで“最後まで生き残って優勝”を目指すレザードにとって、なるべく行動から危険要素は排除していきたい。
 先制攻勢のスタンスもその一環だ。

 とすると比較的移動距離が短い、ここら周辺に限られてくる。
 辺境地の拠点。争いを避けたものがやってくる可能性は多いにありえる。また乗った者が身を隠すためにも人の少ない場所へ来る可能性も。

283 :凸、凹 ◆V4MJjH1yek :2005/08/01(月) 02:21:31 ID:???

 利用するには、あまり大勢で組んでいる者とは遭遇したくないのが本音だ。
 いざという時を考えると、できれば一人の者が望ましい。交渉に当たるには二人が限度。
 中には感の鋭いもの、自分と張り合うような策士、状況判断に優れたもの、又は“心を読む”なんて能力者もいるかもしれない。
 並大抵の者に負ける気はしないが、数が増えると厄介かつ相手側にある支給品の総数も増える。
 自分が持つこの銃のように当たりを支給されているものもいて当然。
 またあまり人の集結しそうな場所だと他者に行動を見られるという欠点もある。
 いざという時、または“あの男”の時のように殺しを選択した時にそれは困る。
 これから色々と策を巡らしていけばいくほど、実行すればするほど、人との交流の間に危険性は付きまとう。やはり安全に行くべきだ。
 一人、二人の者と出会い、見極めた上で策を張り巡らしていくのが正しい行動だろう。
 共に行動するとするなら、もしもの時を考えて、戦闘力のあるものは2人が限度。
 それ以上増えると、もしもの時に始末せねばならなくなっても、不意打ちで1人を倒した後、二人以上戦闘力のある者に残られては厄介だ。
 自分以外に2人もいれば、彼の目指す生き残るための戦力としては当面十分だ。
 上手く策にはまり騙せるような相手なら、今は隠れ蓑として使い、適度な所で盾にするなりすればいい。
 生き残るようなら、それこそスービエにぶつけてしまえば……。
 それまでにはぶつかってくれるような相手かどうか、状況かどうかも解るだろう。
 尤も前者のような賢い相手の場合は、遭遇の段階で適度にお茶を濁し、組むのを遠慮して去るべきだが……。

 では、どこで人を待ち伏せするべきか。
 
 丁度、G03のエリアにぽつんと記載された農家がある。
 ここなら、一晩の間に誰かしらが訪れる可能性は多いにある。
 家の中に入って待ち伏せするのは論外だ。遭遇時に相手側に警戒される可能性がある。
 外の家の死角で待機し、入ってきた相手がどんな者か見定め、対応を選択するのが正しいと言えよう。

「どんな人が来ますかね……」
 レザードは、視界に入る農家へとゆっくりと向かっていった。

284 :凸、凹 ◆V4MJjH1yek :2005/08/01(月) 02:22:28 ID:???
 一方、農家を挟んで反対側。レザードの死角にあたる位置。

「カボチャ、カボチャ、カボチャ〜」
「マスター。鼻歌鳴らしながら街道を歩くのは危険です」

 まさに念願のカボチャまでもう少しというのに心が浮き立つデネブへとティオは注意する。
 だが浮き立つデネブの心を止める事はできなかった。
 というか左から右に聞き流している感じである。

「待っててね〜。私のカボチャ〜」
「聞いてますか? マスター」
「さぁ、農家が見えたわよ! Let's Go!」
「マスター……」

 今ゲーム中、レザードの思惑からも外れた、シタンですら6の中に考えなかった、最も凸凹なコンビが農家へと向かっていた。

【レザード・ヴァレス@ヴァルキリープロファイル】
 現在地:G03
 所持品: ザウエルP229(残弾10)、癒し猫、魚1匹
 第一行動方針:戦力強化
 基本行動方針:優勝し、神に願いをかなえてもらう】
【現在地:G03農家裏】

【デネブ@タクティクスオウガ
 所持品:ガラスのカボチャ@タクティクスオウガ、夜叉姫の血
 基本行動方針:パンプキンヘッドの作成 】
 第一行動方針:G03の農家に向かう
【ティオ@グランディアU
 所持品:湧水の宝珠@サガフロンティア2
 基本行動方針:マスター(デネブ)に協力 】
【現在地:G03農家前】

【現在時間:二日目AM0時頃】

285 :得ゆく信頼 ◆C3JvwEis6I :2005/08/05(金) 16:29:59 ID:???

島の最北端、A04。

「……そうかい、兄貴が…、ね」
「…はい」

神の声を聞いたのは、目的とした建物にたどり着く寸前だった。
もともとどこか儚げな印象のある玲子であったが、それからは
いっそう弱々しく―少なくともカノープスにはそう、見えた。
屋内に入ってもなんとも言葉の発しづらい雰囲気に
気まずさを察したのであろう、
玲子は告げられた「狭間偉出夫」という名と、自分との関係を静かに語りだしていた。

「おかしいですよね。…泣くこともできなくって」
「あ? いや、その…」
「…本当に、実感が湧かないんです。あんな声だけで、死んだ、なんて」
「………」

本当のところ、神の声によってイデオの死を実感するなんてことはなかった。
なぜなら私には、腕の中で冷たくなる唯一無二の彼の死の実感が刻まれているから。
それは何よりも信頼できる事実で、今の私を構成する一部なのだから。

「あー、なんだ、ほら、あれは…そう、かみって奴が混乱させる目的で
 でまかせ言ってるだけだって。あーー、だから…」
「…ありがとうございます、カノープスさん。気遣っていただいて」
「ああ、いや……」

カノープスさん、本当にいい人だ。
でも、私はそんなカノープスさんをどこかで裏切らなくてはならない。
本当の仲間になんて、なれない。

「…アンクロワイヤーさんは大丈夫でしょうか」
「え? ああ、あいつなら大丈夫だ。心配しなくたっていい」


286 :得ゆく信頼 ◆C3JvwEis6I :2005/08/05(金) 16:31:39 ID:???

B04、焼け落ちた建物、その近く。

異変に気がついたのは移動中だった。
南東方面に赤外線を放つ赤い光が立ち上った。火事らしい。
状況を確認すべく、玲子をカノープスに任せて一人アンクロワイヤーはそちらへと向かった。
直前に神の声が聞こえていたから別れたのが午後8時過ぎになる。

まだ火の残る建物を遠巻きに眺め、アンクロワイヤーは冷静に状況を分析する。
これが人為的な火事であることは疑いないが、ざっと見たところ既に誰の姿もない。
屋内に誰かいたとしたならば…それはもう生きてはいないだろう。
結局のところ誰かが火を放ったということしかわからないままだ。
交渉できるほかの参加者をここで待つという選択肢も考えたが、不確定要素が強い。
なによりあまり遅くなって二人を心配させてはいけない、と思い直し、
アンクロワイヤーはその場を後にした。


時間は放送前まで戻ってB03。

「フラックはいったいどこに消えちゃったんだホ!
 もういいホ!仲魔を放っていなくなるやつなんて仲間じゃないホ!」

三頭身の雪だるまが悪態をついていた。
デビルサマナーに出会い、カードに閉じ込められて燃やされかけてから必死で逃げた。
フラックに無価値と判断され見捨てられたなど考えもしない。

「兎に角また仲間探しホー、オイラも伝説のデビルバスターバスターズを結成して、
 あのサマナーに復讐するんだホ!
 …ホ? さっそく向こうに誰かいるみたいホ」

発見したのは北東へ向かう三人組。
ジャックフロストはこっそりとその後を追った。
途中で流れたフラックの名など気にもならなかった。


287 :得ゆく信頼 ◆C3JvwEis6I :2005/08/05(金) 16:32:07 ID:???

玲子に気を遣ったのか、それとも単に雰囲気に耐えられなくなっただけなのか。
会話も弾まぬままカノープスは見張りに出てゆき、
屋内には玲子一人が残されている。
警戒のため、今は部屋の中は明かり一つない暗闇。
ポケットからそっと懐中時計を取り出して握り締め、玲子は思考に沈む。

後ろから、無防備な背中へと銃を向け、引き金を引く。
発砲の感触、倒れる身体、吹き出る血――イデオの姿がフラッシュバックする。
ため息一つ。
そこまでで心はこの想像を続けることを拒否する。
考えていて反吐が出るような卑劣な行為だ。
それが自分の選んだ道、やるべきことだということを思い直し自嘲する。

できるできないではない、やらなければならないのだ。
それでも心のどこかにはまだ抵抗が残っている。
客観的に見れば当然だ。誰も今の私が正しいなんて弁護しないだろう。
しかし、この世界で正しいとは何か。客観的な振る舞いなど誰ができるというのか。
皆、自分の決断したとおりに行動するしかない。

…誰に向かって私は反論しているのだろう?
それはおそらく、外の私を否定しようとする内の自分に対して。
でも思考ならいいけれど、現実において
逡巡したままで動いて失敗するなんてことは許されない。
織り上がってゆくのは堅固な決意、決意の鎧。
闇の中、自らの断片を閉じ込め、黒く塗りつぶしてゆく。


気付くと、何だか外で話し声、はっと思考から現実に引き戻された。

288 :得ゆく信頼 ◆C3JvwEis6I :2005/08/05(金) 16:33:01 ID:???

三人組のうち、一人は別れてどこかへ向かった。
一人と二人、仲間は当然多いほうがいいから二人のほうを追う。
そうして二人が入っていった建物をジャックフロストはじっと見つめていた。
ややおいて、一人が見張りに出てくる。
こういうことで大事なのは交渉、Talk、Contact。
される側だった自分の経験を思い出し、頭の中で試行錯誤。
うん、これでいけるはず、まとまった案を自画自賛して
カノープスへと声をかけた。

「ねぇねぇ、そこの人〜」
(ヒホ?鳥みたいなヒト…テングみたい。ヒトじゃなくてアクマだったのかな)
「あん?」
(う、動くユキダルマ、しかも喋ってやがる!?……参加者なのか?)
「まあアクマでもヒトでもいいホ。おいらの仲魔にならない〜?」
「お前、何者だ?魔力で動いてる生物とかそんなのか?」
「おいらは妖精ジャックフロスト、そんな難しいものじゃなくて、アクマだホ」
「悪魔だぁ?っても全く怖くねぇが」
「プリティさはおいらのチャームポイントだホ〜。でもアクマを怒らせると怖いよ?」
「あーはいはい、でその悪魔が何の用件だ?仲間に入れて欲しいのか?」
「違うホ!おいらがさまなー役なんだから、おいらが仲魔にするんだホ!
 あ、怒っちゃダメかぁ、交渉はスマイル…それじゃあ、えーと、こんな時は…
 何か欲しいものは無いですホ?ませき…は無いし、お金、マグネタイト…
 んー、後払いなら何でも出します。宝石でも構わないですホ〜」
「いや、そういう問題じゃなくてだな。お前が上なのかよ」
「もちろん!おいらの命令は絶対なんだホ。
 『足首いた〜い』とか『誰でも殺っちゃうんだね』なんて生意気いうやつは
 お仕置きなんだホ。ませきもあげないホ」
「あー、そうかいそうかい」
(悪い奴じゃなさそうなんだが。どうしたもんかね、こいつ…)

交渉慣れしていない、というか熱意ぐらいしか認められない雪ダルマをもてあますこの状況は
開いた後ろの扉により打開された。

289 :得ゆく信頼 ◆C3JvwEis6I :2005/08/05(金) 16:34:13 ID:???

「あれ、フロストちゃん?」

知らない声を聞いて出てきたのであろう玲子が雪ダルマへと声をかける。
親しみの篭った調子からするとずいぶんよく知っている感じだ。
聞き流すカノープスに向けあんまり実にならない話をしていたジャックフロストも反応する。

「オイラを知ってるのかホ〜?」
「え、君はジャックフロストでしょ?」
「大正解ー!えへへ、おいら有名だホ。んー、おねーさんと交渉したほうがよさそう…
 えーと、オイラの仲魔になって欲しいホ!」

目的へ向かって単刀直入。
真っ直ぐで、純真な瞳がキラキラと見つめている。
玲子は罪悪感のようなものに一瞬だけ顔を曇らせたが、すぐに霧散させる。

「…知り合いなのか?」
「直接この子と知り合いというわけではないですけど。
 ジャックフロストはアクマですけど、別にすべてのアクマが危険なわけではなくて
 話をすれば結構みんな分かってくれるものなんですよ。
 それで…フロストちゃん?いいわよ、一緒に行きましょう。いいですよね、カノープスさん」
「まあ、いいってんならいいけどよ…」
「それじゃ…わたしは赤根沢玲子、こっちがバルタンのカノープスさん。
 こんごともよろしくね」
「ヒーホー!こちらこそこんごともよろしくだホ〜!」


290 :ゲーム好き名無しさん:2005/08/05(金) 16:34:42 ID:???

それから、A04、建物の中。
戻ってきたアンクロワイヤーも交え、
人使い、悪魔使いの荒さとか理想の上司とかの話で
妙に盛り上がっていたのが印象的だった。


【アンクロワイヤー@ジェネレーションオブカオス】
 所持品:鍬
 第一行動方針:朝まで休息
 最終目的:ゲームの破壊】
【カノープス@タクティクスオウガ】
 所持品:杵
 第一行動方針:朝まで休息
 最終目的:ゲームの破壊、デネブと合流
【赤根沢玲子 
 所持品:メギドファイア(残弾つうじょうだん5発) 懐中時計
 第一行動方針:朝まで休息
 基本行動方針:殺し合いへの不参加・ゲームへの反抗を装う
 最終目的:生き延び、兄を蘇らせる】
【ジャックフロスト@女神転生
 所持品:無し
 第一行動方針:朝まで休息
 最終目的:ゲームを潰す&デビルサマナーに復讐するホー!】

【現在地:A04建物内】
【現在時刻:AM0時頃】

※カノープス、フロスト、アンクロワイヤーの順で見張り。
 夜明けと共に移動開始を予定

291 :ゲーム好き名無しさん:2005/08/10(水) 23:36:44 ID:???
hosu


292 :ゲーム好き名無しさん:2005/08/13(土) 20:27:27 ID:???
hosyu

293 :ゲーム好き名無しさん:2005/08/15(月) 19:36:38 ID:???
大人はみんなウソつきだ!!!!!!!!!

294 :ゲーム好き名無しさん:2005/08/16(火) 14:53:55 ID:???
(*´・д・)(・д・`*)オコッチャヤーヨ

295 :ゲーム好き名無しさん:2005/08/19(金) 16:15:19 ID:???


296 :ゲーム好き名無しさん:2005/08/19(金) 20:52:11 ID:R2pGWhei


297 :ゲーム好き名無しさん:2005/08/21(日) 01:19:02 ID:???


298 :ゲーム好き名無しさん:2005/08/22(月) 22:22:22 ID:???


299 :ゲーム好き名無しさん:2005/08/24(水) 15:29:12 ID:???


300 :ゲーム好き名無しさん:2005/08/24(水) 16:23:59 ID:???


301 :鉄の塊とバーサーカー ◆V4MJjH1yek :2005/08/25(木) 01:42:19 ID:???
「ふぅ……はぁ……」
 胴と足を両断された死体の直ぐ側の木で、屈強な大男が息をつく。
 ぬらり。
 血に塗れた頭を拭いながら、一息大きく空気を吸い上げる。
 そして

「フゥ……ブルワァアァァアアァァアアァァアアァッッ!!!!」

 遠吠えのような叫び声とともに一際大きく息を吐き出した。

 出し終えて落ち着くと、地面につけた戦斧を振り上げて肩にかけ、身を引き締めると前へと足を出す。
「ク……。余計な傷が増えたな」
 大分落ち着いたとはいえ、サレの手により殴打された頭がまだ少し痛む。
 サレをよく理解していない、いや理解しようとしなかったバルバトスは
(大方、知り合いにあって裏切ったのだろう)
 と済ませた。

「傷口は塞がったか……」
 拭う布に新しい血がつかなくなった。
 おかげでサレの支給品袋はバルバトスの血で染まっている。
「こんなコインなぞ、あってもどうしようもないからな」
 中にある100円高価は、袋から全部下に落とした。
 説明を読んでも、今の彼にとって全く役に立たない物なのが解るから。
「さて、次の獲物を探しに行くか……」
 失った栄養分を取り、少しでも体力を回復させる。
 サレに支給された食べ物と水を飲みながら、バルバトスは南へと歩いていく。
 己に絶大な自信を持つ彼は、その身に起きつつある事を知らず、更なる森の奥へと消えていった。

302 :鉄の塊とバーサーカー ◆V4MJjH1yek :2005/08/25(木) 01:43:29 ID:???




 バチバチパチバチバチ。

 夜の中、弾けるような音が聞えてくる。
 街道を少し外れた人目の付きにくい森。小さくオレンジ色に照らす火の周りに、魚と野菜がくべられている。
「いやぁ、助かったぜ。こいつが大食いなもんでよ」
 金色の髪をした凛々しい青年が笑顔で喋る。
「いや、気にするな。仲間がいるのは心強くて助かる。
 このゲームにおいて生き残ろうとするなら、一人身は辛いからな」
 笑顔を向けられた蒼い髪をした青年。此方も凛々しく若い。
 その横で焼けた食物をモグモグと頬張る緑色の小さな物体。
 一見するとほのかな光景である。

 唯一、虹色に輝くドレスを金色の青年が纏っている事以外は。

 青髪の青年は、もはや慣れたかのようにその事について黙っていた。
 何しろ、出会い頭からドレス男……ホームズはこの格好だったのだ。
 どんなに鋼鉄よりも防御力に優れ、魔法さえも軽減しても、その代償は色々と大きい。
 だが、事、人と遭遇するという点においては、相手のやる気を削ぐ……もとい敵意を消すには効果が大きいようだ。
 カラスとしても
(こんなドレスを纏って、マヌケたお供を連れてる奴が悪人か?)
 と考えて、出方次第で話してみるくらいの余裕は持てた。
 尤も、当然の如く虹色のドレスを纏っているという印象は、変態という先入観は抱かせたが。
 
 その後、起きた出来事を話しながら支給品の説明を持ち出して、しきりに自分の無実?を証明していたホームズだが
「この状況下、少しでも生存率を上げるべきなのは解るから安心してくれ」
 何を安心しろというのだが、纏っている理由については納得してくれたようで、深く騒いでも余計に勘違いされるかもと思い、ホームズはそれ以上は弁明しなかった。
 その後、彼らは、休憩と話し合いを兼ねて、カラスの持っていた野菜と魚を火を起して焼いていた。

303 :鉄の塊とバーサーカー ◆V4MJjH1yek :2005/08/25(木) 01:44:28 ID:???
「しかし、この野菜は何処に有ったんだ?」
 焼けた茄子をむぐむぐと頬張りながら、ホームズが尋ねる。
「ここに記されている農家だ。丁度、移動中だったから、持てる分だけ幾つか採取してきた」
「じゃぁ、この一匹だけの魚は?」
「俺の支給品は……釣竿だったんだよ」
「そりゃ災難だな……」
 今の自分も災難だとホームズは思うが、戦闘に全く使えない彼の支給品はもっと哀れに思えた。
「だろ? 仕方ないから今後の食料を考えて魚釣りしていたんだ。一匹目で壊れたけどな……」
 余りにもの不運さに、ホームズには、かける言葉が思い当たらなかった。
 ここでカラスは嘘をついていた。
 釣り竿が折れたのは本当とはいえ。実際は魚など釣れず、スービエに選別で貰ったのである。
 これから生き抜く上で、もしかしたら戦うかもしれない彼の事は必要以上に他人に語らない方がいい、と思ったのだ。
 敵対した時は、素知らぬ振りをするなり、状況に応じて誤魔化しながら話せばいい。
 そう考えていた。
 手を組むような時も誤魔化しつつ謝りながら喋れば、お人よしそうな彼らなら許してくれるだろう。
「さて、そろそろ残りのも焼けたな。悪いが魚は俺が貰っていいか?」
「ああ、それはお前が食べるべきだよ」
 釣竿を犠牲にして一匹の魚。それに自分達は馳走になる身。ホームズやポヨンは意を唱えなかった。
 カラスの本意としては、奇妙な友情とはいえ、好意で譲り受けた物。自分で食べたいという気持ちがあったからだが。
「さぁ、食べようぜ」
 ホームズが新しく焼けたのを手にとり、ポヨンも手を伸ばす。
 そしてカラスが焼き終えた魚を口にしようとした時。

―――みなさん おつかれさまです!

ゴゴオォォォゴゴオォオオオォゴォォォォガタガタ。

「これは!?」
「あれは!?」
「?」

 カラスとホームズの声が重なる。
 しかし、それぞれの指している方向は違った。

304 :鉄の塊とバーサーカー ◆V4MJjH1yek :2005/08/25(木) 01:45:35 ID:???
「「ん?」」

 ホームズは響く声を、カラスは唸るように地面を響く奇怪な音に真っ先に反応したのだ。

―――それでは まずは だつらくしゃを はっぴょう します

 カラスが声の方に意識を向けるとかみの放送が聞えてくる。

―――ガアアアアアゴガアアアガアアア

 ホームズが唸り音の方を向くと鉄の塊……戦車が街道を走り抜けていくのが目に映った。

「あ、あれは……」
 地面を唸らせて走る戦車をホームズは凝視する。
 轟音を鳴り響かせて走るのは、傍目に見ても気づかれやすいものだ。
「あれも支給品なのか?」
 それとも島にある設置物の一種なのだろうか?

―――つぎのほうそうは あさの8:00です!

「19名か……」
 この半日で、こんなにもの人が死んでいるのかとカラスは思う。
 かみを倒してでも、優勝してでも、とにかく生き残る。
 それがカラスの考えだ。
 今はまだ、足掻く人達の方が多いとよめる。
 しかし、もし数が残り少なくなった時は、優勝という道も考えなくてはいけなかった。

305 :鉄の塊とバーサーカー ◆V4MJjH1yek :2005/08/25(木) 01:50:15 ID:???
「あっ」
 ホームズがしまったという声を上げる。
「安心してくれ。かみの奴の方は俺が把握してある」
 カラスの言う通り、戦車に気を止めるあまり、放送の方を聞き流してしまっていたのだ。
「つくづくすまねぇな……所でどうする?」
「確かめるかどうかか?」
 通り過ぎていった戦車を追跡してみるかどうか。
 それをカラスへとホームズが尋ねる。
 素足で追いかけるには全力疾走しないと辛い感じだが、道に残る後から見失う事はなさそうだ。
「中に人がいるのか、それとも無人か」
「やばそうなら森へ逃げれば、あの巨体だ、追いかけてこれないんじゃないか?」
「そうだな。解った、追いかけてみよう」
 


 ぽんとクラトスの肩をクロノが叩く。
「あ、ああ大丈夫だ……」
 “ロイド・アーヴィング”
 その名前を聞いた時、動揺が走った。
 表面上では、正常を保とうとしているものの走った衝撃は大きい。
 それを心配したクロノが不安に思ったのだった。
 だが、今は動揺している時ではない。悲しみに走る状況ではないのを心に強く言いつけ、行動を起す。
(今はまだ立ち止まれない。だが……せめて必ず仇だけは……ロイド)
 その様子を見たクロノは、それ以上深く追求する事を止めた。

306 :鉄の塊とバーサーカー ◆V4MJjH1yek :2005/08/25(木) 01:53:46 ID:???
 

「ジューダスはまだ意識を失っているか……」
 なら、申し訳ないが自分達の身の安全のためだ。気絶してる間、とジューダスから愛剣を取り、支給袋も確保しておく。
 クロノが器用にワルサーの手を括って木に縛り付ける。
 ワルサーの支給袋を殻にし、それで手を後ろに回して縛ったのだ。
 横にバイクの姿はない。
 どうやら、支給品袋は、それぞれデフォルトで支給された説明のついているアイテムだけは自由に出し入れできるようだ。
 尤も、そうでもなければこんなジェットバイクが袋の中に入れるはずがないのだが。
 そして、地に置かれたワルサーの支給物をクラトスが確保する。
「どうした?」
 シレンが地面に転がる石に着目し、それを拾い上げている。
 彼が言うには、これがあの不思議な生物に関わっているらしい。
 長年の経験に基づかれたシレンの勘だった。
「しかし、こいつをこの後どうするかだな」
 ワルサーに剣を突きつけ、何時彼が目を覚ましてもいいようにクラトスは構えている。
 縛って動きを封じたとはいえ、ワルサーは魔法を使う。
 油断はならないと判断しての事だ。
「放っておくわけにはいかないが……情報は出来る限り引き出してからだな」
 ロイドの件で少し、こんなような人物に対する憎しみが強くなっていたとはいえ、こんな危険人物を活かすつもりは元々更々ない。
 しかし、シレンの言う石の件にしろ、知れる事は知るべきとクラトスは提案した。
 提案した時、クロノの方は、少し難しい顔をしたが納得はしたようだった。
 シレンは慣れているのか、ただコクリと頷く。

 少しして
「う……」
「ん、目がさめたか?」
 ワルサーの目覚めに声に反応してクラトスの剣を握る力が強くなる。

307 :鉄の塊とバーサーカー ◆V4MJjH1yek :2005/08/25(木) 01:54:39 ID:???
「ブルワァァァァァアアアァァァァァッッ!!!!」

「なんだ!?」
 
 三人の声が一致して、突然奇声のした方へと視線を向ける。
 斧を振り上げた男が、まさにワルサーの木の後ろの方から走り駆けて来たのだ。
 ジューダスが起きていれば、これがバルバトスだという事が解っていたものの。

「くっ!?」
 咄嗟にワルサーから剣を引き、クラトスは飛び下がる。
 シレンが自慢の力でジューダスを即座に背負い、クロノは距離を取りつつ魔法を放つ準備をする。

 ブン、と音が聞えるほどの勢いでバルバトスの斧がワルサーの縛り付けられている木を横に切り倒す。
「ブベシッ!?」
 哀れ。せっかく目覚めかけていたワルサーは、上から倒れる木に頭をぶつけ再度気絶してしまう。
 尤も。このままではクラトスの手で殺されていたかもしれないので、悪運だけは強いのかもしれないが。

 シレンがジューダスを背負っている以上、軽々と木をなぎ倒すような男相手に、ここで戦うのは不利とクラトスは考えた。
 むしろ、次々となぎ倒されては、彼等に取って木々は邪魔にしかならない。
 それにジューダスが目を覚ますまで少しでも時間を稼ぎたかった。
「広い場所まで出るぞ!!」
 クラトスが叫ぶように指示を出すと二人は街道の方へと走る。
 戦闘にジューダスを担いだシレン。その直ぐ後ろをクロノ。
 そして殿を勤めるように最後をクラトスが走る。

「ブルワアアアァァァァァァッッッッ!!!」
 邪魔する木々をエピック・ヒーローでなぎ倒し、獲物へと一直線にバルバトスが迫る。
「化け物だな」
 その様子を見たクラトスが声を漏らす。
 クロノもジェットバイクを出したかったが、運転経験のあるのは自分のみ。
 ジューダスを先に離脱させようと思ったが、流石のシレンでもあの大漢と肉弾戦でやりあうのは無理だろう。
 魔法を使える自分の方が、クラトスを支援しつつ相手にするにが有利なのだ。
 迫ってくるバルバトスと相まって、出すに出せないもどかしい状況。

308 :鉄の塊とバーサーカー ◆V4MJjH1yek :2005/08/25(木) 01:55:37 ID:???
――ゴガァァゴオオォォォゴガアアォォ

「もう少しだ!!」
 三人の前に街道が見える。そこへと走るクラトスとクロノ。
 バルバトスに集中し、彼の雄叫びが耳にきている二人と違い、少し先を行くシレンだけは、この謎の奇音に気を配っていた。
 しかし、今は逃げる事が先決だ。
 立ち止まっては後ろから迫り来るバーサーカーに追いつかれてしまう。

―――まだ、彼は目を覚まさないのか?

 少し蹴りを強く入れすぎたか? と反省するが、後悔するよりも今は先を行かねば。
 自分に責任がある以上、自分がジューダスを支えなくては、とシレンは背負い街道へと飛び込む。

―――ゴゴオォォォゴゴオォオオオォゴォォォォガタガタ。

 刹那。
 シレンの目が大きく開き止まった。

「どうした? ッ!?」
 遅れて出てきたクロノとクラトスも目が点になる。

 何故なら


 彼らの飛び出した目の前、街道には戦車が走っていたのだから。

309 :鉄の塊とバーサーカー ◆V4MJjH1yek :2005/08/25(木) 01:58:54 ID:???
「ブルワァァァアアアァァァッッッッ!!!!!」

 だが、バルバトスは待ってくれない。
 彼もワンテンポ遅れて森から飛び出てくる。

「横へ散開するんだ!」
 すかさず的確な指示をは出すとクラトスはクロノと共に左に。
 前もって答えが解っていたように、状況判断に優れたシレンもジューダスを背負いつつ道の右横へそれる。

(クッ!? 敵か味方か……果たしてそれとも!?)
 横に戦車、後ろにはバルバトス。
 彼らの命運は、二つの巨大な力に挟まれていた。


【ワルサー@ドカポン
 状態:気絶
 所持品:サモナイト石(ポワソ)
 基本行動方針:神様を殺す
 第一行動方針:目の前にいるヤツラから逃げる
 第二行動方針:印の解除。邪魔する者、利用できない者は殺す】
【現在地:E04西部の森】

310 :鉄の塊とバーサーカー ◆V4MJjH1yek :2005/08/25(木) 01:59:37 ID:???
【シレン@風来のシレン
 基本行動方針:ゲームからの脱出
 第一行動方針:正しき者への援護。
 第二行動方針:ジューダスの保護する
【クロノ@クロノトリガー
 所持品:ジェットバイク(残りおよそ23時間50分稼動)
 基本行動方針:ゲームからの脱出。
 第一行動方針:ジューダスの目が覚めるまで時間を稼ぎつつ、戦いやすい場所へ移動
 第二行動方針:仲間と出会う】
【クラトス・アウリオン@テイルズオブシンフォニア
 所持品:果物ナイフ
 基本行動方針:ジューダスに協力、ロイドの敵討ち
 第一行動方針:ジューダスの目が覚めるまで時間を稼ぎつつ、戦いやすい場所へ移動
 第二行動方針:コレット、しいな、のいずれかと合流】
【ジューダス@テイルズオブディステニー2
 状態:気絶
 所持品:フランヴェルジュ(片手剣)
 基本行動方針:バルバトス・ゲーティアの抹殺
 第二行動方針:仲間集め】

311 :鉄の塊とバーサーカー ◆V4MJjH1yek :2005/08/25(木) 02:01:44 ID:???
>>310-311
訂正。
【ワルサー@ドカポン
 状態:気絶
 所持品:なし
 基本行動方針:神様を殺す
 第一行動方針:目の前にいるヤツラから逃げる
 第二行動方針:印の解除。邪魔する者、利用できない者は殺す】
【現在地:E04西部の森】


【シレン@風来のシレン
 所持品: サモナイト石(ポワソ)
 基本行動方針:ゲームからの脱出
 第一行動方針:正しき者への援護。
 第二行動方針:ジューダスの保護する
【クロノ@クロノトリガー
 所持品:ジェットバイク(残りおよそ23時間50分稼動)
 基本行動方針:ゲームからの脱出。
 第一行動方針:ジューダスの目が覚めるまで時間を稼ぎつつ、戦いやすい場所へ移動
 第二行動方針:仲間と出会う】
【クラトス・アウリオン@テイルズオブシンフォニア
 所持品:果物ナイフ、フランヴェルジュ
 基本行動方針:ジューダスに協力、ロイドの敵討ち
 第一行動方針:ジューダスの目が覚めるまで時間を稼ぎつつ、戦いやすい場所へ移動
 第二行動方針:コレット、しいな、のいずれかと合流】
【ジューダス@テイルズオブディステニー2
 状態:気絶
 所持品:なし
 基本行動方針:バルバトス・ゲーティアの抹殺
 第二行動方針:仲間集め】

312 :鉄の塊とバーサーカー ◆V4MJjH1yek :2005/08/25(木) 02:02:59 ID:???
【高尾祐子 
 状態:健康
 所持品:なし
 基本行動方針:出合った人間を矯正しつつ勝ち残る
 第一行動方針:マサキと共に脱出する仲間を探す
 第二行動方針:自分の生徒(人修羅、千晶、勇)を探す】
【マサキ・アンドー
 状態:健康
 所持品:レオパルト2(サガ2に登場、戦車。弾数3、稼働時間二日)
     ムスペルのマガタマ
 基本行動方針:かみを倒し、脱出する
 第一行動方針:祐子と共に脱出する仲間を探す
 第二行動方針:シュウを見つけ、復讐する】
【夜のため、二人とも戦車の中にいる。目の前に出てきた集団に気づいたどうかは後続へお任せ】
【現在地E03東の街道】


【ホームズ@ティアリングサーガ
 所持品:ボウガン@弾数残り20本 プリズムドレス(着用)
 基本行動方針:このゲームを壊して元の世界へ帰る
 第一行動方針:レオパルド2の跡をつける】
【ポヨン@大貝獣物語
 所持品:焼き野菜
 基本行動方針:みんな(参加者)を助けたい
 第一行動方針:ホームズについていく】
【No02.カラス(バテンカイトス)
 所持品:焼き魚一匹、各種野菜
 基本行動方針:何がなんでも生き残る
 第一行動方針】
【カボチャとかwどの野菜を取っていったか等の酒類は後続へお任せ、持ちきれる範囲で】
【現在地:E03西の街道】

【現在時間:PM10時〜11時くらい】

313 :鉄の塊とバーサーカー ◆V4MJjH1yek :2005/08/25(木) 02:03:52 ID:???
>>312
更に訂正。
【No02.カラス(バテンカイトス)
 所持品:焼き魚一匹、各種野菜
 基本行動方針:何がなんでも生き残る
 第一行動方針:レオパルド2の跡をつける】


314 :struggle without arms ◆C3JvwEis6I :2005/08/25(木) 02:33:50 ID:???

その足は確実にしっかりと闇を蹴り、
暗黒など全て自らの支配下に置いたかのごとくに踏みしだいていく。
広がる森の中をひたすらに北に向かい、
わずかな時間だけ身体と精神を休める。
聞こえたはず、聞いたはずのかつての友の名も、今の彼には単純な悲しみさえ呼び起こさない。
募るのは彼らを助けられなかった自分への悔しさと、
早く仲間を見つけ出して助けなければという微かな焦燥。
早く危険を取り除かねばという焦燥。
しっかりと闇を蹴り彼は歩きつづける。



「誰もいないよねぇ?」
夜闇にギィッ、という小さな音が鳴る。
ライキュームの一角、とある一部屋の扉をそっと押し開けて侵入するのは
ヴァージニア・マクスウェル。

フェイトに見逃されてからとりあえず北に広がる森へと移動した
ヴァージニア、その判断。それは、
「長丁場の戦いでは体力が資本、だから余裕あるうちに休むのが一番」。
大木の上に周囲から簡単に見つからない隠れ場所を見出し、
空が暮れ切るのも待たずに休息に入ったのが午後6時過ぎ。
夢で誰かが大声を出していたような気がするが良く思い出せない。
それから誰も近づく人物がいなかったのは幸か不幸か。
ヴァージニアが目覚めたのはすっかり真夜中、丑三つ時。
随分気持ちよく寝入ってしまったことに反省しながら、
起きてしまった以上行動を開始したヴァージニアは
ライキュームと名のついた東の建物群へ向かったのだった。


315 :struggle without arms ◆C3JvwEis6I :2005/08/25(木) 02:35:51 ID:???
ギィッ。
小さな音であったがソルを浅い眠りから呼び戻すには十分な音。
昨日より張り詰めたままの神経が瞬時に体の感覚を研ぎ澄ませる。
それは、望まざる来訪者を告げる音。
自分以外に確実に味方と呼べる人間が存在しないこの島において
誰かと接触する時ほどスリリングな瞬間は無い。
友好的か敵対的か、根本は二元論ながら複雑な駆け引き。
ではこんな夜中にやってくるこの相手は友好的か、敵対的か?
具体的な判断材料は無いが、自分の場所への侵入者であること、また武器の無い不安などから
ソルの心理は敵という認識に傾いていた。
では敵に対してはどうするか。そう、機先を制すのだ。


部屋に広がる暗さは外の闇よりまた一段濃いもので、
ヴァージニアにはしばらくの間戸口で目を馴らす時間が必要だった。
その時間を狙うように部屋の奥から投擲物がヴァージニアへ向かう。
(嘘ッ…何なのッ!?)
それなりに培われた反射神経と習慣ともいえる反応が―とはいえ銃弾だったら間に合っ
ていないが―
この悪条件下でも何とか被弾を回避してくれた。
射線を外し合う銃撃戦に慣れていたこともプラスに働いたかもしれない。
飛んできた何かは半開きの扉にあたり何処か特徴的な音をたてて部屋の外へ落ちた。
そしてそれが、暗い小部屋での二人のアクションの引き金となる。

316 :struggle without arms ◆C3JvwEis6I :2005/08/25(木) 02:42:17 ID:???
室内へ転がるように飛び込み、部屋の隅で体勢を立て直す。
ほんの少しの陰翳の差が目の前、立って腰くらいの高さに障害物があることを教えていた。
これはテーブルだろうか。
誰かと戦闘になる可能性は考えてはいたけれど、
こんな真夜中に、偶然入った小部屋でそうなるなんて考えてなかった。タイミングが悪過ぎる。
ほんの少しだけ落ち着きを取り戻しかけた闇を破ってその奥で気配が動く。
それでタイミングを先読みし、二度目の攻撃を回避。
テーブルより低く身をかがめて、整然としている椅子の陰に身を沈める。
先ほど自分がいた辺りで再び特徴ある音。
物がぶつかる衝撃音に、そう、あれは紙ずれの音。飛んできているのは本?ここは図書室?
考えは突然の騒音に中断される。どさりと物が落ちる音、乱れる気配、てことは…?
見えない対戦者の気配を察知すべく集中するが、遅すぎる。
テーブルの上、大きくそして素早く移動して来る気配。
今回は接近戦、既に回避できる隙は残っていなかった。
とっさに腕を上げて頭部をガード、その腕に本が直撃する。
「きゃあっ!!」

中央にいくつかのテーブル、囲むように部屋の壁になっている本棚。
一日中ここにいたのだ、闇の中でも部屋の構造は頭の中にある。
とにかく不意打ちをかわされたことは大きな驚きだったが、
抑えて気を引き締める。迷いは禁物、今対峙しているのはそういう相手だ。
投げた本が壁に当たる音。二発目も命中せず。だが、それは構わない。
そろそろ目が慣れてきた相手が投擲を確実に避けるには遮蔽物を利用するのが普通だろう。
これで相手の位置はほぼ絞り込めた。推測だが自信はある。
とはいえ反射神経と気配の察知だけで奇襲である二度の攻撃を避けるのだから素人ではない。
深く息を吸うと、棚から両手で本をつかみ出して本を棚から引き落とす。
それが音を立てるより早く足で床を静かに蹴り、部屋の真中を占めるテーブルの上を跳んで
大体絞り込んだ位置へ向け一気に切り込む。手にした武器は、本一冊。
それを自由落下の勢いを味方につけて推測の位置へと振り下ろす。
壁やテーブルとは違う感触がヒットを教える。同時に甲高い声が。
一瞬の動揺が次の行動を制止する。

317 :struggle without arms ◆C3JvwEis6I :2005/08/25(木) 02:43:22 ID:???

(…ったぁいっ!)
堅いものを叩きつけられた部位が痛い。ーーっ、これ腫れるかもー、
とかそういうことを何とか意識の外へ追いやって、ヴァージニアは状況を必死に推測する。
暗闇の部屋からの襲撃、強打。何とか受けて、今、相手は…止まってる?
(ええい、思い切って!)
相手の位置へ向け、ほとんど思考せずに賭けに出る。
立ち上がる力をすべてその方向へ向けて頭上で組んだ両手からそこへ向けてチャージを敢行する。


動揺で失ったのは一瞬だったはず。しかしその一瞬で相手は反撃してくる。
敵が誰であっても関係ないじゃないか、どうかしていた。
防御姿勢をとろうとしたところへ質量がぶつかり、大きくノックバック。


相手に生じて帰ってくる衝撃を感じて突進を停止。
それから、前に踏み出した左足を軸に残った勢いを全て乗せて右足を振りぬく。
その弧は相手の左手の甲を捕らえ、男が小さくうめき声を上げた。
状況を五分以上に戻しいまだ顔もわからない対戦者にヴァージニアは―
「ちょっと寄っただけなのにいきなり何よっ!
 驚かせたのは悪いけど攻撃することないじゃないっ!
 あなたもゲームで人を殺して回る気なのッッ!!」
言い放つ。


318 :struggle without arms ◆C3JvwEis6I :2005/08/25(木) 02:48:51 ID:???

正直に言って侵入者は暗闇から奇襲すれば簡単に何とかなると思っていたが、
やってきたのはそれなりの強敵だった。
その甘い見通しの結果が今の状態だ。
接近戦での真正面での相対を余儀なくされ、左手からは激痛。指の骨がいったかもしれない。
ではどうするか?
迷うソルに次の行動の指針を与えたのは相手が言い放った言葉。
どうやら、この女は既に誰かと交戦し、かつ自分は積極的に他者を殺して回る気は無いらしい。
続行が不利となった今の状態では戦闘が回避できるならばそれに越したことはない。

「…待て。こちらはただおまえの進入に対して対応しただけだ、積極的に戦うつもりは無い。
 俺の名はソル。先に仕掛けたことについては謝るが…、
 こんな深夜に不意に訪れる方もどうかと思うが?防御行動として自分が間違っていたとは思わない」
「だからって!痛かったんだからね!」
「痛み分けだと思うが。お互いに不要なダメージを負ったな」
「自業自得でしょっ!
 ………あ、でも、誰かいるなんて思わなかったのは謝っておきます。
 ……もしかして、わたしが起こしちゃったのかな?」
コミュニケーションがとれる、続く。そのことが空気を変え少しずつ場の険悪さは薄れていた。
「おまえが人を殺すつもりで来たならこれ以上の話は無駄だが…そうじゃないんだろう?
 とにかく双方これ以上の戦意なし、ということでいいか?」
「うう、なんか納得いかないけど……えーと、ソル、だっけ?
 わたしはヴァージニア・マックスウェル。正義の渡り鳥よ」


戦闘中断から会話、そして情報交換へと場は移っていく。
「つまりそちらも仲間を探している最中で、まだ何の手がかりも掴めてはいないか」
「残念ながらね。でもっ、絶ッッ対に何とかして見せるわ。
 こんなこと絶対に許しておけないもの。そのためにはまず自由を取り戻さないとね」
「…心強いことだ。俺も…帰らねばならない。
 つまりどうにかして脱出を目指す点では俺達に相違はないな」
「それならさ。ね、ソル。一緒に行動しない?」
最終的に帰れるなら過程は問わない。今は安全などのメリットから組むのもいいだろう。ソルの考えはそうだったが、返事はない。なぜなら――
「一人より二人のほうがきっとうまく……」
「ジニー、静かに」
部屋のすぐ外、察知した気配。
暴れすぎたか、何者かを引き寄せてしまったようだ。
気づいたのだろう、隣のヴァージニアの気配も先ほどの臨戦状態に戻る。
そして、招いたものは。

319 :struggle without arms ◆C3JvwEis6I :2005/08/25(木) 02:50:38 ID:???

「南条君?ブラウン?それともマキちゃん?」
この部屋の唯一の出口の向こうから呼びかける声。
挙がった名前は彼の友人であろうか。ヴァージニアが答える。
「ねえあなた、仲間を探しているの?
 私達も今脱出のために仲間を集めているの。戦う気はないわ」
「……違うか。そちらは何人いる」
「今のところ二人ね。あなたも一緒なら三人よ」
「そうか、二人か」
彼の言葉の雰囲気はどこか誠実さがないというか、話す気がないというか、おかしい。
だがその不審を感じるより先に彼を不思議な気配が包む。
触発されるようにあたりの空気、大気が敵意を増してゆく。
緊張がはじけるように風が動きをなし、疾風、旋風、いや真空か、
ともかく扉とテーブルを何かが切りつけて行く。それは彼の敵意の証明だった。
夜明けはまだ遠い。

【ヴァージニア・マックスウェル@WA3(右腕打撲)
 現在地:D03から北へ
 所持品:トライエンプレム
 第一行動方針:外の敵に応戦する
 基本行動方針:ゲームからの脱出 】
【ソル(RUNEU)(左手負傷)所持品:魔道板(解読可能)@アンリミテッドサガ
 第一行動方針:外の敵に応戦、あるいはここから離脱する
 基本行動方針:ゲームからの脱出または勝利 】
【現在位置:A04、ライキューム図書館内 】

【ピアスの少年@ペルソナ】
 所持品:果物ナイフ 鞭 金剛石の槍 ガーラルアクス
 第一行動方針:屋内に潜む奴らを始末しておく
 第二行動方針:知り会いと思えるべき人たちに会う。
 基本行動方針:生き残る】
【現在位置:A04、ライキューム図書館建物外 】

【現在時間:AM3時〜4時くらい】
○ヴァージニアは午後8時の放送を聞き逃しています。

320 :(パラメータ修正) ◆C3JvwEis6I :2005/08/25(木) 02:55:39 ID:???
【ヴァージニア・マックスウェル@WA3(右腕打撲)
 所持品:トライエンプレム
 第一行動方針:外の敵に応戦する
 基本行動方針:ゲームからの脱出 】
【ソル(RUNEU)(左手負傷)所持品:魔道板(解読可能)@アンリミテッドサガ
 第一行動方針:外の敵に応戦、あるいはここから離脱する
 基本行動方針:ゲームからの脱出または勝利 】
【現在位置:A04、ライキューム図書館内 】

【ピアスの少年@ペルソナ】
 所持品:果物ナイフ 鞭 金剛石の槍 ガーラルアクス
 第一行動方針:屋内に潜む奴らを始末しておく
 第二行動方針:知り会いと思えるべき人たちに会う。
 基本行動方針:生き残る】
【現在位置:A04、ライキューム図書館建物外 】

【現在時間:AM3時〜4時くらい】
○ヴァージニアは午後8時の放送を聞き逃しています。


321 :ゲーム好き名無しさん:2005/08/30(火) 20:34:43 ID:D/eLlMqG
ほっしゅ!!

322 :ゲーム好き名無しさん:2005/09/06(火) 20:29:44 ID:???
ほs

323 :#:2005/09/08(木) 15:42:44 ID:???
初代1の死により物語はリセットされた・・・
ここから、新たな伝説は始まる!

【完】


RPGキャラバトルロワイアル2ndにご期待ください

324 :ゲーム好き名無しさん:2005/09/08(木) 15:48:57 ID:???
    キョウスケ!ダメだって!  ステーク!!いっけぇぇ!!
     /ヽ-、___   
 / _/____/  まだ双子作るのは早すぎっアアツ!!      
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ギシギシ アンアン
今の日本の少子化を防ぐにはこの行為が必要です。
避妊はNO


            AC公共広告機構

325 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 16:43:51 ID:???
かみは バラバラ に なった

326 :神巫女 ◆V4MJjH1yek :2005/09/11(日) 21:24:42 ID:???
「人がいた痕跡はあるわね……」
 神降ろしを済ませた彼女は、鉄格子と石の塀に囲まれた動物園の中へきていた。
 そして辿り着いたのは、小さな管理室とみられる小部屋。
「……」
 薄暗い小屋の中をゆらゆらと小さな光が照らす。
 その光を頼りにし、彼女は部屋の中をじっくりと凝視し、隅々まで探っていく。
 ベッドには、つい最近使用されたと見られる跡と、少量の血痕。
 椅子や机の上の物の配置、床につくかすかな泥、それから取れるわずかな足跡。それらから部屋の中を誰かが使ったであろう痕跡を感じ取れた。
 ここで血を流していた人物がいたのは確かだ。
 しかし、落ち着いた部屋の具合からいって、ここで殺人が行なわれたとは彼女には思えなかった。
「傷ついた人物がここで休息したって処かしら……」
 好戦的な参加者か、それとも襲われた参加者か。
 残された痕跡だけでは、そこまで解らないが、はっきりとした事は一つ。
 この部屋の使われ具合からいって、最低二人はいただろうと言う事だ。
「大分、凝固してる……」
 ベッドシーツについた血は乾き、凝固しきっている。
 黒ずんだ色具合からも、もう大分前の物なのを推測する事ができる。
 よく、毎年放送されてるどこぞの討入りではないが、暖かみ、とやらのさっきまでいたと言う痕跡も一切ない。
 間違いなく、ここにいた人物達は、もう大分後にここを経ったに違いない。
 そして残された跡も人がいたと言う証拠だけで、他に目ぼしいものは見つからない。

「ここでは手がかりはなしね」
 腰を降ろし、昼からの探索疲れを吐き出すかのごとく、深い溜息をつく。
(キョウジはまだ生きているようね……。不幸中の幸いかしら……、でも)
 不気味な神の声。
 それは葛葉一族につく巫女であるレイホゥにすら、未知の物だった。
 彼女の知るどれでもない、そしてどれに近いわけでもない。
 巫女と言う役柄、神降ろしという能力を持つレイホゥにですら、ただ解るのは、一方的な力が流れ込んできたと言うだけだった。
(本当にあれは、神なのかしら……。私の知るどれにも該当しない。

327 :神巫女 ◆V4MJjH1yek :2005/09/11(日) 21:25:12 ID:???
 面白いからと言うだけで、様々な世界から様々な種族を集めてこれるような多次元に渡り高位な能力を持つ存在と言うと真っ先にそれが浮かんで。
(でも、あれは、人間の作り上げた存在……そんなはずが……。
 それとも似たような存在だとでも言うのかしら?
 だとしても、神や悪魔は決して倒せない存在じゃないわ……。絶対的な存在なんてこの世にはいない。
 必ず、何処かに抜け道はあるはず……)
 それは、常に悪魔や神と渡り歩いてきた者としての考えだった。
(昼間のムーンゲートには、何かしらの力を感じたのに……。
 もう一度あそこを調べてみるべきかしら? もしかしたら、神降ろしができたように、あそこに何か手がかりはあったかもしれないわね)
 日が暮れるので仕方なく移動したが、落ち着いてよくよく考えてみれば、特殊な力場というだけでもっと調べてみる価値があったのに気づく。
(さて、どうするべきかしら。戦力的には私一人でも十分だけど……。
 他の知識人を探すのも捨てがたいのよね)
 時間は惜しい。こうしてる間にも刻々と殺戮ゲームは行なわれていく。
 もしかしたら、散っていった人物の中にも役立つ知識を持っていた者もいるかもしれないのは当然だった。
 仮に自分一人で向かっても何も手がかりを得れない可能性だってある。
 けれども、三人寄れば文殊の知恵と言うように。複数でいればそれぞれの知識と思考が絡み合って何か判明する可能性も上がる。
 しかし、距離的には今が近い。人探しの後だと、ムーンゲートの調査は大分後手に回ってしまう。
(先にムーンゲートを調査した後、人を探すべきかしら。
 それとも知識人を探すのを優先するべきかしら……)

 カツ……。

 ほんの僅か、普通の人なら聞き落としてしまいそうな程の小さな音。
 靴が石にぶつかったかのような音だ。
(人……? それとも小動物でもいるのかしら?)
 少なくとも先程徘徊した限りでは、見世物となるべく動物は一匹たりともいなかったが……、とすると誰かが来た事になる。
(敵……? それとも逃げ惑う人かしら……。少なくとも複数ではないはず。
 相手の動向が読めないのが歯がゆいわね。どちらにしても、優勢に立ちたいのだけれども……)

328 :神巫女 ◆V4MJjH1yek :2005/09/11(日) 21:26:33 ID:???
 
 カツリ。

 それなりに気を使っているようだが、相手はあまりその心得を持つ者ではないのだろう。
 普通の人ならなら気づかないほどの音を、レイホゥは集中して感知に力を注ぐ。

(……来る!)


【レイ・レイホゥ@デビルサマナー
 所持品:押し花@ヴァルキリープロファイル
 基本行動方針:なるべく戦闘を避けこの世界の謎を解く
 第一行動方針:やってきた人物(?)へ注目】
【現在地:F02動物園】
【現在時間:PM11時頃】

やってきた単独人物に関しては、後続に任せます。
グレイ、シタン、フェイト、ロイド等など、ご自由にして下さい。

329 :この場所に正答無し ◆C3JvwEis6I :2005/09/15(木) 04:55:32 ID:???

自分の判断は間違っていたのか?
自答する。
否。自分の判断は、選んだ方針は間違ってなどいない。
ならばこの現状は何だ。
焼け爛れ力も入らない左腕を見る。


頭に流れ込む気味の悪い神の声で順当に参加者が減っていることを知る。
それにたいした感慨も抱かずにフィネガンは椅子に腰掛けていた。
ここまでのところ会話した相手はボロボロの女が1人、
見かけた相手もまだ青いガキが二匹と高い魔力を持った金髪の男の三人だけ。
後は神の告げた死者どもの名と、聞こえた爆発音。
自分が持つ情報はこれだけだ。この材料では思考など組み立てられるはずも無い。
いまはまだ動かなくてよいし、急ぐ理由もありはしない。
屋内の暗闇の中、支給された食料を僅かだけ口へ放り込むと、
そのまま身体を休めることを優先する。
葉巻がないことは大きな不満だったが。

やってくる変化。
外に現れた気配を察知して直ぐにでも動ける準備を整える。
こういうことには鋭敏でなければ裏では生き残ることなどできない。
それから入り口から見えにくい位置へと身体を移動させ、
己の武器である両拳を構えて来客に備えた。

けれども、来客はやってくることは無かった――正面からは。


330 :この場所に正答無し ◆C3JvwEis6I :2005/09/15(木) 04:57:18 ID:???

耳障りな破壊音が室内に響き渡り、木製の棚が倒壊して雑音交じりのひどい音を上げる。
どうやら客はずいぶんと礼儀をわきまえていないようだ。
「もうちょっとスマートにできないのかしら?」
「ぶち破るのにすまーともねぇだろうが…」
「うるさいわよ」
若い女声と個性的な男声、二人分の声が聞こえる。
ともかく「今の」自分の方針は戦闘ではない。開いた壁の傷へ向きなおり、凝視する。
再度の破壊音が鳴り、壁の傷は人が苦労せずに通れる大きさの穴へと広がった。
「ずいぶんと乱暴なノックだな」
サングラスの黒を重ねたままその空間へ呼びかける。

「やっぱり誰かいたじゃないの」
「ンなこと言ってもわかるかよッ!」
「野生のカンとかでなんとかならないの?まぁそれはいいとして……
 中にいる奴ッ!質問に答えなさいッ!!」
どうやら向こうさんはこちらの反応を見るとかいう考えはないらしい。
「あんた、殺し合いに乗ってる?そっから出てきて答えなさい。
 正直に答えた方が…身のためよ」
なるほど、こいつは脅迫だ。
やってきた連中は少なくとも穏便に済ますつもりはないらしい。と、さらに声が飛ぶ。
「あんまり待つ気は無いわよ。無回答は即座に敵認定ね」


331 :この場所に正答無し ◆C3JvwEis6I :2005/09/15(木) 04:58:13 ID:???
フィネガンは感心と共にその脅しを反芻する。
やり方は乱暴に過ぎるが、屋内と見るや罠を警戒するその判断。
相手の対応を考慮することなく自らの欲する要求を突きつける手口。
透けて見える自信過剰はマイナスだがこいつ等は裏でも十分やっていけるだろう。

そこまで考えてフィネガンはサングラスを外し、静かにポケットへと収める。

では俺はどうすればよいか。
こういう輩は問いを投げかけた時からこちらの反応を見ているものだ。
それでは自分はこの短い間にどのような評価を受けているか。
自慢ではないがもし普通の裏の連中の思考ならこういう相手は出てきた途端にズドン、だ。
向こうがそこに至っているかは分からないが事態は友好的に落ち着くはずも無い。
ならば、自ら動くしかないだろう。
何より都合良く、俺もこういう輩を気に入らない。

「ちょっと、まだn………」
壁に開いた孔に揺らいだ気配に反応して、女の声が止まり、叫びに変わる。
「マントーッッ!!」
向こうがリーダーか。反応も悪くない。だが、遅い。
「んなぁっ!?」
まだこちらを捕捉していないもう一人の大きな物理的輪郭をつかみ、拳を打ち込む。
不意打ちで腹へ打ち込んだというのにほとんど動きもしない相手の様子がチラリと目に入る。
――デカブツが、わかってるさ。
そこから身体を反転させての電撃裏拳。
「ウッキャアァァーーッ!!」
電気が放つ独特の衝撃に体中を駆け抜けられデカブツが苦悶する。
間髪入れず蹴りで吹っ飛ばした相手を見れば大きな槍を抱えた大猿だった。


332 :この場所に正答無し ◆C3JvwEis6I :2005/09/15(木) 05:15:16 ID:???

息をつくわけにはいかない。なぜなら、ここからだからだ。
予想通り俺の側面を衝いてリーダー格の方―ガキみたいな女だったが―が足から飛び込んでくる。
大きな動きだ、見えてさえいれば回避は難しくない。大きく二歩バックステップ。
右前方にさっき吹っ飛ばした猿、左前方から体勢を立て直し猛然と向かってくるガキ。
相手を前方に集めたこの配置こそフィネガンの狙っていたもの。
自身最大のEXTRA、『雷震王母の蹴り』。
振り上げる蹴り足に合わせてあたりを天へ突き上げる衝撃が襲う。
向かってくる奴にはカウンター、倒れている奴には追い討ちの一撃が、炸裂した。


悠然と、立っていた。
「俺は乗っているつもりはないが、人に指図されるのは嫌いでな。
 命までは奪わん。格の違いが分かったなら消えろ」
葉巻が無いのが不満だが、まあいいだろう。
奴等に敗北感を刻み込んだはずだ。
だが…若いとはそういうことかも知れない。小さい方が立ち上がる。
知らず、口の端がわずかに緩んでいた。
「好き勝手言ってくれるじゃない。格の違い?だ・れ・と・だ・れ・の?
 マントー、ヤリッ!槍よこしなさい!」
「まだやるか?次は…ないぞ」
「うるさいっ!」
クロスレンジへ飛び込んで来るガキに応じ、ベアナックルでの接近戦が始まる。
確かに年齢の割には自信を裏打ちするほどの動きの良さと場数慣れはある。
だが、自分の技術は我流の拳に破れるような代物ではない。
大きなヒットは得られないが確実に攻撃を回避し、ジャブでダメージを増やしてゆく。
「このぉっ、チョロチョロとっ!…早くっ!槍っってるでしょう!!」
少し間合いが開き、ガキが闇へ向けて叫ぶ。
「ハイッ、り、了解です、姐御!」
闇から風切り音を伴い飛んできた巨大な槍を、事もなく目前のガキが掴み取る。
「得物か。だが…」
異変に気付き、そこで言葉を切り相手をじっと見る。
空気が変質してゆく。ガキが、共鳴するように槍が異質な力を醸し出し始めたのが分かる。
「黙って魔王の姿を目に焼き付けるがいいわ。いくわよ」

333 :この場所に正答無し ◆C3JvwEis6I :2005/09/15(木) 05:16:54 ID:???

おぼろげな光、それが槍先から帯をなし始める。
暗闇を裂いて、鈍い色つきの光を放つ帯が翻り、のたくり、そして薙ぎ払う。

左半身をなめられるようにその光を受けた。
火炎とも違う焼けるような痛み。あえて似たものを探せばメギドの光か。
ともかく消え飛びそうな意識を何とかつなぎとめ全身に危険、の判断を送る。
さらに幅を増し地面をのたくる帯を確認し、後ろの魔法屋の陰まで一気に走り出した。

「逃がさないっ!!」
後方から怒号。反射的に地面へと身を投げ出す。
たわんだ光の帯が頭上を越え、既に穴の開いている壁を斜めに切りつけた。
それが継続の限界だったのだろう、あたりに満ちていた鈍い光が消えてゆく。
「そのままッ!!死んでろぉ!」
追撃が後ろからくる気配がわかる。あの大槍の一撃を受ければいつでも天国行きだろう。
――だが、まだだ。俺は死なん。
反転しつつ飛び起き、わずかにずれた軸から焼けた左腕をカウンター気味でぶち当てるように先を取る。
腕はいってしまったかもしれないが構わない。
ひるんだ勢いに畳み掛けて、回し蹴りがガキを弾き飛ばした。

後は背を向け一気に駆ける。もう振り返ることはなかった。



334 :この場所に正答無し ◆C3JvwEis6I :2005/09/15(木) 05:17:30 ID:???

「あ〜〜〜悔しいっ!あーのオヤジ!次はコロス!」
壁に傷が刻まれ、穴が穿たれた魔法屋の前。
グラムザンバーを杖のようにして立ち悪態をつく悪魔の少女。
「あのオヤジも、生意気な神も!
 危ない奴はみんなぶっ潰して羊のような連中はあたしが統治して、千年王国を作るんだから!
 ……あらマントー、いたの?」
「いたのはねぇだろ、いたのは!オレ様まで殺す気か!」
「はい、槍持って」
「ちったぁ話を聞けって……」
「あんたの仕事でしょ。ほら」
「………(このガキ!洗濯板!)
「なんか考えてるでしょ」
「へ?あ、いえいえいえいえ、持たせていただきますです、ハイ」



最後は生存とプライドを秤にかけ、生き延びる道を選んだ。
自分の判断は間違っていたのか?
自答する。
否。自分の判断は、選んだ方針は間違ってなどいない。
ならばこの現状は何だ。
焼け爛れ力も入らない左腕を見る。
それは夕刻に会った女を思い出させ、フィネガンは忌々しそうに舌打ちする。

とりあえず守りきったサングラスを取り出し、かけた。

これから先、弱者は淘汰されますます強者のみが闊歩するようになる。
自分の能力がそいつ等に劣っているとは思わない。
だからといって積極的にやるつもりなどは、無い。むしろより慎重にならねば。
強者どもは勝手に潰し合えばいい。しかし。
――くだらねぇ。だが、面白くもあるな。
自分と肩を並べられるような連中とのしのぎの削りあい。
どこか自分の中に沸き立つ部分があるのも確かだ。
知らず、口の端がわずかに緩んでいた。

335 :この場所に正答無し ◆C3JvwEis6I :2005/09/15(木) 05:19:44 ID:???
【フィネガン(ソウルハッカーズ)
 状態:左半身火傷、左腕重度火傷・打撲、消耗
 現在地:F04魔法屋よりいずれかへ逃走
 所持品:ルールブレイカー
 行動方針:生き残る】

【エトナ@魔界戦記ディスガイア
 状態:体力消費(目立つ外傷なし)
 所持品:なし
 第一行動方針:人を探す
 基本行動方針:危ない奴を皆殺し
 最終行動方針:かみを倒してこの世界を征服】
【マントー@天外魔境
 状態:体力消費(目立つ外傷なし)
 所持品:魔槍グラムザンバー@ワイルドアームズ3
 第一行動方針:エトナについていく
 基本行動方針:生き残る】
【現在地:F04魔法屋前・さらに移動】
【時間:PM11:00くらい】

※エトナの行動方針にある危ない奴とはすでに他人を殺した奴、ゲームに乗った奴、
 自分に反抗的な奴などです。適当に解釈してください。


336 :神巫女 ◆V4MJjH1yek :2005/09/16(金) 22:45:07 ID:???
今更間違いに気づきました……。

>>326の最後の部分に
 まるでラヴクラフトのクトゥルー神話にでてくるニャルラトホテップみたいな存在ね……)
の一文が抜けていましたorz

337 :この場所に正答無し(修正) ◆C3JvwEis6I :2005/09/17(土) 03:34:03 ID:???
(3/7より後を修正いたします。すみません)

フィネガンは感心と共にその脅しを反芻する。
やり方は乱暴に過ぎるが、屋内と見るや罠を警戒するその判断。
相手の対応を考慮することなく自らの欲する要求を突きつける手口。
透けて見える自信過剰はマイナスだがこいつ等は裏でも十分やっていけるだろう。

そこまで考えてフィネガンはサングラスを外し、静かにポケットへと収める。

では自分はどうすればよいか。
こういう輩は問いを投げかけた時からこちらの反応を見ているものだ。
それでは自分はこの短い間にどのような評価を受けているか。
自慢ではないがもし普通の裏の連中の思考ならこういう相手は出てきた途端にズドン、だ。
向こうがそこに至っているかは分からないが事態は友好的に落ち着くはずも無い。
ならば、自ら動くしかないだろう。
何より都合良く、私もこういう輩を気に入らない。

「ちょっと、まだn………」
壁に開いた孔に揺らいだ気配に反応して、女の声が止まり、叫びに変わる。
「マントーッッ!!」
向こうがリーダーか。反応も悪くない。だが、遅い。
「んなぁっ!?」
まだこちらを捕捉していないもう一人の大きな物理的輪郭をつかみ、拳を打ち込む。
不意打ちで腹へ打ち込んだというのにほとんど動きもしない相手の様子がチラリと目に入る。
――デカブツが、わかってるさ。
そこから身体を反転させての電撃裏拳。
「ウッキャアァァーーッ!!」
電気が放つ独特の衝撃に体中を駆け抜けられデカブツが苦悶する。
間髪入れず蹴りで吹っ飛ばした相手を見れば大きな槍を抱えた大猿だった。


338 :(修正4/7) ◆C3JvwEis6I :2005/09/17(土) 03:34:55 ID:???

息をつくわけにはいかない。なぜなら、ここからだからだ。
予想通り私の側面を衝いてリーダー格の方―ガキみたいな女だったが―が足から飛び込んでくる。
大きな動きだ、見えてさえいれば回避は難しくない。大きく二歩バックステップ。
右前方にさっき吹っ飛ばした猿、左前方から体勢を立て直し猛然と向かってくるガキ。
相手を前方に集めたこの配置こそフィネガンの狙っていたもの。
自身最大のEXTRA、『雷震王母の蹴り』。
振り上げる蹴り足に合わせてあたりを天へ突き上げる衝撃が襲う。
向かってくる奴にはカウンター、倒れている奴には追い討ちの一撃が、炸裂した。


悠然と、立っていた。
「私は乗っているつもりはないが、人に指図されるのは嫌いでな。
 命までは奪わん。格の違いが分かったなら消えろ」
葉巻が無いのが不満だが、まあいいだろう。
奴等に敗北感を刻み込んだはずだ。
だが…若いとはそういうことかも知れない。小さい方が立ち上がる。
知らず、口の端がわずかに緩んでいた。
「好き勝手言ってくれるじゃない。格の違い?だ・れ・と・だ・れ・の?
 マントー、ヤリッ!槍よこしなさい!」
「まだやるか?次は…ないぞ」
「うるさいっ!」
クロスレンジへ飛び込んで来るガキに応じ、ベアナックルでの接近戦が始まる。
確かに年齢の割には自信を裏打ちするほどの動きの良さと場数慣れはある。
だが、自分の技術は我流の拳に破れるような代物ではない。
大きなヒットは得られないが確実に攻撃を回避し、ジャブでダメージを増やしてゆく。
「このぉっ、チョロチョロとっ!…早くっ!槍っってるでしょう!!」
少し間合いが開き、ガキが闇へ向けて叫ぶ。
「ハイッ、り、了解です、姐御!」
闇から風切り音を伴い飛んできた巨大な槍を、事もなく目前のガキが掴み取った。
「得物か。だが…」
異変に気付き、そこで言葉を切り相手をじっと見る。
空気が変質してゆく。ガキが、共鳴するように槍が異質な力を醸し出し始めたのが分かる。
「黙って魔王の姿を目に焼き付けるがいいわ。いくわよ」


339 :(修正5/7) ◆C3JvwEis6I :2005/09/17(土) 03:36:22 ID:???

おぼろげな光が槍先から帯をなし始める。
それはゆっくりと暗闇を裂いてゆき、
空間に鈍い色つきの光を放つ帯が翻り、のたくり、そして薙ぎ払う。

左半身をなめられるようにその光を受けた。
火炎とも違う焼けるような痛み。あえて似たものを探せばメギドの光か。
ともかく消え飛びそうな意識を何とかつなぎとめ全身に危険、の判断を送る。
さらに幅を増し地面をのたくる帯を確認し、後ろの魔法屋の陰まで一気に走り出した。

「逃がさないっ!!」
後方から怒号。反射的に地面へと身を投げ出す。
たわんだ光の帯が頭上を越え、既に穴の開いている壁を斜めに切りつけた。
それが継続の限界だったのだろう、あたりに満ちていた鈍い光が消えてゆく。
「そのままッ!!死んでろぉ!」
追撃が後ろからくる気配がわかる。あの大槍の一撃を受ければいつでも天国行きだろう。
――だが、まだだ。私は死なん。
反転しつつ飛び起き、わずかにずれた軸から焼けた左腕をカウンター気味でぶち当てるように先を取る。
腕はいってしまったかもしれないが構わない。
ひるんだ勢いに畳み掛けて、回し蹴りがガキを弾き飛ばした。

後は背を向け一気に駆ける。もう振り返ることはなかった。



340 :(修正6/7) ◆C3JvwEis6I :2005/09/17(土) 03:37:21 ID:???

「あ〜〜〜悔しいっ!あーのオヤジ!次はコロス!」
壁に傷が刻まれ、穴が穿たれた魔法屋の前。
グラムザンバーを杖のようにして立ち悪態をつく悪魔の少女。
「あのオヤジも、生意気な神も!
 危ない奴はみんなぶっ潰して羊のような連中はあたしが統治して、千年王国を作るんだから!
 ……あらマントー、いたの?」
「いたのはねぇだろ、いたのは!オレ様まで殺す気か!」
「はい、槍持って」
「ちったぁ話を聞けって……」
「あんたの仕事でしょ。ほら」
「………(このガキ!洗濯板!)
「なんか考えてるでしょ」
「へ?あ、いえいえいえいえ、持たせていただきますです、ハイ」



最後は生存とプライドを秤にかけ、生き延びる道を選んだ。
自分の判断は間違っていたのか?
自答する。
否。自分の判断は、選んだ方針は間違ってなどいない。
ならばこの現状は何だ。
焼け爛れ力も入らない左腕を見る。
それは夕刻に会った女を思い出させ、フィネガンは忌々しそうに舌打ちする。

とりあえず守りきったサングラスを取り出し、かけた。

これから先、弱者は淘汰されますます強者のみが闊歩するようになる。
自分の能力がそいつ等に劣っているとは思わない。
だからといって積極的にやるつもりなどは、無い。むしろより慎重にならねば。
強者どもは勝手に潰し合えばいい。しかし。
――くだらんな。だが、……面白くもある。
自分と肩を並べられるような連中とのしのぎの削りあい。
どこか自分の中に沸き立つ部分があるのも確かだ。
知らず、口の端がわずかに緩んでいた。

(7/7:パラメータは修正ありません。ご迷惑をおかけしました)

341 :ゲーム好き名無しさん:2005/09/21(水) 22:19:42 ID:???



第 一 部   完

342 :ゲーム好き名無しさん:2005/09/22(木) 02:10:39 ID:???
第二部 始

343 :ゲーム好き名無しさん:2005/09/24(土) 13:51:47 ID:???



第 二 部   完

344 :ゲーム好き名無しさん:2005/09/27(火) 17:01:48 ID:???
保守。

345 :ゲーム好き名無しさん:2005/09/27(火) 19:00:45 ID:???
もうだめぽ

346 :ゲーム好き名無しさん:2005/09/28(水) 07:13:30 ID:???
勝ったッ! 第三部完ッ!

347 :決意、試される時 ◆V4MJjH1yek :2005/09/29(木) 00:48:42 ID:???
 風が吹く。
 木々の枝を揺らし、地に落ちた葉が揺れ舞い上がる。
 静寂に包まれた島の森の中で、それは一層強く響いた。
 風に揺られ、かすかな煙の匂いが鼻についた。先ほどまで燃えていた焚き木の跡だ。
 ようやく闇になれた目で跡を凝視する。焚き木が照らしていた、ついさっきまでぼんやりと明るかった空間が、陽炎のように瞳にまだ残っている。
 一方、感覚は常に自分達の外へ向け、常に周りに気を配る。
 そうやって気を張り巡らしていると、再度、吹きつづける夜風が彼女の鼻に燻った匂いを運んできた。
 それが何ともいえなく、彼女の心を不安に駆り立ていく。

―――このまま自分はこうしていていいのだろうか?

 闇に覆われた時間が長くなるにつれ、そんな思いが彼女の中を幾度となくよぎり始める。
 直ぐ横に、気持ちのよさそうに寝ている少女がいる。
 この凄惨な状況下においても、この少女は決して諦めないのだろう、挫けないのだろう。
 この島に連れられてから行動を共にしている少女は、必ず脱出するという誓いを掲げ、常に希望に満ち溢れていた。
 だから彼女もそれに従った。

―――こんな絶望的な時でも前に進もうとしている少女がいるのだから。
   それに死んでいった仲間のためにも……。

 しかし、現実と言うのは斯くも虚しい。
 神は、そんな彼女達をあざ笑うかのように残酷なゲームの真実を告げる。
 既に20人近い人が死んでいる。今もこうして何処かで戦いにすらならぬ殺戮も繰り広げられているのだろう。

348 :決意、試される時 ◆V4MJjH1yek :2005/09/29(木) 00:50:00 ID:???
 しかし、現実と言うのは斯くも虚しい。
 神は、そんな彼女達をあざ笑うかのように残酷なゲームの真実を告げる。
 既に20人近い人が死んでいる。今もこうして何処かで戦いにすらならぬ殺戮も繰り広げられているのだろう。
 
 はっきりと悪く言ってしまえば、シェーナと共にいるこの少女、アメルは理想主義者だった。
 ほんの半日ばかり付き合ってみて解ったが、彼女は理想を重視する余りに現実と言う物が見えていない。
 理想論に固執過ぎる余り、現実的な打開策を捉えることが出来ず、自滅するタイプだ。
 
 アメルは優しさに満ち溢れた少女だ。だが彼女の抱く考えは、いずれ足枷になる時も来る。
 それが適正できる物でない事は、薄々と解っていた事だが、シェーナは十分承知していた。
 彼女がアメルと共にいるのはそれなりの打算と理由があるからだ。

 あながち、アメルの誰でも助けると言う考えは、このゲームにおいても間違ったものではない。
 例えば、気の弱さ等から一瞬の迷いなどで錯乱状態に陥っている者もいるのが想定できる。
 そういった説得の余地あるマーダーも少なからず点在しているだろう。
 次に。生きて帰りたいからという理由で乗っている者の場合。
 この手のタイプは、もし脱出する道を示せれば、賛同してくれる可能性もある。
 最後に。脱出するために有益な情報を持っている、または手がかりとなれるような知識、能力、アイテムを持っている人物。
 ゲームに乗っている者の中にも、そのような人物がいる可能性は多いにある。
 
 そう考えるとアメルの、「殺人者でも助ける」という不殺の信念は、メリットが十分にある。
 だからこそ、シェーナは彼女の考えもまた一つの道を示せるものとして共に行動してきた。

 だが、それに比例して受けるデメリットも多すぎる。
 軽く考えてみただけで、
“どうしようもない極悪人が相手だった場合はどうするか?”
“相手を殺さず戦力を削ぐ事が出来ない場合はどうするか?”
 と延々と状況に応じて幾つでも問題点は浮かんでくる。

349 :ゲーム好き名無しさん:2005/09/29(木) 00:50:47 ID:4FirqcLe
いらね

350 :決意、試される時 ◆V4MJjH1yek :2005/09/29(木) 00:51:36 ID:???
 アメルは説得すれば必ず道は開けると信じてやまない。
 だが、現実にはそうはいかない相手もいる。
 そんな時、彼女はどうするのか?

―――戦力が上回る相手ならいい。だけれども……。
   相手の方が圧倒的に強かったとしたら?
   殺さずに倒すなんていう余裕がない状況に陥ったら?
 
 アメルなら、その刃を受けても自分の過ちを気づかずそのまま倒れるに違いない。
 そうやって死ぬのはまだいい方かもしれない。

―――もし、彼女の意図をせずして人を殺してしまったとしたら?

 これからの状況次第で、それは存分にあり得る事だった。
 一体、その時、アメルはどのような思考に陥るのだろう、決断を下すのだろう。

 見張りをしつつ、シェーナはそんな想いを抱いていた。

351 :ゲーム好き名無しさん:2005/09/29(木) 00:52:15 ID:???
「だから私がここで殺されるわけには行かないわ!」
七色ビームによりかみは死んだ。
ビュウとコレット

352 :決意、試される時 ◆V4MJjH1yek :2005/09/29(木) 00:52:33 ID:???
 風が煙を運ぶ。
 四散して、灰色に立つ尾はなくなっても、その僅かばかりの匂いを乗せて。
 それを受け取って嗅ぎつけた男達は、匂いの元へと少しずつ近づく。
 片方が獲物の背後を取るべく、ゆっくりと裏手へと回っていった。
 相手に気取られぬよう、気配を消し、森に同化するかのように、木々の枝と地の葉が鳴らす音に隠れながら。
 二人は、少しづつ距離を詰める……その思いに殺意を抱かせて。


 アメルを試すかのごとく。
 

【シェーナ@レジェンドオブドラグーン
 所持品:バーンナウト(炎魔法/残り3個)ドラグーンスピリット(白銀竜) 】
【アメル@サモンナイト2(睡眠中)
 所持品:無し】
【共通目的:参加者の治療と脱出】

【マグニス テイルズオブシンフォニア
 所持品:アップルグミ×2
 最終行動方針:豚共に名を知らしめ豚共を皆殺して、神子供を殺す
 第一行動方針:ハーフエルフの少女(アーチェ)と会う 】
【ガラハド@ロマサガ1
 所持品:ブラッドソード、トラップカプセル・フリップパネル
 基本行動方針:生き残る
 第一行動方針:復讐を果たす(最優先でグレイ達を殺す】

【現在位置:C3中央の街道脇】
【現在時間:AM3:00頃】

353 :ゲーム好き名無しさん:2005/09/29(木) 00:54:10 ID:???
ガラハドはアメルの乳をもみしだいた。

354 :決意、試される時 ◆V4MJjH1yek :2005/09/29(木) 00:59:07 ID:???
>>348
 しかし、現実と言うのは斯くも虚しい。
 神は、そんな彼女達をあざ笑うかのように残酷なゲームの真実を告げる。
 既に20人近い人が死んでいる。今もこうして何処かで戦いにすらならぬ殺戮も繰り広げられているのだろう。
が被りました。すみません。


355 :ゲーム好き名無しさん:2005/09/29(木) 01:16:48 ID:???
 

356 :ゲーム好き名無しさん:2005/09/29(木) 01:51:49 ID:???
揉岡

357 :あるゲーマーの思考変化 ◆C3JvwEis6I :2005/10/06(木) 01:07:11 ID:???

憔悴して後ろを振り返る。背後にはさっきと同じように闇が広がっているだけだ。
安心と不安が相半ばした気持ちになっている自分に気付く。
手にはちょうどグリップできるだけの長さで折れている棒。その折れた口は心なしか焦げている。

二度目の敗北が、フェイトを容赦なく打ちのめしていた。

一度目の敗北は――
絶対的に優位に戦闘を勧めていたし、もう一度やれば必ず勝てるはずだ。
とはいえ与えられた剣はもうこの手には無いし、僕はあいつを倒せなかった。
残念だけれど結果はこうだが、負けたわけじゃない。
けして負けたわけじゃない、と言いたい。

しかし、二度目の敗北は――


358 :あるゲーマーの思考変化 ◆C3JvwEis6I :2005/10/06(木) 01:08:45 ID:???

結局のところディアスは放送まで初期位置からさほど離れていない農家での休息を選んだ。
武器も無い、手がかりも無い、他人との縁も無い。
ここまでの道すがら適当な長さの自然のままの木の枝を拾って小枝を落としてみたが、
こんなものがまともな武器になるわけもない。
ちょっと堅いものと本気で打ち合えばすぐに負けて折れてしまうだろう。

だが、休みは取れたもののこうしていても何かが得られるわけではない。
神の言葉を契機として彼は農家を後にし、夜の島へとあてどなく歩き出した。
剣代わりにも杖代わりにもならない棒を何となく伴にして。

それからゆっくりと警戒を怠らずに夜の帳の下りた島を移動していく。
天性の剣士たる彼にとって闇の奥からこちらを窺っているその気配に
気付くのはそう難しいことではなかった。
特に反応するそぶりも見せずにすっと立ち止まる。
それから、ただ確実にそこにいる何者かの気配を察知すべく静かに集中する。
人の動向には余り興味はないが降りかかる火の粉は、払う。


359 :あるゲーマーの思考変化 ◆C3JvwEis6I :2005/10/06(木) 01:10:04 ID:???

――今は何時くらいだろう?あの声から推測すると…、わからないな。

あの戦い以来逃げるように森の中へ飛び込み、そのまま彷徨っていた。
すっかり暗くなった森の中を慎重に進んでいたフェイト。
自分の呼吸音がやけに大きく聞こえる。

その男を見つけたのはそんな中であった。
暗さのために男の詳細な状況はわからないが遠目からは何も持っているようには見えない。
最初は一方的にこちらが見つけたものだと思っていた。
こちらはまだ見つかってはいないはず。
その自信過剰な思い込みはすぐに覆される。
闇の向こうから視線がこちらを突き刺した気がした。
もしかして後手を踏んでいたのは自分のほうなのではないか?

だが、それでもフェイトは退くという選択は考えもしなかった。
その裏にはもう負けることは出来ない、勝ちを重ねるしかないという思いがある。
フェイトから後退の選択肢を奪っていったのは、一度目のもやもやした敗北の体験。

――今度こそ、勝つ!


360 :あるゲーマーの思考変化 ◆C3JvwEis6I :2005/10/06(木) 01:11:12 ID:???
相手の視線の死角へと飛び出し、高速で方向転換しての蹴り。
奇襲一閃、タイミングでは見切れるはずのない攻撃を、
それでも長身の男は腕で受けて見せた。

――っ!ありえないだろっ!?

攻撃の起点を止められて少なからず動揺したフェイトに対して
長髪の男からの反撃、その拳が打ち下ろされる。
なんとか被弾は回避して、一旦立て直すべく間を取ろうとするがしかし。
「空破斬」
一歩も動かずに、男の腕の振りが空間を薙いだ。
確かに、男は棒状の何かを持っていた。
初撃の瞬間に見たそれは一見してそこらで拾えそうなただの木の棒のようだったが。
そんなものまともな武器のたぐいではない。それでこんな真似を?それとも何かの武器なのか?
ともかくも衝撃が波をなして自分の後退の動きを追ってくる。
フェイトにはどうする手も無く、なすすべなくそれを浴びるのみ。
ダメージはないもののぶれる視界には追撃すべく向かってくる男の影。

―わかってるさ、それくらいはっ!

暴れる衝撃を無理に抑え込みながら手に力を集中、狙いはカウンターでのショットガン・ボルト。
放たれた5発の火球は突っ込んでくる男を捉え焼き尽くす…はずだった。
読み違えたのは、スピード。
疾風のごとく迷い無く踏み込んでくる相手に向かい炎が炸裂する時は訪れない。
それより早く相手の一撃がフェイトの胴を打ち抜いていた。


361 :あるゲーマーの思考変化 ◆C3JvwEis6I :2005/10/06(木) 01:13:12 ID:???
そこから、戦闘は近接して互いの打撃を防ぎあう接近戦へと移行する。
衝撃波と打撃でアドバンテージを持っていかれたことからも流れはフェイトの不利に傾いていた。

「くそっ!剣さえあれば!」

格闘で自分と互角に渡り合える相手とやるには攻撃のオプションが無さ過ぎる。
剣の無い今頼れる技はリフレクト・ストライフ、ショットガン・ボルト、ぐらいか。
イセリアル・ブラストはこれだけ速い相手に単発で使うのは現実的ではない。
初めにこの島に降り立った時に持っていた剣・ジャッジメントセプターはもう手の中に無い。
失なわれたものは大きい。それは自分のせいだ。
チャンスは、与えられていたのに。

「ふん…言い訳か。下らん……十秒だ」
至近距離でぶつかり合っている男から見下したような台詞が聞こえ、
男が頭から何かを外すのを見た。
今まではっきり顔が見えなかったのもあって気にも留めていなかったが何か隠していたのか。
フェイトがその白く細長いものが何であるかを理解したのは、突きを絡め取られてから。
それはピンクのハートが踊っている布…ハチマキであった。

リアクションが思いつくよりも先に身体が引き込まれる。
次の瞬間にはそのハチマキはフェイトの首に絡み付いていた。

「時間の無駄だったな」
苦悶の中で、その声がやけに耳についた。
そしてすぐ暗闇に順応して残っていた視界が真の闇へと沈んでいく。
意識が、絶たれていく。

―ああ…僕は…負ける…のか?


362 :あるゲーマーの思考変化 ◆C3JvwEis6I :2005/10/06(木) 01:14:57 ID:???


……
………黒の濃度が薄くなっていく。闇から闇へ、意識が覚醒する。
辺りはまだ森の中。どうやら自分はまだ「ゲームの中」にいるらしい。
二つの声が聞こえた。片方はさっきの男、相手は見知らぬ声だ。
自分が意識をなくしていたのはごく短い間だったらしい。
ともかくまだゲームオーバー、ではない。
自分の袋はどこかに吹っ飛んでいってしまったのか手近にはない。
『逃げる』…正直最低の選択肢だがもうこれを選ばざるを得ないだろう。
すぐそばにあった妙な折れ方をした自然そのままの木の棒の一部を立ち上がりざまに掴み、
一気にダッシュして逃げ去った。


暗い森の中。
振り返って見た背後に全く気配がないことを確認し、フェイトはため息をついてその場に座り込む。
自分は強くないのではないか。自分より上の実力者がかなりいるんじゃないか。
もうプライドも自信も完全に打ち砕かれてしまった。
与えられた武器も失った。あげくに袋さえも失った。
自分がこんな情けない様を晒している間にスコアを上げている奴もいる。
その劣等感がまた別角度からフェイトを苛立たせていた。
手元に残っているのは木切れ一つ。

……そう言えば、さっきの長髪の男はもしかしてこれを使って技を放ったのだろうか。
加えてあんなハチマキさえ使いこなす戦い方。
省みるに自分は剣がないことを言い訳に何の工夫もない戦いを繰り返しただけ。

…自分に足りない部分はこういう面ではないだろうか。
最後に勝てる好勝負は楽しいけど、このゲーム内では負けたら一発終了。それは楽しくない。
そうだ。所詮ゲーム、何をやったって勝てばいいじゃないか。
アイテム、施設、地形、言葉、演技、トリック、作戦。
使えるものは何でも使う。出来ることは何でもやってみる。いかなる手段でも。

――……時間の無駄じゃなかったな。少なくとも僕にとっては。

新しいやり方になにか目の前が開けた気がする。
力だけでなく知恵もまた全力で競い合う、唯一の正義は勝ち残っての生存だけ…
これはそういう趣旨のサバイバル・シミュレーター。
わかっていたはずなのにどうも自分はバトルにこだわり過ぎていたみたいだ。
力ずくでの考え方がそもそも間違いだ。ここで必要なのは総合力。
代価は高くついたがいい勉強になった、と感じられる。
フェイトは再び立ち上がり、何かを求めるように再び歩き出した。

363 :あるゲーマーの思考変化 ◆C3JvwEis6I :2005/10/06(木) 01:17:58 ID:???


フェイトが走り去った森の中、残された者達が対峙する。

「これはタイミングが悪かったか。追わなくてもいいのか?」
木の陰から姿を現した男、ロイドは人影が消えていった方向を目で指しながら問い掛ける。
問われた方、ディアスはそちらに一瞬だけ目を向けたが、すぐに再びロイドを睨み直す。
そのままゆっくりと腕を上げ、戦いの構えをとった。
ハートを相手に向けてハチマキを両手でピンと張る姿はどこか可笑しいが、
その後ろにある気迫は紛れも無く本物である。
「……目的は何だ。それとも…やるのか?」

【フェイト・ラインゴッド@SO3
 状態:袋・基本アイテムなし
 現在地:F02
 所持品:折れた棒の一部
 第一行動方針:武器・アイテムを手に入れる
 第二行動方針:スタン・長身長髪の男(ディアス)に報復
 第三行動方針:強い相手に勝つ
 基本行動方針:とにかくゲームに勝つ】

【ディアス・フラック@SO2 】
 現在地:F02(北東部の森)
 所持品:アイドル命のハチマキ
 第一行動方針:現れた男(ロイド)に対応する
 第二行動方針:武器をどうにかする。
 基本行動方針:神を倒す。(気に入らない)】

【ロイド@ レジェンドオブドラグーン
 現在地:F02(北東部の森)
 所持品:ドラグーンスピリット(神竜王)
 第一行動方針:英雄(ドラグーンスピリットに選ばれる者)を探す
 第二行動方針:目の前の男(ディアス)に対応する
 基本行動方針:かみを倒す】

【現在時刻:PM11時少し前】
※ディアス・ロイドの周辺にフェイトのものだった袋が放置されています。


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